【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

444話 海水浴 日焼け止め

 さらに数日が経過した。
 俺たちミリオンズは、相変わらずルクアージュでのんびりと過ごしている。

 千の事情聴取や情報取引は順調に進みつつあるそうで、彼女の待遇は『牢に勾留』から『ラスターレイン伯爵家の離れに軟禁』へと向上している。
 そして、彼女のお目付け役として俺たちミリオンズが任命された。

 リールバッハはやや申し訳ないような表情で依頼してきたが、実は俺にとってはさほどの負担ではない。
 俺の『加護付与』のチートの副次的な効果として、俺に敵意を持っている者も把握できるからだ。

 千の忠義度は20代。
 特に敵対的というわけではない。
 多少油断しても、彼女に害される可能性は低いだろう。
 それにそもそも、武闘の達人であるアイリス、兎獣人として超聴覚を持つモニカ、犬獣人として超嗅覚を持つニムあたりを出し抜いて俺たちを害することは容易ではない。

 そんなわけで、今俺たちはーー。

「おお。これがルクアージュが誇る海水浴場か」

「すばらしい眺めですね! 私、海に入るのは初めてです!」

 ミティが元気よくそう言う。
 俺たちは、海水浴に来ているのである。

「ハガ王国の湖水浴を思い出すね」

「わあい! マリア、水遊び大好き!」

 アイリスとマリアがそう言う。
 俺、ミティ、アイリス、マリアの4人は、ハガ王国のスプール湖にて湖水浴をしたことがある。
 当時はミティやアイリスとまだ深い仲になっていなかったし、結婚もしていなかった。
 彼女たちの水着姿に興奮した思い出がある。

「ようし。入るぞー!」

「た、楽しみですね」

 モニカとニムがそう言う。
 俺は、彼女たちといっしょに風呂に入ったことがある。
 しかし、水着姿は新鮮だ。
 また別の美しいと可愛さがある。

 俺たちミリオンズは、海水浴場で思い思いに過ごし始める。
 俺、ミティ、アイリス、モニカ、ニム。
 ユナ、マリア、サリエ、リーゼロッテ、蓮華。
 ティーナ、ドラちゃん。
 そして、千だ。

 俺たちミリオンズは千のお目付け役なので、海水浴に彼女も同行することになったのだ。
 今日だけは他の者に引き継いでもよかったのだが……。
 せっかくなので、敵対していたことは忘れて友好を深めることにしたのである。

 さらに、俺たち以外にも海水浴に来ている者たちがたくさんいる。
 というか、アヴァロン迷宮の攻略に挑戦していた冒険者たちはほとんど来ているような……。

 その上、リールバッハたちラスターレイン伯爵家の面々もいる。
 貴族がしれっと海水浴に来てるんじゃねえよ。
 仕事しろ。
 ……いや、俺も貴族の端くれなので人のことは言えないが。

 まあ、他の者たちのことは一旦置いておこう。
 俺たちは俺たちで、海水浴を楽しむことにする。

 ミリオンズも大所帯となった。
 全員が常に行動をともにすることもない。
 多少の仲不仲や趣味嗜好の違いはあるし、思い思いに過ごしていく。

「ああ……。日差しが心地良い……」

「ふふん。悪くないわね」

「ポカポカだ!」

「今日はのんびりしましょう。寝てしまいそうですわ」

 俺、ユナ、ドラちゃん、リーゼロッテは砂辺で寝転んでいる。
 海水浴に来たのに海には入っていないわけだが、まあ細かいことはいいだろう。

 ユナの水着は、かなり際どい水着だ。
 いわゆるビキニである。

 リーゼロッテは、ユナよりもひと回り露出の少ない水着を着ている。
 しかし、彼女の巨乳により胸の水着ははちきれそうな雰囲気だ。
 なかなかの迫力である。

「私もここでゆっくりしましょう。でも、焼き過ぎるとお肌に悪いと聞いたことがありますが……」

 サリエがそう言う。
 彼女はかつて長期間病床に伏せっていた。
 その影響か、透明感のある白く美しい肌をしている。
 日焼けしたらそれはそれで魅力的だろうが、肌荒れなどを引き起こす可能性もあるな。

「うふふ。それならば、これを。ヤマト連邦流の日焼け止めですわ」

 千がビンを差し出す。
 日焼け止め?
 彼女は本当に何でも持っているな。

「あら。ありがとうございます、千さん。……ではタカシさん、塗っていただますか?」

「ん? 俺か? もちろん構わないとも」

 俺とサリエは結婚話が持ち上がっているが、まだ具体的には詰めていない。
 それに、肉体的にも手を出せていない。
 彼女の柔肌に触れるチャンスだ!
 ぐへへ。

 俺は日焼け止めを手に垂らす。
 さらに、サリエの背中にも垂らす。

「ひゃっ! つ、冷たいです……」

「すぐに慣れるさ。よし、いくぞ……」

 ごくり。
 俺はサリエの背中に手を這わせていく。
 ぬりぬり。

「ふぁああ……。何だか気持ちいいです……。タカシさんの手、優しい動きですね……」

 サリエがうっとりした声でそう言う。
 本当はもっとがっつきたいのだが。
 必死に自制して、優しく塗っているのだ。

 彼女には既に通常の加護を付与済みだし、これ以上忠義度を稼ぐ必要はない。
 とはいえ、無闇にがっついて女性から嫌われたくない気持ちもある。
 さりげなく攻めていく。

「サリエの体は、柔らかいな」

「少し恥ずかしいです……」

 サリエの顔が赤くなっている。

「恥ずかしがる必要はないぞ。……ん? このあたりは少し凝っているな」

 俺はサリエの胸のすぐ横あたりに日焼け止めを塗る。

「ひゃっ! そこは……」

 サリエが抗議の声を上げる。
 少し際どいところを攻めすぎたか?
 いや、押せばどうにかなりそうだ。
 ここは攻めるぞ!

「リンパを刺激する。手をどけてくれ」

「リンパ……? 何ですかそれ?」

「細かいことは気にするな。俺にすべてを委ねるのだ……」

「あう……。わかりました」

 サリエはやや押しに弱い。
 渋々ながらも抵抗の力を緩め、俺に体を委ねてきた。
 自分で誘導しておいて何だが、彼女は少し危なっかしいな。
 エロマッサージ店などには行かせないように気をつけよう。

 サリエの日焼け止めを塗った後は、ユナ、リーゼロッテ、千にも塗ってあげた。
 さらに、お返しとして俺にも塗ってもらった。
 その際にちょっとしたハプニングもあったが、今は置いておこう。

 日焼け止めを塗り終えた俺たちは、ビーチでゆっくりとする。
 のんびり派の俺たちは、動き回るよりもこうやってくつろぐほうが性に合っている。

 一方で、他の者たちは活発に動いている。
 特に、熱心なのはーー。

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