【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
631話 合同結婚式 新婦控室 リーゼロッテ
マリアやサリエたちが順調に着替えを進めている頃。
新婦の1人は、着替えに苦戦していた。
「うう……。きついですわ……」
そう言うのは、リーゼロッテ。
ラスターレイン伯爵家の長女だ。
元々ふくよかな体型をしており、胸も大きい。
さらに、ここ最近の食っちゃ寝生活により、贅肉が付きまくっており、太ってしまっている。
普段はゆったりした服装を着ているのであまり目立たないが、今回のように正装を着ようとすればそれが如実に表れてしまう。
「お姉様。もう少しで終わりますので、頑張ってください」
そう言いながら、彼女の妹がドレスを着る手伝いをする。
シャルレーヌ=ラスターレインだ。
「そう言われましても……。やはり、きついものはきついですわ……」
「仕方ありませんね……。では、失礼して……」
シャルレーヌがリーゼロッテの背後に回り、その大きなお尻を持ち上げるようにしながらドレスを穿かせる。
「ひゃぅん!」
「ごめんなさい! 痛かったですか?」
「いえ……。ただ、びっくりしてしまっただけですわ」
「ふふふ。今の声可愛らしかったですよ」
「もうっ……。そんな事言わないでくださいまし!」
「申し訳ありません。でも、しばらく見ないうちにお姉様はずいぶんとお綺麗になられましたね」
「まぁ、嬉しい事を言ってくれますのね。ありがとうございます」
2人の姉妹が和やかな雰囲気の中、着替えは進んでいく。
もちろん、それを手伝うメイドもいる。
「ところでシャル。あなたも早く着替えた方がいいのではなくて? あなたのドレス姿も見たいですわ」
「そうですね。せっかくなので、お姉様にお見せしたいと思います」
そう言って、シャルレーヌは姉のリーゼロッテやメイドに手伝ってもらいながら、自分のドレスに着替えていく。
「どうでしょうか? 似合っていますか?」
淡い水色のドレスを着たシャルレーヌが、くるっと一回転する。
「とても素敵ですよ。まるで妖精のような愛らしさを感じます」
リーゼロッテが絶賛すると、シャルレーヌは照れたような表情を見せた。
「ありがとうございます。これなら、私もタカシさんに気に入ってもらえるかもしれません」
「あらあら。相変わらず、あの方の事が好きなんですのね?」
「はい。あんな素敵な方と結婚されるお姉様のことが羨ましいです」
「ええ。確かに、タカシさんは素晴らしい男性ですわね。わたくしは、彼に選んで貰えて幸せ者ですわ」
リーゼロッテの脳裏には、彼と初めて出会ったときのことが浮かぶ。
といっても、劇的な出会い方をしたわけではない。
彼女は護衛騎士のコーバッツやその他の者を付き従え、冒険者パーティ『蒼穹の担い手』として活動していた。
他のパーティと合同で西の森に遠征を行った際、その中の『赤き大牙』というパーティに臨時加入していたのがタカシなのだ。
彼とは出発前に挨拶を交わした他、遠征中にもいくつかの雑談をした。
距離が縮まるきっかけになったのは、タカシがクレイジーラビットの猛攻を受けてしまったことだろう。
リーゼロッテは、瀕死のタカシに対して高級ポーションを惜しげなく使用した。
その恩を少しでも返すべく、タカシは珍味であるスメリーモンキーの肉をメインに据えた食事会を開いてくれたのだ。
「あれはおいしかったですわね……」
その後はタカシとは別行動となっていた。
ゾルフ砦やラーグの街で時おり再会することはあったものの、すぐに別れてしまっていた。
次に長期間行動を共にするようになったのは、タカシが騎士爵に叙爵されたときのことだ。
その際に、ラスターレイン伯爵家の代表としてラーグの街を訪れた。
アヴァロン迷宮の攻略、ファイアードラゴンとの戦い、そして闇の瘴気に汚染されたリーゼロッテ以外のラスターレイン伯爵家との戦い。
その全てで、タカシはかなりの活躍を見せた。
「本当に、タカシさんは優しい人ですわ」
リーゼロッテは、彼の優しさに惚れていた。
彼女の関心事は第一に食である。
また、伯爵家令嬢として、ファイアードラゴンの処遇に対して彼女なりの考えを持つなど、政治的な事柄にも関心はある。
その一方で、恋愛にはやや疎いところがあった。
しかしそんな彼女でも、タカシには強く惹かれている。
「とてもお強いですし、目下の方々にも寄り添うように接する方です。何より、わたくしが好き放題に食べても嫌な顔一つされない寛大なお心を持っておられますわ」
伯爵家令嬢のリーゼロッテには、当然縁談の話もチラホラとあった。
彼女がファイアードラゴンの処遇方針に反発して家を飛び出す前の話である。
彼女にはふくよかな体や整った容姿、水魔法の適性、それに伯爵家長女としての身分がある。
それらに魅力を感じる男は多かった。
だが、彼女が珍味好きの美食家であり、大食らいであることを知ると、皆一様に諦めてしまう。
中には、リーゼロッテではなく、彼女の妹シャルレーヌに対して婚姻を申し込む者もいた。
「今思えば、全て断ってきてよかったですわね。今となっては、タカシさん以外の方との結婚なんて考えられませんわ」
リーゼロッテにとって、ハイブリッジ家での生活はまさに理想そのものと言えるものだった。
彼は、貴族として生きるのではなく、庶民として生きてきた。
だから、リーゼロッテが無作法をしても笑って許してくれる。
そんな彼に甘え、リーゼロッテはどんどん我欲に素直になっていった。
「ふふふ。これから、どんな美味しいものを食べられるのかしら……」
リーゼロッテは、今までの人生で食べたことがないような料理の数々を想像して頬に手を当てる。
「お姉様。そろそろ、時間ですよ」
「あらあら。もう、こんな時間でしたか」
リーゼロッテはシャルレーヌに促され、結婚式に向けて気を引き締めるのであった。
新婦の1人は、着替えに苦戦していた。
「うう……。きついですわ……」
そう言うのは、リーゼロッテ。
ラスターレイン伯爵家の長女だ。
元々ふくよかな体型をしており、胸も大きい。
さらに、ここ最近の食っちゃ寝生活により、贅肉が付きまくっており、太ってしまっている。
普段はゆったりした服装を着ているのであまり目立たないが、今回のように正装を着ようとすればそれが如実に表れてしまう。
「お姉様。もう少しで終わりますので、頑張ってください」
そう言いながら、彼女の妹がドレスを着る手伝いをする。
シャルレーヌ=ラスターレインだ。
「そう言われましても……。やはり、きついものはきついですわ……」
「仕方ありませんね……。では、失礼して……」
シャルレーヌがリーゼロッテの背後に回り、その大きなお尻を持ち上げるようにしながらドレスを穿かせる。
「ひゃぅん!」
「ごめんなさい! 痛かったですか?」
「いえ……。ただ、びっくりしてしまっただけですわ」
「ふふふ。今の声可愛らしかったですよ」
「もうっ……。そんな事言わないでくださいまし!」
「申し訳ありません。でも、しばらく見ないうちにお姉様はずいぶんとお綺麗になられましたね」
「まぁ、嬉しい事を言ってくれますのね。ありがとうございます」
2人の姉妹が和やかな雰囲気の中、着替えは進んでいく。
もちろん、それを手伝うメイドもいる。
「ところでシャル。あなたも早く着替えた方がいいのではなくて? あなたのドレス姿も見たいですわ」
「そうですね。せっかくなので、お姉様にお見せしたいと思います」
そう言って、シャルレーヌは姉のリーゼロッテやメイドに手伝ってもらいながら、自分のドレスに着替えていく。
「どうでしょうか? 似合っていますか?」
淡い水色のドレスを着たシャルレーヌが、くるっと一回転する。
「とても素敵ですよ。まるで妖精のような愛らしさを感じます」
リーゼロッテが絶賛すると、シャルレーヌは照れたような表情を見せた。
「ありがとうございます。これなら、私もタカシさんに気に入ってもらえるかもしれません」
「あらあら。相変わらず、あの方の事が好きなんですのね?」
「はい。あんな素敵な方と結婚されるお姉様のことが羨ましいです」
「ええ。確かに、タカシさんは素晴らしい男性ですわね。わたくしは、彼に選んで貰えて幸せ者ですわ」
リーゼロッテの脳裏には、彼と初めて出会ったときのことが浮かぶ。
といっても、劇的な出会い方をしたわけではない。
彼女は護衛騎士のコーバッツやその他の者を付き従え、冒険者パーティ『蒼穹の担い手』として活動していた。
他のパーティと合同で西の森に遠征を行った際、その中の『赤き大牙』というパーティに臨時加入していたのがタカシなのだ。
彼とは出発前に挨拶を交わした他、遠征中にもいくつかの雑談をした。
距離が縮まるきっかけになったのは、タカシがクレイジーラビットの猛攻を受けてしまったことだろう。
リーゼロッテは、瀕死のタカシに対して高級ポーションを惜しげなく使用した。
その恩を少しでも返すべく、タカシは珍味であるスメリーモンキーの肉をメインに据えた食事会を開いてくれたのだ。
「あれはおいしかったですわね……」
その後はタカシとは別行動となっていた。
ゾルフ砦やラーグの街で時おり再会することはあったものの、すぐに別れてしまっていた。
次に長期間行動を共にするようになったのは、タカシが騎士爵に叙爵されたときのことだ。
その際に、ラスターレイン伯爵家の代表としてラーグの街を訪れた。
アヴァロン迷宮の攻略、ファイアードラゴンとの戦い、そして闇の瘴気に汚染されたリーゼロッテ以外のラスターレイン伯爵家との戦い。
その全てで、タカシはかなりの活躍を見せた。
「本当に、タカシさんは優しい人ですわ」
リーゼロッテは、彼の優しさに惚れていた。
彼女の関心事は第一に食である。
また、伯爵家令嬢として、ファイアードラゴンの処遇に対して彼女なりの考えを持つなど、政治的な事柄にも関心はある。
その一方で、恋愛にはやや疎いところがあった。
しかしそんな彼女でも、タカシには強く惹かれている。
「とてもお強いですし、目下の方々にも寄り添うように接する方です。何より、わたくしが好き放題に食べても嫌な顔一つされない寛大なお心を持っておられますわ」
伯爵家令嬢のリーゼロッテには、当然縁談の話もチラホラとあった。
彼女がファイアードラゴンの処遇方針に反発して家を飛び出す前の話である。
彼女にはふくよかな体や整った容姿、水魔法の適性、それに伯爵家長女としての身分がある。
それらに魅力を感じる男は多かった。
だが、彼女が珍味好きの美食家であり、大食らいであることを知ると、皆一様に諦めてしまう。
中には、リーゼロッテではなく、彼女の妹シャルレーヌに対して婚姻を申し込む者もいた。
「今思えば、全て断ってきてよかったですわね。今となっては、タカシさん以外の方との結婚なんて考えられませんわ」
リーゼロッテにとって、ハイブリッジ家での生活はまさに理想そのものと言えるものだった。
彼は、貴族として生きるのではなく、庶民として生きてきた。
だから、リーゼロッテが無作法をしても笑って許してくれる。
そんな彼に甘え、リーゼロッテはどんどん我欲に素直になっていった。
「ふふふ。これから、どんな美味しいものを食べられるのかしら……」
リーゼロッテは、今までの人生で食べたことがないような料理の数々を想像して頬に手を当てる。
「お姉様。そろそろ、時間ですよ」
「あらあら。もう、こんな時間でしたか」
リーゼロッテはシャルレーヌに促され、結婚式に向けて気を引き締めるのであった。
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