【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
292話 記憶を取り戻せ! パームス編
記憶喪失者の記憶の復元の続きだ。
俺とアイリスの上級治療魔法の合同魔法により、モニカの母ナーティアの記憶を復元することに成功した。
次はだれに治療魔法をかけるか。
記憶喪失者はまだ何人もいる。
ただし、アイリスの残りMPだと、今治療できるのは後1人ぐらいとなるだろう。
そんな中、1人の男が歩み出る。
「みんなもはやく記憶を取り戻したいところだろうが、ここは俺に譲ってもらおう。なんといっても、娘が目の前にいるんだ。早く思い出したい」
「パ、パパ……」
次の立候補者は、ニムの父パームスだ。
他の記憶喪失者たちから明確な反対意見は出なかった。
さっそく、俺とアイリスで治療魔法の詠唱を始める。
「「……彼の者に安らかなる癒やしを。リカバリー」」
大きな癒やしの光がパームスを覆う。
そして、しばらくして。
「……ぐうっ!」
パームスが頭を押さえ、よろける。
そして、彼の目に涙があふれてくる。
「パ、パパ!? どこか痛いの?」
「……いや、だいじょうぶだ。ニム。……全部思い出した。長い間、苦労をかけちまったな」
パームスがそう言う。
無事に記憶を取り戻したようだ。
彼がニムの頭に手をやり、なでる。
ニムが嬉しそうな顔をする。
「パ、パパ! 大変なこともあったけど、ママとお兄ちゃんとでがんばってきたんだよ」
「そうか……。マムとサムにも大変な思いをさせてしまっただろうな」
「それでね。わたしも、モニカさんと同じでタカシさんと婚約しているんだよ。すっごく優しい人なんだ。畑仕事も手伝ってくれたし」
ニムが俺をそう紹介する。
「なにっ、婚約だと!? ……いや、もうニムも10歳を超えているのか。早すぎるということはないな……」
パームスがそう言う。
このサザリアナ王国において結婚が可能となる年齢は、12歳だ。
現代日本よりもひと回り以上早い。
とはいえ、世界各地の歴史や文化などから判断すると、異常というほどではないはずだ。
「タカシ君といったね。俺の記憶を取り戻してくれたことには感謝しよう。しかし、娘を泣かせたら承知せんからな。そっちのモニカちゃんといっしょに、大切にしてくれよ」
パームスがそう言う。
まあ、10歳を超えたばかりのかわいい娘を奪おうとしている男を見たら、そう言いたくなる気持ちはわかる。
「もちろんです。不義理なマネはしないと誓いましょう」
俺はキメ顔でそう誓う。
しかし。
「ふふん。水を差すようだけど、既に2人も妻を娶っているのは不義理には入らないのかしら? モニカは3人目で、ニムちゃんは4人目よ。ちなみに私は5人目に立候補する予定よ」
ユナがそう爆弾発言をぶちこむ。
「私のかわいいモニカが3人目……? どういうことかな? タカシちゃん」
「俺の自慢のニムが4人目だと……? 説明してもらおうか。タカシ君」
ナーティアとパームスが俺にそう迫ってくる。
そりゃ、親としては当然の反応ではあるのだろうが。
「え、ええっと。それはですね……」
俺はモゴモゴと口ごもる。
説明するための心の準備ができていない。
突然過ぎる。
「お母さん! 私は納得しているからいいの!」
「パパ。わたしもだよ」
モニカとニムがそうフォローしてくれる。
さらに、ミティとアイリスも好意的な説明をしてくれた。
そのかいあって、ナーティアとパームスに何とか納得してもらうことができた。
ふう。
肝が冷えたぜ。
続けて、残りの人の記憶も修復していきたいところであったが、既にアイリスのMPが枯渇している。
俺1人によるリカバリーの発動は可能ではあるが、帰りの道中を安全に進むために、ある程度のMPは温存しておきたい。
俺1人によるリカバリーでどの程度の効果があるかはわからないしな。
記憶という極めてデリケートな問題への対処だし、できるだけ万全な治療魔法をかけてあげたい。
そういうわけで、記憶の修復のための治療魔法は、明日以降に持ち越しとなった。
今日は、このアジトで一晩を明かす。
明日、このアジトの保全作業をする。
せっかくある程度は整備されている拠点なので、魔物などに荒らされないようにしておくのだ。
今後、正式に国かラーグの街の管轄となり、運用していく可能性もあるらしい。
アジトの保全作業を終えたら、ラーグの街に向けて出発する予定だ。
帰りは、行き以上に大所帯となる。
盗掘団捕縛作戦の先遣隊と後発隊、ブギー盗掘団の面々、ナーティアやパームスたち元行方不明者、そして”光の乙女騎士団”。
総勢で50人を超える。
ブギー盗掘団は、盗掘という犯罪を行ってきた集団である。
とはいえ、殺人などと違い直接的な人的被害は出ていない。
本人たちの主張なので、嘘の可能性はもちろんある。
しかし王国の記録においても、数年前のナーティアやパームスたちの行方不明事件を除けば、このあたりで行方不明者などはほとんど出ていないらしい。
盗掘団の面々に対する罪状は、今のところは盗掘のみだ。
更生の余地は十分にあると考えていい。
シルバータイガー討伐という功績もあるわけだしな。
ナーティアやパームスという有力な証言者を得ることができたのも大きい。
ちなみに、ナーティアやパームスたち自身にも、盗掘の罪状はある。
とはいえ、記憶を失っていたという点で、情状酌量の余地は十分にある。
まあ、最終的な裁決はサザリアナ王国やラーグの街の機関にあるのだろうが。
裁判所のような機関があるのか、それとも警備隊や行政機関がそういった役割を果たしているのかは、俺はよく知らない。
あとは、”光の乙女騎士団”の扱いも微妙なところだ。
ブギー盗掘団と繋がりを持ちつつも、あえて曖昧な情報しか冒険者ギルドに渡していなかったそうだからな。
それに、俺たち先遣隊とブギー盗掘団の戦闘中に、盗掘団側に加勢した事実もある。
盗掘自体は行っていなくとも、共犯として本来であれば一定の罪に問われてもおかしくない。
俺は、ブギー盗掘団や光の乙女騎士団に対して少しやり過ぎてしまった負い目がある。
そして、ナーティアやパームスは、俺の義理の親となる予定だ。
俺は特別表彰を受けている将来有望な冒険者で、叙爵の可能性もある。
ブギー盗掘団や光の乙女騎士団の面々、それにナーティアやパームスたちの減刑を、微力ながらも嘆願することにしよう。
俺とアイリスの上級治療魔法の合同魔法により、モニカの母ナーティアの記憶を復元することに成功した。
次はだれに治療魔法をかけるか。
記憶喪失者はまだ何人もいる。
ただし、アイリスの残りMPだと、今治療できるのは後1人ぐらいとなるだろう。
そんな中、1人の男が歩み出る。
「みんなもはやく記憶を取り戻したいところだろうが、ここは俺に譲ってもらおう。なんといっても、娘が目の前にいるんだ。早く思い出したい」
「パ、パパ……」
次の立候補者は、ニムの父パームスだ。
他の記憶喪失者たちから明確な反対意見は出なかった。
さっそく、俺とアイリスで治療魔法の詠唱を始める。
「「……彼の者に安らかなる癒やしを。リカバリー」」
大きな癒やしの光がパームスを覆う。
そして、しばらくして。
「……ぐうっ!」
パームスが頭を押さえ、よろける。
そして、彼の目に涙があふれてくる。
「パ、パパ!? どこか痛いの?」
「……いや、だいじょうぶだ。ニム。……全部思い出した。長い間、苦労をかけちまったな」
パームスがそう言う。
無事に記憶を取り戻したようだ。
彼がニムの頭に手をやり、なでる。
ニムが嬉しそうな顔をする。
「パ、パパ! 大変なこともあったけど、ママとお兄ちゃんとでがんばってきたんだよ」
「そうか……。マムとサムにも大変な思いをさせてしまっただろうな」
「それでね。わたしも、モニカさんと同じでタカシさんと婚約しているんだよ。すっごく優しい人なんだ。畑仕事も手伝ってくれたし」
ニムが俺をそう紹介する。
「なにっ、婚約だと!? ……いや、もうニムも10歳を超えているのか。早すぎるということはないな……」
パームスがそう言う。
このサザリアナ王国において結婚が可能となる年齢は、12歳だ。
現代日本よりもひと回り以上早い。
とはいえ、世界各地の歴史や文化などから判断すると、異常というほどではないはずだ。
「タカシ君といったね。俺の記憶を取り戻してくれたことには感謝しよう。しかし、娘を泣かせたら承知せんからな。そっちのモニカちゃんといっしょに、大切にしてくれよ」
パームスがそう言う。
まあ、10歳を超えたばかりのかわいい娘を奪おうとしている男を見たら、そう言いたくなる気持ちはわかる。
「もちろんです。不義理なマネはしないと誓いましょう」
俺はキメ顔でそう誓う。
しかし。
「ふふん。水を差すようだけど、既に2人も妻を娶っているのは不義理には入らないのかしら? モニカは3人目で、ニムちゃんは4人目よ。ちなみに私は5人目に立候補する予定よ」
ユナがそう爆弾発言をぶちこむ。
「私のかわいいモニカが3人目……? どういうことかな? タカシちゃん」
「俺の自慢のニムが4人目だと……? 説明してもらおうか。タカシ君」
ナーティアとパームスが俺にそう迫ってくる。
そりゃ、親としては当然の反応ではあるのだろうが。
「え、ええっと。それはですね……」
俺はモゴモゴと口ごもる。
説明するための心の準備ができていない。
突然過ぎる。
「お母さん! 私は納得しているからいいの!」
「パパ。わたしもだよ」
モニカとニムがそうフォローしてくれる。
さらに、ミティとアイリスも好意的な説明をしてくれた。
そのかいあって、ナーティアとパームスに何とか納得してもらうことができた。
ふう。
肝が冷えたぜ。
続けて、残りの人の記憶も修復していきたいところであったが、既にアイリスのMPが枯渇している。
俺1人によるリカバリーの発動は可能ではあるが、帰りの道中を安全に進むために、ある程度のMPは温存しておきたい。
俺1人によるリカバリーでどの程度の効果があるかはわからないしな。
記憶という極めてデリケートな問題への対処だし、できるだけ万全な治療魔法をかけてあげたい。
そういうわけで、記憶の修復のための治療魔法は、明日以降に持ち越しとなった。
今日は、このアジトで一晩を明かす。
明日、このアジトの保全作業をする。
せっかくある程度は整備されている拠点なので、魔物などに荒らされないようにしておくのだ。
今後、正式に国かラーグの街の管轄となり、運用していく可能性もあるらしい。
アジトの保全作業を終えたら、ラーグの街に向けて出発する予定だ。
帰りは、行き以上に大所帯となる。
盗掘団捕縛作戦の先遣隊と後発隊、ブギー盗掘団の面々、ナーティアやパームスたち元行方不明者、そして”光の乙女騎士団”。
総勢で50人を超える。
ブギー盗掘団は、盗掘という犯罪を行ってきた集団である。
とはいえ、殺人などと違い直接的な人的被害は出ていない。
本人たちの主張なので、嘘の可能性はもちろんある。
しかし王国の記録においても、数年前のナーティアやパームスたちの行方不明事件を除けば、このあたりで行方不明者などはほとんど出ていないらしい。
盗掘団の面々に対する罪状は、今のところは盗掘のみだ。
更生の余地は十分にあると考えていい。
シルバータイガー討伐という功績もあるわけだしな。
ナーティアやパームスという有力な証言者を得ることができたのも大きい。
ちなみに、ナーティアやパームスたち自身にも、盗掘の罪状はある。
とはいえ、記憶を失っていたという点で、情状酌量の余地は十分にある。
まあ、最終的な裁決はサザリアナ王国やラーグの街の機関にあるのだろうが。
裁判所のような機関があるのか、それとも警備隊や行政機関がそういった役割を果たしているのかは、俺はよく知らない。
あとは、”光の乙女騎士団”の扱いも微妙なところだ。
ブギー盗掘団と繋がりを持ちつつも、あえて曖昧な情報しか冒険者ギルドに渡していなかったそうだからな。
それに、俺たち先遣隊とブギー盗掘団の戦闘中に、盗掘団側に加勢した事実もある。
盗掘自体は行っていなくとも、共犯として本来であれば一定の罪に問われてもおかしくない。
俺は、ブギー盗掘団や光の乙女騎士団に対して少しやり過ぎてしまった負い目がある。
そして、ナーティアやパームスは、俺の義理の親となる予定だ。
俺は特別表彰を受けている将来有望な冒険者で、叙爵の可能性もある。
ブギー盗掘団や光の乙女騎士団の面々、それにナーティアやパームスたちの減刑を、微力ながらも嘆願することにしよう。
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