【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
765話 ルシエラへの褒美
ナオミを始めとする少女騎士たちとの模擬試合が終わった。
彼女の闘気弾を意図せずモロに食らってしまったが、まぁいいだろう。
「ナオミちゃんは寝てしまったか……。よっぽど疲れたのかな?」
「そうみたいだね。このところ、ずっと鍛錬に明け暮れていたから……」
イリーナがナオミの様子を見ながら言う。
さっきもそんなことを言っていたな。
ナオミはかなり頑張っていると。
その努力の甲斐あって、見事俺に一撃を入れたわけだ。
「では、そろそろ戻るとしよう。あまり遅くなってはいけないからな。それでは当初の目的通り、ハイブリッジ家の登用者はナオミとする。異論のあるものはいるか?」
「悔しいけど……。仕方ないよね……」
「うん。自分の未熟さを思い知ったよ……」
俺が問いかけるが、誰からも反論はない。
少女騎士たちは全員納得している様子だ。
「よし、それじゃあナオミを連れて帰るぞ」
俺はそう言って、気絶したままの少女を背負おうとした――その時である。
「待ってください! 私をお忘れですか!!」
ルシエラが俺を呼び止めたのだ。
彼女は感情をむき出しにして、俺の前に立つ。
「ルシエラか。もちろん覚えているが――どうしたんだ? 何か言いたいことでもあるのか?」
「私は貴方様に一撃を入れたではありませんか! 私のことは無視するのですか!?」
「いや、別にそういうつもりはなかったのだが……」
ルシエラの剣幕に俺は気圧される。
正直なところ、ナオミを褒めることに集中しすぎて、ルシエラのことをすっかり失念していた。
確かに、俺とナオミの闘気弾が拮抗している最中、横から不意打ち気味に一発入れてきたのは彼女であった。
あれで俺の集中力が途切れ、ナオミの闘気弾をモロに食らってしまうことになったのである。
「では、私をハイブリッジ家へ登用してくださいますよね!?」
「あー……。えっと……。どうしようかな……」
俺は困る。
ここで安易にルシエラを登用しないと言ったら、彼女は怒り狂うだろう。
そして、ナオミに対して不公平だと騒ぎ立てるに違いない。
「待て待て。登用するのは、最も活躍した者だけだ。闘気弾の不意打ちは見事だったが……。その出力、あるいは剣術を評価するなら、ナオミの方が上だったと言わざるをえない」
「くっ……!」
悔しそうな表情をするルシエラ。
だが、事実なのだ。
俺としても、ナオミを贔屓するつもりはないが、彼女が頑張っていたのは確かだ。
「しかし、私が貴方様に一撃を与えたという事実に変わりはありません」
「そうだな。一撃を入れた者への褒美は、事前に言っていた通りのものを考えている。ルシエラは、それを望むということか?」
「ふぇ? そ、それは……はうぅ……」
突然、ルシエラの顔が真っ赤になった。
「……? どうした? 熱でも出たのか?」
俺は心配になって、彼女の額に手を当てる。
すると、彼女はますます顔を赤くしてうつむいた。
「はわわわ! あ、あの……。はわわわわわわわ……」
「あ、おい。大丈夫か?」
「だ、大丈夫です! 大丈夫なのです!! はわわわわわわわ……」
「それで、例の褒美は望むということだな?」
「は、はいぃ! そ、そのぉ……。貴方様のご寵愛を賜りたく存じ上げますぅ!!」
ルシエラが顔を真っ赤にしてそう叫ぶ。
ご寵愛とは、大げさだなぁ。
「じゃあさっそく……」
「んぷぅっ!?」
俺はルシエラの顎に手をやり、クイっと持ち上げた。
そして、そのまま唇を奪う。
「ちゅぱ……」
「ひゃうううううう!?」
ルシエラは驚きのあまり目を丸くしていたが、やがてトロンとした目つきになる。
「これでいいか?」
「はぁはぁ……。はぁぁ……。はい……。とても……。素敵でございます……」
「そうか。まぁ、こんな感じだな」
俺はルシエラとのキスを終えて言った。
俺とのキスが褒美になるとは、俺も出世したものだ。
日本で無職だった頃の俺なら、通報されて捕まっていたかもしれない。
「さすがはタカシちゃんだね。手が早いなぁ……」
「騎士団訓練場への出入りを禁止した方がよろしいのでは? イリーナ大隊長」
「そうだねぇ……。それもありだけど……」
イリーナとレティシアがそんなことを言っている。
聞こえているぞ。
「まぁそう言うなよ。王都騎士団を鍛えるのは、ネルエラ陛下の意向でもあるんだ。これからは気をつけるからさ」
「信用できないなぁ」
「でも、ハイブリッジ男爵のご指導により、騎士団の質は確実に向上しています」
「そりゃあ、そうだけどさ。タカシちゃんは女の子に甘いんだよ。そして何より、手が早い」
イリーナがため息をつく。
そう言われると言い返せないが、俺は彼女たちに厳しく接するつもりはないのだ。
「では、とりあえずナオミを連れて行くぞ。今後の話もあるしな」
ハイブリッジ男爵領でどのような仕事をしてもらうか、打ち合わせしておく必要がある。
あとはもちろん、待遇面とかも。
その前に、疲れ果てている彼女に対して治療魔法を掛けてあげるのも大切だな。
「はいはーい」
「承知しました」
こうして、俺は気絶したままのナオミを抱えたまま、高級宿と戻り始めたのだった。
彼女の闘気弾を意図せずモロに食らってしまったが、まぁいいだろう。
「ナオミちゃんは寝てしまったか……。よっぽど疲れたのかな?」
「そうみたいだね。このところ、ずっと鍛錬に明け暮れていたから……」
イリーナがナオミの様子を見ながら言う。
さっきもそんなことを言っていたな。
ナオミはかなり頑張っていると。
その努力の甲斐あって、見事俺に一撃を入れたわけだ。
「では、そろそろ戻るとしよう。あまり遅くなってはいけないからな。それでは当初の目的通り、ハイブリッジ家の登用者はナオミとする。異論のあるものはいるか?」
「悔しいけど……。仕方ないよね……」
「うん。自分の未熟さを思い知ったよ……」
俺が問いかけるが、誰からも反論はない。
少女騎士たちは全員納得している様子だ。
「よし、それじゃあナオミを連れて帰るぞ」
俺はそう言って、気絶したままの少女を背負おうとした――その時である。
「待ってください! 私をお忘れですか!!」
ルシエラが俺を呼び止めたのだ。
彼女は感情をむき出しにして、俺の前に立つ。
「ルシエラか。もちろん覚えているが――どうしたんだ? 何か言いたいことでもあるのか?」
「私は貴方様に一撃を入れたではありませんか! 私のことは無視するのですか!?」
「いや、別にそういうつもりはなかったのだが……」
ルシエラの剣幕に俺は気圧される。
正直なところ、ナオミを褒めることに集中しすぎて、ルシエラのことをすっかり失念していた。
確かに、俺とナオミの闘気弾が拮抗している最中、横から不意打ち気味に一発入れてきたのは彼女であった。
あれで俺の集中力が途切れ、ナオミの闘気弾をモロに食らってしまうことになったのである。
「では、私をハイブリッジ家へ登用してくださいますよね!?」
「あー……。えっと……。どうしようかな……」
俺は困る。
ここで安易にルシエラを登用しないと言ったら、彼女は怒り狂うだろう。
そして、ナオミに対して不公平だと騒ぎ立てるに違いない。
「待て待て。登用するのは、最も活躍した者だけだ。闘気弾の不意打ちは見事だったが……。その出力、あるいは剣術を評価するなら、ナオミの方が上だったと言わざるをえない」
「くっ……!」
悔しそうな表情をするルシエラ。
だが、事実なのだ。
俺としても、ナオミを贔屓するつもりはないが、彼女が頑張っていたのは確かだ。
「しかし、私が貴方様に一撃を与えたという事実に変わりはありません」
「そうだな。一撃を入れた者への褒美は、事前に言っていた通りのものを考えている。ルシエラは、それを望むということか?」
「ふぇ? そ、それは……はうぅ……」
突然、ルシエラの顔が真っ赤になった。
「……? どうした? 熱でも出たのか?」
俺は心配になって、彼女の額に手を当てる。
すると、彼女はますます顔を赤くしてうつむいた。
「はわわわ! あ、あの……。はわわわわわわわ……」
「あ、おい。大丈夫か?」
「だ、大丈夫です! 大丈夫なのです!! はわわわわわわわ……」
「それで、例の褒美は望むということだな?」
「は、はいぃ! そ、そのぉ……。貴方様のご寵愛を賜りたく存じ上げますぅ!!」
ルシエラが顔を真っ赤にしてそう叫ぶ。
ご寵愛とは、大げさだなぁ。
「じゃあさっそく……」
「んぷぅっ!?」
俺はルシエラの顎に手をやり、クイっと持ち上げた。
そして、そのまま唇を奪う。
「ちゅぱ……」
「ひゃうううううう!?」
ルシエラは驚きのあまり目を丸くしていたが、やがてトロンとした目つきになる。
「これでいいか?」
「はぁはぁ……。はぁぁ……。はい……。とても……。素敵でございます……」
「そうか。まぁ、こんな感じだな」
俺はルシエラとのキスを終えて言った。
俺とのキスが褒美になるとは、俺も出世したものだ。
日本で無職だった頃の俺なら、通報されて捕まっていたかもしれない。
「さすがはタカシちゃんだね。手が早いなぁ……」
「騎士団訓練場への出入りを禁止した方がよろしいのでは? イリーナ大隊長」
「そうだねぇ……。それもありだけど……」
イリーナとレティシアがそんなことを言っている。
聞こえているぞ。
「まぁそう言うなよ。王都騎士団を鍛えるのは、ネルエラ陛下の意向でもあるんだ。これからは気をつけるからさ」
「信用できないなぁ」
「でも、ハイブリッジ男爵のご指導により、騎士団の質は確実に向上しています」
「そりゃあ、そうだけどさ。タカシちゃんは女の子に甘いんだよ。そして何より、手が早い」
イリーナがため息をつく。
そう言われると言い返せないが、俺は彼女たちに厳しく接するつもりはないのだ。
「では、とりあえずナオミを連れて行くぞ。今後の話もあるしな」
ハイブリッジ男爵領でどのような仕事をしてもらうか、打ち合わせしておく必要がある。
あとはもちろん、待遇面とかも。
その前に、疲れ果てている彼女に対して治療魔法を掛けてあげるのも大切だな。
「はいはーい」
「承知しました」
こうして、俺は気絶したままのナオミを抱えたまま、高級宿と戻り始めたのだった。
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