【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

180話 マクセルたちとの別れ

 数日が経過した。

 今日はガロル村からラーグの街に戻る日だ。
ミティの部屋に設置しておいた転移魔法陣を利用する。

 俺の今の最大MPだと、ガロル村からラーグの街まで同時に転移できるのは俺を含めて3人までだ。
順番を考えておく必要がある。

 まずは今日の午前中のうちに、俺、モニカ、ニムの3人でガロル村からラーグの街に転移する。
MPを自然回復させるために、ラーグの街でゆっくりし、一晩を明かす。

 翌朝、俺1人でラーグの街からガロル村に転移する。
MPを自然回復させるために、ガロル村でゆっくりする。
その日の夕方ごろ、俺、ミティ、アイリスの3人でガロル村からラーグの街に転移する。
こんな感じの流れでいいだろう。


 帰る前に、お世話になった人たちに最後の別れを済ませておこう。
まずは村長とカトレアへのあいさつだ。

 俺、ミティ、アイリス、モニカ、ニム。
5人で村長宅に向かう。
村長とカトレアに話しかける。

「村長さん。カトレアさん。お世話になりました。そろそろこの村を出ようと思います」

「おお。そうですか。こちらこそお世話になりました。タカシ殿たちがいなければ、私もカトレアもどうなっていたことか……」

「そうですわね。本当に、感謝していますわ」

 村長とカトレアがそう言う。
確かに、あのままだとやばかっただろう。
霧蛇竜ヘルザムによる精神汚染がもっとひどくなり、他の被害者が出ていたかもしれない。
最終的に、村長やカトレア自身の破滅につながっていた可能性もある。

「いえ。俺たちにできることをしただけですので」

 俺はそう謙遜しておく。

「カトレアちゃん。旅に出るんだよね。また会う日を楽しみにしているよ。無理はしないでね」

「うん。ミティちゃん。またどこかで会えたらいいね」

 ミティとカトレアが、最後のあいさつを済ませる。
俺たちも最後のあいさつを済ませ、彼らと別れる。


 さて。 
次は、餅屋のマイン、マーシー、フィルにあいさつをしておこう。
彼女たちの餅屋を訪れる。
まだ営業前なので、話しかけてもだいじょうぶだろう。

「みなさん。お世話になりました。そろそろこの村を出ようと思います」

「そうなんだ。これからも冒険者としてがんばってね」

 マインがそう言う。

「これは選別の餅なんだな。うん」

 マーシーがそう言って、箱に入った餅を差し出してくる。

「よろしいのですか?」

「ぐふふ。もちろんだ。その餅のおいしさを、他の街にも広めておいてくれ」

 フィルがそう言う。

「そういうことであれば、遠慮なく受け取っておきます」

 俺はそう言って、餅を受け取る。

「ちょっといいかな。さらに追加でもらうことはできる? 完成品と、原材料のもち米と。もちろんお金は払う」

「ええ。それはもちろん構わないよ」

 モニカの要求に、マインがそう答える。
モニカは、この餅の味の探求をしたいようだ。
完成品をじっくり味わいつつ、原材料のもち米から味の再現をしていく心づもりか。

「こ、ここのお餅は本当においしいです。わたし、大好きです」

 ニムがそう言う。
彼女もこう言っていることだし、完成品の餅は多めに買い込んでおく。
これで好きなときにあの餅を食べることができる。
俺のアイテムボックスに購入した餅を収納する。

「では、これにて失礼します。みなさん、お元気で」

「タカシ君たちも元気でね。活躍を祈っているよ」

 マインたちと最後の別れを済ませ、店を後にする。


 次はマクセルたち疾風迅雷の面々と、別れを済ませておこう。
彼らが宿泊している宿屋に向かう。
ちょうど、宿屋の前に彼らがいた。
話しかける。

「みなさん。お世話になりました。俺たちはまた別の街に向かいます」

「そうか。装備の件、あらためてありがとうな。ミティさんの武具、ありがたく使わせてもらうよ」

「いえ。喜んでいただけたなら幸いです!」

 マクセルの言葉に、ミティがそう返す。

「へっ。すぐに俺たちもCランクになって追いついてやるぜ! 顔を洗って待ってるんだな! タカシ」

「それを言うなら首を洗って、なの。ストラス君はおバカなの」

 ストラスの言葉に、セリナがそうツッコミを入れる。
夫婦漫才か。

 彼らの冒険者ランクは、全員がDだ。
パーティランクもD。

 カイルとレベッカは確かにDランクぐらいが適正だろう。
しかし、マクセル、ストラス、セリナはCランクでもおかしくない実力がある。
おそらく、まだ冒険者になって日が浅く、実績が足りていないだけだろう。
彼らの個人ランクは、いずれ近いうちにCランクになる可能性が高い。

「俺たちも、Cランクパーティの名に恥じないようにがんばっていきます。……それにしても、みなさんとの合同訓練は非常に参考になりました」

「そうだね。特に、ボクやモニカは参考になるところが多かった。同じ武闘家だしね」

「そう言ってもらえると、こちらとしてもうれしいよ」

 俺とアイリスの言葉に、マクセルがそう返す。

「自分も魔法を使えるように練習するの。次に会うときは、パワーアップしたスーパーセリナをお披露目するの」

「そうだな! 俺もパワーアップして、スーパーストラスをお披露目してやるぜ!」

 セリナとストラスがそう意気込む。

 スーパーストラス?
何だそれは。
いちいち説明するのもめんどうだ。
てめえで勝手に想像しろ。

「……ところで、皆さんは次はどちらに向かわれるのですか?」

「まだ決まっていないよ。まずはボフォイの街に戻って、良さそうな依頼がないか確認するところからだね」

 俺の問いに、マクセルがそう答える。

「そうですか」

「あ、でもその前にやりたいことが……。いや、これはいいか。忘れてくれ」

 マクセルが何かを言いかけるが、途中でやめる。
さらに聞いてみたが、はぐらかされてしまった。

 彼らと最後のあいさつを済ませ、別れる。
またどこかで会うこともあるはずだ。
活躍を祈っておこう。

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