【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
791話 ノノンへの加護(小)付与
ノノン一家をハイブリッジ男爵家に勧誘した翌日――
「姫様、本当に付いてこられるのですか?」
「は、はいっ! わたしも騎士様のお役に立ちたいんです!」
「……ふむ、困りましたね」
「お願いします!」
王都にあるハイブリッジ男爵家の拠点。
その一室で、ノノンが俺に頭を下げていた。
「また怖い思いをするかもしれませんよ?」
「だいじょうぶですっ! これを乗り越えないと、騎士様に相応しい淑女になれませんから!」
何の話をしているのかと言えば、闇蛇団の話だ。
彼らはノノンをギャンブルで追い詰め、全裸に剥いた上に奴隷に堕とそうとした非道な輩である。
だが、闇の瘴気の影響も多少はあったことだし、死罪は回避して、犯罪奴隷としてこき使ってはどうかと騎士団経由で王家に進言した。
それが無事に通り、ハイブリッジ男爵領で使うように王家から通達があったのだ。
犯罪奴隷は、労働力として見れば資源である一方で、一定のリスクもある。
万が一奴隷契約が解除されて脱走し、彼らが再犯すれば、それは管理者や所有者の責任にもなるのだ。
しっかりと管理する必要がある。
まぁ、俺には加護付与スキルがあるので、反抗心が著しく高い奴は事前に察知できる。
適切に対処していけば、それほどリスクは高くない。
ハイブリッジ男爵領にとっては、貴重な労働力をゲットしたというわけだ。
さっそく、俺は彼らと再び面会することにした。
そこに遭遇したのが、ノノンである。
「とりあえずは付いてくるだけですよ? 奴らは危険な存在ですから」
黒狼団、白狼団、闇蛇団。
それぞれ無法者の集団だ。
特に、ノノンにとっては闇蛇団は因縁の相手だ。
油断はできない。
「は、はい。覚悟はできてます!」
ノノンが気丈にもそう言う。
犯罪被害者が加害者に会う――事件が解決した今、無理に行うべき事柄ではない。
だが、その被害者本人が前向きなのならば、そう取り計らってもいいだろう。
うまく精神的に乗り越えられれば、メリットも大きいかもしれない。
(ノノンには、いずれはハイブリッジ家の幹部を務めてもらいたい。そして、世界滅亡の危機にも……)
俺はそんなことを考える。
少女に過剰な重責を負わせるつもりはないが、彼女にはそれだけの可能性がある。
なにせ、加護(小)の条件を満たしたのだから。
レベル?、ノノン=シルファ
種族:ヒューマン
身分:平民
役割:ー
職業:ー
ランク:ー
HP:??
MP:??
腕力:低め
脚力:??
体力:??
器用:高め
魔力:??
残りスキルポイント:???
スキル:
賭博術レベル2(1+1)
歌唱術レベル2(1+1)
ノノンのスキルレベルはまだまだ低い。
まぁ、それも仕方ないだろう。
彼女はまだまだ幼いのだから。
彼女が元々持っていたスキルは、賭博術レベル1と歌唱術レベル1のようだ。
それらのレベルが加護(小)の恩恵によりそれぞれ1ずつ上がっている。
(賭博術は、闇蛇団の違法カジノに挑戦したときに得たのだろうな)
スキルレベル1は大したことのないレベルなのだが、それでも幼い子どもが得ているのは評価できる。
将来有望だ。
(歌唱術は……幼少期から歌が好きだったんだろうな。一流のギャンブラーか、あるいは歌姫か。この子の将来が楽しみだ)
ハイブリッジ男爵領――いや、サザリアナ王国には娯楽がさほどない。
せいぜい、各地の美味いものを食べたり、やや高級品だが本を買って読んだりするぐらいだろうか。
ゾルフ砦の武闘大会観戦、リバーサイドの屋形船、ルクアージュの海洋温泉などもあるが。
これらはあくまで例外であり、普通の街には娯楽が欠けている。
それはハイブリッジ男爵領の領都であるラーグの街でも同様だ。
合法カジノの開設やコンサートの開催は、今後検討の余地がある。
ノノンがいずれ活躍する日もあるだろう。
(カジノを開設するなら……。トパーズやロッシュを中心とした闇蛇団の連中をうまく使うのもありだな。そこにノノンを合流させて……。いや、それはさすがに酷か……)
闇蛇団の連中は、闇の瘴気に影響されていたとはいえ、ノノンを賭博で追い詰めて全裸に剥いた罪がある。
いっしょに働かせるのは、ノノンにとってキツイだろう。
まぁ、このあたりはまた後で考えればいい話だ。
「では、行きましょうか」
「は、はいっ!」
ノノンを連れて、俺はハイブリッジ男爵家の拠点を出る。
そして盗賊たちを収容している地下牢へと足を運ぶ。
少しやつれた闇蛇団の面々が、格子の向こうから俺を睨む。
「へっ、またお前さんか」
「悪かったな、俺で。今日は、今後の話をしに来たんだ」
「あぁん?」
頭領のロッシュが眉根を寄せた。
他の団員たちも同じような表情を浮かべる。
どうやら俺を歓迎する雰囲気ではないらしい。
(まぁ、当然だよな)
犯罪奴隷として、ハイブリッジ男爵領で働くことを了承させただけだ。
拒めばより重罪になるし、実質的に強制しているも同然。
彼らから俺に対する忠義度はまだまだ低い。
まぁ、致命的に低いわけではないので、例えば”スキを見せたらぶっ殺す”とまでは思われていないはずだが。
「お前たちはこれから、ハイブリッジ男爵領で働いてもらうことになった。そこで働けば、多少の給金は出すし、住む場所も提供する」
「へいへい。ま、適当にやってやるさ」
「そうしてくれ」
俺は肩をすくめる。
正直、こいつらの態度にイラっとしないでもないが、ここで怒っては話が進まない。
働いているうちに考えが変わることもあるだろう。
最悪、加護の件は諦めて純粋に肉体労働者としても最低限の貢献は期待できるしな。
「――って、その嬢ちゃんは……」
ロッシュがノノンを指差して言った。
ノノンがびくりと震えるが、俺は気にせず答える。
「あぁ、そうだ。彼女はノノン。お前たちが辱めた少女だ。彼女が望むならお前たちをもっと重罪にすることもあり得た。しかし、彼女はそれを望まず、むしろお前たちを許したいと言って――」
俺がそこまで説明したときだった。
「「「「「「うおおぉぉぉおおお!!」」」」」」
男たちが一斉に歓声を上げた。
「ノノンちゃん! 会いたかったぞ!!」
「なんていい子なんだ! おい、あんたら聞いたか!? あの子は俺たちを許してくれるんだとよ!」
「マジかよ、天使じゃねぇか!」
「許してくれるのか……? 本当に……?」
男たちが興奮している。
あれ?
こいつらの闇の瘴気は祓ったから、もう正気に戻っているはずなのだが。
(なんでまだこんな感じなんだよ)
闇蛇団の男たちは、全員が全員、ノノンに向かって手を合わせている。
まるで救いを求めるかのように。
(…………は?)
理解不能な光景だった。
意味が分からない。
なぜ、こいつはノノンに対してそんな目を向けているんだ?
「え、えっと……。あの……」
ノノンが戸惑っている。
「お前ら、少し落ち着け。彼女は困惑しているじゃないか」
「お、おう……。すまん、つい嬉しくなって」
「わりぃな、ノノンちゃん。俺たちはずっと君の虜だったんだ」
「……どういうことだ?」
よく分からん。
少女を言葉巧みに違法ギャンブルに誘い出し、借金を負わせて奴隷にする。
それがこいつらの手口だったはずだが。
詳しい事情を聞くことにしよう。
「姫様、本当に付いてこられるのですか?」
「は、はいっ! わたしも騎士様のお役に立ちたいんです!」
「……ふむ、困りましたね」
「お願いします!」
王都にあるハイブリッジ男爵家の拠点。
その一室で、ノノンが俺に頭を下げていた。
「また怖い思いをするかもしれませんよ?」
「だいじょうぶですっ! これを乗り越えないと、騎士様に相応しい淑女になれませんから!」
何の話をしているのかと言えば、闇蛇団の話だ。
彼らはノノンをギャンブルで追い詰め、全裸に剥いた上に奴隷に堕とそうとした非道な輩である。
だが、闇の瘴気の影響も多少はあったことだし、死罪は回避して、犯罪奴隷としてこき使ってはどうかと騎士団経由で王家に進言した。
それが無事に通り、ハイブリッジ男爵領で使うように王家から通達があったのだ。
犯罪奴隷は、労働力として見れば資源である一方で、一定のリスクもある。
万が一奴隷契約が解除されて脱走し、彼らが再犯すれば、それは管理者や所有者の責任にもなるのだ。
しっかりと管理する必要がある。
まぁ、俺には加護付与スキルがあるので、反抗心が著しく高い奴は事前に察知できる。
適切に対処していけば、それほどリスクは高くない。
ハイブリッジ男爵領にとっては、貴重な労働力をゲットしたというわけだ。
さっそく、俺は彼らと再び面会することにした。
そこに遭遇したのが、ノノンである。
「とりあえずは付いてくるだけですよ? 奴らは危険な存在ですから」
黒狼団、白狼団、闇蛇団。
それぞれ無法者の集団だ。
特に、ノノンにとっては闇蛇団は因縁の相手だ。
油断はできない。
「は、はい。覚悟はできてます!」
ノノンが気丈にもそう言う。
犯罪被害者が加害者に会う――事件が解決した今、無理に行うべき事柄ではない。
だが、その被害者本人が前向きなのならば、そう取り計らってもいいだろう。
うまく精神的に乗り越えられれば、メリットも大きいかもしれない。
(ノノンには、いずれはハイブリッジ家の幹部を務めてもらいたい。そして、世界滅亡の危機にも……)
俺はそんなことを考える。
少女に過剰な重責を負わせるつもりはないが、彼女にはそれだけの可能性がある。
なにせ、加護(小)の条件を満たしたのだから。
レベル?、ノノン=シルファ
種族:ヒューマン
身分:平民
役割:ー
職業:ー
ランク:ー
HP:??
MP:??
腕力:低め
脚力:??
体力:??
器用:高め
魔力:??
残りスキルポイント:???
スキル:
賭博術レベル2(1+1)
歌唱術レベル2(1+1)
ノノンのスキルレベルはまだまだ低い。
まぁ、それも仕方ないだろう。
彼女はまだまだ幼いのだから。
彼女が元々持っていたスキルは、賭博術レベル1と歌唱術レベル1のようだ。
それらのレベルが加護(小)の恩恵によりそれぞれ1ずつ上がっている。
(賭博術は、闇蛇団の違法カジノに挑戦したときに得たのだろうな)
スキルレベル1は大したことのないレベルなのだが、それでも幼い子どもが得ているのは評価できる。
将来有望だ。
(歌唱術は……幼少期から歌が好きだったんだろうな。一流のギャンブラーか、あるいは歌姫か。この子の将来が楽しみだ)
ハイブリッジ男爵領――いや、サザリアナ王国には娯楽がさほどない。
せいぜい、各地の美味いものを食べたり、やや高級品だが本を買って読んだりするぐらいだろうか。
ゾルフ砦の武闘大会観戦、リバーサイドの屋形船、ルクアージュの海洋温泉などもあるが。
これらはあくまで例外であり、普通の街には娯楽が欠けている。
それはハイブリッジ男爵領の領都であるラーグの街でも同様だ。
合法カジノの開設やコンサートの開催は、今後検討の余地がある。
ノノンがいずれ活躍する日もあるだろう。
(カジノを開設するなら……。トパーズやロッシュを中心とした闇蛇団の連中をうまく使うのもありだな。そこにノノンを合流させて……。いや、それはさすがに酷か……)
闇蛇団の連中は、闇の瘴気に影響されていたとはいえ、ノノンを賭博で追い詰めて全裸に剥いた罪がある。
いっしょに働かせるのは、ノノンにとってキツイだろう。
まぁ、このあたりはまた後で考えればいい話だ。
「では、行きましょうか」
「は、はいっ!」
ノノンを連れて、俺はハイブリッジ男爵家の拠点を出る。
そして盗賊たちを収容している地下牢へと足を運ぶ。
少しやつれた闇蛇団の面々が、格子の向こうから俺を睨む。
「へっ、またお前さんか」
「悪かったな、俺で。今日は、今後の話をしに来たんだ」
「あぁん?」
頭領のロッシュが眉根を寄せた。
他の団員たちも同じような表情を浮かべる。
どうやら俺を歓迎する雰囲気ではないらしい。
(まぁ、当然だよな)
犯罪奴隷として、ハイブリッジ男爵領で働くことを了承させただけだ。
拒めばより重罪になるし、実質的に強制しているも同然。
彼らから俺に対する忠義度はまだまだ低い。
まぁ、致命的に低いわけではないので、例えば”スキを見せたらぶっ殺す”とまでは思われていないはずだが。
「お前たちはこれから、ハイブリッジ男爵領で働いてもらうことになった。そこで働けば、多少の給金は出すし、住む場所も提供する」
「へいへい。ま、適当にやってやるさ」
「そうしてくれ」
俺は肩をすくめる。
正直、こいつらの態度にイラっとしないでもないが、ここで怒っては話が進まない。
働いているうちに考えが変わることもあるだろう。
最悪、加護の件は諦めて純粋に肉体労働者としても最低限の貢献は期待できるしな。
「――って、その嬢ちゃんは……」
ロッシュがノノンを指差して言った。
ノノンがびくりと震えるが、俺は気にせず答える。
「あぁ、そうだ。彼女はノノン。お前たちが辱めた少女だ。彼女が望むならお前たちをもっと重罪にすることもあり得た。しかし、彼女はそれを望まず、むしろお前たちを許したいと言って――」
俺がそこまで説明したときだった。
「「「「「「うおおぉぉぉおおお!!」」」」」」
男たちが一斉に歓声を上げた。
「ノノンちゃん! 会いたかったぞ!!」
「なんていい子なんだ! おい、あんたら聞いたか!? あの子は俺たちを許してくれるんだとよ!」
「マジかよ、天使じゃねぇか!」
「許してくれるのか……? 本当に……?」
男たちが興奮している。
あれ?
こいつらの闇の瘴気は祓ったから、もう正気に戻っているはずなのだが。
(なんでまだこんな感じなんだよ)
闇蛇団の男たちは、全員が全員、ノノンに向かって手を合わせている。
まるで救いを求めるかのように。
(…………は?)
理解不能な光景だった。
意味が分からない。
なぜ、こいつはノノンに対してそんな目を向けているんだ?
「え、えっと……。あの……」
ノノンが戸惑っている。
「お前ら、少し落ち着け。彼女は困惑しているじゃないか」
「お、おう……。すまん、つい嬉しくなって」
「わりぃな、ノノンちゃん。俺たちはずっと君の虜だったんだ」
「……どういうことだ?」
よく分からん。
少女を言葉巧みに違法ギャンブルに誘い出し、借金を負わせて奴隷にする。
それがこいつらの手口だったはずだが。
詳しい事情を聞くことにしよう。
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