【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

554話 オリビアの技

 サリエの故郷であるハルク男爵領への道中で、野営をしているところである。
 深夜にガサゴソと物音が聞こえた方に向かってみると、キリヤとヴィルナが何かをしていた。

「何だ? あれは?」

 俺の位置からは2人が何をしているか見えない。
 だが、真剣な様子なので邪魔をするのも悪いだろう。
 俺は2人から少し離れた位置に陣取り、その様子を窺った。

「はあ……。騎士爵様の護衛の任務を放り出して、こんな事をしているなんて……」

 オリビアが呆れた声でそう言う。
 確かにそうだ。
 ヴィルナとキリヤがしている行為は……。

「あんっ! キリヤくん……そこはっ!」

「へっ。また大きくなったんじゃねえか? いい揉み心地だぜ!」

 どう見ても夜の営み真っ最中だ。

「はぁ、はぁ……もうダメっ! あああぁっ!!」

「うおおおっ!」

 ヴィルナとキリヤの営みはヒートアップしている。
 まだまだ続きそうだ。

「……あの、騎士爵様」

「……何だ?」

「彼らを許してやってはいただけませんか? 新婚で、今が大切な時期なのです」

 オリビアが申し訳なさそうにそう言ってきた。
 確かに、夜に俺の護衛の任務を放棄して一発やっていたとなれば、本来は大問題になってもおかしくない。
 まあ、俺が寝ていたのは野営地の中心だし、キリヤとヴィルナ以外にも護衛者はいるので実際の危険性はさほどでもないのだが。
 他に夜警の担当者もいるし、同じテント内ではオリビアが起きて警戒してくれていたしな。

「……別に怒ってなどいない。俺も新婚の頃はよくやったものだ」

「そうなのですか?」

「若い男と女なのだ。そういう事もあるだろう。むしろ、日中はよく我慢してきたと思う」

 俺も、ミティと結婚した直後は日中からイチャイチャしたい欲望に駆られたものだった。
 他のメンバーの視線もあるので、必死に我慢したものだ。

「そ、それは……。その、なんと言って良いのか……」

「気にする事はない。あいつらが幸せならばそれでよいのだ」

「騎士爵様……」

「さて、テントに戻るぞ」

 ヴィルナの裸体といういいものを見せてもらった。
 俺は満足だ。
 とはいえ、他人の女の痴態をこれ以上見るのも悪い。

 あの2人も、しばらくすれば満足して帰ってくるだろう。
 ヴィルナの超聴覚があれば、2人で致しているところを魔物に襲われるということもあるまい。

 ……ん?
 改めて考えれば、俺たちのこの小声の会話すら聞こえているかもしれないな。
 俺は物音をたてないようにそっと立ち上がり、テントに向かって歩き出そうとする。
 しかし……。

「お待ちください。騎士爵様」

 オリビアに呼び止められた。

「なんだ?」

「そちらのお猛りが……」

 彼女がそう言って、俺の股間を指差す。

「むわっ!?」

 いつの間にか、俺のマグナムがビッグマグナムになっていた。
 ヴィルナとキリヤの交わりを見て興奮してしまったようだ。

 俺は人の女に手を出すような男ではない。
 キリヤという明確なお相手がいるヴィルナのことは、そういう目で見ないように必死に自制してきた。
 しかし、こんな場面をバッチリ見てしまったら、ビッグになってしまうのも致し方ないだろう。
 たまにはこういう覗き行為も新鮮でいいものだな。

 ……ではなく。
 がんばって鎮めていかないと。
 テントに帰ってサリエやユナに相手してもらうのもいいが……。
 熟睡しているところを起こすのは申し訳ない。

 一方で、自家発電するのも少し微妙だな。
 貴族が野営中に自家発電したのがバレたら、カッコ悪い。

「失礼致します」

 オリビアが俺の前にしゃがみ込む。
 そして、慣れた手つきでズボンのチャックを下げ、パンツの中から愚息を取り出した。

「な、何をしている!?」

「このような状態では、ご就寝に支障が出てしまいます。私が処理させていただきます」

 そう言いながらオリビアが俺のモノを口に含む。

「くおっ! ……はぁはぁ」

「いかがでしょうか?」

「とてもいい。……ではなくて! お前、サリエという主がいながら、その夫になろうかという俺の相手をするなんて……」

 これはサリエに対する裏切りだろう。
 まさか、主の夫を寝取ろうというのか?

 それに俺にとっても、サリエとの結婚の挨拶に向かう道中でその付き人に手を出すような格好になる。
 浮気性の外道じゃねえか。
 そんな事を考えていると、オリビアが口を離して答える。

「私は、サリエお嬢様の従者です。それ以上でもそれ以下でもありません」

「……どういう意味だ?」

「そのままの意味です。私にとっての騎士爵様は、お嬢様の伴侶となられる方です」

「だったら……」

「何も、お二人の間に割り込もうというわけではございません。サリエお嬢様がお相手できない今、騎士爵様のお猛りを鎮めるために少しばかりのお手伝いをするだけです」

 そういう事か。
 それなら別に問題ない。

 ……いや、本当に問題ないのか?
 もう少し熟考した方がいい気もする。

「くぅ!」

 オリビアの舌使いはとても気持ちが良い。
 正直、このまま果てたいくらいだが……。
 俺は、自分の手をオリビアの顔に当てる。

「もう良い。これ以上すると出てしまうから止めてくれ」

 俺はそう言う。
 オリビアの気持ちは分かったが、それにサリエが納得するかは別問題だ。
 ひょっとすると、大激怒して結婚の話が流れてしまうかもしれない。
 それは避けたい。

「ふふ。ご遠慮なさらずともよろしいですよ」

「…………」

「私の口の中で果ててくださいませ」

「うぐっ……」

 俺はオリビアの誘惑を振り切ることができなかった。
 彼女の口の中に発射してしまう。

「はあ、はあ……」

「大変美味しゅうございます」

 オリビアが俺の出したものをゴクリと飲み込み、ニコッと微笑んだ。

「これでスッキリされたと思います。どうぞ、テントに戻ってゆっくりお休みください」

 確かに、この一戦のおかげで落ち着いた感じはある。
 しかし、それはそれで複雑な気分だ。
 今まで特に親交を深めてこなかったオリビアと突然このような関係になって、何とも言えない感覚がある。
 サリエの付き人に手を出してしまったという背徳感のようなものも感じてしまっている。

「ああ……。おかげで助かった。ありがとう」

 俺はオリビアにそう礼を言う。
 善意でやってくれたことを否定するわけにはいかないだろう。
 俺は動揺を抑えつつテントに向かって戻り始めたのだった。

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