【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

820話 拷問なんかに屈しない

「ふふ。いい格好だね。タカシちゃん」

「さしものハイブリッジ男爵とはいえ、『魔封じの枷』の前では為す術もありませんか」

「く、くそぉ……」

 俺は歯ぎしりをする。
 イリーナとレティシアによって無力化された俺は、簡易ベッドに仰向けの状態で拘束されていた。
 手首足首に加えて首にも金属製の首輪が装着されており、そこから伸びる鎖は壁に繋がっている。

「だ、男爵である俺にこんなことをしてタダで済むと思っているのか!?」

「もちろん、思っているよぉ」

「ですね」

 イリーナとレティシアは、そう言って笑う。

「ぐっ……、き、貴様らぁっ!!」

 俺は怒りに任せて叫ぶが、その声はどこか弱々しい。

「タカシちゃん。あんまり暴れない方がいいんじゃない? その状態で激しく動いたら、すぐにバテちゃうよ?」

「そ、それはそうだが……。しかし、このまま黙って捕まるわけにはいかない! これは冤罪だぞ!」

 俺はそう主張する。
 実際には冤罪でも何でもないわけだが、細かいことはいいだろう。

「まあまあ、そう焦らないでよ。本当に冤罪なら、すぐに解放してあげるから」

「ほ、本当か?」

「うん。アタシは嘘をつかないよ」

 なるほど。
 取り調べを本格化させるために捕らえただけで、まだ猥褻物陳列罪が確定したわけではない感じか。
 証拠が見つからなければ、解放されるだろう。

 俺は空間魔法のアイテムボックスを使用できる。
 そこに大抵の物は収納している。
 あの日、ミティや蓮華たちが着たヒーローコスチュームはそこに入っている。
 俺が意図的にアイテムボックスから取り出さない限り、それらが異空間から出ることはない。
 物証方面は大丈夫だ。

 懸念があるとすれば、自供か。
 激しい尋問により、つい口を滑らせてしまう可能性だ。
 自分の精神力を信じたいところだが、俺はそれほど心が強くない。
 ステータス操作のチートでは精神面は強化できないからな……。
 戦闘能力と精神力のアンバランスさという意味では、俺ほど歪な存在もなかなかいないだろう。

「ふ、ふん。やってみろ! 俺は絶対に、拷問なんかに屈しないからな!」

「拷問? いやいや、そんな野蛮なことするわけないでしょ」

「え? そうなのか?」

「陛下のご意向で、少なくともサザリアナ王国では推奨されていないし……。それに、タカシちゃんを拷問なんかしてもし本当に冤罪だったら、取り返しがつかないじゃん」

「ああ、そうだろうとも。俺は冤罪だ。開放するなら今のうちだぞ?」

 良かった。
 どうやら拷問はされないらしい。

「だから、冤罪かどうかを今から判断していくんだよ」

「ははは。拷問じゃないなら、こうして口で問い詰める程度が限界だろう? そんなことで、俺が自供するはずない」

「それはどうかな? 拷問はしないと言ったけど、タカシちゃんにとってはある意味拷問に近い苦しみを味わってもらうことになるかもしれない」

「なんだと?」

 俺は問い返す。
 それに対する返答はなかった。
 代わりに――。

 ふぁさっ。
 突然、イリーナが服を脱いだ。

「ちょっ!? 何やってんだ!? お前!?」

「ふふ。どう? ちゃんと鍛えられているでしょ?」

「た、確かに鍛えられてはいるが……」

 俺はイリーナの体を観察する。
 太もも、腹筋、二の腕。
 それに首周りやふくらはぎもしっかりと鍛えられている。

 ミリオンズにも、筋肉質な女性はいる。
 剛腕ドワーフのミティの腕の筋肉はかなりのものだ。
 兎獣人モニカの脚の筋肉も凄まじい。
 武闘家アイリスは、全体的に無駄なく引き締まっている。

 だが、総合的な筋肉量としてはイリーナの方が上だ。

「ふふっ。どうしたの? アタシに見惚れちゃった?」

「い、いや……。そういうわけじゃ――」

「照れなくていいよ。タカシちゃんも男の子だしね。ほら、ここも膨らんでる」

「うぐぅ……」

 図星を突かれてしまった。

「ほら、レティシアちゃんも脱いで」

「は、はい!」

 イリーナに促されたレティシアも、その場で服を脱ぎ捨てた。
 イリーナほどではないが、なかなかに引き締まった肉体である。
 やはり、中隊長クラスともなるとそれなりに鍛えているようだ。

「お、おいおい。ずいぶんとサービスがいいじゃないか。被疑者の俺に奉仕でもしてくれるのか?」

 俺は軽口を叩く。
 すると――

「残念。これは尋問なんだなぁ。寸止め地獄っていうのかな」

「す、寸止めだと……?」

「そうそう。タカシちゃんは、これからアタシたちに、ひたすら寸止めされ続ける。自白するまでずっとね」

「ば、バカな……」

「好色なタカシちゃんにとっては、一種の拷問になっちゃうかもね。自供するまで、永遠に続く快楽責め。想像してみてよ。アタシたちが、タカシちゃんのここを刺激するんだけど、タカシちゃんが満足する直前で刺激をやめる。落ち着いたらまた再開。そんな状態が延々と繰り返される。さあ、どうなると思う?」

「そ、それは……」

 考えただけでも恐ろしい。
 俺は狂ってしまうかもしれない。
 これはマズいぞ……。

「ま、待て! そんな非人道的行為が認められると思っているのか!?」

「えー? でも、本物の拷問に比べたら可愛いものでしょ?」

「そ、それはそうだが……。しかし、いくら何でも――」

 俺は必死に説得しようとするが、イリーナは聞く耳を持ってくれない。
 いったい俺はどうなってしまうのだろうか……。

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