【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して３０年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ～目指せ！ 俺だけの最強ハーレムパーティ～
７８７話 ノノン一家の現況
俺はノノンの家に向かっている。
ノノンは、闇蛇団によって奴隷に堕とされる寸前までいった薄幸の美少女だ。
なんでも、違法レートで払いきれなくなった賭け金の代わりに、全裸に剥かれてしまったこともあるらしい。
あんな賊どもに囲まれた状態で全裸になるなんて、トラウマ級の経験だったに違いない。
不幸中の幸いは、俺たちの摘発がギリギリ間に合い、凌辱まではされなかったことだろう。
（しっかりとアフターケアをしてやらないとな）
心に深いキズを負った少女を放ったらかしにするわけにはいかない。
これはレティシア中隊長からの依頼でもあるし、俺自身の意向でもある。
「よし、ここだな」
俺はノノンの家の前に到着する。
サリエ、アイリス、マリア、リーゼロッテもいっしょだ。
「……むっ！？」
俺は『気配察知レベル２』や『聴覚強化レベル１』のスキルを持っている。
そのため、視界に入っていない場所の人の動きもある程度は把握できる。
（これはマズい。間に合うか……？）
俺はノノン宅の扉を勝手に開け、中に突入する。
そして、イスの上に立った状態から今まさに倒れてくる少女を抱き支えた。
「危ないところでしたね。おケガはありませんか？ 姫様」
俺は腕の中の少女――ノノンに問いかける。
「は、はわわ……。あ、ありがとうございます……。あ、あの……。はぅぅぅ……」
ノノンは耳まで真っ赤にして、口をパクパクさせている。
突然の出来事で、混乱して言葉が出てこないようだ。
まぁ、仕方がない。
イスの上から倒れ落ちそうになったところなのだからな。
地球の感覚で言えば、打ちどころ次第では死もあり得る。
まぁ、この世界には魔力や闘気をという概念が存在する分、一般人レベルでも多少頑強なので、これぐらいではよほど打ちどころが悪くない限り死なないだろうが……。
「あ、あの……どうしてここに？ 騎士様はご多忙なんじゃ……？」
「確かに、私は多忙です。しかし、姫様に会うためなら、どんな時間も空けますよ」
「は、はうっ……。あ、あうぅ……」
ノノンはますます顔を赤くし、俺の腕の中であわあわしはじめた。
「これはこれは、ハイブリッジ様。お久しぶりでございます」
「先日はありがとうございました、ハイブリッジさま」
ノノンの両親が駆け寄ってきて、挨拶をしてくる。
「いえ、こちらこそ訪問が遅れてしまい、申し訳ありませんでした。本当であれば、もっと早くにお伺いしたかったのですが、なかなか時間が作れず……」
「とんでもないことです！ ハイブリッジ様に気にかけて頂けるだけで光栄なことですよ！」
「ええ、本当に。こうしてまたお会いできただけでもうれしく思います」
「そう言っていただけると助かります」
俺はノノンの両親と軽く会話する。
「あの……ハイブリッジ様。私どもなどに、そのような丁寧な口調で話される必要はありません。恐れ多くて落ち着きません」
「……それもそうだな。わかった」
俺は男爵だ。
平民相手にへりくだっていては、相手も落ち着かないだろう。
俺もそのあたりは普段から意識するようにしているが、ノノンの両親に対してだけはうっかり敬語で話してしまっていた。
その理由は――
「はうう……。あの、そろそろ下ろしてもらってもいいですか……？」
「承知いたしました。姫様」
ノノンだ。
彼女ももちろん平民。
だが、闇蛇団に囚われた彼女は、心の拠り所として架空の騎士にすがっている様子だった。
そこで俺は、救出時に彼女を姫のように扱うことで、彼女が安心できるようにしたのだ。
彼女は一国の王女様、俺は有望な騎士様といったところだな。
少女が憧れる絵物語のようなシチュエーションというわけである。
ノノンに対して敬語で接し、その両親に対しては貴族として上から接する。
少し歪な形になるが、まぁいいだろう。
ノノンの心のケアのため、しばらくはこれで進めていきたい。
「いやしかし、ハイブリッジ様の治療魔法は素晴らしいですな。俺の手足の痛みはなくなりました」
「ええ、おかげさまで過労による私の体調不良も改善しました」
闇蛇団を摘発しノノンを送り届けた際に、とりあえずの応急措置として俺単独での治療魔法を掛けておいた。
父親は右足と左手が欠損している上、その傷口が化膿気味だった。
そして母親は、過労で寝込んでいた。
「うむ。それは何よりだ」
俺単独でも治療魔法は限界があるのだが、とりあえずの応急措置としては機能しているようで良かった。
「その上、あれほど多額の援助までいただいて……」
「本当に感謝の言葉もございません」
「気にするな。王国民が困窮しているのを見過ごすわけにはいかんからな」
俺はそう言っておく。
当面の生活費として渡した金だが、今のところは足りているようだ。
王都の民の面倒は王家が見ろと言いたいところではあるが、まぁ細かいことはいいだろう。
さすがに困窮者全員の面倒を見ることはできないが、一家族ぐらいであればどうとでもなる。
（ノノンの精神は安定している様子……。応急措置の治療魔法、当面の生活費も足りているか……）
ノノンのアフターケアのために訪問したわけだが、現状で大きな問題は発生していないようだ。
これなら、次の段階に話を進めてもいいだろう。
ノノンは、闇蛇団によって奴隷に堕とされる寸前までいった薄幸の美少女だ。
なんでも、違法レートで払いきれなくなった賭け金の代わりに、全裸に剥かれてしまったこともあるらしい。
あんな賊どもに囲まれた状態で全裸になるなんて、トラウマ級の経験だったに違いない。
不幸中の幸いは、俺たちの摘発がギリギリ間に合い、凌辱まではされなかったことだろう。
（しっかりとアフターケアをしてやらないとな）
心に深いキズを負った少女を放ったらかしにするわけにはいかない。
これはレティシア中隊長からの依頼でもあるし、俺自身の意向でもある。
「よし、ここだな」
俺はノノンの家の前に到着する。
サリエ、アイリス、マリア、リーゼロッテもいっしょだ。
「……むっ！？」
俺は『気配察知レベル２』や『聴覚強化レベル１』のスキルを持っている。
そのため、視界に入っていない場所の人の動きもある程度は把握できる。
（これはマズい。間に合うか……？）
俺はノノン宅の扉を勝手に開け、中に突入する。
そして、イスの上に立った状態から今まさに倒れてくる少女を抱き支えた。
「危ないところでしたね。おケガはありませんか？ 姫様」
俺は腕の中の少女――ノノンに問いかける。
「は、はわわ……。あ、ありがとうございます……。あ、あの……。はぅぅぅ……」
ノノンは耳まで真っ赤にして、口をパクパクさせている。
突然の出来事で、混乱して言葉が出てこないようだ。
まぁ、仕方がない。
イスの上から倒れ落ちそうになったところなのだからな。
地球の感覚で言えば、打ちどころ次第では死もあり得る。
まぁ、この世界には魔力や闘気をという概念が存在する分、一般人レベルでも多少頑強なので、これぐらいではよほど打ちどころが悪くない限り死なないだろうが……。
「あ、あの……どうしてここに？ 騎士様はご多忙なんじゃ……？」
「確かに、私は多忙です。しかし、姫様に会うためなら、どんな時間も空けますよ」
「は、はうっ……。あ、あうぅ……」
ノノンはますます顔を赤くし、俺の腕の中であわあわしはじめた。
「これはこれは、ハイブリッジ様。お久しぶりでございます」
「先日はありがとうございました、ハイブリッジさま」
ノノンの両親が駆け寄ってきて、挨拶をしてくる。
「いえ、こちらこそ訪問が遅れてしまい、申し訳ありませんでした。本当であれば、もっと早くにお伺いしたかったのですが、なかなか時間が作れず……」
「とんでもないことです！ ハイブリッジ様に気にかけて頂けるだけで光栄なことですよ！」
「ええ、本当に。こうしてまたお会いできただけでもうれしく思います」
「そう言っていただけると助かります」
俺はノノンの両親と軽く会話する。
「あの……ハイブリッジ様。私どもなどに、そのような丁寧な口調で話される必要はありません。恐れ多くて落ち着きません」
「……それもそうだな。わかった」
俺は男爵だ。
平民相手にへりくだっていては、相手も落ち着かないだろう。
俺もそのあたりは普段から意識するようにしているが、ノノンの両親に対してだけはうっかり敬語で話してしまっていた。
その理由は――
「はうう……。あの、そろそろ下ろしてもらってもいいですか……？」
「承知いたしました。姫様」
ノノンだ。
彼女ももちろん平民。
だが、闇蛇団に囚われた彼女は、心の拠り所として架空の騎士にすがっている様子だった。
そこで俺は、救出時に彼女を姫のように扱うことで、彼女が安心できるようにしたのだ。
彼女は一国の王女様、俺は有望な騎士様といったところだな。
少女が憧れる絵物語のようなシチュエーションというわけである。
ノノンに対して敬語で接し、その両親に対しては貴族として上から接する。
少し歪な形になるが、まぁいいだろう。
ノノンの心のケアのため、しばらくはこれで進めていきたい。
「いやしかし、ハイブリッジ様の治療魔法は素晴らしいですな。俺の手足の痛みはなくなりました」
「ええ、おかげさまで過労による私の体調不良も改善しました」
闇蛇団を摘発しノノンを送り届けた際に、とりあえずの応急措置として俺単独での治療魔法を掛けておいた。
父親は右足と左手が欠損している上、その傷口が化膿気味だった。
そして母親は、過労で寝込んでいた。
「うむ。それは何よりだ」
俺単独でも治療魔法は限界があるのだが、とりあえずの応急措置としては機能しているようで良かった。
「その上、あれほど多額の援助までいただいて……」
「本当に感謝の言葉もございません」
「気にするな。王国民が困窮しているのを見過ごすわけにはいかんからな」
俺はそう言っておく。
当面の生活費として渡した金だが、今のところは足りているようだ。
王都の民の面倒は王家が見ろと言いたいところではあるが、まぁ細かいことはいいだろう。
さすがに困窮者全員の面倒を見ることはできないが、一家族ぐらいであればどうとでもなる。
（ノノンの精神は安定している様子……。応急措置の治療魔法、当面の生活費も足りているか……）
ノノンのアフターケアのために訪問したわけだが、現状で大きな問題は発生していないようだ。
これなら、次の段階に話を進めてもいいだろう。
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