【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

592話 クリスティの現況

 花との一夜から1週間ほどが経過した。

「おらあっ!」

「ぐっ! ご主人、相変わらず強すぎるぜ……」

 俺の蹴りを受けて、クリスティが地面に転がった。
 今は、ハイブリッジ邸の庭にて、俺とクリスティで武闘の鍛錬中だ。

「ふう……今日はこれくらいにしておこう。しかし、クリスティもずいぶん強くなったんじゃないか?」

「ああ。ご主人のおかげで、毎日楽しいぜ。最近はアイリス姉さんから新しい型も教えてもらっているしな。いつか、あたいもご主人やアイリス姉さんみたいな立派な戦士になりたいもんだ」

「そうか。クリスティならきっとなれるさ。俺も応援するぞ」

 俺は笑顔で言う。

「へへ、ありがとよ。ところでご主人は最近、なんだか機嫌が良いみたいだな」

「そうか? まあ、色々あったがなんとか上手くいっていると思うよ」

「良かったじゃねえか。確か、農業改革に西の森の開発だったか?」

「ああ。農業改革は、ニム、花、ニルス、ハンナたちの尽力のもと、大成功に終わったな。もちろん、来季以降も気は抜けないが」

 ニルスとハンナには、引き続き農業改革の担当官として働いてもらう。
 ニムの農業改革の仕事は、ニルスやハンナ、それにトリスタやセバスあたりに引き継ぎつつある。

 花は、ここしばらくはゆっくりしていた。
 彼女はたくさん貢献してくれたし、存分に休んでほしいと思っている。

 ちなみに、彼女は先日俺のビッグマグナムにパンチを打ち込んだ。
 彼女はそれをまだ気にしていたが、別に俺は怒ってなどいない。
 急所を攻撃されて一時的に苦しんだものの、俺のモノはその程度で再起不能にはならない。

 どうも、精力強化や夜戦術のスキルの副次的な恩恵により、モノの頑強さも向上している気がする。
 デリケートな部分なのでさすがにノーダメージとはいかないが、Cランク冒険者の花の一撃をもらっても数分で回復できるぐらいの頑丈さだ。

 今後、ミティやアイリスたちハーレムメンバーとの性活を豊かにするために、余裕があれば精力強化や夜戦術を強化するのもありかと思っていた。
 しかしそれだけではなく、冒険者活動を続け世界滅亡の危機に立ち向かっていくためにも、精力強化や夜戦術は強化しておくべきかもしれない。

 悪の親玉やラスボス的な敵と相対した時に、急所に一撃をもらって悶絶していては締まらないからな。
 ま、股間を覆う防具もあるし、現状で最優先にするほどでもないが。

「ふうん。農業改革はひと段落ついたんだな」

 クリスティがそう言う。
 彼女の職務は、警備兵だ。
 農業改革にはさほど関心を示してはいなかった。
 時おり、農作業を気まぐれに手伝ってくれたぐらいだ。

「そうだ。次は、ハイブリッジ家としては西の森の開発に注力する予定だ。範囲が広いし、こちらは時間がかかりそうだが」

「なるほどな。ところでよ。西の森の開発って言ったって、当面は魔物退治なんだろ?」

「うむ。街道を設けるための木々の伐採や、街道の整備などもいずれは行うが……。まずはクリスティの言う通り、魔物の間引きから行っている」

 西の森には、ゴブリン、クレイジーラビット、ポイズンコブラ、ハウンドウルフ、リトルベアなどが生息している。
 また、以前はホワイトタイガーやスメリーモンキー、それにシルバータイガーが出現したこともあった。
 ちゃんと魔物を間引いておかないと、戦闘能力に乏しい木こりや職人などは、安心して仕事に励めない。

「そういうことなら、あたいにも手伝わせてくれないか?」

「クリスティがか? 警備兵の仕事もあるのだし、無理はしなくていいぞ」

「問題ねえよ。ご主人やアイリス姉さんに鍛えられたおかげで、力が有り余っているんだ」

「おお。それは頼もしいな。なら、トミーや雪月花のパーティに打診を……」

「あいつらか……。そこそこやるようだが、無条件に従うのは嫌だぜ」

「そうなのか? まあ、確かにクリスティよりも明確に強いというほどでもないが」

 トミーや雪月花はCランク冒険者だ。
 対するクリスティは犯罪奴隷であり、冒険者登録はしていなかった。
 しばらく前に俺の配下として冒険者登録を行い、警備兵の仕事の合間に活動するようになった。

 今のクリスティの冒険者ランクはDだと聞いている。
 冒険者ランクとしてはトミーや雪月花の方が格上なのだが、戦闘能力だけに絞った場合は、同格程度だと言っても過言ではない。

 クリスティは、俺が奴隷として購入したときから、『自分よりも弱い者には従わない』と豪語していた。
 模擬試合の結果、俺やアイリスの言うことは聞いてくれるようになった。
 それに、日常生活におけるちょっとした指図程度であれば、使用人や他の警備兵の言うことを聞き入れることもある。
 だが、冒険者活動というある種の荒事に関わるとなると、話は別らしい。

「ご主人の命令は聞く。でもよ、あたいはそこいらの連中に従ってやるつもりはないんだ」

「そうか……。西の森はそこそこ危険だし、単独行動は危険だと思うのだが……」

 クリスティを西の森で活動させることは取りやめ、警備兵の仕事に専念してもらうか?
 しかし、せっかくやる気になっている彼女を無碍にするのもな。
 それに、クリスティは戦闘狂の傾向がある。
 魔物と戦う機会が少ないと、逆にストレスが溜まるだろう。

 オリビアや花への加護(小)の付与計画が頓挫した今、次の最有力候補はクリスティだ。
 できる限り彼女の意向を尊重し、忠義度を稼いでいきたい。

「うーむ。とりあえず、明日冒険者ギルドに行ってみるか。実際に組めそうなパーティがいないか探してみよう」

「ああ、それでいいぜ」

 方向性は決まった。
 クリスティの取り扱いは難しいが、うまくはまればハイブリッジ家に大きな貢献をしてくれるだろう。
 期待したいところだ。

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