【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
505話 ミティvsツキ
数日が経過した。
今日はハイブリッジ家関係者のトーナメントが行われる日だ。
開催場所は”北の練習場”である。
土魔法を得意とするニムや関係者各位の尽力により、見事なステージが完成した。
周囲には観客席もある。
さらにその周りには堀と塀があり、ファイティングドッグなどの侵入を阻んでいる。
今日の大会は安心して観戦してもらうことができるだろう。
また、今後は冒険者や兵士の訓練場所として使うことも可能だ。
「さあ、いよいよ試合が始まろうとしています! 実況は私、ネリーがお送りいたします!」
ネリーはラーグの街の冒険者ギルドの受付嬢だ。
思えば、俺と彼女の付き合いも相当に長い。
出会ってからの日にちだけで言えば、アイリス、モニカ、ニム、ユナ、リーゼロッテあたりよりも長い。
しかし、深い付き合いはないので忠義度はそれなり……。
と思いきや。
彼女の忠義度は30台中盤である。
俺がEランク冒険者として登録してからDランクに上がるまで見届けた上、その後CランクからBランクに上がる時もこのラーグの街だった。
さらに騎士爵も授かったし、身近な有望株として好評価なのだろう。
「解説は……」
ネリーがそう言って、横に視線を向ける。
「ふふん。私はユナよ。よろしくね」
「私はサリエと申します。皆さま、ハイブリッジ家の実力をその目で確認してくださいね」
「「「「わぁ~!!」」」」
会場は大盛り上がりだ。
一般参加者がいない完全な身内だけの大会なのだが……。
やはり、新興貴族のパーティメンバーや配下の者が出場するハイレベルな大会にはみんな興味があるのだろう。
それに、このラーグの街にはやや娯楽が少ないという面も影響しているかもしれない。
ゾルフ砦は武闘が盛んだし、シュタインが治めるリバーサイドは河川に関連した釣りや屋形船がある。
リーゼロッテの故郷ルクアージュは海に面しており海産物が豊富な上、海洋温泉もあった。
ミティの故郷ガロル村には鍛冶、餅、秘湯がある。
ユナの故郷ウォルフ村は激辛料理やレッドウルフの飼育という特色を持つ。
それに対して、ここは農業や魔物狩りくらいしかない平凡な町だ。
そんなところに今回のイベントは、かなりウケがいいようである。
「それでは第一試合! ハイブリッジ騎士爵家の第一夫人ミティ様対、Cランクパーティ”雪月花”のリーダーであるツキ選手です!」
「「おおぉ~!!!」」
歓声が上がる。
いきなりの好カードだ。
ミティはミリオンズの中でも古株であり、相当な戦闘能力を持つ。
一方のツキも、Cランクパーティのリーダーを務める実力者だ。
果たして、どちらが勝つのか?
二人がステージに上がる。
「それでは試合開始!」
「はあああっっっっ!!!」
ツキが先手必勝とばかりに突っ込んでいく。
ミティとの距離が5メートル程になったとき、ミティが動いた。
「……弾けろ。エアバースト」
ぶおんっ!
ミティの前方に猛烈な突風が吹く。
このトーナメントでは、殺傷能力の高い魔法や武器の使用が禁じられている。
しかし、逆に言えば殺傷能力の低い魔法は使用可能なのである。
エアバーストは、うってつけの魔法だ。
「きゃっ!」
ツキが強風で吹き飛ばされる。
それを好機と見たミティが追撃を仕掛ける。
「ビッグ……メテオ!!」
アイテムバッグから取り出した巨石の投擲だ。
今回投げたのは直径1メートルほどの岩。
彼女が本気を出せばもっと大きな岩をより高速度で投げることもできるはずだが……。
さすがに手加減したのだろう。
「がはっ!」
ツキが巨石をモロにくらう。
やはり手加減しておいて正解だ。
これ以上の威力があったら、殺してしまっていたかもしれない。
俺はそう思った。
しかし……
「朧(おぼろ)」
ツキの姿が幻のように消え去った。
「むっ!?」
ミティがそう声を上げる。
ツキはどこにいった?
「ふふふ……。私は影魔法の使い手……。このまま、姿を消して仕留めてあげるわ」
ツキの声がする。
彼女が影魔法の使い手だったとは。
そう言えば、彼女の戦闘を見たことはあまりなかったな。
先ほど攻撃を受けたように見えたのは、影魔法による幻だったといったところか。
「おおっと! ツキ選手、見事な影魔法です!」
「ふふん。やるわね。”朧(おぼろ)”は初級の影魔法と聞いたことがあるけど……。見事な練度だわ」
実況のネリーと解説のユナがそう言う。
影魔法は、マリアの兄であるバルザックも使っていたことがある。
彼が使っていたのは”影縫い”だ。
相手の動きを一時的に阻害する魔法である。
「ふん。姿を消すだけですか。くだらない……」
ミティがそう言う。
「口ではどうとでも言えるわ! パワーだけのあなたには、私は倒せないわよ!」
ツキの声はなぜか反響しており、どこから発せられているのか特定できない。
このままでは、ミティは為す術もなくやられるだろう。
俺はそう思ったが……
「”侵掠すること火の如し”。ビッグ……」
ミティが闘気を開放し、腕に集中させる。
「バン!!!」
闘気が炸裂し、ステージが粉々に砕かれた。
「なっ……」
あまりの光景に実況のネリーが絶句している。
せっかく作ったステージが……。
いや、ニムの土魔法ならすぐに修復できるけどな。
「ふん。私を舐めすぎですよ」
「きゅう……」
ミティの勝ち誇った言葉と共に姿を現したツキは、ボロ雑巾のようになっていた。
衝撃の余波を受けたのだろう。
「そ……そこまで! 勝者ミティ様!」
まずはミティの順当勝ちか。
彼女はミリオンズ内でも相当に上位の実力を持つし、冒険者ランクもBだ。
Cランクのツキが勝つのは厳しい相手だった。
彼女も決して弱いわけではないのだが。
さて。
次の試合を見ることにしよう。
今日はハイブリッジ家関係者のトーナメントが行われる日だ。
開催場所は”北の練習場”である。
土魔法を得意とするニムや関係者各位の尽力により、見事なステージが完成した。
周囲には観客席もある。
さらにその周りには堀と塀があり、ファイティングドッグなどの侵入を阻んでいる。
今日の大会は安心して観戦してもらうことができるだろう。
また、今後は冒険者や兵士の訓練場所として使うことも可能だ。
「さあ、いよいよ試合が始まろうとしています! 実況は私、ネリーがお送りいたします!」
ネリーはラーグの街の冒険者ギルドの受付嬢だ。
思えば、俺と彼女の付き合いも相当に長い。
出会ってからの日にちだけで言えば、アイリス、モニカ、ニム、ユナ、リーゼロッテあたりよりも長い。
しかし、深い付き合いはないので忠義度はそれなり……。
と思いきや。
彼女の忠義度は30台中盤である。
俺がEランク冒険者として登録してからDランクに上がるまで見届けた上、その後CランクからBランクに上がる時もこのラーグの街だった。
さらに騎士爵も授かったし、身近な有望株として好評価なのだろう。
「解説は……」
ネリーがそう言って、横に視線を向ける。
「ふふん。私はユナよ。よろしくね」
「私はサリエと申します。皆さま、ハイブリッジ家の実力をその目で確認してくださいね」
「「「「わぁ~!!」」」」
会場は大盛り上がりだ。
一般参加者がいない完全な身内だけの大会なのだが……。
やはり、新興貴族のパーティメンバーや配下の者が出場するハイレベルな大会にはみんな興味があるのだろう。
それに、このラーグの街にはやや娯楽が少ないという面も影響しているかもしれない。
ゾルフ砦は武闘が盛んだし、シュタインが治めるリバーサイドは河川に関連した釣りや屋形船がある。
リーゼロッテの故郷ルクアージュは海に面しており海産物が豊富な上、海洋温泉もあった。
ミティの故郷ガロル村には鍛冶、餅、秘湯がある。
ユナの故郷ウォルフ村は激辛料理やレッドウルフの飼育という特色を持つ。
それに対して、ここは農業や魔物狩りくらいしかない平凡な町だ。
そんなところに今回のイベントは、かなりウケがいいようである。
「それでは第一試合! ハイブリッジ騎士爵家の第一夫人ミティ様対、Cランクパーティ”雪月花”のリーダーであるツキ選手です!」
「「おおぉ~!!!」」
歓声が上がる。
いきなりの好カードだ。
ミティはミリオンズの中でも古株であり、相当な戦闘能力を持つ。
一方のツキも、Cランクパーティのリーダーを務める実力者だ。
果たして、どちらが勝つのか?
二人がステージに上がる。
「それでは試合開始!」
「はあああっっっっ!!!」
ツキが先手必勝とばかりに突っ込んでいく。
ミティとの距離が5メートル程になったとき、ミティが動いた。
「……弾けろ。エアバースト」
ぶおんっ!
ミティの前方に猛烈な突風が吹く。
このトーナメントでは、殺傷能力の高い魔法や武器の使用が禁じられている。
しかし、逆に言えば殺傷能力の低い魔法は使用可能なのである。
エアバーストは、うってつけの魔法だ。
「きゃっ!」
ツキが強風で吹き飛ばされる。
それを好機と見たミティが追撃を仕掛ける。
「ビッグ……メテオ!!」
アイテムバッグから取り出した巨石の投擲だ。
今回投げたのは直径1メートルほどの岩。
彼女が本気を出せばもっと大きな岩をより高速度で投げることもできるはずだが……。
さすがに手加減したのだろう。
「がはっ!」
ツキが巨石をモロにくらう。
やはり手加減しておいて正解だ。
これ以上の威力があったら、殺してしまっていたかもしれない。
俺はそう思った。
しかし……
「朧(おぼろ)」
ツキの姿が幻のように消え去った。
「むっ!?」
ミティがそう声を上げる。
ツキはどこにいった?
「ふふふ……。私は影魔法の使い手……。このまま、姿を消して仕留めてあげるわ」
ツキの声がする。
彼女が影魔法の使い手だったとは。
そう言えば、彼女の戦闘を見たことはあまりなかったな。
先ほど攻撃を受けたように見えたのは、影魔法による幻だったといったところか。
「おおっと! ツキ選手、見事な影魔法です!」
「ふふん。やるわね。”朧(おぼろ)”は初級の影魔法と聞いたことがあるけど……。見事な練度だわ」
実況のネリーと解説のユナがそう言う。
影魔法は、マリアの兄であるバルザックも使っていたことがある。
彼が使っていたのは”影縫い”だ。
相手の動きを一時的に阻害する魔法である。
「ふん。姿を消すだけですか。くだらない……」
ミティがそう言う。
「口ではどうとでも言えるわ! パワーだけのあなたには、私は倒せないわよ!」
ツキの声はなぜか反響しており、どこから発せられているのか特定できない。
このままでは、ミティは為す術もなくやられるだろう。
俺はそう思ったが……
「”侵掠すること火の如し”。ビッグ……」
ミティが闘気を開放し、腕に集中させる。
「バン!!!」
闘気が炸裂し、ステージが粉々に砕かれた。
「なっ……」
あまりの光景に実況のネリーが絶句している。
せっかく作ったステージが……。
いや、ニムの土魔法ならすぐに修復できるけどな。
「ふん。私を舐めすぎですよ」
「きゅう……」
ミティの勝ち誇った言葉と共に姿を現したツキは、ボロ雑巾のようになっていた。
衝撃の余波を受けたのだろう。
「そ……そこまで! 勝者ミティ様!」
まずはミティの順当勝ちか。
彼女はミリオンズ内でも相当に上位の実力を持つし、冒険者ランクもBだ。
Cランクのツキが勝つのは厳しい相手だった。
彼女も決して弱いわけではないのだが。
さて。
次の試合を見ることにしよう。
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