【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
611話 西の森を進む
土下座謝罪をしてきたアランを許した。
そして、この後の採掘場への視察にも誘った。
俺も準備を整えていく。
「さて、行くか」
「わたくしも付いていきましょう」
「マリアもいっしょに行くよっ!」
ミリオンズにおける今日の同行者は、リーゼロッテとマリアだけだ。
万全を期すならばミリオンズ全員で行くべきなのだが、自領内のただの視察にぞろぞろと全員で行く必要もないだろう。
ミティ、アイリス、モニカは身重のため屋敷で安静にしてもらう。
ニム、ユナ、サリエ、蓮華は、それぞれ思い思いに過ごしている。
仕事だったり、趣味だったりだ。
リーゼロッテとマリアは暇そうだったので誘ってみたところ、同行してくれることになったのである。
当主の俺としては視察という仕事なのだが、同行の彼女たちにとっては護衛と物見遊山を兼ねたような感じになっているのかもしれない。
俺たち3人は、屋敷の玄関から出る。
正門前には、馬車が待っていた。
ミリオンズとしては3人だけだが、もちろん他にも同行者はいる。
御者と護衛だ。
純粋な戦力としては俺たちミリオンズの方が強いので護衛としては役に立たないように思えるかもしれないが、それは誤りだ。
人数が多いと、単純に周囲への警戒力が増し、集団の安定性も向上する。
俺は気配察知のスキルを持っているし、マリアはハーピィとしての飛行能力を持つ上、視力強化のスキルを持っている。
だが、所詮は2人。
ふとした瞬間の気の緩みなどで、不覚を取る可能性は十分ある。
そういった場合に対処できる人員がいるというのは、大きなアドバンテージになる。
まあここまで考えるのであれば、そもそもミリオンズ全員で行けという話ではあるのだが。
妊娠中の3人はともかくとして、土魔法の達人であり耐久力に優れたニム、卓越した弓の実力を持ちファイアードラゴンのドラちゃんを手懐けているユナ、重傷者をあっという間に治療できるサリエ、剣の達人である蓮華あたりが揃えば死角はなくなる。
だが彼女たちは彼女たちでやるべきことはあるし、もし暇だったとしても休息の時間は必要だ。
加護の恩恵により飛び抜けた能力を持つ彼女たちではあるが、だからと言って負担を掛けすぎるのもよくない。
俺たち3人は、正門前にたどり着く。
「ふっ。今日は俺たちが同行するぜ」
「私は御者兼護衛として頑張ります!」
筆頭警備兵のキリヤと、彼の妻であるヴィルナが出迎えてくれた。
2人とも、今回の視察に付いてくる。
その他、街の衛兵からも数人が同行する。
これは騎士爵家当主である俺の護衛という仕事の他、実地訓練という意味合いも持っている。
「よろしく頼む」
俺は彼らに軽く挨拶を済ませる。
そして……。
「今日はよろしくお願いします! 我が神よ!!」
「全力で頑張りやすぜ!」
「ハイブリッジ騎士爵様の身の安全は俺たちが守ります!」
3人の男が力強くそう言う。
彼らはDランクパーティ『紅蓮の刃』。
リーダーはアランである。
「おう。期待しているぞ」
俺はそう声を掛ける。
そして、俺たち一行は街を出て、西の森へ向かい始めたのだった。
**********
「ふむ……。このあたりの道は、比較的通りやすいのだな」
俺はそう呟く。
馬車は今、西の森の中を走っている。
ラーグの街と、西の森の奥地の採掘場。
それらを往復するための整備された街道は、存在しない。
ただ、その最短ルートは関係者や市民の間で共有されている。
みんなが通るので、地面は踏み固められ、草木も適度に伐採されている。
そのため、多少なりとも通りやすくなっているのだ。
「ああ。冒険者を警戒して、魔物の出現率も下がっているらしいぜ。そもそも、森全体での数自体も減少傾向らしい。トリスタの奴がそんなことを言っていた」
筆頭警備兵のキリヤがそう言う。
多少通りやすいとはいえ、ここは森の中。
当然、魔物の襲撃も警戒する必要があり、通行人はみんな護衛として冒険者などを雇っている。
ゴブリン程度は返り討ちだし、ハウンドウルフはそもそも寄ってこない。
警戒すべきはリトルベアくらいだが、大人数でちゃんと対策を立てていれば極端な難敵というほどでもない。
魔物が警戒心を強めるのも頷ける話だ。
さらに、Cランク冒険者の雪月花やトミーを中心に、普段から魔物の間引きも行っている。
生態系を破壊し過ぎるのも良くないかと少しだけ悩んだのだが、その心配はあまりないようだ。
西の森以外にも、魔物はいくらでもいる。
人族の生存可能領域が増えることの方が重要だ。
この世界の街や村は点在しているだけに留まる。
食料自給率や地脈を流れる魔力、それに魔物の生息域などの関係だ。
法律や人権意識、料理や魔法が結構発達している割に交通網や人口がさほどでもないのは、そういった事情である。
「魔物の出現率が下がれば、一般市民の行き来もしやすくなるだろうな」
俺はそう言う。
ま、採掘場に一般市民が行く意味はあまりないのだが……。
現状では、採掘現場で働くためぐらいだろうか。
今後、採掘場を観光地のようにしてもいいか?
いや、わざわざ採掘場を見学に来る物好きもさほどいないか……。
山脈地帯だし、温泉とかを掘り当てられれば理想的か。
そういえば、あそこには探索中の古代遺跡もあるんだよな。
一般冒険者の入場を許可すれば、探索も進みそうだ。
その反面、貴重なアイテムなどを持っていかれる可能性もあるので、検討は必要だろうが。
俺はそんなことを考えながら、馬車に揺られていったのだった。
そして、この後の採掘場への視察にも誘った。
俺も準備を整えていく。
「さて、行くか」
「わたくしも付いていきましょう」
「マリアもいっしょに行くよっ!」
ミリオンズにおける今日の同行者は、リーゼロッテとマリアだけだ。
万全を期すならばミリオンズ全員で行くべきなのだが、自領内のただの視察にぞろぞろと全員で行く必要もないだろう。
ミティ、アイリス、モニカは身重のため屋敷で安静にしてもらう。
ニム、ユナ、サリエ、蓮華は、それぞれ思い思いに過ごしている。
仕事だったり、趣味だったりだ。
リーゼロッテとマリアは暇そうだったので誘ってみたところ、同行してくれることになったのである。
当主の俺としては視察という仕事なのだが、同行の彼女たちにとっては護衛と物見遊山を兼ねたような感じになっているのかもしれない。
俺たち3人は、屋敷の玄関から出る。
正門前には、馬車が待っていた。
ミリオンズとしては3人だけだが、もちろん他にも同行者はいる。
御者と護衛だ。
純粋な戦力としては俺たちミリオンズの方が強いので護衛としては役に立たないように思えるかもしれないが、それは誤りだ。
人数が多いと、単純に周囲への警戒力が増し、集団の安定性も向上する。
俺は気配察知のスキルを持っているし、マリアはハーピィとしての飛行能力を持つ上、視力強化のスキルを持っている。
だが、所詮は2人。
ふとした瞬間の気の緩みなどで、不覚を取る可能性は十分ある。
そういった場合に対処できる人員がいるというのは、大きなアドバンテージになる。
まあここまで考えるのであれば、そもそもミリオンズ全員で行けという話ではあるのだが。
妊娠中の3人はともかくとして、土魔法の達人であり耐久力に優れたニム、卓越した弓の実力を持ちファイアードラゴンのドラちゃんを手懐けているユナ、重傷者をあっという間に治療できるサリエ、剣の達人である蓮華あたりが揃えば死角はなくなる。
だが彼女たちは彼女たちでやるべきことはあるし、もし暇だったとしても休息の時間は必要だ。
加護の恩恵により飛び抜けた能力を持つ彼女たちではあるが、だからと言って負担を掛けすぎるのもよくない。
俺たち3人は、正門前にたどり着く。
「ふっ。今日は俺たちが同行するぜ」
「私は御者兼護衛として頑張ります!」
筆頭警備兵のキリヤと、彼の妻であるヴィルナが出迎えてくれた。
2人とも、今回の視察に付いてくる。
その他、街の衛兵からも数人が同行する。
これは騎士爵家当主である俺の護衛という仕事の他、実地訓練という意味合いも持っている。
「よろしく頼む」
俺は彼らに軽く挨拶を済ませる。
そして……。
「今日はよろしくお願いします! 我が神よ!!」
「全力で頑張りやすぜ!」
「ハイブリッジ騎士爵様の身の安全は俺たちが守ります!」
3人の男が力強くそう言う。
彼らはDランクパーティ『紅蓮の刃』。
リーダーはアランである。
「おう。期待しているぞ」
俺はそう声を掛ける。
そして、俺たち一行は街を出て、西の森へ向かい始めたのだった。
**********
「ふむ……。このあたりの道は、比較的通りやすいのだな」
俺はそう呟く。
馬車は今、西の森の中を走っている。
ラーグの街と、西の森の奥地の採掘場。
それらを往復するための整備された街道は、存在しない。
ただ、その最短ルートは関係者や市民の間で共有されている。
みんなが通るので、地面は踏み固められ、草木も適度に伐採されている。
そのため、多少なりとも通りやすくなっているのだ。
「ああ。冒険者を警戒して、魔物の出現率も下がっているらしいぜ。そもそも、森全体での数自体も減少傾向らしい。トリスタの奴がそんなことを言っていた」
筆頭警備兵のキリヤがそう言う。
多少通りやすいとはいえ、ここは森の中。
当然、魔物の襲撃も警戒する必要があり、通行人はみんな護衛として冒険者などを雇っている。
ゴブリン程度は返り討ちだし、ハウンドウルフはそもそも寄ってこない。
警戒すべきはリトルベアくらいだが、大人数でちゃんと対策を立てていれば極端な難敵というほどでもない。
魔物が警戒心を強めるのも頷ける話だ。
さらに、Cランク冒険者の雪月花やトミーを中心に、普段から魔物の間引きも行っている。
生態系を破壊し過ぎるのも良くないかと少しだけ悩んだのだが、その心配はあまりないようだ。
西の森以外にも、魔物はいくらでもいる。
人族の生存可能領域が増えることの方が重要だ。
この世界の街や村は点在しているだけに留まる。
食料自給率や地脈を流れる魔力、それに魔物の生息域などの関係だ。
法律や人権意識、料理や魔法が結構発達している割に交通網や人口がさほどでもないのは、そういった事情である。
「魔物の出現率が下がれば、一般市民の行き来もしやすくなるだろうな」
俺はそう言う。
ま、採掘場に一般市民が行く意味はあまりないのだが……。
現状では、採掘現場で働くためぐらいだろうか。
今後、採掘場を観光地のようにしてもいいか?
いや、わざわざ採掘場を見学に来る物好きもさほどいないか……。
山脈地帯だし、温泉とかを掘り当てられれば理想的か。
そういえば、あそこには探索中の古代遺跡もあるんだよな。
一般冒険者の入場を許可すれば、探索も進みそうだ。
その反面、貴重なアイテムなどを持っていかれる可能性もあるので、検討は必要だろうが。
俺はそんなことを考えながら、馬車に揺られていったのだった。
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