【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

359話 討伐作戦打合せ/ヤマト連邦の情報収集

 ラーグの街からソーマ騎士爵領への途中にある山間部の村で、ゴブリンジェネラルの討伐依頼を請け負った。
討伐作戦の参加者は、俺たちミリオンズに加えて、リーゼロッテとコーバッツ。
そして、Cランク冒険者の蓮華という少女だ。
みんなで、村の一角に集まる。

「さて。討伐作戦の前に、戦力を整理しておきたい。俺たちはCランクパーティのミリオンズだ。人数も多いし、基本的には俺たちに合わせてもらいたい」
「了解でござる。拙者は、見ての通り刀で敵を切り裂く侍でござる。前衛は任されよ」

 蓮華がそう言う。
金髪碧眼で自信に満ちた表情だ。
和服もビシッと決まっている。

「こちらの前衛は、剣士の俺、槌士のミティ、武闘家のアイリスとモニカ、そして土魔法使いのニムだ。俺は先ほども言った通りBランクで、残りの4人はCランクの特別表彰者だ。うまく連携しよう」

 俺はそう言う。
改めて見ても、ミリオンズの前衛はかなり豪華だ。

「ぜ、全員が特別表彰者でござるか。拙者も目指してはいるのだが、もう一歩のところで足踏みしておるのだ。ここは、ともに戦って学ばせてもらうでござる」

 蓮華が驚いた顔でそう言う。
彼女はCランク冒険者ではあるが、特別表彰者ではないようだ。

「……ところで、少し話は逸れるが。蓮華さんの出身地は、ヤマト連邦だと言っていたか?」
「いかにも。その通りでござる」
「俺は少しその国に興味があるんだ。どんな国なのか教えてもらってもいいか?」

 ヤマト連邦。
この新大陸から東へ行った先にある島国である。
確か、ガルハード杯に出ていたサイゾウもそこの出身だったはずだ。

「たかし殿は、大和連邦に興味があるのでござるか。ここ10年以上は外国からの来訪が禁じてられておる。いわゆる鎖国国家でござる。残念ながら、たかし殿が大和連邦を訪れることは難しいでござろうな」
「鎖国か。しかしそれなら、蓮華さんが戻るのも難しいのでは?」
「然り。簡単には戻れぬ。しかし、国民であれば厳正な審査の上で再入国も可能でござる。もとより、その程度の困難は武者修行の一環として受け入れておる」

 鎖国国家のヤマト連邦。
行ってはみたいが、サザリアナ王国の貴族である俺が訪れることは難しそうか。

 ……いや。
俺たちには、いざというときの最終手段がある。
武力による強行突破だ。
俺たちミリオンズに切り開けない道はない。

「ちなみに、強行突破とかはありなのか?」
「ほほう。たかし殿は、自身の実力に相当な自信を持っているようでござるな。結論から言うと、可能ではある。しかし、現実的ではない」

 蓮華がそう言う。

「ふむ。それはなぜだ?」
「密入国を阻むために、海岸沿いには強力な戦士たちが配置されておる。拙者のような侍の他、厳しい鍛錬をくぐり抜けてきた忍者や力士など……。生半可な密入国者はそやつらによって撃退されるのでござる」

 侍、忍者、力士。
そいつらが、国境を守っているわけか。
蓮華の認識だと、Bランク冒険者である俺ですらその突破は容易ではないらしい。

「それでも万が一、突破に成功すればどうだ? ヤマト連邦の国民の容姿は、みんな蓮華さんのような容姿なのか?」

 彼女は金髪碧眼。
耳が横方向に長く、いわゆるエルフのような容姿をしている。
ヤマト連邦の国民がみんな彼女のような容姿であれば、潜入したところで俺やミティは浮いてしまうだろう。

「いや、拙者は妖精族だ。この大陸の者たちは、えるふと呼んでおったか。拙者の部族自体がかつて大和連邦に移住した身でござる。大和連邦では、むしろたかし殿のような黒髪黒目の者が多い。どわーふや獣人も一定数はいるでござる」

 蓮華がそう説明する。
現在は鎖国中であるものの、それ以前に彼女たちエルフやドワーフ、それに獣人たちが一定数移住済みのようだ。
主流は俺のような黒髪黒目なら俺は目立たないし、ミティやモニカたちもさほど目立たないだろう。
ということは、国境を突破さえしてしまえば……。

「たかし殿? もしや、本気で強行突破を考えているでござるか? 先刻も言った通り、国境には強者が配置されておる。やめておくがよい。どうしてもと言うのであれば、拙者のように大和連邦出身の者を見つけて案内を頼むでござる。入国の許可が下りる可能性が、ほんの少しぐらいは上がるでござろう」

 蓮華がそうアドバイスしてくる。
ヤマト連邦は非常に気になる国であるが、今すぐどうこうというわけでもない。
今の大きな課題は、ファイアードラゴンの再封印の件だ。
そのために、ソーマ騎士爵の助力を取り付けなければならない。

「ああ。ゆくゆくは考えておこう。今は、ゴブリンジェネラルの件だな。より詳細な戦法を詰めようか……」

 ゴブリンジェネラルの討伐作戦への参加者は11人だ。
俺、ミティ、アイリス、モニカ、ニム、ユナ、マリア、サリエ。
リーゼロッテ、コーバッツ。
そして蓮華である。

 マリアとサリエについては、安全性を考慮して村に待機という選択肢もなくはない。
しかし、俺たちと別行動で見知らぬ村に2人で待機するのと、強者である俺たちとともにゴブリンジェネラルの討伐作戦に同行するのと、危険度にそれほど大きな差があるわけでもない。

 レベリングの基準はまだ明確には検証できていないが、おそらくは少しでもダメージを与えていれば一定の経験値が入るような感覚である。

 マリアは、スキを見て少しだけでも火魔法で攻撃してくれれば、レベリングに繋がるかもしれない。
サリエにはまだ加護を付与していないが、今のうちに戦闘を経験しておけば、いざ加護を付与できたときの初期レベルが高めになっているかもしれない。

 ムリのない範囲で、彼女たちにも活躍してほしいところだ。

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