【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
502話 ナオンの雇用に向けて
女騎士ナオン=ネリアが俺の屋敷にやって来た。
何でも、王都の騎士団に所属している小隊長らしい。
王都は平和過ぎて自分の能力を活かせないと考え、この領地まで部下とともに来たそうだ。
そんな彼女の目的は、俺の下で働くこと。
俺の配下になって、街の平和に貢献したいということだった。
「ふむ。確かに、俺の領地では人手が不足気味だ。西の森近郊を開発中だからな」
「はい。そのお手伝いでも構いませんし、領内の治安維持やこの街近郊の魔物の掃討などでも結構です。ぜひ、働かせて下さい!」
ナオンが必死に訴えかけてくる。
俺は彼女をじっと見つめた。
そして、口を開く。
「条件は2つだ。1つは、当面の給金については働きに応じて支払う取り決めとすること。もう1つは、部下の統制をナオンが責任を持って行うことだ」
ナオンの忠義度は、初対面にもかかわらず10台後半である。
悪くない数字だ。
害意を持って接触してきたという可能性は度外視していいだろう。
また、王都の騎士団に所属していたという話も信じていいと思う。
ただ、部下は別だ。
部下を直接この目で見れば忠義度を確認できるが、現時点でそこまでする必要もないだろう。
とりあえずは、ナオンの管理下で働いてもらえればいい。
近いうちに俺のこの目で見て、忠義度をさらっと確認しておこう。
ナオンのように初対面で忠義度10台後半であれば、高めだ。
忠義度10から15くらいであれば、標準的である。
忠義度10以下であれば低めだが、致命的というほどでもない。
クリスティも、初対面のときには忠義度5だったからな。
明確に敵対的なのは、忠義度0から3くらいのイメージだろう。
ナオンを雇用する方向で話を進める。
「はい! かしこまりました!」
ナオンは即答した。
「いいのか? もう少し考えてもいいんだぞ?」
「いえ! それで問題ありません!」
そう言い切る彼女。
俺は少し意外に思った。
「ずいぶんあっさり決めてくれるのだな」
「はい。正直、あなた様のことは噂でしか知りませんでした。はっきり申し上げますと、あなたのことを少し舐めていたかもしれません」
おい。
はっきり言うじゃないか。
「しかし、この街に来て認識を改めました。発展しつつある街並み。ご本人様から立ち上る並外れた魔力や闘気。それに、この敷地内には多数の強力な存在を感じます。これは是が非でもこちらで働かせていただきたいと思いました」
「ふむ。ナオンは察知能力が高いのだな」
「ええ。それが私の長所です。私をハイブリッジ騎士爵様の一派の末席に加えていただけたことですし、この能力を活かして粉骨砕身の精神で励んで参ります!!」
俺の一派とは。
少し大げさな気がする。
いやまあ、間違ってはいないのだが。
俺は苦笑しつつ、彼女に告げる。
「分かった。それでは、よろしく頼む。今日はゆっくり休んでくれ。近いうちに詳細の話をしよう。宿屋代は足りているのか?」
「もちろんでございます。騎士団で働いていた頃の蓄えは十分にあります」
しっかり貯金もしているとは。
なかなか生真面目な女性じゃないか。
ますます期待できる人材だ。
「ふっ。黙って聞いていれば……。騎士爵サマ。こんな女を雇うなんて、どうかしてるぜ」
キリヤがそう口を挟む。
隣にいるヴィルナがギョッとした顔をする。
そして、ナオンが眉間にしわを寄せながら反論する。
「むっ! ハイブリッジ騎士爵殿が私を雇い入れるとご判断されたのだ。それに異を唱えるとは、貴様は何様のつもりだ。たかが門番風情が」
「ほお。俺に喧嘩を売ってるのか? 女騎士さんよぉ」
バチッ。
二人の間に火花が散ったような、そんな錯覚を覚える。
いかん。
このままだと、戦闘になりかねない。
せっかくスカウトできた貴重な戦力なのに、それは困るぞ……。
よし。
ここは俺の出番だな。
「まあ待て、2人とも。俺のために争わないでくれ……」
そう言って仲裁に入る。
「「…………」」
2人は俺の方を見て、沈黙する。
「ナオンが騎士団所属で実力確かなのは、佇まいでわかる。しかし、こっちのキリヤも実力はあるのだ。冒険者で言えば、Cランクはあると見ている。軽く見ないでやってくれ」
俺はそう説明する。
「ほう……!? Cランクですか。確かに、改めて観察すればなかなかやるようですね。騎士団と冒険者では求められる素質が異なりますが、おおよそ小隊長とCランク冒険者が同格だと言われることもあります」
ナオンがそう言う。
彼女は小隊長だ。
やはり、彼女はかなりの実力者である。
「ふっ。この女が、俺と同格だと? 王都の騎士サマは、どうせ型の稽古ばかりで実戦経験はねえだろう。身の程をわからせてやろうか?」
キリヤが挑発的に言う。
「何を言う。私は騎士団員として、魔物討伐を行ったこともあるぞ。お前ごときが私に勝てると思っているのなら、思い上がりも甚だしい」
ナオンも負けじと言い返す。
ああもう。
どうしてこうなるんだ……。
俺はため息をつく。
「「ぐぬぬ……」」
2人は睨み合いを続ける。
そんな彼らを見て、ヴィルナはあわあわと焦っている。
彼女も苦労人だな。
俺は勝手にシンパシーを感じる。
しかし、これではいつまで経っても話が進まない。
しょうがないな。
こうなったら……。
何でも、王都の騎士団に所属している小隊長らしい。
王都は平和過ぎて自分の能力を活かせないと考え、この領地まで部下とともに来たそうだ。
そんな彼女の目的は、俺の下で働くこと。
俺の配下になって、街の平和に貢献したいということだった。
「ふむ。確かに、俺の領地では人手が不足気味だ。西の森近郊を開発中だからな」
「はい。そのお手伝いでも構いませんし、領内の治安維持やこの街近郊の魔物の掃討などでも結構です。ぜひ、働かせて下さい!」
ナオンが必死に訴えかけてくる。
俺は彼女をじっと見つめた。
そして、口を開く。
「条件は2つだ。1つは、当面の給金については働きに応じて支払う取り決めとすること。もう1つは、部下の統制をナオンが責任を持って行うことだ」
ナオンの忠義度は、初対面にもかかわらず10台後半である。
悪くない数字だ。
害意を持って接触してきたという可能性は度外視していいだろう。
また、王都の騎士団に所属していたという話も信じていいと思う。
ただ、部下は別だ。
部下を直接この目で見れば忠義度を確認できるが、現時点でそこまでする必要もないだろう。
とりあえずは、ナオンの管理下で働いてもらえればいい。
近いうちに俺のこの目で見て、忠義度をさらっと確認しておこう。
ナオンのように初対面で忠義度10台後半であれば、高めだ。
忠義度10から15くらいであれば、標準的である。
忠義度10以下であれば低めだが、致命的というほどでもない。
クリスティも、初対面のときには忠義度5だったからな。
明確に敵対的なのは、忠義度0から3くらいのイメージだろう。
ナオンを雇用する方向で話を進める。
「はい! かしこまりました!」
ナオンは即答した。
「いいのか? もう少し考えてもいいんだぞ?」
「いえ! それで問題ありません!」
そう言い切る彼女。
俺は少し意外に思った。
「ずいぶんあっさり決めてくれるのだな」
「はい。正直、あなた様のことは噂でしか知りませんでした。はっきり申し上げますと、あなたのことを少し舐めていたかもしれません」
おい。
はっきり言うじゃないか。
「しかし、この街に来て認識を改めました。発展しつつある街並み。ご本人様から立ち上る並外れた魔力や闘気。それに、この敷地内には多数の強力な存在を感じます。これは是が非でもこちらで働かせていただきたいと思いました」
「ふむ。ナオンは察知能力が高いのだな」
「ええ。それが私の長所です。私をハイブリッジ騎士爵様の一派の末席に加えていただけたことですし、この能力を活かして粉骨砕身の精神で励んで参ります!!」
俺の一派とは。
少し大げさな気がする。
いやまあ、間違ってはいないのだが。
俺は苦笑しつつ、彼女に告げる。
「分かった。それでは、よろしく頼む。今日はゆっくり休んでくれ。近いうちに詳細の話をしよう。宿屋代は足りているのか?」
「もちろんでございます。騎士団で働いていた頃の蓄えは十分にあります」
しっかり貯金もしているとは。
なかなか生真面目な女性じゃないか。
ますます期待できる人材だ。
「ふっ。黙って聞いていれば……。騎士爵サマ。こんな女を雇うなんて、どうかしてるぜ」
キリヤがそう口を挟む。
隣にいるヴィルナがギョッとした顔をする。
そして、ナオンが眉間にしわを寄せながら反論する。
「むっ! ハイブリッジ騎士爵殿が私を雇い入れるとご判断されたのだ。それに異を唱えるとは、貴様は何様のつもりだ。たかが門番風情が」
「ほお。俺に喧嘩を売ってるのか? 女騎士さんよぉ」
バチッ。
二人の間に火花が散ったような、そんな錯覚を覚える。
いかん。
このままだと、戦闘になりかねない。
せっかくスカウトできた貴重な戦力なのに、それは困るぞ……。
よし。
ここは俺の出番だな。
「まあ待て、2人とも。俺のために争わないでくれ……」
そう言って仲裁に入る。
「「…………」」
2人は俺の方を見て、沈黙する。
「ナオンが騎士団所属で実力確かなのは、佇まいでわかる。しかし、こっちのキリヤも実力はあるのだ。冒険者で言えば、Cランクはあると見ている。軽く見ないでやってくれ」
俺はそう説明する。
「ほう……!? Cランクですか。確かに、改めて観察すればなかなかやるようですね。騎士団と冒険者では求められる素質が異なりますが、おおよそ小隊長とCランク冒険者が同格だと言われることもあります」
ナオンがそう言う。
彼女は小隊長だ。
やはり、彼女はかなりの実力者である。
「ふっ。この女が、俺と同格だと? 王都の騎士サマは、どうせ型の稽古ばかりで実戦経験はねえだろう。身の程をわからせてやろうか?」
キリヤが挑発的に言う。
「何を言う。私は騎士団員として、魔物討伐を行ったこともあるぞ。お前ごときが私に勝てると思っているのなら、思い上がりも甚だしい」
ナオンも負けじと言い返す。
ああもう。
どうしてこうなるんだ……。
俺はため息をつく。
「「ぐぬぬ……」」
2人は睨み合いを続ける。
そんな彼らを見て、ヴィルナはあわあわと焦っている。
彼女も苦労人だな。
俺は勝手にシンパシーを感じる。
しかし、これではいつまで経っても話が進まない。
しょうがないな。
こうなったら……。
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