【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

264話 サリエの近況

 ハルク男爵邸へとやってきた。
ハルク男爵、彼の娘のサリエと少し雑談した。

 その後、客室に案内された。
今はミリオンズのみんなで休憩中である。
俺は大きなベッドに寝転び、くつろぐ。

 しばらくした頃。
コンコン。
部屋のドアがノックされた。

「皆様。お食事の準備ができました。ご案内致します」
「わかりました。行こう、みんな」
「お、おなかペコペコです。いっぱい食べましょう」

 ニムがそう言う。
みんなでセルバスの案内に従い、屋敷内を歩いていく。

 食事をする部屋に入る。
中では、ハルク男爵、彼の妻、そしてサリエが待っていた。
部屋の隅には執事やメイドも控えている。

「やあタカシ君、それにお嬢さんがた。ゆっくりくつろげたかい?」
「ええ。すばらしい部屋で休ませてもらいました」

 ハルク男爵の言葉に、俺はそう答える。
あの客室は、きれいに整えられていた。

「それはよかった。今日は豪勢な食事を用意させた。たくさん食べてくれたまえ」
「はい。遠慮なくいただきます」
「私もたくさん食べるぞー」

 モニカがそう言う。
彼女の料理のレパートリーは、まずはラーグの街の一般料理。
そして、ガロル村の豪快な料理や餅料理、ゾルフ砦の肉料理、ウォルフ村のスパイシーな料理あたりだ。

 モニカは貴族料理にはさほど精通していない。
ここで味わって、ものにしてもらいたいところだ。
ディルム子爵邸でも、熱心に味わい、シェフの人にいろいろと聞いていた。
秘伝の技などはさすがに教えてくれなかったそうだが、最低限の基礎ぐらいは気前よく教えてくれたそうだ。

 みんなでおいしい料理を食べ進めていく。
食べながら、雑談もする。

「最近のサリエは、治療魔法の練習をしておってな」

 ハルク男爵がそう言う。

「そうなのですか。なんでまた?」
「私も、タカシさんやアイリスさんのような立派な治療魔法士になりたいのです。私のように病で苦しんでいる人を助けていければと……」

 サリエがそう言う。
彼女は治療魔法士志望か。

 加護の条件さえ満たせば、治療魔法を取得して伸ばしてあげることも可能だが。
彼女の忠義度はまだ30台。
なかなか高いが、50までは遠い。

「それはいい心がけだね。治療魔法でみんなを笑顔にしていこう。ボクたちといっしょにくる?」

 アイリスがサリエを勧誘する。
確かに、治療魔法士として各地を旅して回ることは、サリエにとってもいい経験となるだろう。
俺たちミリオンズという強者の中に混じれば、道中の危険もほとんどない。

 俺としても、普段からサリエと行動を共にすることによって、彼女の忠義度が稼げるかもしれないというメリットがある。

「うれしいお誘いですが……。今は遠慮させていただきます。まだ治療魔法は習得できておりませんし、体力も戻っておりませんので」

 サリエがそう断る。
まあそれもそうか。
彼女のミリオンズへの加入は時期尚早だろう。

「それは残念です」
「ま、またいつかいっしょに旅をしましょう」

 ミティとニムがそう言う。
彼女たちも、もしサリエがミリオンズに加入することになったとしても反対はしないようだ。

 話題はまた別のものへと変わっていく。

「そういえば、小耳に挟んだことだが。ラーグの街付近を治める新たな貴族を叙爵する構想があるらしいぞ」

 ハルク男爵がそう言う。

「そうらしいですね。俺も聞いたことがあります」

 ラーグの街の冒険者ギルドなどでも、その話題が出ていた。

「ふふ。私のほうから、タカシ君を推薦しておこうか」
「俺はしがない平民ですが……」
「謙遜することはない。君の治療魔法は一級品だ。それに冒険者としてのタカシ殿の活躍も、この街まで轟いているぞ。ギルド貢献値5000万ガルを超えたそうではないか。この額だと、”新星”と呼ばれる有望ルーキーの扱いとなる」

 ハルク男爵がそう言う。
俺の貢献値が5000万ガルを超えたのは、つい先日のウォルフ村やディルム子爵領での一件を片付けたときだ。
もうこの街にまで情報が届いているとは。

「ありがとうございます。今後もがんばります」
「それでだ。有望で国への貢献も大きい冒険者であれば、騎士爵などを叙爵された前例はある。タカシ殿の今の功績からすると、もう1つ大きな功績をあげれば、叙爵されてもおかしくはない」
「なるほど。そういうものですか」

 活躍して、貴族になる。
異世界もののマンガや小説では、そういうのは定番だな。

「加えて、パーティメンバーであり妻でもあるミティ君とアイリス君も、特別表彰の対象者だしな。これは叙爵の判定の際に有利になるだろう」
「ふむふむ」

 俺はハルク男爵の話を熱心に聞く。
貴族になれば、忠義度を稼いでいく上で役立つことも多いだろう。
ぜひとも貴族になりたいところだ。

「こちらのモニカ、ニム、ユナも、かなりの実力を持っています。将来的に特別表彰されることはほぼ確実だと思っています」

 加護の恩恵やステータス操作によるスキル取得によって、彼女たちの戦闘能力はどんどん向上している。
今後もどんどん伸びていくだろう。

「そ、そうなのか。6人パーティで全員が特別表彰者となると、さすがにかなりめずらしい。叙爵の判断の際に、一定の評価にはなるだろう」
「一定ですか? あまり決め手にはならないと?」
「うむ。ミティ君やアイリス君のように、身内のパーティメンバーであれば大きな評価となるだろうが。ただのパーティメンバーであれば、一定の評価に留まるだろう」

 ハルク男爵がそう言う。
まあ確かに、普通のパーティメンバーが特別表彰の対象になったからといって、それが即座にパーティリーダーへの叙爵に際して評価材料になるわけではないのだろう。
だが、モニカ、ニム、ユナは、普通のパーティメンバーではない。

「それはだいじょうぶです。私とタカシは、近々結婚しますので」
「わ、わたしも結婚します!」
「ふふん。私もいずれは考えているわ」

 モニカ、ニム、ユナがそう言う。

「な、なんと。5人もの妻を娶るつもりか。なんとも豪快な男だな」

 ハルク男爵が驚く。
確かに、5人の妻を娶ることは普通はムリだ。
お金、時間、精力などが足りなくなる。

 だが、俺にはチートがある。
がんばればみんなで幸せな家庭を築くことも可能だろう。

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