【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
792話 歌姫ノノン
「俺たちは、ノノンちゃんの歌のファンなんだよ」
「たまに路地裏で歌っていたあの歌声に魅了されたのさ」
「こっそり聞くだけで満足していたんだが、ノノンちゃんが金に困っていると聞いてな。つい魔が差しちまった」
男たちがそんなことを言い出す。
嘘をついているようには見えない。
つまり、こいつらは生粋のロリコンだというわけだな。
純粋に歌唱力に惹かれた可能性も考慮したが、すぐに思い直す。
ノノンの歌唱術は、加護(小)の補正なしの時点ではレベル1だ。
歌唱力のみで人を引き込めるほどではない。
やはり、彼女が可愛い少女だったという要素が強いのだろう。
少女が歌っているのを見て、勝手に惚れて、彼女を奴隷に堕とそうとしたわけだ。
(……マジか)
頭が痛くなってきた。
俺はこめかみを押さえながら口を開く。
「……ということらしいですが。どう致しますか? 姫様」
「…………」
俺の後ろに隠れていたノノンが、一歩前に出た。
「じ、事情は聞いています。闇の瘴気?……がどうとか……。正直まだ怖いですけど、でも、その気持ちは嬉しいです」
ノノンが男たちを見つめる。
あれほどのことをされておいて、気丈にも微笑みを浮かべるノノン。
「でも、その、ごめんなさい。わたしはあなたたちの想いに応えることはできません。だってわたしには、好きな人が居ますから!」
「「「「「ぐふぅっ!」」」」」
ノノンの告白を受けた男たちが血反吐を吐き出した。
「そ、そうか……、それは残念だ」
「だが、俺らのことを許してくれたことは本当だよな」
「あぁ、それなら仕方がない」
「「うおおぉおぉ!! ノノンちゃん、最高!!」」
再び男たちが歓声を上げる。
(……なんだこれ)
俺は呆然とするしかない。
少女好きのロリコンどもだが、未練がましくノノンにちょっかいをかけるつもりはないようだ。
結構あっさりしているな。
恋愛対象というよりは、可愛いアイドルを推すような感覚なのかもしれない。
この世界にアイドルなんて概念はまだ存在しないだろうが。
「だが、そうなってくると生きる気力が……」
「ああ、ノノンちゃんと離れ離れになるなんて考えられねぇ……」
男たちが絶望的な表情で呟いた。
まぁ、そう思うわな。
「ノノンたち一家もハイブリッジ男爵領に来る予定だ。お前らは犯罪奴隷として鉱山にぶち込む予定だが、お前らの勤務態度とノノン姫様の心情次第では会う機会もあるだろう」
「「「え!?」」」
男たちの顔色が変わった。
「どうですか? 姫様」
「ええっと、はい。まぁ、少しぐらいなら……」
犯罪被害者に対し、加害者側への慰労を依頼する。
あまり褒められたことではないが、ノノンの精神力は存外に強い。
大丈夫そうだ。
「「「うおおおぉっ!」」」
「ノノンちゃん! いや、ノノン姫!」
「一生推していきやす!!」
ノリがいいな。
彼らも俺を真似て、”姫”呼びを始めたか。
ちょっとしたアイドルみたいな感じだな。
(……ん? アイドルか……。娯楽のないハイブリッジ男爵領で、ノノンがアイドルとして活動すれば……)
それなりに稼げるのではないか?
ノノンは可愛いし、声質もいい。
歌唱術のレベルは加護(小)の補正込みでも2に留まるが、年齢を考えればまだまだ伸びしろはある。
何より、本人が歌うのが好きなのだ。
「姫様。ここで一曲歌ってみてはいかがでしょう?」
「え?」
「彼らは姫様の歌が大好きな様子……。そして俺も、一度姫様の歌を生で聞きたいと思っていたのです」
「歌を……。はい、分かりました」
ノノンが真剣な顔で大きく深呼吸をした。
そして、アカペラで歌い始める。
『わたしは囚われのお姫様』
わたしは囚われのお姫様
あなたがこの鍵を壊して
これ以上もう待てないの
どうかわたしを救い出してよ
夢から醒めたらきっと王子様が
……なんてあるわけないって知ってるけど
信じていたいじゃない?
(I'm in love with you)
わたしは囚われのお姫様
あなたがこの扉開けてよ
魔法にかかったふりをして
おとぎ話を信じてみたいの
夢の中ならきっと叶うでしょ?
……ねえ、お願い! Ah~~
おとぎ話のように上手くいかないや
お城も馬車もドレスもないけれど
わたしにはあなたがいるから
ずっと夢見てた景色の中へ飛び込むわ
(I can make it , I will be fine……)
愛だけがあればいい
ふたりだけの世界が広がる
今はまだ小さいけれど
いつかは大きく羽ばたけるように
願いを込めて歌い続ける
それがわたしなの
「――――♪」
澄んだ歌声が地下牢に響き渡った。
少女の可愛らしさと歌声の美しさが合わさって、とても素晴らしい。
歌唱レベルは必ずしもプロ級ではないが、思わず聞き惚れてしまう。
「「…………ッ!!」」
男たちが涙を流している。
感動しているのだ。
ノノンの歌を聞いているだけで、心が浄化されていくようだった。
「……」
俺は無言でノノンの歌を聞き続ける。
彼女の歌は、聞く者すべての心を魅了していく。
これが天才というものなのか。
スキルレベルには必ずしも表れない才能。
歌唱術レベル2のノノンが、この場の全員を虜にした。
「ありがとうございました」
ノノンが歌い終わり頭を下げる。
「ノノン姫のおかげで生きる気力が湧いてきました!」
「こうなったら、贖罪のために何でもやってやるぜ!」
「おうとも! 奴隷から解放されるぐらい活躍して、その後の人生はノノン姫を推すことに使うぜ!」
「「「うおおおぉっ!!!」」」
男たちが再び歓声を上げた。
(こいつらも単純だな……。でもまぁ、今後ハイブリッジ男爵領でマジメに働いてくれそうだし、良しとするか)
こうして俺は、歌姫ノノンの力を借りて、何十人もの従順な鉱山奴隷を手に入れたのだった。
「たまに路地裏で歌っていたあの歌声に魅了されたのさ」
「こっそり聞くだけで満足していたんだが、ノノンちゃんが金に困っていると聞いてな。つい魔が差しちまった」
男たちがそんなことを言い出す。
嘘をついているようには見えない。
つまり、こいつらは生粋のロリコンだというわけだな。
純粋に歌唱力に惹かれた可能性も考慮したが、すぐに思い直す。
ノノンの歌唱術は、加護(小)の補正なしの時点ではレベル1だ。
歌唱力のみで人を引き込めるほどではない。
やはり、彼女が可愛い少女だったという要素が強いのだろう。
少女が歌っているのを見て、勝手に惚れて、彼女を奴隷に堕とそうとしたわけだ。
(……マジか)
頭が痛くなってきた。
俺はこめかみを押さえながら口を開く。
「……ということらしいですが。どう致しますか? 姫様」
「…………」
俺の後ろに隠れていたノノンが、一歩前に出た。
「じ、事情は聞いています。闇の瘴気?……がどうとか……。正直まだ怖いですけど、でも、その気持ちは嬉しいです」
ノノンが男たちを見つめる。
あれほどのことをされておいて、気丈にも微笑みを浮かべるノノン。
「でも、その、ごめんなさい。わたしはあなたたちの想いに応えることはできません。だってわたしには、好きな人が居ますから!」
「「「「「ぐふぅっ!」」」」」
ノノンの告白を受けた男たちが血反吐を吐き出した。
「そ、そうか……、それは残念だ」
「だが、俺らのことを許してくれたことは本当だよな」
「あぁ、それなら仕方がない」
「「うおおぉおぉ!! ノノンちゃん、最高!!」」
再び男たちが歓声を上げる。
(……なんだこれ)
俺は呆然とするしかない。
少女好きのロリコンどもだが、未練がましくノノンにちょっかいをかけるつもりはないようだ。
結構あっさりしているな。
恋愛対象というよりは、可愛いアイドルを推すような感覚なのかもしれない。
この世界にアイドルなんて概念はまだ存在しないだろうが。
「だが、そうなってくると生きる気力が……」
「ああ、ノノンちゃんと離れ離れになるなんて考えられねぇ……」
男たちが絶望的な表情で呟いた。
まぁ、そう思うわな。
「ノノンたち一家もハイブリッジ男爵領に来る予定だ。お前らは犯罪奴隷として鉱山にぶち込む予定だが、お前らの勤務態度とノノン姫様の心情次第では会う機会もあるだろう」
「「「え!?」」」
男たちの顔色が変わった。
「どうですか? 姫様」
「ええっと、はい。まぁ、少しぐらいなら……」
犯罪被害者に対し、加害者側への慰労を依頼する。
あまり褒められたことではないが、ノノンの精神力は存外に強い。
大丈夫そうだ。
「「「うおおおぉっ!」」」
「ノノンちゃん! いや、ノノン姫!」
「一生推していきやす!!」
ノリがいいな。
彼らも俺を真似て、”姫”呼びを始めたか。
ちょっとしたアイドルみたいな感じだな。
(……ん? アイドルか……。娯楽のないハイブリッジ男爵領で、ノノンがアイドルとして活動すれば……)
それなりに稼げるのではないか?
ノノンは可愛いし、声質もいい。
歌唱術のレベルは加護(小)の補正込みでも2に留まるが、年齢を考えればまだまだ伸びしろはある。
何より、本人が歌うのが好きなのだ。
「姫様。ここで一曲歌ってみてはいかがでしょう?」
「え?」
「彼らは姫様の歌が大好きな様子……。そして俺も、一度姫様の歌を生で聞きたいと思っていたのです」
「歌を……。はい、分かりました」
ノノンが真剣な顔で大きく深呼吸をした。
そして、アカペラで歌い始める。
『わたしは囚われのお姫様』
わたしは囚われのお姫様
あなたがこの鍵を壊して
これ以上もう待てないの
どうかわたしを救い出してよ
夢から醒めたらきっと王子様が
……なんてあるわけないって知ってるけど
信じていたいじゃない?
(I'm in love with you)
わたしは囚われのお姫様
あなたがこの扉開けてよ
魔法にかかったふりをして
おとぎ話を信じてみたいの
夢の中ならきっと叶うでしょ?
……ねえ、お願い! Ah~~
おとぎ話のように上手くいかないや
お城も馬車もドレスもないけれど
わたしにはあなたがいるから
ずっと夢見てた景色の中へ飛び込むわ
(I can make it , I will be fine……)
愛だけがあればいい
ふたりだけの世界が広がる
今はまだ小さいけれど
いつかは大きく羽ばたけるように
願いを込めて歌い続ける
それがわたしなの
「――――♪」
澄んだ歌声が地下牢に響き渡った。
少女の可愛らしさと歌声の美しさが合わさって、とても素晴らしい。
歌唱レベルは必ずしもプロ級ではないが、思わず聞き惚れてしまう。
「「…………ッ!!」」
男たちが涙を流している。
感動しているのだ。
ノノンの歌を聞いているだけで、心が浄化されていくようだった。
「……」
俺は無言でノノンの歌を聞き続ける。
彼女の歌は、聞く者すべての心を魅了していく。
これが天才というものなのか。
スキルレベルには必ずしも表れない才能。
歌唱術レベル2のノノンが、この場の全員を虜にした。
「ありがとうございました」
ノノンが歌い終わり頭を下げる。
「ノノン姫のおかげで生きる気力が湧いてきました!」
「こうなったら、贖罪のために何でもやってやるぜ!」
「おうとも! 奴隷から解放されるぐらい活躍して、その後の人生はノノン姫を推すことに使うぜ!」
「「「うおおおぉっ!!!」」」
男たちが再び歓声を上げた。
(こいつらも単純だな……。でもまぁ、今後ハイブリッジ男爵領でマジメに働いてくれそうだし、良しとするか)
こうして俺は、歌姫ノノンの力を借りて、何十人もの従順な鉱山奴隷を手に入れたのだった。
コメント