【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
809話 そろそろラーグの街に 前編
雪月花やヤナギたちとの一件から数日が経過した。
俺はミリオンズの面々をリビングに集める。
「みんな。そろそろラーグの街に戻ろうと思うのだが、どうだろうか?」
「タカシ様がそう仰るのなら、私はもちろん構いません。力仕事でそれなりの名声は稼げましたし……。あと、王都の観光はミカにとっても有意義なものになりました」
ミティがそう言う。
王都に滞在中、ミリオンズの面々は各自で好きなことをして過ごしていた。
ミティはミカの育児の他、冒険者ギルド経由で力仕事を請け負っていたそうだ。
彼女の”百人力”の名は、王都でも広まりつつある。
「ボクもいいよ。道場でいい稽古を積めたよ。アイリーンがすくすく育ってくれているのも嬉しいな」
アイリスが言う。
武闘家である彼女は、王都にある道場に通いつめていた。
”武の聖地”と言われるゾルフ砦ほどではないが、王都にもそれなりに高いレベルの道場があるとか。
確か、王都に来て間もない頃に彼女は道場破りのようなことをしたのだったか。
その後も通いつめ、しっかりと技術を吸収したらしい。
「私もいいよ。王都で流行っている料理は一通り味見できたし。モコナがちょっと泣き虫なのは気になるけど……」
モニカが答える。
彼女もまた、王都の様々な場所を巡っていた。
主に飲食店巡りをしていたようだが、ラーグの街と客層の違いなどを観察できていたようだ。
「まぁ、健康な赤ん坊だし、心配はないだろう」
ミカ、アイリーン、モコナ。
俺の子どもは、現状でこの3人だ。
全員が女の子である。
すくすくと健康で元気に育ってくれれば十分だ。
しかしそれはそれとして、世界滅亡の危機に立ち向かっていく上で将来的に頼もしい戦力になる可能性も秘めている。
ミカは腕力と火魔法、アイリーンは格闘術、モコナは雷魔法の素養を見せているのだ。
現状ですでに加護(微)の対象にもなっているし、早ければ数年後にはそこらのDランク冒険者並みの戦力になるかもしれない。
「……ところで、例の件はどうなった?」
「例の件? ……ああ、ゼラさんのこと?」
「ああ、その件だ」
王都で有名な新人料理人ゼラ。
料理コンテストでモニカと優勝を争った人物だ。
「うん。前向きに考えてくれているよ。ラーグの街の料理も研究してみたいって」
「そうか! それは良かった」
俺は、ゼラをラーグの街に招待したのである。
ラーグの街は、ハイブリッジ男爵領の領都だ。
総合的な発展度では王都に及ぶべくもないが、部分的には勝っている箇所もある。
まず第一に、住民たちの能力の高さが挙げられる。
俺の加護(微)の恩恵により、多くの町民たちの能力は一回り向上している。
加護(小)の恩恵により、多くのハイブリッジ家配下の者たちの能力は大きく向上している。
さらには通常の加護の恩恵により、当主の俺を始めとしてミリオンズの面々は圧倒的な戦闘能力や魔法技術を獲得している。
人材の豊富さでは、ハイブリッジ男爵家に勝るような一族はなかなか見つからないだろう。
ただし、能力があっても、実際にそれが活かされて領地が発展していくには時間が必要だ。
その中でも俺たちが優先的に取り組んでいることがいくつかある。
最たるものは、農業改革である。
領民の能力の向上により人口が増加していくことを見込んだ俺は、まず第一に農業へ手を付けたのだ。
それが成功を収め、ハイブリッジ領の食料事情は大幅に改善した。
しかし、それを活かして食文化が発展していくのにはまだ時間が足りていない。
放置していても自然と発展していくのだろうが、できることなら何かしらの手を打って発展を促進させたい。
そこで目を付けたのが、王都で人気のゼラというわけだ。
「彼女の麺料理は素晴らしいからな。きっと、ラーグの街にいい刺激を与えてくれるだろう」
「そうだね。もちろんそれだけじゃなくて、こっちからも色々と教えてあげないとだけど……」
「そのあたりはよろしく頼む」
モニカの料理術のスキルレベルは5だ。
文句無しの一流料理人である。
それも、ただ単にスキルレベルを上げただけのなんちゃって料理人ではない。
元々料理人としてラビット亭を切り盛りしてきていただけあって、本物の技術を身につけている。
そんな彼女が指導すれば、ゼラの料理技術も飛躍的に伸びること間違いなしだ。
「た、楽しみですね……。モニカお姉ちゃんやゼラさんの料理は、本当においしいですから……」
「そうだねっ! マリアもそう思うっ!!」
ニムとマリアが元気よくそう言う。
彼女たちは、ミリオンズの年少コンビだ。
2人でよく行動を共にしている。
王都に来てからは、軽めの狩りの依頼を受けていたそうだ。
「2人は結構腕を上げているよな。やはり、おいしい食事と適度な運動が成長を促しているのか。……あ、そういえば……」
「どうしたの? タカシお兄ちゃん」
マリアが可愛らしく首を傾げる。
「あのハーピィの少女……。名前は確か、レネと言ったかな。彼女はどうしているんだろう?」
「レネちゃんも、何度かマリアたちといっしょに狩りをしたよ。王都の観光は終わったから、ラーグの街を通って国に戻るって言ってたっ!」
「ああ、そうか。それなら、せっかくだし同行させてあげようか」
「タカシお兄ちゃんならそう言うと思って、もう誘ってるよ。後は日にちを伝えるだけっ!」
「おお……。準備がいいな。ありがとう、マリア」
「えへへ。どういたしましてだよっ! タカシお兄ちゃん」
ミリオンズの中では、マリアが最も幼い。
しかし彼女はハガ王国のお姫様だ。
そのせいもあるのか、あるいは本人の努力なのか、同年代の子よりもしっかりしているように感じる。
少なくとも、俺が彼女くらいの年齢の頃はまだまだガキだったはずだ。
というか、俺は今でも子どもっぽさが抜けきっていないしな。
「よしよし。マリアはいい子だなぁ……」
「ふにゅ……」
頭を撫でると、気持ち良さそうな声を出す。
マリアは目を細めて、されるがままになっていた。
とても可愛い。
ここまで、ミティ、アイリス、モニカ、ニム、マリアの意向は確認できたな。
残りミリオンズの面々の意思を確認していくことにしよう。
俺はミリオンズの面々をリビングに集める。
「みんな。そろそろラーグの街に戻ろうと思うのだが、どうだろうか?」
「タカシ様がそう仰るのなら、私はもちろん構いません。力仕事でそれなりの名声は稼げましたし……。あと、王都の観光はミカにとっても有意義なものになりました」
ミティがそう言う。
王都に滞在中、ミリオンズの面々は各自で好きなことをして過ごしていた。
ミティはミカの育児の他、冒険者ギルド経由で力仕事を請け負っていたそうだ。
彼女の”百人力”の名は、王都でも広まりつつある。
「ボクもいいよ。道場でいい稽古を積めたよ。アイリーンがすくすく育ってくれているのも嬉しいな」
アイリスが言う。
武闘家である彼女は、王都にある道場に通いつめていた。
”武の聖地”と言われるゾルフ砦ほどではないが、王都にもそれなりに高いレベルの道場があるとか。
確か、王都に来て間もない頃に彼女は道場破りのようなことをしたのだったか。
その後も通いつめ、しっかりと技術を吸収したらしい。
「私もいいよ。王都で流行っている料理は一通り味見できたし。モコナがちょっと泣き虫なのは気になるけど……」
モニカが答える。
彼女もまた、王都の様々な場所を巡っていた。
主に飲食店巡りをしていたようだが、ラーグの街と客層の違いなどを観察できていたようだ。
「まぁ、健康な赤ん坊だし、心配はないだろう」
ミカ、アイリーン、モコナ。
俺の子どもは、現状でこの3人だ。
全員が女の子である。
すくすくと健康で元気に育ってくれれば十分だ。
しかしそれはそれとして、世界滅亡の危機に立ち向かっていく上で将来的に頼もしい戦力になる可能性も秘めている。
ミカは腕力と火魔法、アイリーンは格闘術、モコナは雷魔法の素養を見せているのだ。
現状ですでに加護(微)の対象にもなっているし、早ければ数年後にはそこらのDランク冒険者並みの戦力になるかもしれない。
「……ところで、例の件はどうなった?」
「例の件? ……ああ、ゼラさんのこと?」
「ああ、その件だ」
王都で有名な新人料理人ゼラ。
料理コンテストでモニカと優勝を争った人物だ。
「うん。前向きに考えてくれているよ。ラーグの街の料理も研究してみたいって」
「そうか! それは良かった」
俺は、ゼラをラーグの街に招待したのである。
ラーグの街は、ハイブリッジ男爵領の領都だ。
総合的な発展度では王都に及ぶべくもないが、部分的には勝っている箇所もある。
まず第一に、住民たちの能力の高さが挙げられる。
俺の加護(微)の恩恵により、多くの町民たちの能力は一回り向上している。
加護(小)の恩恵により、多くのハイブリッジ家配下の者たちの能力は大きく向上している。
さらには通常の加護の恩恵により、当主の俺を始めとしてミリオンズの面々は圧倒的な戦闘能力や魔法技術を獲得している。
人材の豊富さでは、ハイブリッジ男爵家に勝るような一族はなかなか見つからないだろう。
ただし、能力があっても、実際にそれが活かされて領地が発展していくには時間が必要だ。
その中でも俺たちが優先的に取り組んでいることがいくつかある。
最たるものは、農業改革である。
領民の能力の向上により人口が増加していくことを見込んだ俺は、まず第一に農業へ手を付けたのだ。
それが成功を収め、ハイブリッジ領の食料事情は大幅に改善した。
しかし、それを活かして食文化が発展していくのにはまだ時間が足りていない。
放置していても自然と発展していくのだろうが、できることなら何かしらの手を打って発展を促進させたい。
そこで目を付けたのが、王都で人気のゼラというわけだ。
「彼女の麺料理は素晴らしいからな。きっと、ラーグの街にいい刺激を与えてくれるだろう」
「そうだね。もちろんそれだけじゃなくて、こっちからも色々と教えてあげないとだけど……」
「そのあたりはよろしく頼む」
モニカの料理術のスキルレベルは5だ。
文句無しの一流料理人である。
それも、ただ単にスキルレベルを上げただけのなんちゃって料理人ではない。
元々料理人としてラビット亭を切り盛りしてきていただけあって、本物の技術を身につけている。
そんな彼女が指導すれば、ゼラの料理技術も飛躍的に伸びること間違いなしだ。
「た、楽しみですね……。モニカお姉ちゃんやゼラさんの料理は、本当においしいですから……」
「そうだねっ! マリアもそう思うっ!!」
ニムとマリアが元気よくそう言う。
彼女たちは、ミリオンズの年少コンビだ。
2人でよく行動を共にしている。
王都に来てからは、軽めの狩りの依頼を受けていたそうだ。
「2人は結構腕を上げているよな。やはり、おいしい食事と適度な運動が成長を促しているのか。……あ、そういえば……」
「どうしたの? タカシお兄ちゃん」
マリアが可愛らしく首を傾げる。
「あのハーピィの少女……。名前は確か、レネと言ったかな。彼女はどうしているんだろう?」
「レネちゃんも、何度かマリアたちといっしょに狩りをしたよ。王都の観光は終わったから、ラーグの街を通って国に戻るって言ってたっ!」
「ああ、そうか。それなら、せっかくだし同行させてあげようか」
「タカシお兄ちゃんならそう言うと思って、もう誘ってるよ。後は日にちを伝えるだけっ!」
「おお……。準備がいいな。ありがとう、マリア」
「えへへ。どういたしましてだよっ! タカシお兄ちゃん」
ミリオンズの中では、マリアが最も幼い。
しかし彼女はハガ王国のお姫様だ。
そのせいもあるのか、あるいは本人の努力なのか、同年代の子よりもしっかりしているように感じる。
少なくとも、俺が彼女くらいの年齢の頃はまだまだガキだったはずだ。
というか、俺は今でも子どもっぽさが抜けきっていないしな。
「よしよし。マリアはいい子だなぁ……」
「ふにゅ……」
頭を撫でると、気持ち良さそうな声を出す。
マリアは目を細めて、されるがままになっていた。
とても可愛い。
ここまで、ミティ、アイリス、モニカ、ニム、マリアの意向は確認できたな。
残りミリオンズの面々の意思を確認していくことにしよう。
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