【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
436話 宝物庫の結界
俺たちミリオンズとラスターレイン伯爵家は、アヴァロン迷宮の5階層に引き返した。
トミーやティーナ、それにベアトリクス第三王女やマクセル、その他冒険者たちと無事に再会することができた。
ティーナの機能により、全員の氷化状態が解除されている。
再会した場所は、アヴァロン迷宮5階層の宝物庫だ。
金銀財宝、剣、魔道具などが置かれているが、結界により守られている。
それにさっそうと挑むのは、『聖騎士』の二つ名を持つシュタインだ。
「見ていてくれ、我が最愛のミサよ。この勝利を君に捧げる……」
シュタインがキメ顔でそう言う。
そして、結界に触れる。
しかしーー。
「あばばばば!」
シュタインが奇っ怪な悲鳴を上げて、倒れ込む。
下手に結界に触れると、何かしらの衝撃もしくは電流のような攻撃に襲われる感じか。
俺の隣にいるマクセルが口を開く。
「見ての通り、あの結界が厄介でね。単純な物理結界なら、俺の雷竜拳で破壊できたかもしれないけど……」
彼は一流の武闘家だ。
闘気を惜しみなく使えば、たいがいの物理的な障壁は粉砕できるはずだ。
「ふうん。確かに厄介そうだな。突破するあてはないのか?」
「ソーマ騎士爵のように闇雲に突撃する人はたくさんいたけど、とうとうみんな諦めたようだね。彼が最後のチャレンジャーだ」
それはそうだろう。
何の策もなく突撃しても、突破できる可能性は低い。
結界の波長とたまたま相性のいい人がいたとか、大人数で突撃することにより結界の許容値を超えるとか、そういう限られた場合にしか突破できない。
「なるほど……」
「あとは、結界魔法に詳しい人が数人いたから、解析しようとしているところだね。なかなか難しいみたいだけど」
結界魔法。
ハガ王国の六武衆である『結界』のソルダートが使っていた魔法だな。
戦闘時には、ミティのゲンコツメテオやストラスのワン・エイト・ショットガンなどを防いでいた。
また、戦後のスイカ割りの際には、同じく六武衆のディークの振り下ろしを防いでいたこともある。
「ふんふん~。ここがこうなって~? ちょっと難しいなあ」
メガネをかけた女性が結界の分析をしている。
結構かわいい。
彼女の周りには、取り巻きの男性冒険者が何人もいる。
人気者のようだ。
しかし、あんな女性がいただろうか?
そういえば、この世界に来てメガネをかけた人はあまり見ないな。
たまには見かけるので、この世界の技術的に不可能というわけではないはずだが。
やや高級な代物なのかもしれない。
もしくは、スマホやテレビなどがない分、近視などにもなりにくいのか。
「フレンダの姐さん。がんばってくだせえ」
「あっしにできることがあれば、何でもしますぜ」
取り巻きたちがそう言う。
フレンダ?
ああ、『魅了』のフレンダか。
確か、フルネームはフレンダ=ハートフィールド。
選別試験ではアイリスの『五光一閃』により瞬殺されていた。
とはいえ、彼女はBランク冒険者。
実力は確かだろう。
その上、結界魔法の知識もあると。
結界魔法は、防御に秀でた魔法である。
この宝物庫を守っている結界も、原理は同じものなのかもしれない。
「ピピッ。よくぞご無事で、マスター」
高性能ゴーレムのティーナがこちらを向いて、そう言う。
「ティーナか。みんなの氷化状態を無事に解除してくれたようだな。ありがとう」
「マスターのご命令に従うことは、当機の存在理由となります。問題ありません」
ティーナがそう言う。
彼女が俺の体をジロジロと見てくる。
「……魔力感知と遠視により状況は把握しておりましたが、今一度至近距離より体調を確認します。……状況クリア。問題ありません」
やはり、彼女は相当に高性能だ。
俺と別行動中に、指示していた通りにみんなの氷化状態を解除。
離れたところで戦闘している俺の様子を、魔力感知と遠視により把握。
そして、再会するなり俺の体をスキャンして体調を確認。
非常に頼りになる。
残念なのは、彼女が加護付与の対象者ではないことだ。
そういえば、ファイアードラゴンのドラちゃんも対象者にはならなかった。
意思疎通ができても、人外の者はスキルの対象外なのかもしれない。
「ところで、ティーナはあの結界のことを知っているか?」
「ピピッ。あの結界は当機の管理管轄内です。解除することはできますが、数日程度のタイムラグが発生します」
「そうか。あのお宝を手に入れるのは、数日後までお預けか」
諦めて、みんなでルクアージュに戻ることにするか。
「なお、マスターとして登録済みの個体名:タカシ=ハイブリッジであれば、結界を素通りすることができます」
「なぬっ!?」
それは朗報だ。
ぐへへ。
あのお宝はすべて、俺のモンだあ!
「タカシ君。その娘はいったい何者なんだい? 俺たちの氷化状態を解除してくれたことは理解しているんだけど……」
マクセルがそう問う。
「ああ。彼女はティーナ。俺たち第六隊が入った側の4階層を守護していた高性能なゴーレムだ。俺をマスターとして登録し、従ってもらっている」
「彼女がゴーレムだって? 世界には、俺の想像を超えたものがたくさんあるんだな……」
マクセルが驚嘆した表情を浮かべる。
「さて。何はともあれ、俺があの宝をいただくとするか」
俺はさっそうと歩みだす。
結界前でたむろしている冒険者たちをかきわけ、進んでいく。
「おお。あいつはタカシ=ハイブリッジ」
「見ろ。入口のところにはラスターレイン伯爵家の面々もいるぜ」
「ハイブリッジ騎士爵が闇の瘴気を祓う大活躍をしたっていうのは、本当だったようだな」
冒険者たちが口々にそう言う。
俺はそんな言葉を聞きつつ、さらに歩みを進めていく。
結界の前では、つい先ほど結界に挑戦したシュタインが倒れ込んでいる。
よく見ると、今までに挑戦してきたらしい者たちが近くに倒れ込んでいる。
ギルバート、ジルガ、ニュー、それに他のCランク冒険者。
猪突猛進の脳筋揃いである。
それにーー。
「ふにゅ~。ハナちゃん大失敗~」
「だから、無謀だと言ったのに……」
「うう! お宝がー!」
10代中盤の少女たちによる冒険者パーティ、『雪月花』の面々である。
この様子だと、ハナとツキが無策に突撃し、ユキが巻き添えを食らった感じか。
俺は彼女たちを横目に、結界のすぐそばにたどり着いた。
シュタインがこちらに視線を向ける。
「おお、我が盟友タカシよ。あの少女から聞いてはいたが、無事だったのだな。何よりだ」
彼は倒れ込んだ状態のまま、そう言う。
「シュタインもな。それよりも、この先にずいぶんとゴージャスな宝があるようだが」
「ああ。しかし、結界が厄介だ。我が最愛の妻ミサからの頼みで挑戦したが……。私も弾かれてしまった」
シュタインが無念そうな表情を浮かべる。
「ま、ここは俺に任せておけ。宝物を手に入れて見せよう」
俺は結界に向けて歩みを進める。
「よ、よせ! 結界に弾かれると、それなりに痛いぞ!」
シュタインがそう言う。
確かに、彼は先ほど情けない声を上げていた。
痛いのは事実なのだろう。
しかしーー。
スルッ。
俺は何事もなく、結界を通り過ぎた。
「なにっ!? たまたま結界の波長を通り抜けたのか? それとも、結界の出力が弱まっているとでも……?」
シュタインが不思議そうにそう言う。
実際にはそのどちらでもなく、俺がティーナのマスターとして登録されているからだが。
「ガハハ! そういうことなら、我ももう一度挑戦するぞ!」
「俺もいくぜ! 宝は早いもの勝ちだ!」
ギルバートとジルガだ。
彼らもつい先ほどまで結界の側で倒れ込んでいた。
俺の突破成功を見て、再チャレンジのため立ち上がったといったところか。
「待て! 俺が突破できたのは……」
俺は事情を説明しようとした。
しかしーー。
「「あばばばばば!」」
一歩遅かった。
彼らが結界に突撃し、ダメージを受ける。
少しは俺の言葉を聞いてくれよ。
トミーやティーナ、それにベアトリクス第三王女やマクセル、その他冒険者たちと無事に再会することができた。
ティーナの機能により、全員の氷化状態が解除されている。
再会した場所は、アヴァロン迷宮5階層の宝物庫だ。
金銀財宝、剣、魔道具などが置かれているが、結界により守られている。
それにさっそうと挑むのは、『聖騎士』の二つ名を持つシュタインだ。
「見ていてくれ、我が最愛のミサよ。この勝利を君に捧げる……」
シュタインがキメ顔でそう言う。
そして、結界に触れる。
しかしーー。
「あばばばば!」
シュタインが奇っ怪な悲鳴を上げて、倒れ込む。
下手に結界に触れると、何かしらの衝撃もしくは電流のような攻撃に襲われる感じか。
俺の隣にいるマクセルが口を開く。
「見ての通り、あの結界が厄介でね。単純な物理結界なら、俺の雷竜拳で破壊できたかもしれないけど……」
彼は一流の武闘家だ。
闘気を惜しみなく使えば、たいがいの物理的な障壁は粉砕できるはずだ。
「ふうん。確かに厄介そうだな。突破するあてはないのか?」
「ソーマ騎士爵のように闇雲に突撃する人はたくさんいたけど、とうとうみんな諦めたようだね。彼が最後のチャレンジャーだ」
それはそうだろう。
何の策もなく突撃しても、突破できる可能性は低い。
結界の波長とたまたま相性のいい人がいたとか、大人数で突撃することにより結界の許容値を超えるとか、そういう限られた場合にしか突破できない。
「なるほど……」
「あとは、結界魔法に詳しい人が数人いたから、解析しようとしているところだね。なかなか難しいみたいだけど」
結界魔法。
ハガ王国の六武衆である『結界』のソルダートが使っていた魔法だな。
戦闘時には、ミティのゲンコツメテオやストラスのワン・エイト・ショットガンなどを防いでいた。
また、戦後のスイカ割りの際には、同じく六武衆のディークの振り下ろしを防いでいたこともある。
「ふんふん~。ここがこうなって~? ちょっと難しいなあ」
メガネをかけた女性が結界の分析をしている。
結構かわいい。
彼女の周りには、取り巻きの男性冒険者が何人もいる。
人気者のようだ。
しかし、あんな女性がいただろうか?
そういえば、この世界に来てメガネをかけた人はあまり見ないな。
たまには見かけるので、この世界の技術的に不可能というわけではないはずだが。
やや高級な代物なのかもしれない。
もしくは、スマホやテレビなどがない分、近視などにもなりにくいのか。
「フレンダの姐さん。がんばってくだせえ」
「あっしにできることがあれば、何でもしますぜ」
取り巻きたちがそう言う。
フレンダ?
ああ、『魅了』のフレンダか。
確か、フルネームはフレンダ=ハートフィールド。
選別試験ではアイリスの『五光一閃』により瞬殺されていた。
とはいえ、彼女はBランク冒険者。
実力は確かだろう。
その上、結界魔法の知識もあると。
結界魔法は、防御に秀でた魔法である。
この宝物庫を守っている結界も、原理は同じものなのかもしれない。
「ピピッ。よくぞご無事で、マスター」
高性能ゴーレムのティーナがこちらを向いて、そう言う。
「ティーナか。みんなの氷化状態を無事に解除してくれたようだな。ありがとう」
「マスターのご命令に従うことは、当機の存在理由となります。問題ありません」
ティーナがそう言う。
彼女が俺の体をジロジロと見てくる。
「……魔力感知と遠視により状況は把握しておりましたが、今一度至近距離より体調を確認します。……状況クリア。問題ありません」
やはり、彼女は相当に高性能だ。
俺と別行動中に、指示していた通りにみんなの氷化状態を解除。
離れたところで戦闘している俺の様子を、魔力感知と遠視により把握。
そして、再会するなり俺の体をスキャンして体調を確認。
非常に頼りになる。
残念なのは、彼女が加護付与の対象者ではないことだ。
そういえば、ファイアードラゴンのドラちゃんも対象者にはならなかった。
意思疎通ができても、人外の者はスキルの対象外なのかもしれない。
「ところで、ティーナはあの結界のことを知っているか?」
「ピピッ。あの結界は当機の管理管轄内です。解除することはできますが、数日程度のタイムラグが発生します」
「そうか。あのお宝を手に入れるのは、数日後までお預けか」
諦めて、みんなでルクアージュに戻ることにするか。
「なお、マスターとして登録済みの個体名:タカシ=ハイブリッジであれば、結界を素通りすることができます」
「なぬっ!?」
それは朗報だ。
ぐへへ。
あのお宝はすべて、俺のモンだあ!
「タカシ君。その娘はいったい何者なんだい? 俺たちの氷化状態を解除してくれたことは理解しているんだけど……」
マクセルがそう問う。
「ああ。彼女はティーナ。俺たち第六隊が入った側の4階層を守護していた高性能なゴーレムだ。俺をマスターとして登録し、従ってもらっている」
「彼女がゴーレムだって? 世界には、俺の想像を超えたものがたくさんあるんだな……」
マクセルが驚嘆した表情を浮かべる。
「さて。何はともあれ、俺があの宝をいただくとするか」
俺はさっそうと歩みだす。
結界前でたむろしている冒険者たちをかきわけ、進んでいく。
「おお。あいつはタカシ=ハイブリッジ」
「見ろ。入口のところにはラスターレイン伯爵家の面々もいるぜ」
「ハイブリッジ騎士爵が闇の瘴気を祓う大活躍をしたっていうのは、本当だったようだな」
冒険者たちが口々にそう言う。
俺はそんな言葉を聞きつつ、さらに歩みを進めていく。
結界の前では、つい先ほど結界に挑戦したシュタインが倒れ込んでいる。
よく見ると、今までに挑戦してきたらしい者たちが近くに倒れ込んでいる。
ギルバート、ジルガ、ニュー、それに他のCランク冒険者。
猪突猛進の脳筋揃いである。
それにーー。
「ふにゅ~。ハナちゃん大失敗~」
「だから、無謀だと言ったのに……」
「うう! お宝がー!」
10代中盤の少女たちによる冒険者パーティ、『雪月花』の面々である。
この様子だと、ハナとツキが無策に突撃し、ユキが巻き添えを食らった感じか。
俺は彼女たちを横目に、結界のすぐそばにたどり着いた。
シュタインがこちらに視線を向ける。
「おお、我が盟友タカシよ。あの少女から聞いてはいたが、無事だったのだな。何よりだ」
彼は倒れ込んだ状態のまま、そう言う。
「シュタインもな。それよりも、この先にずいぶんとゴージャスな宝があるようだが」
「ああ。しかし、結界が厄介だ。我が最愛の妻ミサからの頼みで挑戦したが……。私も弾かれてしまった」
シュタインが無念そうな表情を浮かべる。
「ま、ここは俺に任せておけ。宝物を手に入れて見せよう」
俺は結界に向けて歩みを進める。
「よ、よせ! 結界に弾かれると、それなりに痛いぞ!」
シュタインがそう言う。
確かに、彼は先ほど情けない声を上げていた。
痛いのは事実なのだろう。
しかしーー。
スルッ。
俺は何事もなく、結界を通り過ぎた。
「なにっ!? たまたま結界の波長を通り抜けたのか? それとも、結界の出力が弱まっているとでも……?」
シュタインが不思議そうにそう言う。
実際にはそのどちらでもなく、俺がティーナのマスターとして登録されているからだが。
「ガハハ! そういうことなら、我ももう一度挑戦するぞ!」
「俺もいくぜ! 宝は早いもの勝ちだ!」
ギルバートとジルガだ。
彼らもつい先ほどまで結界の側で倒れ込んでいた。
俺の突破成功を見て、再チャレンジのため立ち上がったといったところか。
「待て! 俺が突破できたのは……」
俺は事情を説明しようとした。
しかしーー。
「「あばばばばば!」」
一歩遅かった。
彼らが結界に突撃し、ダメージを受ける。
少しは俺の言葉を聞いてくれよ。
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