【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

173話 夢の混浴 わが生涯に一片の悔いなし!!

 ミティとの結婚式は数日後に迫ってきている。
今日もガロル村でゆっくりと過ごそうかな。

「みんな。今日は何をして過ごそうか?」

 魔物狩り、魔法や剣の鍛錬。
マクセルたち疾風迅雷との合同訓練。
村の周囲の探索、村の観光。
ゆっくり休息。
できることはいろいろある。

 俺の問いかけに、ニムがおずおずと手を挙げる。
何か案があるようだ。

「む、村の人に聞いたのですが。ここの山奥に、大きなお風呂があるそうです」

「大きなお風呂? それはいいね。行ってみたいな」

 ニムの言葉を受けて、モニカがそう言う。

「ああ。あの秘湯のことですか。私も数回だけ入ったことがあります」

 ミティがそう言う。

「秘湯、つまり温泉か。あれはいいものだ」

「へえ。ボクは入ったことないなあ」

 アイリスがそう言う。

「み、みんなでいっしょに行ってみませんか?」

「山奥にあるので、少し危険ですが……。私たちならだいじょうぶでしょうね」

 ニムの誘いに、ミティが前向きな返答をする。
他の人からも反対意見はなかった。
もちろん俺も同様だ。
さっそくその山奥の温泉に向かおう。


●●●


 山奥の温泉にやってきた。
温泉には、ちょっとした囲いが設けられている。
近くには小屋もある。

「しかし、道中に結構魔物がいたな。村人が来るのは危ないんじゃないか?」

「そうですね。村人がここを利用するのは、特別な日だけです。日常的に入っている者はいません」

 俺の言葉に、ミティがそう答える。

「もしかして、神聖なものだったりするのか? 俺たちが入るのはマズいんじゃ……」

 神聖な湯を汚す不届き者め!
即刻処刑せよ!
とか。

「いえ。特別に神聖なものではありません。単純に、道中の危険性や利便性の問題ですので」

「なるほど。それなら問題ないか」

「このあたりまで来れば、魔物の生息数も少ないので入浴中に襲われる危険性も低いです。ゆっくりと入りましょう」

 ミティがそう言う。

 小屋に入る。
ここを脱衣所として利用すればよさそうか。
もちろん、先客などはいない。
俺たちの貸し切りだ。

 しかし、気になることがある。

「……ん? もしかして、男湯と女湯が別れていないのか?」

 脱衣所のような小屋は、1つしかない。
温泉も、湯船が1つだけだ。
特に仕切りなどはない。

「そうですね。ここは混浴です。とはいえ、村の年頃の男女がともに入る風習はありませんが」

 ミティがそう言う。

「うーん。そうか。……俺は外で待ってるよ。みんなが先に入ってくれ」

 混浴は男のロマンだ。
しかし、物事には順序というものがある。

 ミティは頼めばいっしょに入ってくれるだろう。
もうそれ以上のことをした仲だしな。

 一方で、アイリスとモニカには以前に断られてしまっている。
論外というほどの強い拒絶ではなかったが。
もう少し友好を深める必要がある。

 ……と、思ったが。

「そ、それは悪いよ。いっしょに入る?」

 モニカからの予想外の誘いだ。
日々の行動をともにしていることで、少しずつ友好度が上がっていたのだろうか。

「ぜひ! と言いたいところだが。他のみんなもいいのか?」

「私はもちろん構いません」

「わ、わたしもだいじょうぶです。少し恥ずかしいですが」

 俺の問いに、ミティとニムがそう答える。

「け、結婚前の男女が裸を晒すなんて」

 アイリスがそう言う。
顔が赤い。

 モニカ、ミティ、ニムからは混浴オーケーの回答をもらえた。
あとはアイリスだけだ。
何とか説得したい。

「ハガ王国のスプール湖では、水着で湖水浴をしたじゃないか」

 アイリスは俺やミティと、湖水浴をしたことがある。
露出は少ないものの、肌にぴっちりと張り付くタイプの水着を着ていた。
彼女の鍛え抜かれた肉体は美しかった。
あの水着は借り物だったので、今は持っていない。

「裸と水着は違うよ! それに、ボクのは露出が少ない水着だったし」

 アイリスは羞恥心が強いようだ。
少し意外だ。
まあ神官だしな。
身持ちは固いということか。

「そういうことなら仕方ないな。やはり俺は外で待っているよ」

 無理強いして友好度が下がるのも嫌だ。
ここは引き下がるしかないだろう。

「……待って! ボクにいい考えがある」

 アイリスがそう言う。
何か策があるそうだ。


●●●


「はあー。いい湯だ……」

 俺は今、温泉に入っている。
ミティ、アイリス、モニカ、ニムもいっしょだ。
夢の混浴だ。
俺は男の夢の1つを成し遂げたと言っても過言ではない。
わが生涯に一片の悔いなし!!

「タカシ。だいじょうぶ? 見えてないよね?」

 アイリスがそう言う。

「ああ、だいじょうぶだ」

 何がだいじょうぶなのかと言うと。
俺の目隠しだ。
ハチマキ状のもので目隠しをすることを条件に、混浴が許されたのだ。

 俺は腰にタオルを巻いた状態で湯船につかっている。
本来であればマナー違反だが、仕方ない。
水着も持っていないしな。

「いやー。いい湯だねえ」

「そ、そうですね。ずっと入っていたいぐらいです」

 モニカとニムがそう言う。

「昔、お父さんとお母さんと入ったことがあります。あまり変わっていませんね。懐かしいです」

 ミティがそう言う。
ミティの思い出の場所か。
そう考えると、感慨深いな。

 しばらくはそうしてゆっくりとお湯につかる。
それにしてもいい湯だ。
日々の疲れがとれていく。

 ふにっ。
不意に、俺の腕に何かが当たった。
柔らかい感触だ。

「きゃっ。ごめんね」

 モニカがそう言う。

「何がごめんね何だ?」

「あっ、そうか。見えてないもんね。気にしないで、忘れてよ」

 いったい何なんだ?
何が当たったんだ?
あの柔らかい感触の正体は……?
もしかしてモニカの……。

 考え始めると、理性が保てなくなってくる。
モニカを含め、全裸の女性が4人も近くにいる。
想像すると、俺のあれがああなってくる。

 マズいぞ。
これ以上は理性が持ちそうにない。
思わず目隠しを取りたい衝動に駆られる。

 マズいマズい。
過ちを犯す前に退散しよう。

「さ、さて。そろそろあがるか」

 俺は平静を装い、湯船から立ち上がる。

「あっ。タカシ様。腰のタオルが……」

 ミティが焦ったような声でそう言う。
俺の腰のタオルが緩んでしまっていたようだ。

 俺は目隠しをしているため、それに気が付かずに立ち上がってしまった。
俺の腰のタオルがずり落ちる感触があった。
つまり、俺のあれが白日の下に晒されたというわけだ。

「きゃっ」

「へえ……」

「わあ……」

 アイリス、モニカ、ニムの声だ。
みんなの視線を感じる。

「み、みなさん! 見てはダメです!」

 ミティの焦った声だ。
俺のあれが何かに包まれる。

「おう!?」
 
 誰かの手だ。
手の大きさと力感覚からして、ミティか。
俺のあれが心地よい感覚に包まれる。

「ミ、ミティか? 俺のあれから手を離すんだ」

「あっ。す、すいません。とっさに隠そうとして……。すぐに離します。替わりにタオルを……」

「おおうっ!?」

 ミティが俺の股関周りでガサゴソする。
快感が押し寄せてくる。
ミティにそういう意図はないのだろうが。
俺は思わず身じろぎする。

「あ……。タカシさんの目隠しが……」

 ニムがそう言う。
このドタバタで、俺の目隠しまでずれてしまった。

 意図せず、みんなの裸が視界に入ってくる。
ニムは湯船につかっていたので見えなかったが。
モニカ、アイリス、ミティの全裸はばっちりと見てしまった。

 ミティが俺の股関周りでガサゴソしている刺激に加えて、みんなの裸。
この合わせ技で、俺は思わず……。
…………。
……。

 みんなが見ている前でこんな醜態を晒してしまうとは。
何という日だ。
結果的に、なかなかハイレベルなプレイをしてしまった。
不慮の事故ということで、みんなからはさほど怒られなかったのはせめてもの救いだった。

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