【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

241話 ユナへの加護付与

 ビーストマスターのアルカの協力をとりつけた。
シトニとクトナの奪還作戦に向けて、強力な助っ人の参戦だ。

 村の戦士たち、俺たちミリオンズ、アルカ。
みんなで奪還作戦の詳細を詰めていく。

 相談の結果、明日の朝から奪還作戦のために村を出発することになった。
本当は今すぐにでも出発したいところだが、もう夕方だ。
今から出発すると夜の森を移動することになる。
それは危ないという判断だ。

 明日の朝までに、より詳細の作戦会議や人員の選定、そして休息を済ませておく必要がある。
さらに加えて、俺たちミリオンズにとって極めて重要な相談事がある。

 ユナが加護付与の条件を満たしたのだ。
とうとうだ。

 思えば、俺とユナの付き合いは長い。
俺はこの世界に転移してきて、2週間目ぐらいに彼女と出会った。
4月中旬のことだ。
”赤き大牙”に臨時メンバーとして入れてもらい、西の森へと遠征を行った。

 その後は臨時パーティを解消して別行動となった。
再会したのは6月上旬のことだ。
俺は、ミッションに従いゾルフ砦を訪れ、武闘の鍛錬に励んでいた。
ユナは、冒険者の活動と観光目的でゾルフ砦を訪れたのだ。

 俺はユナに、武闘大会でそれなりにいいところを見せることができたように思う。
さらにその後の防衛戦では、ジャイアントゴーレム戦で活躍する姿も見せることができた。

 その後はまた別行動となった。
再会したのは8月末のことだ。
ゾルフ砦の防衛戦や潜入作戦が終わり、俺やユナはそれぞれラーグの街に帰ってきたのだ。
俺の自宅での食事会へユナを招待し、親睦を深めることができた。

 その後、ユナやドレッドたちは故郷の村で用事があると言ってラーグの街を去っていった。
12月中旬に、ユナだけがラーグの街に戻ってきた。
彼女は俺たちミリオンズのパーティに一時的に加入して、俺たちと行動をともにしてきた。

 1月下旬にウォルフ村のドレッドたちからの手紙があり、急遽ウォルフ村に帰ることになった。
俺たちミリオンズは、ウォルフ村に対して金貨500枚を貸すことを約束した。
さらに金貨以外にも俺たちミリオンズに手伝えることがあるかと思い、ユナに同行してウォルフ村までやってきた。

 ウォルフ村へ金を貸していたのは、ウェンティア王国のディルム子爵だった。
彼が土壇場で借金額の水増しを行った。
ディルム子爵の領軍とウォルフ村の戦士たちとの間で、武力沙汰にまで発展した。

 その武力沙汰を見事に防いだのが今ということだ。
まあ、シトニとクトナが連れ去られてしまったので、無事に防いだとは言い難いところもあるが。

 しかし俺たちミリオンズがいなければ、もっとひどいことになっていた可能性もある。
ユナの俺に対する忠義度の上昇もうなずけるというものだろう。
もちろん、ミティ、アイリス、モニカ、ニムもよくがんばってくれた。

 さっそく、ユナに加護を付与しておく。
ユナのステータスに目を通す。


レベル19、ユナ
種族:ライカンスロープ(赤狼族)
職業:弓士
ランク:D
HP:147(113+34)
MP: 87(67+20)
腕力: 78(60+18)
脚力: 87(67+20)
体力: 78(60+18)
器用:105(81+24)
魔力:103(79+24)

武器:ウッドボウ
防具:布の服

残りスキルポイント95
スキル:
剣術レベル1
弓術レベル3
闘気術レベル1
火魔法レベル2
獣化術レベル1
操馬術レベル1

称号:
タカシの加護を受けし者


 ユナの初期レベルは19だ。
かなり高い。
確か、ミティはレベル2、アイリスはレベル15、マリアはレベル1、モニカはレベル4、ニムはレベル2だった。

 幼少期から鍛錬していたアイリスよりもユナのほうが初期レベルが高い。
ただし、初期スキルはアイリスのほうが豊富だ。

 アイリスの初期スキルは、格闘術レベル2、気配察知レベル1、闘気術レベル3、聖闘気術レベル2、聖魔法レベル1、治療魔法レベル1だった。
ちなみにこれは暗記しているのではなく、メモに書いてアイテムボックスに入れているのである。
俺の記憶力では覚えきれないからな。

 アイリスの初期レベルは15。
ユナの初期レベルは19。
アイリスの初期スキルは6種で、スキルレベルの合計値は10。
一方でユナの初期スキルは6種で、スキルレベルの合計値は9。

 この数字をどう見るか。
おそらくだが、実戦と鍛錬のどちらに比重を置いてきたかの差ではなかろうか。

 アイリスは、聖ミリアリア統一教会にて、体系的な指導を受けてきたそうだ。
ただし、武闘神官見習いとして各地を巡り始めたのは最近のため、実戦経験は豊富とは言えない。

 ユナは、この隠れ里の育ちのため、あまり体系的な指導は受けられていないだろう。
その代わり、幼少期から魔物狩りなどは行っていたはず。
つい最近まではドレッドやジークと”赤き大牙”として精力的に活動していた。
実戦経験は豊富だと言えるだろう。

 これらの差で、ユナはレベルが高めの割にスキルが少しだけ控えめなのだと考えられる。
個別の項目を見ていく。

 器用の値が高い。
やはり弓士というだけあって、手先の器用さには秀でている。
彼女が俺たちミリオンズに一時加入してからは、狩りでの魔物の撃ち漏らしが減った。
彼女の弓の命中率には定評がある。

 また、魔力の値も高い。
彼女は普段の狩りでもたまに火魔法を使っているが、確かに制御がうまい。
ファイアーアローで的確に魔物を仕留める。

 腕力、脚力、体力の値はどうか。
一見なかなかの数字に見える。
しかしこれは、基礎レベルの高さに起因している。
同レベル帯の俺、ミティ、アイリスと比べると、さほど高くはない。

 まあ確かに、獣化していない状態のユナは冒険者としては標準的な身体能力だ。
木の上を跳びはねるかのように移動する身軽さは、獣化状態ならではと考えるべきだろう。

 次にスキルを見ていこう。
剣術レベル1は、初心者レベルだ。
彼女のメイン武器は弓だが、もしもの接近戦では短剣を扱う。
短剣術というスキルはないようだ。
短剣の扱いのうまさは、剣術に内包されていると考えていいだろう。

 弓術レベル3は、中級者レベルだ。
ステータス操作というチートスキルを考慮外とすれば、かなりの水準と考えていい。
アイリスの闘気術、モニカの料理術なども初期レベルは3だった。

 闘気術レベル1は、初心者レベルだ。
闘気術は他のスキルとは異なり、ステータス操作では取得できない。
最初は自力で取得する必要がある。

 俺、ミティ、モニカ、ニム。
それぞれ、ゾルフ砦のメルビン道場で苦労しながら覚えた。
闘気術レベル1を習得すれば、あとはステータス操作で伸ばすことができる。

 火魔法レベル2は、初級者レベルだ。
レベル3では、範囲攻撃のファイアートルネードが使えるようになる。
そうなれば中級者と言っていい。

 ステータス操作を使えばレベル2から3に強化するのはあっという間だが、普通はかなり大変なようだ。
才能や根気が必要となる。
ユナも地道に練習していたそうだが、なかなか使えるようにならないと言っていた。
ステータス操作でレベル3に強化すれば、大幅な戦力アップとなるだろう。

 さらに、ユナのスキルで特筆すべきなのは獣化のスキルだ。
俺、ミティ、アイリス、モニカ、ニムのステータス操作では、獣化のスキルは取得候補として見たことがない。

 獣化は、おそらくユナの種族固有のスキルだろう。
もしくは、闘気術のようにレベル1は自力で取得する必要があるスキルなのかもしれないが。
いずれにせよ、現状でかなりレアなスキルであることは確かだ。

 それに、実用性もある。
身体能力が大幅に向上するからな。

 デメリットは、暴走のリスクがあること。
そして、炎の精霊の加護による体温上昇でストリップを始めてしまうことぐらいだ。
ストリップは俺にとってはむしろご褒美だし、大歓迎だ。
……話がそれたな。

 ユナの残りスキルポイントは95もある。
かなりの強化ができる。
もちろん、黙って強化するのではなく本人にも相談したほうがいいだろう。
アイリス、モニカ、ニムのときもそうしてきた。

 一気に強くなり過ぎると、村の戦士たちやディルム子爵陣営に怪しまれる可能性もあるが……。
今はそれよりも、目先の奪還作戦を成功させることを意識しよう。
もったいぶって中途半端に強化するのはさけたい。

 加護の件をさっそくユナに伝えて、どのスキルを強化するか相談しよう。

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