【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
412話 復活のM
ファイアードラゴン戦で、俺のピンチにさっそうと駆けつけてくれた人がいた。
やつに飛び蹴りをかまし、噛みつき攻撃をそらしてくれたのだ。
俺、モニカ、ユナに加わる4人目の近接戦力である。
とっさのことで参戦者の顔は確認できなかった。
だれだ?
飛び蹴りをかましたということは、格闘家か。
格闘家といえばアイリスだが、彼女は炎耐性を持っていない。
ファイアードラゴンの高熱の体に触れることは難しい。
もしかして、火傷覚悟で参戦してくれたのか?
ファイアードラゴンは、一時的に体勢を崩している。
そのスキに、俺は距離を取る。
「よし! 何にせよ、ファイアードラゴンの魔石を手に入れるために強力な助っ人の参戦だな! マリアを治療するために、がんばるぞ!」
「おーっ!」
参戦者が無邪気にそう答える。
俺はそこで、参戦者の顔を見る。
ハーピィの少女だ。
年齢は10歳ぐらいだろうか。
顔立ちは非常に整っており、将来は相当な美人になりそうだ。
「って、マリアじゃねえかあああぁ!」
「? そーだよ?」
マリアがキョトンとした顔でそう言う。
あれ?
彼女はファイアードラゴンのブレスをモロに受け、大火傷を負って肉体的には間違いなく死んでいたはず。
俺、アイリス、サリエの治療魔法で、魂が昇天しないうちに肉体の治療を試みた。
アンドロイドのティーナから『このペースでは治療し切れない可能性が高い』という助言をもらい、ファイアードラゴンの魔石を求めてやつを討伐しようと躍起になっていたところだったのだ。
俺はマリアの様子を確認する。
顔や体に火傷が残っている様子はない。
少し前まで黒焦げになっていたとは思えないほど、見事に完治している。
俺はファイアードラゴンを警戒しつつ、後方に控えているアイリスやサリエのほうを見る。
「アイリス、サリエ。何とか残りのMPで治療できたのか?」
「いや……。ボクたちはほとんど何もしてないけど」
「おそらく、生来の生命力や回復力のおかげでしょう。常人であれば、厳しい状況なのは確かでした」
アイリスとサリエがそう答える。
そうか。
マリアには、祝福の姫巫女としての能力があったのだった。
具体的なスキル名としては、『HP回復速度強化レベル5』や『自己治癒力強化レベル4』などだ。
俺たちの治療魔法である程度回復したところに、彼女自身の回復力が加わり、死の淵から無事に生還したということか。
「ピピッ! 予測をはるかに超える回復力を確認……。個体名:マリアの情報を更新します……」
ティーナがそう言う。
彼女がいかに高性能なゴーレム だろうと、前提条件を間違えていては正確な判断はできない。
これからも俺たちと行動をともにして、情報を更新していってほしいところだ。
「す、すげえ……! 絶対に死んじまったものだと思っていた」
「どれだけダメージを受けようと炎とともに再生する……」
「不死鳥だ!」
トミーたちが驚愕した表情でそう言う。
俺もマリアの命は相当ヤバいと思っていたが、意外にあっさりと復活したな。
彼女の再生力をなめていたようだ。
マリアの肉体は全快している。
ただ、服はずいぶんと薄着になってしまっている。
ブレスによって燃え尽きた感じか。
オリハルコン製の『不朽の羽衣』だけは無事で、全裸になっていないのが救いである。
そして、体の随所が燃えている。
これは……。
「術式纏装『不滅之炎』か。とうとう習得したんだな」
「うん。なんだか、コツをつかんだみたい!」
術式纏装は高度な技だ。
まさか、モニカと俺に続いて習得するのがマリアになるとは思わなかった。
「よし。マリアの復活と術式纏装の習得は予想外だが、いい知らせだ。これで、焦らずにファイアードラゴンと戦える」
ファイアードラゴンと戦う方針自体に変わりはない。
先ほどまではマリアの治療を急ぐために焦って戦っていたが、今は特に急ぐ事情がない。
それに、近接戦を行える者が3人から4人になった。
先ほどまでよりも、有利に戦えるだろう。
マリアは、ファイアードラゴンの高熱の体に触れても問題ないようである。
彼女の高い生命力と回復力、それに『不滅之炎』の影響だと思われる。
俺たちは、改めてファイアードラゴンに戦いを挑む。
「斬魔一刀流……氷冷斬!」
「マリア・キーック!」
「ダブルセブン・ショットガン!」
「ふんっ!」
俺、マリア、モニカ、ユナがファイアードラゴンに攻撃を仕掛ける。
やはり、人数が1人増えるだけでも安心感が違うな。
「ビッグメテオ!」
「聖なる弾丸……虎天拳!」
「10万カラット……ダイアモンド・スピア!」
ミティ、アイリス、ニムも遠距離攻撃で参戦だ。
「ゴアアアアァッ!」
ファイアードラゴンが苦悶の声を上げる。
ダメージは着実に蓄積されている。
「皆さん、お疲れの様子……。私のなけなしのMPで、せめてもの治療を……」
サリエが治療魔法の詠唱を開始する。
「神の御業にてかの者たちを癒やし給え。エリアヒール」
俺、モニカ、ユナ、マリアを治療の光が包む。
MPが残り少ないためか効果は微量だが、この状況下では大きい。
「よし。マリア、ユナ。あれをやるぞ」
「わかった!」
「ふふん。あれね。火を我が者顔で操っているファイアードラゴンに、目に物を見せてくれるわ」
俺たちは合同火魔法の詠唱を開始する。
その間は、モニカがファイアードラゴンの気を引きつけてくれている。
そして、詠唱の終わり際に彼女は離脱した。
「「「……燃え盛る灼熱の溶岩よ。我が敵を飲み込み灰燼となせ。ボルカニック・イラプション!!!」」」
ゴゴゴゴゴ!
超高温の溶岩が生成され、ファイアードラゴンに向かっていく。
「ゴア?」
ファイアードラゴンはのんきなものだ。
ただの高熱では、自身を傷つけられないと高をくくっているのだろう。
その油断が命取りだ。
溶岩がファイアードラゴンを襲う。
「ゴアアアアァッ!」
やつが苦痛にのたうち回る。
「ふん。自分がファイアードラゴンだからと言って、油断していないか? お前はただの『火』。こっちは『火』を焼き尽くす『マグマ』だ!! 俺たちとお前の力は、完全に上下関係にある!!!」
俺はビシッとそう言う。
「ゴ、ゴア……」
ファイアードラゴンが息も絶え絶えにそう鳴く。
もうひと息か。
一度優勢になれば、超常の竜種といえどもあっけないものだな。
「トドメはわたくしにお任せを……。ずっと温存させていただいた水魔法を使うときが来ました」
リーゼロッテがそう言う。
彼女の水魔法はファイアードラゴン戦の切り札だ。
近接戦を行う能力はないので、ずっと後方にて待機していたのである。
彼女が水魔法の詠唱を始める。
「……慈しむ水の精霊よ。我が求めに応じ、水の一閃を走らせよ。レインレーザー!!!」
ピュンッ!
リーゼロッテの前から、細い水の柱がファイアードラゴンに向かって伸びていく。
速度は速い。
「ゴ、ゴアアアアァッ!」
ファイアードラゴンは大ダメージを受ける。
火に対して水をぶつけた属性ダメージに加えて、単純に物理的なダメージもあったことだろう。
そして、ついにファイアードラゴンは倒れた。
「ゴ、ゴア…………」
ファイアードラゴンが弱々しくそう鳴く。
まだ息はあるようだ。
近寄って、首を切り落とすことにするか。
やつに飛び蹴りをかまし、噛みつき攻撃をそらしてくれたのだ。
俺、モニカ、ユナに加わる4人目の近接戦力である。
とっさのことで参戦者の顔は確認できなかった。
だれだ?
飛び蹴りをかましたということは、格闘家か。
格闘家といえばアイリスだが、彼女は炎耐性を持っていない。
ファイアードラゴンの高熱の体に触れることは難しい。
もしかして、火傷覚悟で参戦してくれたのか?
ファイアードラゴンは、一時的に体勢を崩している。
そのスキに、俺は距離を取る。
「よし! 何にせよ、ファイアードラゴンの魔石を手に入れるために強力な助っ人の参戦だな! マリアを治療するために、がんばるぞ!」
「おーっ!」
参戦者が無邪気にそう答える。
俺はそこで、参戦者の顔を見る。
ハーピィの少女だ。
年齢は10歳ぐらいだろうか。
顔立ちは非常に整っており、将来は相当な美人になりそうだ。
「って、マリアじゃねえかあああぁ!」
「? そーだよ?」
マリアがキョトンとした顔でそう言う。
あれ?
彼女はファイアードラゴンのブレスをモロに受け、大火傷を負って肉体的には間違いなく死んでいたはず。
俺、アイリス、サリエの治療魔法で、魂が昇天しないうちに肉体の治療を試みた。
アンドロイドのティーナから『このペースでは治療し切れない可能性が高い』という助言をもらい、ファイアードラゴンの魔石を求めてやつを討伐しようと躍起になっていたところだったのだ。
俺はマリアの様子を確認する。
顔や体に火傷が残っている様子はない。
少し前まで黒焦げになっていたとは思えないほど、見事に完治している。
俺はファイアードラゴンを警戒しつつ、後方に控えているアイリスやサリエのほうを見る。
「アイリス、サリエ。何とか残りのMPで治療できたのか?」
「いや……。ボクたちはほとんど何もしてないけど」
「おそらく、生来の生命力や回復力のおかげでしょう。常人であれば、厳しい状況なのは確かでした」
アイリスとサリエがそう答える。
そうか。
マリアには、祝福の姫巫女としての能力があったのだった。
具体的なスキル名としては、『HP回復速度強化レベル5』や『自己治癒力強化レベル4』などだ。
俺たちの治療魔法である程度回復したところに、彼女自身の回復力が加わり、死の淵から無事に生還したということか。
「ピピッ! 予測をはるかに超える回復力を確認……。個体名:マリアの情報を更新します……」
ティーナがそう言う。
彼女がいかに高性能なゴーレム だろうと、前提条件を間違えていては正確な判断はできない。
これからも俺たちと行動をともにして、情報を更新していってほしいところだ。
「す、すげえ……! 絶対に死んじまったものだと思っていた」
「どれだけダメージを受けようと炎とともに再生する……」
「不死鳥だ!」
トミーたちが驚愕した表情でそう言う。
俺もマリアの命は相当ヤバいと思っていたが、意外にあっさりと復活したな。
彼女の再生力をなめていたようだ。
マリアの肉体は全快している。
ただ、服はずいぶんと薄着になってしまっている。
ブレスによって燃え尽きた感じか。
オリハルコン製の『不朽の羽衣』だけは無事で、全裸になっていないのが救いである。
そして、体の随所が燃えている。
これは……。
「術式纏装『不滅之炎』か。とうとう習得したんだな」
「うん。なんだか、コツをつかんだみたい!」
術式纏装は高度な技だ。
まさか、モニカと俺に続いて習得するのがマリアになるとは思わなかった。
「よし。マリアの復活と術式纏装の習得は予想外だが、いい知らせだ。これで、焦らずにファイアードラゴンと戦える」
ファイアードラゴンと戦う方針自体に変わりはない。
先ほどまではマリアの治療を急ぐために焦って戦っていたが、今は特に急ぐ事情がない。
それに、近接戦を行える者が3人から4人になった。
先ほどまでよりも、有利に戦えるだろう。
マリアは、ファイアードラゴンの高熱の体に触れても問題ないようである。
彼女の高い生命力と回復力、それに『不滅之炎』の影響だと思われる。
俺たちは、改めてファイアードラゴンに戦いを挑む。
「斬魔一刀流……氷冷斬!」
「マリア・キーック!」
「ダブルセブン・ショットガン!」
「ふんっ!」
俺、マリア、モニカ、ユナがファイアードラゴンに攻撃を仕掛ける。
やはり、人数が1人増えるだけでも安心感が違うな。
「ビッグメテオ!」
「聖なる弾丸……虎天拳!」
「10万カラット……ダイアモンド・スピア!」
ミティ、アイリス、ニムも遠距離攻撃で参戦だ。
「ゴアアアアァッ!」
ファイアードラゴンが苦悶の声を上げる。
ダメージは着実に蓄積されている。
「皆さん、お疲れの様子……。私のなけなしのMPで、せめてもの治療を……」
サリエが治療魔法の詠唱を開始する。
「神の御業にてかの者たちを癒やし給え。エリアヒール」
俺、モニカ、ユナ、マリアを治療の光が包む。
MPが残り少ないためか効果は微量だが、この状況下では大きい。
「よし。マリア、ユナ。あれをやるぞ」
「わかった!」
「ふふん。あれね。火を我が者顔で操っているファイアードラゴンに、目に物を見せてくれるわ」
俺たちは合同火魔法の詠唱を開始する。
その間は、モニカがファイアードラゴンの気を引きつけてくれている。
そして、詠唱の終わり際に彼女は離脱した。
「「「……燃え盛る灼熱の溶岩よ。我が敵を飲み込み灰燼となせ。ボルカニック・イラプション!!!」」」
ゴゴゴゴゴ!
超高温の溶岩が生成され、ファイアードラゴンに向かっていく。
「ゴア?」
ファイアードラゴンはのんきなものだ。
ただの高熱では、自身を傷つけられないと高をくくっているのだろう。
その油断が命取りだ。
溶岩がファイアードラゴンを襲う。
「ゴアアアアァッ!」
やつが苦痛にのたうち回る。
「ふん。自分がファイアードラゴンだからと言って、油断していないか? お前はただの『火』。こっちは『火』を焼き尽くす『マグマ』だ!! 俺たちとお前の力は、完全に上下関係にある!!!」
俺はビシッとそう言う。
「ゴ、ゴア……」
ファイアードラゴンが息も絶え絶えにそう鳴く。
もうひと息か。
一度優勢になれば、超常の竜種といえどもあっけないものだな。
「トドメはわたくしにお任せを……。ずっと温存させていただいた水魔法を使うときが来ました」
リーゼロッテがそう言う。
彼女の水魔法はファイアードラゴン戦の切り札だ。
近接戦を行う能力はないので、ずっと後方にて待機していたのである。
彼女が水魔法の詠唱を始める。
「……慈しむ水の精霊よ。我が求めに応じ、水の一閃を走らせよ。レインレーザー!!!」
ピュンッ!
リーゼロッテの前から、細い水の柱がファイアードラゴンに向かって伸びていく。
速度は速い。
「ゴ、ゴアアアアァッ!」
ファイアードラゴンは大ダメージを受ける。
火に対して水をぶつけた属性ダメージに加えて、単純に物理的なダメージもあったことだろう。
そして、ついにファイアードラゴンは倒れた。
「ゴ、ゴア…………」
ファイアードラゴンが弱々しくそう鳴く。
まだ息はあるようだ。
近寄って、首を切り落とすことにするか。
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