【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

780話 気をつけぇー!!

 違法賭博への参加者である女性4人を尋問している。
 主張内容が本当であれば、実質的な無罪放免を言い渡してもいい。
 だがその前に、本当に反省しているのかどうか、余罪がないかなどを見極める必要がある。

「くくく……。なかなかいい体をしているじゃないか」

 俺は、あえて言葉にして言うことで、羞恥心を煽る作戦に出た。
 4人が顔を赤くし、モジモジし始める。

「あの、ハイブリッジさま。恥ずかしいので、あまり見つめないでください……」

 アビー=コーニッシュ(31歳未婚)が、涙目で懇願してくる。

「ふん。その年でまだ女を捨ててはいないようだな。安心したぞ。さて、それじゃあ始めようか」

 俺はそう言って、下着姿の4人にまとめて手を回す。

「え?」

「ひゃっ!?」

「きゃあっ!?」

「やめてくださ――」

 俺は、密着状態の皮膚から魔力を放出した。
 そして、それを4人に流し込んでいく。

「んぁっ!」

「ふぅん……」

「いやん……」

「んんっ……」

 4人がそれぞれ艶めかしい声を上げる。

「よし……。こんなもんかな」

 俺は、魔力の流れを止める。

「はぁ……はぁ……。こ、これがハイブリッジさまの力……?」

「何をなさったのですか?」

「知れたこと。魔力をお前たちに流しただけだ」

 俺はそう答える。
 これぐらいなら答えてやってもいいが――

「魔力を……流す……」

「それがどんな意味を持つのでしょう?」

「黙れ。尋問するのは……この俺だ!!」

 アビーたちの質問に全て答えていては、話が進まない。
 俺は彼女たちの質問を遮り、仕上げとして多めの魔力を放出した。

「「「「あぁんっ!!!」」」」

 4人がビクンと跳ね上がる。
 魔力が体に通る際には、大きな刺激がある。
 その魔力の質や通し方にもよるのだが、俺は彼女たちを不必要に痛めつけるつもりはない。
 刺激的でいて、同時に優しくもある通し方をしてやった。

「これで準備完了だ。さて、次は――」

「「はあ、はあ……」」

 俺の魔力を通されたことにより、アビーたちは快楽で息を乱している。
 これが閨であれば様子を伺いつつ優しく愛撫するところだが、尋問中なのでそんなことをする必要はない。
 俺は早速、尋問を開始する。

「まずは質問をする。正直に答えろ。嘘偽りなくな」

「わ、わかりました……」

「「はい……」」

 アビーたちはすっかり従順になり、大人しくしている。
 だが、まだまだ俺への敬意が足りないな。

「なんだ? その態度は?」

「へ?」

「背筋を伸ばせ! 手は横に! 気をつけぇー!!」

 俺は大声で怒鳴りながら、威圧を込めた魔力を流す。

「ひっ!?」

「は、はいぃっ!!」

 女たちは怯えながらも、言われた通りにする。
 下着姿で直立だ。
 年頃――というには少し年を重ねているが、それでも十分に魅力的な女性たちが俺の言うことに逆らえない状況。
 正直、興奮を禁じえない。
 だが、イリーナやレティシアの顔に泥を塗らないためにも、ここはマジメに尋問を続けよう。

「それでいい。では、質問を始める。お前たちには違法な賭博場に通っていたという容疑がかけられている。間違いないか?」

「はい……」

「間違いありません……」

 アビーたちが素直に認める。
 まぁ、ここの事実は争点にならないだろう。
 争点は他にある。

「アビー。お前、本当に反省しているのか?」

「は、はい。それはもちろん……」

 アビーがそう答える。
 だが、すでに彼女の中に魔力を通した俺にはわかる。
 彼女は嘘をついている。
 つまり、反省などしていないということだ。

「特定少数における少額賭博――つまり仲間内だけでのお小遣い程度のやり取りであれば、問題はない。だが、お前が賭けていたのは大金だ。しかも不特定多数を相手にな」

「で、でも、それで誰かが不幸になったわけでもありませんし……」

「考えが浅い。過ぎたるギャンブルは身を滅ぼす。百歩譲ってお前が自滅するだけならいい。だが、犯罪組織である胴元が潤えば、他にも犠牲者が出るんだ」

「…………」

 アビーは何も言い返せないでいる。
 心底納得したわけではないだろうが、貴族である俺へのポーズのためにも反論し続けるわけにはいかないのだろう。

 まぁ、俺としても過剰な説教をするつもりはない。
 現代日本においては、賭博は基本的に禁じられている。
 だが、中には実質的に黙認されているギャンブルも存在する。
 また、諸外国においては、賭博の規制が緩いところもあるらしい。
 そういう意味では、殺人や放火とは異なり、賭博行為を一方的に罪と断じるのは気がとがめる。

 しかし、この国は法治国家だ。
 法を犯す者には罰が与えられる。
 たとえ、実質的な被害者が出ていなくとも、違法賭博に手を出した時点でアビーたちは犯罪者となる。

「続いて問おう。アビー、お前は他に罪を犯していないか? 高額賭博に手を出すような奴は、遵法意識が欠如していることが多いからな」

「えっと……。たしかに私は違法賭博に手を出していましたけど……。他の3人も似たようなもので……。それに私だって、お金欲しさにやったわけではなくて、ただ刺激が欲しかっただけで――」

 アビーは俺の問いに直接答えず、弁明を始めた。
 気持ちはわかるが、あまり良くない傾向だ。
 俺だからまだいいが、他の騎士にでも聞かれたら『反省の色なし』と報告されかねないぞ?
 ここはうまく話を導いてやる必要がある。

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