【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
188話 メルビン道場への入門 風林火山 前編
俺、ミティ、アイリス、モニカ、ニム。
5人でメルビン道場にやってきた。
門を叩く。
「たのもーー!」
俺は大声でそう言う。
門の奥からドタドタと音がする。
門が開く。
「なんじゃ!? 道場破りか!? 久しぶりじゃな。受けて立つ!」
メルビン師範だ。
少し懐かしい。
3か月ぶりくらいか。
「……って、タカシたちではないか。久しぶりじゃの!」
「お久しぶりです。メルビン師範。……実は、しばらくこの街に滞在することになったのです。メルビン師範にまたご指導いただけないかと」
「うむ! それはいいことだ! 順調に昇格しても自惚れないのは立派じゃな!」
メルビン師範が満足気な顔でそう言う。
「昇格?」
「タカシの名声は、この街にまで届いておる! 何でも北のほうで、ミドルベアを倒したそうじゃないか! その功績で、冒険者ギルドの何とかという制度の対象になったと聞いておるぞ!」
特別表彰制度のことだろう。
顔写真付きで広く知られるようになり、各地の冒険者ギルドにおける信頼度や待遇が向上すると聞いている。
確かに、冒険者ではないメルビン師範がこのことを知っているあたり、しっかりと機能している制度のようだ。
「冒険者ギルドの特別表彰制度ですね。知っていただけたようでありがたいことです。この制度に恥じないよう、まだまだ精進していくつもりです」
「いい心がけじゃ! タカシ、それにミティとアイリスが再入門ということでじゃな!?」
「そうですね。あと、こちらの2人も」
俺はそう言って、モニカとニムを示す。
「ふむ? 兎獣人の嬢ちゃんはともかく、犬獣人の嬢ちゃんは難しいのではないか? まだ小さいだろう!」
「そこを何とか。彼女は土魔法の使い手なのです。岩をまとって戦うこともあるので、格闘や闘気術の初歩を学ばせたいのです。身体能力は高いですし、いい線はいくと思います」
「なるほどの! まあ、タカシがそう言うのであれば面倒を見てやろう!」
メルビン師範の了解を得ることができた。
応接室に移動し、5人の入門手続きを済ませる。
指導料を支払う。
男子更衣室と女子更衣室にそれぞれ移動する。
道着に着替えてから、道場で合流する。
「動きやすい服だねえ」
「み、身が引き締まりますね」
モニカとニムがそう言う。
彼女たちの道着姿は新鮮だ。
「いいじゃないか。似合っているぞ」
俺はそう言う。
普段着や魔物狩りのときの服装とは少し雰囲気が異なる。
これはこれでかわいい。
もちろん、ミティとアイリスの道着姿もかわいい。
彼女たちとこの道場で鍛錬に励んだのは、5か月ほど前だ。
つい最近のような気もするし、遠い昔のような気もする。
「さて! まずは実力を見せてもらおうか!」
メルビン師範がそう言う。
俺、ミティ、アイリス、モニカ、ニム。
それぞれ、師範と簡単な模擬試合をすることになった。
まずはモニカが前に出る。
俺たち以外の門下生も少し離れたところからこちらを見ている。
「好きなように攻撃してこい。拳でも、蹴りでも、何なら体当たりでもいいぞ!」
「わかったよ。……鳴神!」
モニカが鳴神-ナルカミ-を発動し、高速移動をする。
俺やストラスが彼女に技を伝授したのだ。
「むっ! 速いな!」
メルビン師範が感心した顔でそう言う。
確かに、モニカの速度はかなりのものだ。
闘気術を使えないため、アイリスやストラスには一歩及ばないが。
「からのー。ワン・セブン・マシンガン!」
モニカの目にも止まらぬ蹴りの連撃だ。
メルビン師範が防戦一方となる。
「うう……。強力だ。なかなかやりおる!」
「次でとどめだよ!」
モニカがメルビン師範の背後に回り込む。
脚に力を込める。
「はああ! 裂空脚!」
モニカが鋭い回し蹴りを放つ。
まともにヒットすれば大きなダメージを与えられるだろう。
モニカの決め技だ。
だが。
「剛拳流、徐かなること林の如し」
メルビン師範がモニカの回し蹴りをうまく受け流す。
「えっ。きゃあっ!」
メルビン師範はその勢いのまま、モニカを投げ飛ばした。
やはり、彼の力量はかなりのものだ。
まあ師範だし当たり前と言えば当たり前ではあるが。
筋力や闘気量は全盛期よりも若干衰えているらしいが、技術はまだまだ健在だ。
「ふむ。だいたいの実力はわかった!」
メルビン師範がそう言う。
これでモニカとの模擬試合は終わりのようだ。
彼が言葉を続ける。
「脚力と思い切りの良さは認めてやろう! それに、回し蹴りのフォームも無駄がなかった! しかし、やや動きが単調だな! 魔物などを相手にする分には問題ないだろうが、中級以上の対人戦では通用せん! そのあたりを鍛えてやろう!」
メルビン師範がモニカをそう評する。
「わかった。がんばるよ」
モニカが起き上がり、そう言う。
負けたこと自体はさほど気にしていないようだ。
まあ、師範相手だしな。
負けて当然だ。
さて。
次はニムだ。
「よし! 次は嬢ちゃんだ! 痛くはしないから全力できなさい!」
「わ、わかりました」
ニムがメルビン師範と対峙する。
さっそく、彼に向かって勢いよく駆け出す。
「フィジカル・パンク!」
「ぬはは! 真正面からタックルか! 子どもらしくて結構!」
メルビン師範がほほえみながらニムのタックルを受け止める。
しかし。
「ぬ! ぬおおおおっ!?」
メルビン師範がニムのタックルの勢いを止めきれず、仰向けに転がった。
ニムのマウントポジションだ。
彼女が拳を振り上げる。
「ゴ・ウ・リ・キ! メリケン!」
ニムの渾身のパンチだ。
ミティのカイリキメリケンと似た感じの技である。
ちなみにメリケンという単語が技名に入っているが、メリケンは付けてはいない。
こういうのは語感や雰囲気が大切なのだ。
ニムの腕力は、加護による恩恵と腕力強化のスキルにより、かなりの高水準にある。
さすがにミティには大きく劣るが。
平均的な冒険者よりは腕力が強いだろう。
ラーグの街で絡んできた冒険者を返り討ちにしたのは、記憶に新しいところだ。
このパンチがまともにヒットすれば、大きなダメージを与えられるだろう。
だが。
「剛拳流、動かざること山の如し」
メルビン師範が負けじと闘気を込めてガードする。
ニムの渾身のパンチと、メルビン師範のガード。
どちらが勝つか。
ドガン!
ニムのパンチとメルビン師範のガードが激突する。
「くっ」
「ぬはは! ちと威力が足りなかったようじゃの!」
メルビン師範がニムのパンチを耐えきったようだ。
彼がニムのマウントポジションから脱出する。
一度優位を崩されてしまうと、ニムが勝つことは難しい。
「そおい!」
メルビン師範がニムを優しく投げ飛ばす。
これでニムとの模擬試合は終了だ。
「見た目で油断したわい! 嬢ちゃんは、かなり恵まれた身体能力を持っているようじゃの! しかし、技術はまだまだじゃ! これは鍛えがいがあるわい!」
メルビン師範がニムをそう評する。
モニカは、格闘術レベル4まで伸ばしている。
足りないのは対人戦の経験や駆け引きの力量であり、格闘の技術自体はあると言っていい。
一方でニムは、格闘術のスキルを持っていない。
伸びしろがまだまだ残っている。
伸びしろだけで言えば、俺たち5人の中でも随一だろう。
モニカとニム。
2人とも、この道場での鍛錬で大いに実力を伸ばしてくれることに期待しよう。
「さて! 次は、ミティ、タカシ、アイリス! お前たちの成長も見てやろう!」
メルビン師範がそう言う。
俺たちも、モニカやニムの成長に置いていかれないように、気を引き締めて鍛え直していこう。
まずは、メルビン師範を倒すぐらいの気持ちで模擬試合に挑むことにする。
5人でメルビン道場にやってきた。
門を叩く。
「たのもーー!」
俺は大声でそう言う。
門の奥からドタドタと音がする。
門が開く。
「なんじゃ!? 道場破りか!? 久しぶりじゃな。受けて立つ!」
メルビン師範だ。
少し懐かしい。
3か月ぶりくらいか。
「……って、タカシたちではないか。久しぶりじゃの!」
「お久しぶりです。メルビン師範。……実は、しばらくこの街に滞在することになったのです。メルビン師範にまたご指導いただけないかと」
「うむ! それはいいことだ! 順調に昇格しても自惚れないのは立派じゃな!」
メルビン師範が満足気な顔でそう言う。
「昇格?」
「タカシの名声は、この街にまで届いておる! 何でも北のほうで、ミドルベアを倒したそうじゃないか! その功績で、冒険者ギルドの何とかという制度の対象になったと聞いておるぞ!」
特別表彰制度のことだろう。
顔写真付きで広く知られるようになり、各地の冒険者ギルドにおける信頼度や待遇が向上すると聞いている。
確かに、冒険者ではないメルビン師範がこのことを知っているあたり、しっかりと機能している制度のようだ。
「冒険者ギルドの特別表彰制度ですね。知っていただけたようでありがたいことです。この制度に恥じないよう、まだまだ精進していくつもりです」
「いい心がけじゃ! タカシ、それにミティとアイリスが再入門ということでじゃな!?」
「そうですね。あと、こちらの2人も」
俺はそう言って、モニカとニムを示す。
「ふむ? 兎獣人の嬢ちゃんはともかく、犬獣人の嬢ちゃんは難しいのではないか? まだ小さいだろう!」
「そこを何とか。彼女は土魔法の使い手なのです。岩をまとって戦うこともあるので、格闘や闘気術の初歩を学ばせたいのです。身体能力は高いですし、いい線はいくと思います」
「なるほどの! まあ、タカシがそう言うのであれば面倒を見てやろう!」
メルビン師範の了解を得ることができた。
応接室に移動し、5人の入門手続きを済ませる。
指導料を支払う。
男子更衣室と女子更衣室にそれぞれ移動する。
道着に着替えてから、道場で合流する。
「動きやすい服だねえ」
「み、身が引き締まりますね」
モニカとニムがそう言う。
彼女たちの道着姿は新鮮だ。
「いいじゃないか。似合っているぞ」
俺はそう言う。
普段着や魔物狩りのときの服装とは少し雰囲気が異なる。
これはこれでかわいい。
もちろん、ミティとアイリスの道着姿もかわいい。
彼女たちとこの道場で鍛錬に励んだのは、5か月ほど前だ。
つい最近のような気もするし、遠い昔のような気もする。
「さて! まずは実力を見せてもらおうか!」
メルビン師範がそう言う。
俺、ミティ、アイリス、モニカ、ニム。
それぞれ、師範と簡単な模擬試合をすることになった。
まずはモニカが前に出る。
俺たち以外の門下生も少し離れたところからこちらを見ている。
「好きなように攻撃してこい。拳でも、蹴りでも、何なら体当たりでもいいぞ!」
「わかったよ。……鳴神!」
モニカが鳴神-ナルカミ-を発動し、高速移動をする。
俺やストラスが彼女に技を伝授したのだ。
「むっ! 速いな!」
メルビン師範が感心した顔でそう言う。
確かに、モニカの速度はかなりのものだ。
闘気術を使えないため、アイリスやストラスには一歩及ばないが。
「からのー。ワン・セブン・マシンガン!」
モニカの目にも止まらぬ蹴りの連撃だ。
メルビン師範が防戦一方となる。
「うう……。強力だ。なかなかやりおる!」
「次でとどめだよ!」
モニカがメルビン師範の背後に回り込む。
脚に力を込める。
「はああ! 裂空脚!」
モニカが鋭い回し蹴りを放つ。
まともにヒットすれば大きなダメージを与えられるだろう。
モニカの決め技だ。
だが。
「剛拳流、徐かなること林の如し」
メルビン師範がモニカの回し蹴りをうまく受け流す。
「えっ。きゃあっ!」
メルビン師範はその勢いのまま、モニカを投げ飛ばした。
やはり、彼の力量はかなりのものだ。
まあ師範だし当たり前と言えば当たり前ではあるが。
筋力や闘気量は全盛期よりも若干衰えているらしいが、技術はまだまだ健在だ。
「ふむ。だいたいの実力はわかった!」
メルビン師範がそう言う。
これでモニカとの模擬試合は終わりのようだ。
彼が言葉を続ける。
「脚力と思い切りの良さは認めてやろう! それに、回し蹴りのフォームも無駄がなかった! しかし、やや動きが単調だな! 魔物などを相手にする分には問題ないだろうが、中級以上の対人戦では通用せん! そのあたりを鍛えてやろう!」
メルビン師範がモニカをそう評する。
「わかった。がんばるよ」
モニカが起き上がり、そう言う。
負けたこと自体はさほど気にしていないようだ。
まあ、師範相手だしな。
負けて当然だ。
さて。
次はニムだ。
「よし! 次は嬢ちゃんだ! 痛くはしないから全力できなさい!」
「わ、わかりました」
ニムがメルビン師範と対峙する。
さっそく、彼に向かって勢いよく駆け出す。
「フィジカル・パンク!」
「ぬはは! 真正面からタックルか! 子どもらしくて結構!」
メルビン師範がほほえみながらニムのタックルを受け止める。
しかし。
「ぬ! ぬおおおおっ!?」
メルビン師範がニムのタックルの勢いを止めきれず、仰向けに転がった。
ニムのマウントポジションだ。
彼女が拳を振り上げる。
「ゴ・ウ・リ・キ! メリケン!」
ニムの渾身のパンチだ。
ミティのカイリキメリケンと似た感じの技である。
ちなみにメリケンという単語が技名に入っているが、メリケンは付けてはいない。
こういうのは語感や雰囲気が大切なのだ。
ニムの腕力は、加護による恩恵と腕力強化のスキルにより、かなりの高水準にある。
さすがにミティには大きく劣るが。
平均的な冒険者よりは腕力が強いだろう。
ラーグの街で絡んできた冒険者を返り討ちにしたのは、記憶に新しいところだ。
このパンチがまともにヒットすれば、大きなダメージを与えられるだろう。
だが。
「剛拳流、動かざること山の如し」
メルビン師範が負けじと闘気を込めてガードする。
ニムの渾身のパンチと、メルビン師範のガード。
どちらが勝つか。
ドガン!
ニムのパンチとメルビン師範のガードが激突する。
「くっ」
「ぬはは! ちと威力が足りなかったようじゃの!」
メルビン師範がニムのパンチを耐えきったようだ。
彼がニムのマウントポジションから脱出する。
一度優位を崩されてしまうと、ニムが勝つことは難しい。
「そおい!」
メルビン師範がニムを優しく投げ飛ばす。
これでニムとの模擬試合は終了だ。
「見た目で油断したわい! 嬢ちゃんは、かなり恵まれた身体能力を持っているようじゃの! しかし、技術はまだまだじゃ! これは鍛えがいがあるわい!」
メルビン師範がニムをそう評する。
モニカは、格闘術レベル4まで伸ばしている。
足りないのは対人戦の経験や駆け引きの力量であり、格闘の技術自体はあると言っていい。
一方でニムは、格闘術のスキルを持っていない。
伸びしろがまだまだ残っている。
伸びしろだけで言えば、俺たち5人の中でも随一だろう。
モニカとニム。
2人とも、この道場での鍛錬で大いに実力を伸ばしてくれることに期待しよう。
「さて! 次は、ミティ、タカシ、アイリス! お前たちの成長も見てやろう!」
メルビン師範がそう言う。
俺たちも、モニカやニムの成長に置いていかれないように、気を引き締めて鍛え直していこう。
まずは、メルビン師範を倒すぐらいの気持ちで模擬試合に挑むことにする。
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