【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

408話 アヴァロン迷宮 5階層 火口エリア

 4階層のボス部屋でゆっくりと休息した。
 高性能なゴーレムのティーナが仲間になり、今後もいろいろと捗りそうだ。

 そして、俺たちは階段を上り5階層に到達した。
 ダンジョン内を進んでいく。

「ふう、ふう……。暑いな、ここは……」

 俺はそう言う。
 5階層は、まるで火口にいるかのような暑さだ。

 1階層は、ただのほら穴に近かった。
 2階層と3階層は、遺跡。
 4階層は、ツタに侵食された遺跡。
 そしてこの5階層は火口風というわけだ。

「あっついなー。ボク、結構つらいかも……」

 アイリスは中央大陸の出身だ。
 中央大陸は、ここサザリアナ王国がある新大陸より北側にある。
 そのためか、彼女は暑いのが苦手のようだ。

「私もキツイです……」

 サリエもダウン気味か。
 彼女は元難病患者だし、過酷な環境での活動にまだ慣れていない。

「ふふん。戦闘は私たちがなんとかするから、しっかり付いてきなさい。私は問題ないから」

「マリアもだいじょうぶだよ!」

 ユナとマリアがそう言う。

 ユナは赤狼族。
 炎の精霊の加護を受けていると言っていた。
 暑さに対する耐性も高いわけだ。

 マリアは……。
 なぜ暑さに強いのだろうか?
 彼女は『祝福の姫巫女』として、高いHPを誇る。
 それに加えて、『HP回復速度強化レベル5』のスキルも持っている。
 そのあたりが関係しているのかもしれない。

 俺はそんなことを考えつつ、この暑い5階層を気合いで進んでいく。
 魔物は見当たらない。
 暑さがこの階層の最大の敵となる。

「ピピッ。10名以上に、軽度の熱中症を確認。当機の周辺を適温に調整します。……失敗しました。魔力が不足しています。充填を推奨……」

 ティーナがそう言う。
 そんな機能まであるとは。
 凄まじい技術だ。

「魔力さえあればいいのか。よし、また俺が補充してやろう」

 先ほどは様子見のために、少ししか充填していなかった。
 気温を調整する機能があるのであれば、もっと注いでもいいだろう。

「ちょ、ちょっと待ってください。タカシさんの魔力は、温存しておいたほうがいいのでは?」

「そうだよ。タカシの水魔法はファイアードラゴン戦の要なんだから」

 ニムとモニカがそう言う。

「しかし、俺以外となると誰がするのだ?」

 ミリオンズ内で、最もMPの値が大きいのが俺だ。

「ぜひ俺たちにお任せを! ……と言いたいところですが、もうMPが空でさあ」

「足手まといになっちまって申し訳ねえ。肉弾戦なら何とかまだ力になれやすぜ」

 トミーたち同行の冒険者がそう言う。
 先ほどの休憩やサリエによる治療魔法により肉体的には万全に近い状態だが、MPだけは枯渇気味である。

「ふふん。私がしようかしら?」

「いや、ユナのMPもできれば温存しておきたいところだが……」

 ここで、ミリオンズ内のMPのステータスランキングを整理しておこう。
 1位は、前述の通り俺だ。
 2位、ニム。
 3位、モニカ。
 4位、ユナ。
 以下、ミティ、アイリス、マリア、サリエとなっている。

 ユナのMP量は上位に位置するので、単純に補給のことだけを考えるのであればありだ。
 しかし、彼女は赤狼族として暑さに対する耐性がある。
 ファイアードラゴン戦でも、俺やリーゼロッテに次ぐ戦力となる可能性がある。

「で、ではわたしがしましょう」

「私も手伝うよ」

 ニムとモニカがそう言う。
 確かに、MP量からするとそれが妥当なところだ。
 しかし、できれば彼女たちのMPも温存しておきたいところだが……。

「ピピッ。当機の魔力の充填は、魔石によっても行うことができます」

 ティーナがそう言う。

「おお、魔石でも補充できるのか。それなら、ここまでのダンジョン攻略で集めてきた魔石がいくつかあるぞ。みんな、これを使ってしまってもいいか?」

「いいと思います!」

「問題ありません。魔石は持ち帰って売るのもありでしたが、ラスターレイン伯爵家からの報酬も別でいただけますし……」

 ミティとサリエがそう言う。

「ボクも賛成。トミーさんたちは?」

「俺も構いやせんぜ。タカシの旦那たちにもしものことがあれば、俺たちの命も危ねえですからね。無事に生きて任務を達成するのが大切でさあ」

 トミーがそう言う。
 その他の人たちも、特に反対意見はないようだ。

「わかった。では、ティーナ。これで魔力を充填してくれ」

「ピピッ。当機の挿入口に押し当ててください」

「挿入口? どこだそれは?」

「当機の股関節のあたりにあります」

 おい……。
 このゴーレムをつくったやつは、なかなかファンキーなやつだな。
 少女型ゴーレムの股間のあたりに、エネルギー充填用の挿入口をつくるなんて。

 ティーナはスカートを履いている。
 めくれば挿入口ははっきりと見えるだろう。
 しかし、少し嫌だ。

 彼女は外見上はかわいい少女である。
 そんな彼女の大切なところを衆目に晒すのは避けたい。

「よっと」

 俺はかがみ、彼女のスカートを下から覗き込む。
 これなら、彼女のスカートの中を見ているのは俺だけとなる。

「よし、では挿入するぞ。ここか……?」

「ピピッ。そこは違う穴です。もう少し上です」

「わかった。ここだな!」

「適切な場所です。しかし、もう少し優しく取り扱ってくださいと進言します」

「お、おう。すまない」

 そんな感じで、俺は何とか魔石の挿入を済ませた。
 ティーナのスカートの下から出て、立ち上がる。

「「「…………」」」

 ん?
 なんだか、空気が微妙な気がする。

「どうかしたか?」

「いえ。何でもありませんよ!」

 ミティがそう言う。
 何やら必死さを感じる。

「さすがはタカシの旦那だぜ! 例えゴーレムだろうと、外見が少女なら関係ねえんだ!」

「とんでもない男の器だ。そこに痺れる憧れるぅ!」

 トミーたちがそう囃し立てる。

 そ、そうか。
 冷静に考えれば、先ほどの絵面はヤバかったかもしれない。
 少女のスカートの下に潜り込んで、固形物を股間に突っ込んでいたわけだからな。

 変質者を見るような目では見られていないのがまだ救いか。
 やや微妙な空気になってしまってはいるが。

「ピピッ。魔力の充填を確認。当機の周辺を適温に調整します」

 ティーナがそう言う。
 さっそく、補充した魔力を活用してくれるようだ。

 サワッ。
 なんだか、周囲の気温がひと回り下がったような気がする。
 まるで、炎天下の屋外からクーラーの効いた屋内に移動したかのような気分だ。

「へえー。涼しいね!」

「快適ですわね。これなら、万全の状態でファイアードラゴン戦に臨めそうです」

 マリアとリーゼロッテがそう言う。
 このティーナの力があれば、この5階層もどんどん進んでいけるだろう。
 ファイアードラゴン戦は、もうすぐそこにまで迫っている。



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 次回予告。

 や、やめてくれ!
 ファイアードラゴンの超高熱ブレスで焼き払われたら、ただの人間である俺たちは燃え尽きてしまう!

 頼む、死ぬなみんな!
 だれか1人でも欠けたら、俺の脆弱な精神はズタボロになるだろう。
 落ち着いて対処すれば、ファイアードラゴンは倒せない相手ではない。
 ここを切り抜ければ、みんな笑顔の結末になるんだから!

 次回、『○○○死す』。
 デュエルスタンバイ!

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