【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

776話 ナオミへの加護(小)付与

「やっちまった……」

 ナオミとの行為を終えた俺は、賢者モードで頭を抱えていた。

「あひぃ……。あへぇ……」

 ナオミはベッドの上で人に見せられない顔になりながらビクンビクンと痙攣している。

「すまん……。やり過ぎた……。ここまでするつもりはなかったんだ……」

 ナオミは裸のままだ。
 俺は彼女の身体に布団をかけてやる。

「はぅ……」

 ナオミが可愛らしい声を出した。
 意識は定かではない。
 彼女が起きるまで、もう少しかかりそうだ。

(ま、まぁ、これはこれで結果オーライだよな。うん)

 俺は自分にそう言い聞かせる。
 配下の者に手を出しすぎるのは、本来であれば良くない。
 組織の秩序というものが乱れる。
 また、貴族である俺の子がたくさん生まれれば、将来的なお家騒動にも発展しうるだろう。

(だが、俺に限って言えばメリットの方が大きい)

 俺には加護付与というチートスキルがある。
 一定以上の忠義度を達成した者に対して加護を付与し、基礎ステータスやスキルを向上させるというチートだ。
 忠義というとやや大げさに聞こえるが、実際のところは親密度や親愛度と言い換えても大きく差し支えることはない。
 年頃の女性相手なら、俺の能力、財力、貴族や冒険者としての社会的地位などをアピールしつつ、体の関係を持つのは、忠義度を稼ぐための有効な手段である。

(ふふふ……。ついにナオミへの加護付与に成功したぞ)

 騎士団への剣術の指導、黒狼団に人質としてさらわれた彼女の救助、ハイブリッジ男爵家への登用、その他日頃からのアピールを通して、ナオミへの加護(小)の付与に成功したのだ。
 昨日のマッサージとついさっきの行為は必要というわけではなかったのだが、細かいことはまぁいいだろう。
 今後、通常の加護の付与を狙っていくにあたり、忠義度は少しでも稼いでおいた方がいいからな。
 さて、彼女が寝ている間に、ステータスに目を通しておこう。


レベル?、ナオミ=ネリア
種族:半竜人
身分:平民
役割:一般警備兵(仮)
職業:剣士
ランク:E

HP:??
MP:??
腕力:??
脚力:??
体力:??
器用:低め
魔力:高め

残りスキルポイント:???
スキル:
剣術レベル3(2+1)
格闘術レベル2(1+1)
闘気術レベル3(2+1)
??


(ふむふむ。なるほどな……)

 彼女のフルネームはナオミ=ネリア。
 なかなか良い名前だ。
 どこかで聞いたことがあるファミリーネームな気もするが、たぶん気のせいだろう。

(種族は……半竜人?)

 てっきり、ごく一般的なヒューマンだと思っていた。
 まぁ、竜人とのハーフだからと言って何か特別な対応が必要なわけではないが。
 能力的な意味でも政治的な意味でも、例えばドワーフや獣人などと比べて、そこまで大きな差異はないはずだ。

 また、ステータス上は『ハーフ』という文言が記載されているが、実際のところの遺伝の割合が半分とも限らない。
 ハイブリッジ家の警備兵ヒナは、遠い先祖にハーピィがいる先祖返りだ。
 血はかなり薄まっていたはずだが、ステータス上は『ハーフハーピィ』と記載されていた。

(いつか”竜人の里”とやらにも行ってみたいな)

 ウェンティア王国の西部にあるらしい。
 俺には世界滅亡の危機に立ち向かうという使命がある。
 世界各地を巡り、見識を広めたり強力な助っ人を集めたりすることに意義はある。

 まぁ、直近での俺には予定が詰まっているので無理だが。
 もう少し王都に滞在して闇蛇団摘発の後処理などを行って、ラーグの街に帰還して最低限の現状確認をして、海に面した古都オルフェスに向かう。
 そこで建造中の小型隠密船に乗り込み、鎖国国家ヤマト連邦への侵入を試みるのだ。

(ナオミはどうしよう? まぁ、ラーグの街の治安維持を任せた方が無難か)

 加護(小)を得たとはいえ、ミリオンズの面々に比べればまだまだ心もとない戦力だ。
 海を渡り、鎖国国家への潜入作戦を実行するには、少し不安が残る。

(そのあたりはラーグの街に帰還してから考えるか)

 俺は転移魔法を使える。
 その発動には、事前に転移魔法陣を作るという手間がかかるし、発動時には人数や距離に応じた大量のMPを消費する。
 気軽には使えないのだが、いざとなれば転移魔法を使って、体調不良者や戦力外の者はラーグの街へ送ることもできる。
 レインも空間魔法レベル2まで伸ばしているので、あとレベルを1つ上げれば転移魔法を使えるようになる。

(ミリオンズの面々を連れていくことは確定として……)

 少し前に通常の加護を得た期待の新戦力、スーパーメイドのレイン。
 高い戦闘能力を持つオリビア。
 キリヤ、クリスティ、ネスターたちを含めた『原初の六人』。
 雪月花、トミー、アランたち御用達冒険者。
 このあたりを連れていくかどうか、一考の余地がある。

「……ん。んぁ……」

 おっと。
 俺が考え込んでいる間に、ナオミが起きそうだ。

「大丈夫か?」

「はい……。なんとか……」

 ナオミは弱々しく微笑む。

「本当にすまなかったな。ナオミちゃんの気持ちも考えず、こんなことをしてしまって」

「いえ、気にしないでください。そもそも、誘ったのはアタシの方ですから。それに、その……とても嬉しかったです」

 ナオミは頬を染めてモジモジする。

「そう言ってくれて助かるよ」

「はい。でも、あの……」

「うん?」

「できれば、またマッサージをしていただきたいのですが……」

 ナオミは上目遣いでおねだりしてきたのだった。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品