【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

177話 夢で逢えたら

 ミティとの結婚式と二次会が無事に終了した。
宿屋に戻る。
モニカたちと別れ、部屋に入る。
俺とミティが同室。
アイリス、モニカ、ニムは隣の部屋だ。

 濡れタオルで自分の体を清めていく。
今日はあと一つだけ大きなイベントが待っている。
ミティとの初夜だ。

 まあ、初めて風呂に入った日にミティとの初めては済ませているが。
結婚してからは当然初めてだ。
こう改まって行為をするとなると、緊張する。

 ミティとともにベッドに入る。

「ミティ。改めて、これからもよろしくね」

「タカシ様。私のほうこそ、よろしくお願いします」

 ミティのズボンを脱がせる。
下着が見える。
かわいい下着だ。

「かわいいよ。ミティ」

「あんまり見ないでください……。恥ずかしいです」

 下着に手をかける。
濡れている。
いや。
濡れているなんてものじゃない。

「ああ……。ついに、タカシ様と1つに……」

 ミティが顔を赤くしてそう言う。

「ラーグの街でもしたじゃないか」

「あのときは、私から少し強引にしてしまいましたので」

 少しどころか、かなり強引だったが。

「嫌われたりしないかと、後で心配していたのです」

「あれぐらいのことで、ミティを嫌いになったりはしないよ」

「ありがとうございます。今日、とうとうタカシ様からしていただけるのですね……」

 ミティの目に一筋の涙が落ちる。
恋愛の機微に疎い俺でも、これはわかる。
うれしくて泣いてくれているのだろう。

 俺もうれしくなる。
俺の愛しいミティ。
天使のミティ。

「タカシさん。愛しています」

「ああ。俺も愛しているよ。ミティ」

 俺と彼女は見つめ合う。
そのまま、俺たち2人は1つになった。

 こうして、夜は更けていった。


●●●


 ふと気がつくと、俺は白い空間に立っていた。
近くには、テーブルとイスがある。
そのイスには、なつかしい人たちが座っていた。

「やっと起きたわね。たかし。いくつになってもお寝坊さんねえ」

「たるんどるぞ。たかし。さっさと座りなさい」

「母ちゃん……。父ちゃん……」

 ……夢か。
両親の夢を見るとは。
自覚はないが、ずいぶんとホームシックになっていたようだ。

 言われた通り、俺もイスに座ろう。
しかし夢の中とはいえ、2人には合わせる顔がない。
俺は顔を伏せながらイスに座った。

 母ちゃんと父ちゃんには、迷惑ばかりかけてしまった。
特に母ちゃん。
俺が引きこもっていたときは、いろいろとひどい言葉を浴びせてしまった。

「今まで苦労かけてごめん」

「いいのよ。私のかわいい息子だからね」

 あれだけ迷惑をかけたのに、受け入れてくれる。
たとえマザコンと言われようと、俺は母ちゃんが大好きだ。

「たかし。今はどこで何をしているんだ? 元気にやってるのか?」

 父ちゃんがそう言う。
堅物の父ちゃんだが、俺を心配してくれているのが声色からわかる。

「俺は、別の世界に転移したんだ。定職にも就いて、元気にやってるよ」

 冒険者は、本来は不安定な職業だ。
定職というと少し違和感がなくもないが。
俺の場合は、チートによりまったく問題なく稼ぐことができている。
定職と言っても過言ではないだろう。

「ふむ。それでこそ俺の息子だ。お前の能力なら、働けないということはないと思っていた」

「元気にやっているなら一安心ねえ」

 父ちゃんと母ちゃんがそう言う。

 ここで、俺はようやく顔を上げることができた。
母ちゃんと父ちゃんの顔を見る。
2人とも、少し老けたか……?

 俺がこの世界に来て、まだ半年ぐらいだ。
この半年で、いくらか老けてしまったのか。
俺が突然いなくなって、さらなる迷惑をかけてしまったからか。

 夢の中とはいえ、せっかく会えたんだ。
せめて、もっと安心してもらおう。

「大切な報告がある。その世界で、お嫁さんをもらうことができたんだ」

 俺は2人にそう結婚の報告をする。

「……そうか。それはいいニュースだ。その娘を大切にしてやるんだぞ」

「良かったわねえ。私も、お嫁さんに一度会いたいわねえ」

 父ちゃんも母ちゃんも、俺の言葉を素直に信じてくれる。
ミティを、2人に紹介したいな。
いつかそんな日がくるのだろうか。

「ぜひ紹介したいな。本当に頼りになる、いい女性なんだ。この前もこんなことがあって……」

 俺は2人にミティとの出来事を話していく。
いろいろなことを話した。

「うふふ。仲良くやっているようで良かったわ」

「高橋家の血筋を絶やすんじゃないぞ。……む。そろそろ時間のようだ」

 父ちゃんの言葉の通り、夢から覚め始めているようだ。
俺たち3人の体が薄れていく。

「達者でな。たかし」

「くれぐれも体には気をつけるのよ」

「うん。父ちゃんと母ちゃんも元気でね」

 夢の中で、2人に別れを告げる。
俺たち3人の姿がどんどん薄れていく。

「あ、そうそう。千秋ちゃんのことだけど……」

 母ちゃんが何か言おうとするが、最後までは聞き取れなかった。
そして、俺の意識は薄れていった。


●●●


「やはり夢か……」

 なつかしい夢を見た。
俺の両親の夢だ。
夢の中で、ミティと結婚したことを報告しておいた。

 それにしても、こんな夢を見るとはな。
まだまだ親離れできていなかった証拠か。
自覚はないが、ずいぶんとホームシックになっていたようだ。
夢ではなく、実際に会うことができればいいんだが。

 まあ、今の段階で帰る方法をあれこれ探しても仕方ない。
ミティとも結婚したばかりだしな。
彼女を置いていくわけにはいかない。

 何らかの方法でこの世界と地球を自由に行き来できるようになれば理想的なんだが。
空間魔法をレベル5まで上げればなんとかなるかもしれない。
もしくは、世界滅亡の危機を回避するために大活躍すれば、ミッションを設定している超常の神のような存在に気に入られて、そういうことも可能になるかもしれない。
今後もいろいろとがんばっていく必要があるな。

 さて。
今は、ミティとの結婚式の翌朝だ。
起床して、ミティと宿屋の朝食に向かう。
食事の席では、アイリス、モニカ、ニムが待機していた。

「おはよう、みんな」

「お、おはようございます」

 ニムを始め、みんなと朝のあいさつを交わす。
……ん?
みんなの様子が少しおかしいような。

 特にアイリスだ。
顔が少し赤く、こっちを見てくれない。

「どうかしたか? アイリス」

「ひぇっ。べ、別に何もないよ!」

 アイリスがビクッとしてそう答える。

「……?」

 俺は首をかしげる。
よくわからんな。

「タカシ」

「何だ?」

 モニカの呼びかけに、俺はそう答える。

「ゆうべはお楽しみでしたね」

 え?

「ま、まさか声が漏れていたのか?」

「そりゃあねえ。あれだけ大きい声を出していたら聞こえるよ。聞き耳を立てるのも悪いから、早めに寝ようとはしたんだけどね」

 モニカがそう言う。

 ぐふっ。
マジかよ。
かなり恥ずかしい。

「う、うう……」

 ミティも顔が真っ赤になっている。

「だ、だいじょうぶです。結婚した男女がそういうことをするのは、わたしも知っていますので」

 ニムがそう言う。
マムによる教育の賜物か。
ニムはそういう知識もあるようだ。

 それにしても、少し意外だな。
アイリスのほうがこういうことに奥手だったとは。
いや、意外でもないか。
温泉でも一番恥ずかしがっていたのはアイリスだったしな。

「よ、よし。気を取り直して、朝食をとるぞ」

 俺は強引に話題を打ち切り、食べ始める。
この妙な空気は、時間が解決してくれることを祈ろう。

 俺たちは、あと数日だけこの村に滞在した後、ラーグの街に戻る予定だ。
帰りは転移魔法陣を利用する。
転移魔法陣のことは、ダディとマティにのみ話しておいた。
彼らの家の一室に、転移魔法陣を設置させてもらった。

 ダディとマティの忠義度は40を超えている。
信頼していいだろう。
忠義度の件は別としても、彼らはミティの肉親だ。
俺が信じなくてどうする。

 今までの俺の最大MP量だと、ミリオンズ5人全員での転移は不可能だった。
5人全員どころか、自身を含めて2人での転移も不可能。
そこで、前回のスキル強化でMP関係のスキルを伸ばした。

 その後、空き時間に1人でラーグの街まで転移してみたことがある。
最大MPの4割弱の消費だった。
これで、自身を含めて2人での転移は可能になったと思われる。
しかし、まだ3人での転移はギリギリ無理そうだ。
利便性の面で、できれば3人での転移は可能にしておきたい。

 そこで、保留としていたMP消費量減少レベル3をレベル4に強化しておいた。
これで、自身を含めて3人までの転移であれば可能になったと思われる。
2往復すればラーグの街に全員が戻れる。
ラーグの街からここガロル村に来るときも、同様の手順でいける。

 今後、用事があれば気軽にガロル村を訪れることができる。
ダディやマティと口裏を合わせれば、村人に過度に怪しまれることもないだろう。


レベル18、タカシ=ハイブリッジ
種族:ヒューマン
役割:リーダー
職業:魔法剣士
ランク:C
HP:135(104+31)
MP:204(68+136)
腕力:113(57+17+29)
脚力: 97(54+16+27)
体力:143(62+19+62)
器用: 78(60+18)
魔力:126(63+63)

武器:紅剣クリム(紅剣クリムウェル)
防具:アイアンアーマー、アイアンシールド

残りスキルポイント5
スキル:
ステータス操作
スキルリセット
加護付与
異世界言語
剣術レベル4
格闘術レベル1
回避術レベル2
気配察知レベル2
気配隠匿レベル1
視力強化レベル1
MP強化レベル4
腕力強化レベル1
脚力強化レベル1
体力強化レベル2
魔力強化レベル2
肉体強化レベル3
闘気術レベル3
火魔法レベル5「ファイアーボール、ファイアーアロー、ファイアートルネード、ボルカニックフレイム、火魔法創造 “三十本桜” 他」
水魔法レベル1「ウォーターボール」
風魔法レベル1「エアバースト」
聖魔法レベル2「ウィッシュ、ホーリーシャイン」
治療魔法レベル4「キュア、ヒール、エリアヒール、リカバリー」
空間魔法レベル3「アイテムボックス、アイテムルーム、転移魔法陣作成」
高速詠唱レベル1
MP消費量減少レベル4
MP回復速度強化レベル2

称号:
犬狩り
ホワイトタイガー討伐者
ジャイアントゴーレム討伐者
オーガ・ハーピィの盟友
ガルハード杯ベスト16
ミドルベア討伐者
霧蛇竜ヘルザム討伐者

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