【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
497話 ロロの不満
さらに数日が経過した。
俺たちミリオンズはのんびりと過ごしつつ、各自が必要な仕事をこなしている。
リンたち一家も平穏に暮らしている。
特にリンは、生き生きと仕事をするようになった。
「い、いきますよぉ。うおおおぉ~!」
彼女がすごい勢いで廊下を掃除していく。
「ほほ。塞ぎがちだったリンさんは、元気いっぱいになりましたね。これも親御さんと同居できた影響でしょうか。お館様のご配慮の賜物でございますな」
執事のセバスがそう言う。
半分くらいは正解だと言っていいだろう。
もう半分は、俺の加護による恩恵だ。
基礎ステータスが2割増しになり清掃術のスキルレベルが上がったことにより、今までよりもできることが増えたのだろう。
「リンちゃんは、すっごくお掃除が上手になってますよ! 私たちも助かってます!」
「ですね~。これは、私たちもうかうかしてられません~」
メイドのレインとクルミナがそう言う。
彼女たちも、部下であるリンの急成長を受けてご満悦だ。
単純に彼女たちの負担が減るというのもあるだろうし、目をかけていた幼い見習いが元気に働いているのを見て嬉しいという気持ちもあるだろう。
スキルとしては清掃術レベル1がレベル2になっただけなのだが、それでも7歳の幼女にとっては大きな変化だ。
セバス、レイン、クルミナの忠義度もそれぞれ順調に高くなってきている。
思えば、彼らとの付き合いも結構長い。
ハルク男爵家の執事セルバスの経由で彼らを紹介してもらったのは、今年の4月頃だ。
俺が騎士爵を授かる前の話である。
今は12月。
もう8か月の付き合いとなる。
雇用主と被雇用者の関係とはいえ、俺がただの一冒険者である頃から付き従ってくれている三人だ。
彼らに何かあったときには、ぜひ力を貸したいと思っているところである。
忠義度も稼ぎたいしな。
3人の中では、実はセバスが最も忠義度が高い。
忠義度は30中盤だ。
以前より考えている、『年少者や女性ほど忠義度が上がりやすく、高齢者や男性ほど忠義度が上がりにくい』という傾向に反する。
要因として、彼の職業柄の生き様が関係しているのではないだろうか。
彼は執事だ。
長年執事として働いており、俺と出会う少し前に職を辞しのんびりと暮らすようになった。
しかし働いていないと手持ち無沙汰で落ち着かないと感じていたところに、セルバス経由で俺のもとに紹介されたのだ。
執事として主人に忠誠を誓いあれこれ世話をすることに、生きがいを感じているのかもしれない。
「うむ。リンはよく働いてくれているな。ありがたいことだ」
俺はそうつぶやき、満足気にうなずく。
「えへへ。あ、ありがとうございますぅ。今度はあっちを掃除してきますね!」
リンはそう言って、廊下の奥に向かっていった。
この調子だと、今後もパリンたちと共に元気に暮らしてもらえそうだ。
パリンたちをこの街に招く際に少し強引に物事を進めてしまった反省点はあるが、結果としては最良のものになったと言っても過言ではない。
俺はそんなことを考えながら、廊下の奥の方で掃除をしているリンを眺める。
と、そのとき。
「…………(くいっ)」
だれかに俺の服が引っ張られた。
後ろを振り返ると、そこにはいつの間にかロロがいた。
何かを言いたそうな顔をしている。
無口かつ無表情の彼女ではあるが、何となくの感情ぐらいはつかめるようになった。
ここは……
「ああ、もちろんロロもよく働いてくれているぞ。ありがとう」
俺は頭を撫でてやる。
「…………(にこっ)」
俺の反応は正解だったようだ。
彼女が嬉しそうに微笑む。
そうだよな。
リンだけじゃなくて、ロロもがんばっているのだ。
リンとロロは、2人ともメイド見習いである。
レインとクルミナの部下として経験を積んでいるところだ。
また、ロロについてはメイド以外のとある技能の習得にも励んでいる。
ミティの弟子と言ってもいい。
リンは7歳であり、隷属奴隷。
ロロは6歳であり、孤児院出身の平民だ。
上下関係が微妙なところだが、2人は特に気にした様子もなく仲良く働いたり遊んだりしてきた。
しかし、今回リンが家族と同居した上、俺の加護により身体能力や清掃スキルが向上したことにより、その関係性が少し怪しくなった。
ここ最近の幸福の絶対値は、おそらくリンの方が上だろう。
ロロはあまり態度に出さないが、内心で不満がたまっていてもおかしくない。
何かしらの手を打つ必要がある。
そんなことを考えていると、また服を引っ張られた。
「…………(くいっ)」
「ああ。もちろんわかっているさ。孤児院を訪問する件だろう? 今日の予定だったな」
リンばかり優遇して不満をためないために、俺の配下の者たちの課題や問題にはひと通り取り組んでいくつもりである。
次は、ロロの孤児院の面倒を見るというわけだ。
「…………(こくっ)」
ロロが満足気に微笑む。
これまで、リンの件であれこれ動いている間にも、ロロを含めそれぞれの者たちと適度に交流を深めている。
全体的に、少しずつ忠義度が上がってきているところだ。
ロロの忠義度は、現在30台中盤である。
もう一息で、加護(小)が見えなくもない。
孤児院をがんばって支援してやることにしよう。
俺たちミリオンズはのんびりと過ごしつつ、各自が必要な仕事をこなしている。
リンたち一家も平穏に暮らしている。
特にリンは、生き生きと仕事をするようになった。
「い、いきますよぉ。うおおおぉ~!」
彼女がすごい勢いで廊下を掃除していく。
「ほほ。塞ぎがちだったリンさんは、元気いっぱいになりましたね。これも親御さんと同居できた影響でしょうか。お館様のご配慮の賜物でございますな」
執事のセバスがそう言う。
半分くらいは正解だと言っていいだろう。
もう半分は、俺の加護による恩恵だ。
基礎ステータスが2割増しになり清掃術のスキルレベルが上がったことにより、今までよりもできることが増えたのだろう。
「リンちゃんは、すっごくお掃除が上手になってますよ! 私たちも助かってます!」
「ですね~。これは、私たちもうかうかしてられません~」
メイドのレインとクルミナがそう言う。
彼女たちも、部下であるリンの急成長を受けてご満悦だ。
単純に彼女たちの負担が減るというのもあるだろうし、目をかけていた幼い見習いが元気に働いているのを見て嬉しいという気持ちもあるだろう。
スキルとしては清掃術レベル1がレベル2になっただけなのだが、それでも7歳の幼女にとっては大きな変化だ。
セバス、レイン、クルミナの忠義度もそれぞれ順調に高くなってきている。
思えば、彼らとの付き合いも結構長い。
ハルク男爵家の執事セルバスの経由で彼らを紹介してもらったのは、今年の4月頃だ。
俺が騎士爵を授かる前の話である。
今は12月。
もう8か月の付き合いとなる。
雇用主と被雇用者の関係とはいえ、俺がただの一冒険者である頃から付き従ってくれている三人だ。
彼らに何かあったときには、ぜひ力を貸したいと思っているところである。
忠義度も稼ぎたいしな。
3人の中では、実はセバスが最も忠義度が高い。
忠義度は30中盤だ。
以前より考えている、『年少者や女性ほど忠義度が上がりやすく、高齢者や男性ほど忠義度が上がりにくい』という傾向に反する。
要因として、彼の職業柄の生き様が関係しているのではないだろうか。
彼は執事だ。
長年執事として働いており、俺と出会う少し前に職を辞しのんびりと暮らすようになった。
しかし働いていないと手持ち無沙汰で落ち着かないと感じていたところに、セルバス経由で俺のもとに紹介されたのだ。
執事として主人に忠誠を誓いあれこれ世話をすることに、生きがいを感じているのかもしれない。
「うむ。リンはよく働いてくれているな。ありがたいことだ」
俺はそうつぶやき、満足気にうなずく。
「えへへ。あ、ありがとうございますぅ。今度はあっちを掃除してきますね!」
リンはそう言って、廊下の奥に向かっていった。
この調子だと、今後もパリンたちと共に元気に暮らしてもらえそうだ。
パリンたちをこの街に招く際に少し強引に物事を進めてしまった反省点はあるが、結果としては最良のものになったと言っても過言ではない。
俺はそんなことを考えながら、廊下の奥の方で掃除をしているリンを眺める。
と、そのとき。
「…………(くいっ)」
だれかに俺の服が引っ張られた。
後ろを振り返ると、そこにはいつの間にかロロがいた。
何かを言いたそうな顔をしている。
無口かつ無表情の彼女ではあるが、何となくの感情ぐらいはつかめるようになった。
ここは……
「ああ、もちろんロロもよく働いてくれているぞ。ありがとう」
俺は頭を撫でてやる。
「…………(にこっ)」
俺の反応は正解だったようだ。
彼女が嬉しそうに微笑む。
そうだよな。
リンだけじゃなくて、ロロもがんばっているのだ。
リンとロロは、2人ともメイド見習いである。
レインとクルミナの部下として経験を積んでいるところだ。
また、ロロについてはメイド以外のとある技能の習得にも励んでいる。
ミティの弟子と言ってもいい。
リンは7歳であり、隷属奴隷。
ロロは6歳であり、孤児院出身の平民だ。
上下関係が微妙なところだが、2人は特に気にした様子もなく仲良く働いたり遊んだりしてきた。
しかし、今回リンが家族と同居した上、俺の加護により身体能力や清掃スキルが向上したことにより、その関係性が少し怪しくなった。
ここ最近の幸福の絶対値は、おそらくリンの方が上だろう。
ロロはあまり態度に出さないが、内心で不満がたまっていてもおかしくない。
何かしらの手を打つ必要がある。
そんなことを考えていると、また服を引っ張られた。
「…………(くいっ)」
「ああ。もちろんわかっているさ。孤児院を訪問する件だろう? 今日の予定だったな」
リンばかり優遇して不満をためないために、俺の配下の者たちの課題や問題にはひと通り取り組んでいくつもりである。
次は、ロロの孤児院の面倒を見るというわけだ。
「…………(こくっ)」
ロロが満足気に微笑む。
これまで、リンの件であれこれ動いている間にも、ロロを含めそれぞれの者たちと適度に交流を深めている。
全体的に、少しずつ忠義度が上がってきているところだ。
ロロの忠義度は、現在30台中盤である。
もう一息で、加護(小)が見えなくもない。
孤児院をがんばって支援してやることにしよう。
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