【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
534話 ハイブリッジ家最強の三剣士
サリエとの一夜から1週間ほどが経過した。
彼女との仲はいい感じに深まった。
また、ミティ、アイリス、モニカたち妊娠組の経過も良好である。
ニムやマリアは、日々精力的に活動している。
特にニムは、トリスタ、ニルス、ハンナあたりとともに、農業改革にも手を出している。
半年以上前から少しずつ行っていたことではあるが、ここに来て活動を本格させた格好だ。
ユナとリーゼロッテも、適度に働いてくれている。
妊娠組が一時的に離脱しているとはいえ、ミリオンズの態勢は盤石と言っていいだろう。
また、トリスタ、ヒナ、セバス、キリヤ、ヴィルナ、リン、ロロたち加護(小)組は、配下の中でも特に優秀で日々頑張ってくれている。
トミー、ナオン、雪月花たちは、加護こそ付いていないものの、もともとの高い戦闘能力で西の森の開発に従事している。
彼らにもいずれは加護を付与できるだろうし、現時点でも十分に役立つ。
ハイブリッジ家の未来は安泰だな。
そんな中だが、俺は少し悩んでいる。
目の前には、筆頭警備兵のキリヤ。
剣術の鍛錬のため、彼と模擬試合を行っているのだ。
「く……。ふんぬっ!!」
俺は気合で木剣を振り抜き、かろうじてキリヤの木剣を弾きあげた。
「そこまでです! 勝者、お館様!!」
審判役のレインがそう宣言する。
ふう。
何とか勝てたな。
「やはり、まだまだ敵わないな」
キリヤがそう言う。
「いや、かなり善戦した方だろう? 正直危なかった」
俺はそう言う。
キリヤの剣術スキルのレベルは5。
少し前まではレベル4だったようだが、加護(小)の恩恵により強化されているのである。
技術だけなら、これ以上ないほどの達人の領域だ。
「それでも、負けは負けだ。あの大会以降、すげえ調子がいいんだが……。騎士爵サマには勝てねえな」
キリヤはそう言って苦笑いをする。
「調子が良いのは、それだけお前が強くなったという事だろう?  自信を持て」
あの大会を観戦していた時点では、俺の剣術スキルはレベル4だった。
加護(小)を付与した際にキリヤのスキルを見て、慌てて俺の剣術スキルもレベル5に伸ばしたのである。
警備兵のキリヤの役割は俺を守ることなので、別に彼が俺よりも強いことに大きな問題はないのだが……。
俺は戦闘能力が評価されて平民から貴族に成り上がった。
配下の者よりも俺が弱いと、示しがつかない。
俺とキリヤの剣術スキルは同じレベル5である。
互角だ。
ただし、俺には回避術レベル3、視力強化レベル1、腕力強化レベル2、脚力強化レベル2、体力強化レベル2、肉体強化レベル3、闘気術レベル4など諸々のスキルがある。
加護(小)の対象者にとどまるキリヤのスキルの全貌はまだ分からないのだが、さすがに俺ほど多彩なスキルは持っていないだろう。
そのため、剣術の力量自体は互角でも、今の所は勝利を収められている。
正直、油断すればいつ負けてもおかしくない。
これが今の俺の悩みだ。
まあ、配下の者が強すぎるという贅沢な悩みだが。
警備兵のヒナやヴィルナも結構強いし、頼りになる者たちである。
……おっ。
正門にて勤務中のヴィルナが、こちらを見て手を振っている。
そして、キリヤが苦笑しつつ手を振り返している。
負けたところを見られてしまい、少し恥ずかしいといったところか。
それにしても、キリヤもずいぶんと丸くなったものだな。
当初の彼はもっと愛想がなく、ぶっきらぼうな青年だったのだが。
やはり、結婚して守るべきものができると人は成長するのだろうか。
「むう……。たかし殿もきりや殿も、凄すぎるでござる……」
そう呟くのは、エルフの侍である蓮華だ。
彼女の剣術スキルはレベル4。
数か月前まではレベル3だったようだが、俺の加護(小)の恩恵によりレベル4になっているのだ。
レベル4でも、十分に達人の領域である。
普通に鍛えれば、その分野の鍛錬にひたすら集中したとしても、10年以上かかってもおかしくない水準だ。
見た目10代の彼女がその領域に達しているのだから、自信を持ってもいいのだが……。
俺やキリヤという規格外の存在が身近にいるものだから、やや自信喪失気味なのかもしれない。
「よし。次は俺と蓮華がやろう」
「承知したでござる!」
彼女が意気込むが……。
ガコン!
数度の打ち合いの末、俺は彼女の木剣を弾いた。
「勝負あり! 勝者、お館様!!」
またもやレインが判定を下す。
「うう……。負けたでござる……」
「大丈夫だ。確実に強くなっているぞ」
俺はそう言う。
俺と蓮華、それにキリヤは定期的に鍛錬をともにしている。
彼女は、故郷で何か起こったときのために強さを追い求めているそうだからな。
剣の聖地ソラトリアに行く予定を中断してまで、俺たちミリオンズに付いてきてくれているのだ。
放置するわけにはいかない。
「しかし、拙者はたかし殿のように相手の動きを見切れぬ。剣捌きも及ばぬし、身体能力も大きく劣っているでござる……」
俺が相手の動きを見切れているのは、回避術レベル3と視力強化レベル1の恩恵だ。
剣捌きは、言わずもがな剣術レベル5のおかげ。
身体能力は、蓮華の言う通り男女差も多少はあるのだろうが、主に腕力強化レベル2、脚力強化レベル2、体力強化レベル2、肉体強化レベル3あたりのスキルの影響だろう。
こうして考えると、俺が素の能力で彼女に勝っていることなどほとんどないな。
チートに頼り切って勝ちを収めて、何やら申し訳ない。
まあそうは言っても、謙虚におとなしく過ごすことはできないのだが。
世界滅亡の危機に立ち向かうために、俺は無双してハーレムメンバーや配下を増やしていく必要があるのだから。
蓮華への申し訳無さは……。
何か別のことで発散させてもらおう。
「そう切羽詰まる必要もないぞ。蓮華の日々の努力は知っている」
「努力や過程に意味はござらぬ。結果が全て。強さが全てでござる」
蓮華がそう言う。
彼女は故郷での有事に備えて日々鍛錬をしている。
確かに、努力しているだけでは意味がないか。
少し失言だったな。
「蓮華も、何かきっかけがあればさらに一皮むけると思うぞ。ファイアードラゴン戦後に、一気に強くなったことがあるだろう? あんな感じだ」
加護(小)の存在と内容は、基本的には秘匿している。
信頼できる者たちばかりとはいえ、無闇に秘密を広めるのはよくない。
それに、加護(小)の時点では強化内容に本人の意思が入り込む余地がないので、伝えるメリットも特にないという判断だ。
しかし、例外的に蓮華には加護(小)の内容を説明済みである。
ファイヤードラゴン戦後という差し迫った状況下において、迅速に物事を進めようとした結果だ。
その点で、蓮華は他の加護(小)の対象者とは一線を画する存在であるとも言える。
「むう……。やはり、”あの力”が必要でござるな……。拙者は強くならねばならぬのだ」
蓮華はそう呟く。
何やら決心したような顔つきだ。
その後も、俺、蓮華、キリヤの3人で、剣術の鍛錬を続けていったのだった。
彼女との仲はいい感じに深まった。
また、ミティ、アイリス、モニカたち妊娠組の経過も良好である。
ニムやマリアは、日々精力的に活動している。
特にニムは、トリスタ、ニルス、ハンナあたりとともに、農業改革にも手を出している。
半年以上前から少しずつ行っていたことではあるが、ここに来て活動を本格させた格好だ。
ユナとリーゼロッテも、適度に働いてくれている。
妊娠組が一時的に離脱しているとはいえ、ミリオンズの態勢は盤石と言っていいだろう。
また、トリスタ、ヒナ、セバス、キリヤ、ヴィルナ、リン、ロロたち加護(小)組は、配下の中でも特に優秀で日々頑張ってくれている。
トミー、ナオン、雪月花たちは、加護こそ付いていないものの、もともとの高い戦闘能力で西の森の開発に従事している。
彼らにもいずれは加護を付与できるだろうし、現時点でも十分に役立つ。
ハイブリッジ家の未来は安泰だな。
そんな中だが、俺は少し悩んでいる。
目の前には、筆頭警備兵のキリヤ。
剣術の鍛錬のため、彼と模擬試合を行っているのだ。
「く……。ふんぬっ!!」
俺は気合で木剣を振り抜き、かろうじてキリヤの木剣を弾きあげた。
「そこまでです! 勝者、お館様!!」
審判役のレインがそう宣言する。
ふう。
何とか勝てたな。
「やはり、まだまだ敵わないな」
キリヤがそう言う。
「いや、かなり善戦した方だろう? 正直危なかった」
俺はそう言う。
キリヤの剣術スキルのレベルは5。
少し前まではレベル4だったようだが、加護(小)の恩恵により強化されているのである。
技術だけなら、これ以上ないほどの達人の領域だ。
「それでも、負けは負けだ。あの大会以降、すげえ調子がいいんだが……。騎士爵サマには勝てねえな」
キリヤはそう言って苦笑いをする。
「調子が良いのは、それだけお前が強くなったという事だろう?  自信を持て」
あの大会を観戦していた時点では、俺の剣術スキルはレベル4だった。
加護(小)を付与した際にキリヤのスキルを見て、慌てて俺の剣術スキルもレベル5に伸ばしたのである。
警備兵のキリヤの役割は俺を守ることなので、別に彼が俺よりも強いことに大きな問題はないのだが……。
俺は戦闘能力が評価されて平民から貴族に成り上がった。
配下の者よりも俺が弱いと、示しがつかない。
俺とキリヤの剣術スキルは同じレベル5である。
互角だ。
ただし、俺には回避術レベル3、視力強化レベル1、腕力強化レベル2、脚力強化レベル2、体力強化レベル2、肉体強化レベル3、闘気術レベル4など諸々のスキルがある。
加護(小)の対象者にとどまるキリヤのスキルの全貌はまだ分からないのだが、さすがに俺ほど多彩なスキルは持っていないだろう。
そのため、剣術の力量自体は互角でも、今の所は勝利を収められている。
正直、油断すればいつ負けてもおかしくない。
これが今の俺の悩みだ。
まあ、配下の者が強すぎるという贅沢な悩みだが。
警備兵のヒナやヴィルナも結構強いし、頼りになる者たちである。
……おっ。
正門にて勤務中のヴィルナが、こちらを見て手を振っている。
そして、キリヤが苦笑しつつ手を振り返している。
負けたところを見られてしまい、少し恥ずかしいといったところか。
それにしても、キリヤもずいぶんと丸くなったものだな。
当初の彼はもっと愛想がなく、ぶっきらぼうな青年だったのだが。
やはり、結婚して守るべきものができると人は成長するのだろうか。
「むう……。たかし殿もきりや殿も、凄すぎるでござる……」
そう呟くのは、エルフの侍である蓮華だ。
彼女の剣術スキルはレベル4。
数か月前まではレベル3だったようだが、俺の加護(小)の恩恵によりレベル4になっているのだ。
レベル4でも、十分に達人の領域である。
普通に鍛えれば、その分野の鍛錬にひたすら集中したとしても、10年以上かかってもおかしくない水準だ。
見た目10代の彼女がその領域に達しているのだから、自信を持ってもいいのだが……。
俺やキリヤという規格外の存在が身近にいるものだから、やや自信喪失気味なのかもしれない。
「よし。次は俺と蓮華がやろう」
「承知したでござる!」
彼女が意気込むが……。
ガコン!
数度の打ち合いの末、俺は彼女の木剣を弾いた。
「勝負あり! 勝者、お館様!!」
またもやレインが判定を下す。
「うう……。負けたでござる……」
「大丈夫だ。確実に強くなっているぞ」
俺はそう言う。
俺と蓮華、それにキリヤは定期的に鍛錬をともにしている。
彼女は、故郷で何か起こったときのために強さを追い求めているそうだからな。
剣の聖地ソラトリアに行く予定を中断してまで、俺たちミリオンズに付いてきてくれているのだ。
放置するわけにはいかない。
「しかし、拙者はたかし殿のように相手の動きを見切れぬ。剣捌きも及ばぬし、身体能力も大きく劣っているでござる……」
俺が相手の動きを見切れているのは、回避術レベル3と視力強化レベル1の恩恵だ。
剣捌きは、言わずもがな剣術レベル5のおかげ。
身体能力は、蓮華の言う通り男女差も多少はあるのだろうが、主に腕力強化レベル2、脚力強化レベル2、体力強化レベル2、肉体強化レベル3あたりのスキルの影響だろう。
こうして考えると、俺が素の能力で彼女に勝っていることなどほとんどないな。
チートに頼り切って勝ちを収めて、何やら申し訳ない。
まあそうは言っても、謙虚におとなしく過ごすことはできないのだが。
世界滅亡の危機に立ち向かうために、俺は無双してハーレムメンバーや配下を増やしていく必要があるのだから。
蓮華への申し訳無さは……。
何か別のことで発散させてもらおう。
「そう切羽詰まる必要もないぞ。蓮華の日々の努力は知っている」
「努力や過程に意味はござらぬ。結果が全て。強さが全てでござる」
蓮華がそう言う。
彼女は故郷での有事に備えて日々鍛錬をしている。
確かに、努力しているだけでは意味がないか。
少し失言だったな。
「蓮華も、何かきっかけがあればさらに一皮むけると思うぞ。ファイアードラゴン戦後に、一気に強くなったことがあるだろう? あんな感じだ」
加護(小)の存在と内容は、基本的には秘匿している。
信頼できる者たちばかりとはいえ、無闇に秘密を広めるのはよくない。
それに、加護(小)の時点では強化内容に本人の意思が入り込む余地がないので、伝えるメリットも特にないという判断だ。
しかし、例外的に蓮華には加護(小)の内容を説明済みである。
ファイヤードラゴン戦後という差し迫った状況下において、迅速に物事を進めようとした結果だ。
その点で、蓮華は他の加護(小)の対象者とは一線を画する存在であるとも言える。
「むう……。やはり、”あの力”が必要でござるな……。拙者は強くならねばならぬのだ」
蓮華はそう呟く。
何やら決心したような顔つきだ。
その後も、俺、蓮華、キリヤの3人で、剣術の鍛錬を続けていったのだった。
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