【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
614話 採掘場に到着
西の森の奥地に到着した。
かつてブギー盗掘団が根城にしていた場所だ。
「ふむ……。また少し開発が進んだようだな」
俺はかつて、このあたりでブギー盗掘団と戦ったことがある。
1002年の4月頃の話だ。
それから騎士爵を授かり、ソーマ騎士爵領を訪れ、ラスターレイン伯爵領にも赴いた。
今は1003年の6月。
ブギー盗掘団との一件は、もう1年以上前の話となる。
月日が経つのは早いものだ。
「みんな、がんばって働いてくれているようだな」
ブギー頭領やジョー副頭領、その他の構成員たちは、形式上は強制労働だ。
彼らは盗掘の罪を大幅に減じる代わりに、ここで採掘や開発の作業に従事させられているのである。
しかし、彼らはもともと、この山脈を越えるという目的のために採掘作業を行っていた。
昔も今も、実はやっていることが変わっていない。
むしろ、サザリアナ王国やこの俺ハイブリッジ騎士爵のお墨付きを得て堂々と採掘を行えるようになった分、状況は良くなったとさえ言える。
労働環境にも配慮しているしな。
「よーし! 次はそっちで作業をするぞ!!」
「「「おう!!」」」
ブギー頭領の指示に従い、むさ苦しい男たちが動き出す。
その多くは、ブギー盗掘団の元構成員だ。
また、彼らの他にも、たくさんの村人や町民を雇い入れて働いてもらっている。
鉱山での労働経験がない彼らも、今や立派な労働力となっている。
彼らにはブギー頭領やジョー副頭領から仕事を教えてもらうとともに、給料もちゃんと支払っている。
「よう。頑張っているようだな」
俺はブギー頭領にそう声を掛ける。
「おっ! タカシの坊主じゃないか! よく来たな!」
ブギー頭領の表情がパッと明るくなる。
ここ最近は、ずっと働き詰めのはずだが、健康状態は良好そうだ。
「お前のおかげで、本当に助かっているぜ! まさか、1年でこんなに掘り進められるとはな!!」
「労働環境を整えるのは、領主として当然のことだ。魔道具も食料も、足りなければ申請してくれ」
「ああ。もちろんあればあるほどいいのだが、今のところは一応足りている。感謝してるぜ」
「礼なら、俺じゃなくて部下たちに言ってやるといい。採掘や開発が順調に進んでいるのは、彼らの頑張りのおかげだからな。もちろん、ブギー頭領自身の力もある」
「ハッハ!! そう言ってもらえるとありがたいな!!」
俺の言葉を聞き、ブギー頭領は嬉しそうに笑った。
彼は犯罪者として強制労働に従事中で、俺はそれを管轄する領主だ。
本来は明確な上下関係があるのだが……。
ま、そこまで厳密に考える必要もないだろう。
ここはラーグの街から離れた採掘場だ。
現場には現場のやり方がある。
お互いに信頼関係を築きながら、共に頑張っていければそれで良いだろう。
「ブギー頭領。あちらの作業は終わりましたよ。……おや? タカシ殿ではありませんか」
とある男がやって来て、俺に声を掛けてきた。
ジョー副頭領である。
「おお、ジョー副頭領。ご苦労様。順調のようだな」
「ええ、お陰様で。タカシ殿もますますご活躍だと聞いておりますよ」
彼らにはこの地で働いてもらっているが、街の情報が一切入ってこないというわけではない。
街や村の出身者も働いているし、商人や行政官もある程度出入りしている。
それに、彼ら自身も時おりラーグの街にやって来ることがある。
その際に、俺の活躍ぶりを耳にしたのかもしれない。
「まぁな。俺の配下たちが頑張ってくれているおかげで、だいぶ領地も発展してきた。この調子で今後も頑張ろうと思っている」
ブギー頭領たちがここで働き始めてからの俺の活躍と言えば、ソーマ騎士爵領の一件、ラスターレイン伯爵領の一件、そしてハイブリッジ騎士爵領に帰還後の各種の内政だろう。
農業改革はニルス、ハンナ、ニム、花あたりの活躍が大きかった。
治療回りはサリエ、アイリス、マリア、リーゼロッテ。
良質な武具の配布は、ミティ。
その他、様々な分野でハイブリッジ家の者たちが頑張ってくれている。
「今後は俺も頑張りますよ! 我が神の御心のままに!!」
『紅蓮の刃』のリーダーであるアランがやる気に満ちた目で俺を見てくる。
「我が神はやめろって」
「ハッハ!! またずいぶんと懐かれたようだな」
ブギー頭領がそう言う。
確かに、アランの忠義度は既にかなり高い。
出会ってからまださほど経過していないのだが、既に30超え。
加護(微)の条件を満たしている。
ただ、そう言うブギー頭領の忠義度も30を超えている。
ついでにジョー副頭領もだ。
その恩恵はステータスの1割向上。
今後の採掘や開発を考えると、地味ながらも非常に有益だ。
「それで、今日はどういった用件なんだ?」
「ちょっとした視察だけだ。何か困っていることはないか?」
「ふむ。多少の問題ぐらいなら山程あるが……。わざわざタカシの坊主に報告するほどのものとなると……」
ブギー頭領が顎に手を当てて考え込む。
「頭領。あの件はどうでしょうか? 古代遺跡の……」
「おお! 確かに、あれは報告しておくべきだな!」
ジョー副頭領の言葉で、ブギー頭領の顔つきが変わる。
この採掘場周辺における仕事は、大きく3つある。
1つは、採掘を進めること。
希少な鉱石や魔石を掘り当てられれば、ハイブリッジ騎士爵領としての利益になるからだ。
一部はサザリアナ王国の王家にも献上している。
2つ目は、近郊の開発を進め、人が安心して継続的に働ける環境を整えること。
以前は掘っ立て小屋や洞窟の奥という、やや劣悪な環境で働いていた。
今ではちゃんとした家に住み、十分な食事をとってもらっている。
このあたりに限定すれば木々の伐採も進み、魔物の脅威も少なくなってきた。
いずれは、ラーグの街からの街道なども整備して、このあたりに新たな街を造りたいと思っている。
そして3つ目が、先ほど話題に挙がった古代遺跡の探索だ。
ブギー頭領のもともとの目標は、この大山脈を越えた未知の場所を訪れること。
通常の手段による山越えは、気候や魔物の関係で難しい。
ならばということで、試しにトンネル堀りに挑戦したところ、たまたま古代遺跡を発見したらしい。
幸運にもそこで巨大な馬車のような魔道具を入手でき、後は超巨大な魔石さえあればワンチャン山越えも可能かもしれないという段階まで来ている。
彼らにとって今や古代遺跡の探索の優先度はやや下となっているが、俺から引き続きの探索を依頼していた。
「ふむ。古代遺跡の探索もしっかりと進めてくれていたのだな。ありがたい。それで、報告とは?」
俺はそう問う。
せっかく視察に来たのだし、問題があるのならば解決しておかないとな。
かつてブギー盗掘団が根城にしていた場所だ。
「ふむ……。また少し開発が進んだようだな」
俺はかつて、このあたりでブギー盗掘団と戦ったことがある。
1002年の4月頃の話だ。
それから騎士爵を授かり、ソーマ騎士爵領を訪れ、ラスターレイン伯爵領にも赴いた。
今は1003年の6月。
ブギー盗掘団との一件は、もう1年以上前の話となる。
月日が経つのは早いものだ。
「みんな、がんばって働いてくれているようだな」
ブギー頭領やジョー副頭領、その他の構成員たちは、形式上は強制労働だ。
彼らは盗掘の罪を大幅に減じる代わりに、ここで採掘や開発の作業に従事させられているのである。
しかし、彼らはもともと、この山脈を越えるという目的のために採掘作業を行っていた。
昔も今も、実はやっていることが変わっていない。
むしろ、サザリアナ王国やこの俺ハイブリッジ騎士爵のお墨付きを得て堂々と採掘を行えるようになった分、状況は良くなったとさえ言える。
労働環境にも配慮しているしな。
「よーし! 次はそっちで作業をするぞ!!」
「「「おう!!」」」
ブギー頭領の指示に従い、むさ苦しい男たちが動き出す。
その多くは、ブギー盗掘団の元構成員だ。
また、彼らの他にも、たくさんの村人や町民を雇い入れて働いてもらっている。
鉱山での労働経験がない彼らも、今や立派な労働力となっている。
彼らにはブギー頭領やジョー副頭領から仕事を教えてもらうとともに、給料もちゃんと支払っている。
「よう。頑張っているようだな」
俺はブギー頭領にそう声を掛ける。
「おっ! タカシの坊主じゃないか! よく来たな!」
ブギー頭領の表情がパッと明るくなる。
ここ最近は、ずっと働き詰めのはずだが、健康状態は良好そうだ。
「お前のおかげで、本当に助かっているぜ! まさか、1年でこんなに掘り進められるとはな!!」
「労働環境を整えるのは、領主として当然のことだ。魔道具も食料も、足りなければ申請してくれ」
「ああ。もちろんあればあるほどいいのだが、今のところは一応足りている。感謝してるぜ」
「礼なら、俺じゃなくて部下たちに言ってやるといい。採掘や開発が順調に進んでいるのは、彼らの頑張りのおかげだからな。もちろん、ブギー頭領自身の力もある」
「ハッハ!! そう言ってもらえるとありがたいな!!」
俺の言葉を聞き、ブギー頭領は嬉しそうに笑った。
彼は犯罪者として強制労働に従事中で、俺はそれを管轄する領主だ。
本来は明確な上下関係があるのだが……。
ま、そこまで厳密に考える必要もないだろう。
ここはラーグの街から離れた採掘場だ。
現場には現場のやり方がある。
お互いに信頼関係を築きながら、共に頑張っていければそれで良いだろう。
「ブギー頭領。あちらの作業は終わりましたよ。……おや? タカシ殿ではありませんか」
とある男がやって来て、俺に声を掛けてきた。
ジョー副頭領である。
「おお、ジョー副頭領。ご苦労様。順調のようだな」
「ええ、お陰様で。タカシ殿もますますご活躍だと聞いておりますよ」
彼らにはこの地で働いてもらっているが、街の情報が一切入ってこないというわけではない。
街や村の出身者も働いているし、商人や行政官もある程度出入りしている。
それに、彼ら自身も時おりラーグの街にやって来ることがある。
その際に、俺の活躍ぶりを耳にしたのかもしれない。
「まぁな。俺の配下たちが頑張ってくれているおかげで、だいぶ領地も発展してきた。この調子で今後も頑張ろうと思っている」
ブギー頭領たちがここで働き始めてからの俺の活躍と言えば、ソーマ騎士爵領の一件、ラスターレイン伯爵領の一件、そしてハイブリッジ騎士爵領に帰還後の各種の内政だろう。
農業改革はニルス、ハンナ、ニム、花あたりの活躍が大きかった。
治療回りはサリエ、アイリス、マリア、リーゼロッテ。
良質な武具の配布は、ミティ。
その他、様々な分野でハイブリッジ家の者たちが頑張ってくれている。
「今後は俺も頑張りますよ! 我が神の御心のままに!!」
『紅蓮の刃』のリーダーであるアランがやる気に満ちた目で俺を見てくる。
「我が神はやめろって」
「ハッハ!! またずいぶんと懐かれたようだな」
ブギー頭領がそう言う。
確かに、アランの忠義度は既にかなり高い。
出会ってからまださほど経過していないのだが、既に30超え。
加護(微)の条件を満たしている。
ただ、そう言うブギー頭領の忠義度も30を超えている。
ついでにジョー副頭領もだ。
その恩恵はステータスの1割向上。
今後の採掘や開発を考えると、地味ながらも非常に有益だ。
「それで、今日はどういった用件なんだ?」
「ちょっとした視察だけだ。何か困っていることはないか?」
「ふむ。多少の問題ぐらいなら山程あるが……。わざわざタカシの坊主に報告するほどのものとなると……」
ブギー頭領が顎に手を当てて考え込む。
「頭領。あの件はどうでしょうか? 古代遺跡の……」
「おお! 確かに、あれは報告しておくべきだな!」
ジョー副頭領の言葉で、ブギー頭領の顔つきが変わる。
この採掘場周辺における仕事は、大きく3つある。
1つは、採掘を進めること。
希少な鉱石や魔石を掘り当てられれば、ハイブリッジ騎士爵領としての利益になるからだ。
一部はサザリアナ王国の王家にも献上している。
2つ目は、近郊の開発を進め、人が安心して継続的に働ける環境を整えること。
以前は掘っ立て小屋や洞窟の奥という、やや劣悪な環境で働いていた。
今ではちゃんとした家に住み、十分な食事をとってもらっている。
このあたりに限定すれば木々の伐採も進み、魔物の脅威も少なくなってきた。
いずれは、ラーグの街からの街道なども整備して、このあたりに新たな街を造りたいと思っている。
そして3つ目が、先ほど話題に挙がった古代遺跡の探索だ。
ブギー頭領のもともとの目標は、この大山脈を越えた未知の場所を訪れること。
通常の手段による山越えは、気候や魔物の関係で難しい。
ならばということで、試しにトンネル堀りに挑戦したところ、たまたま古代遺跡を発見したらしい。
幸運にもそこで巨大な馬車のような魔道具を入手でき、後は超巨大な魔石さえあればワンチャン山越えも可能かもしれないという段階まで来ている。
彼らにとって今や古代遺跡の探索の優先度はやや下となっているが、俺から引き続きの探索を依頼していた。
「ふむ。古代遺跡の探索もしっかりと進めてくれていたのだな。ありがたい。それで、報告とは?」
俺はそう問う。
せっかく視察に来たのだし、問題があるのならば解決しておかないとな。
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