【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

160話 みんなのスキル強化 中編

 ミティ、アイリス、モニカのスキル強化の暫定の方針は決まった。
次はニムだ。

「ニムはどうする?」

「わ、わたしは、MP関係のスキルを取得したいと思います。土魔法の維持が大変だったので」

 ニムの攻撃手段は、現状では土魔法しかない。
MPが切れた場合、攻撃手段がなくなってしまう。
今回は、ニムの言う通りMP関係のスキルを取得するのが良さそうか。

 第2案としては、魔法以外の攻撃手段を身につけることだ。
俺は剣、格闘、火魔法、風魔法。
ミティはハンマー、格闘、投擲、風魔法。
モニカは武闘と雷魔法。
それぞれ複数の攻撃手段を持っている。

 できればニムにも複数の攻撃手段を持っていてほしいところではある。
とはいえ、あれこれ手を出しすぎると器用貧乏になる恐れもある。

 パーティメンバーも増えてきたことだし、無理に個人がいろいろな攻撃手段を持つ必要もないか。
アイリスも攻撃手段は格闘だけだしな。
ニムには土魔法士としての力を伸ばしていってもらおう。

「MP関係のスキルか。MP強化、MP消費量減少、MP回復速度強化あたりだな」

「そ、その3つの違いがよくわからないのですが」

 ニムがそう言う。
実は、俺もあまりわかっていない。

「MP強化は最大値が増える。レベル2まで強化すれば、ちょうど倍になる」

「ふむふむ」

「MP消費量減少は消費量が減る。レベル2まで強化すれば、ちょうど半減となる」

「な、なるほど……?」

 ニムはイマイチわかっていなさそうだ。

「それだと、どちらを強化しても同じなんじゃない?」

 モニカがそう言う。

「そうだな。この2つの差は、俺もよくわかっていない。アイリスは何か知らないか?」

 困ったときのアイリスだ。

「ボクも知らないなー。魔法に詳しい人にきけば何かわかるかも? もしくは、魔法学園都市に行ってみるとか」

 魔法学園都市シャマールか。
アドルフの兄貴たちがオススメしていた街だ。
確かに、そこなら魔法に詳しい人がたくさんいるだろう。
何かわかるかもしれない。

「まあ当面の間は、MP強化とMP消費量減少をバランス良く伸ばしていけばいいと思う。俺もそうしている」

 俺は、MP強化レベル3とMP消費量減少レベル2まで強化している。

「わ、わかりました。あと、MP回復速度強化というのは……?」

「その名の通り、MPの回復速度が強化される。例えば、MP強化で最大値ばかり増やした場合、MPの回復速度が追いつかない場合がある。MP強化やMP消費量減少の強化に合わせて、MP回復速度強化も伸ばしておいたほうが無難だろうな」

「そ、そうですか」

 ニムが再び思案顔になる。

「こ、今回は、MP強化レベル1とMP回復速度強化レベル1を取得しようと思います」

 ニムがそう言う。

「うん。いいんじゃないか。土魔法をどんどん使っていけるようになるだろう。残りのスキルポイント30はどうする?」

「わ、腕力強化を取得したいです。あと、脚力強化レベル1をレベル2に」

「ふむ。ロックアーマーでのタックルの威力を伸ばす方針か?」

「そ、そうですね」

 大きな岩の鎧をまとってのタックルは、かなりの威力だ。
現状の彼女のスキル構成でも、ミドルベアに一定程度のダメージは与えていた。
土魔法の力量が上がり、MPに余裕ができて、腕力や脚力が向上すれば。
さらに威力は上がっていくだろう。

 ニムは、ロックアーマーをまとったタックルのことを”ロック・パンク”と名付けていた。
どんどん威力を伸ばしていけば、彼女の大技となるだろう。
俺の斬魔剣、ミティのビッグボンバー、アイリスの豪・裂空脚、モニカの雷華崩脚、ニムのロック・パンク。
それぞれが威力の高い切り札を持っている。
頼もしい仲間たちだ。

「ええと。MP強化、MP回復速度強化、腕力強化、脚力強化。これらを伸ばしたとして、まだ15残るな」

 ニムは今回、一気にレベルが3も上がったからな。
強化量としては5人の中で最も大きい。

「で、では、栽培術レベル1を2にします」

「ふむ。栽培術か」

 冒険者としては直接的に役立つものではないかもしれないが。
本人が希望するのであれば、できるだけ尊重してあげたい。

 土魔法を使えるようになった今では、畑仕事よりも冒険者のほうが稼げるだろう。
しかし、半分は趣味のような感覚で畑仕事を続けるのもありだ。
ラーグの街を拠点に活動している間は、彼女がマムの畑仕事を手伝うこともあるだろうしな。

 また、俺の家の庭も、ニムにより手入れがされつつある。
家庭菜園のようなものができる日も近いかもしれない。

「わかった。まだスキルポイントは10残るが」

「そ、それは残しておきます。実際の使い勝手などの様子をみて決めたいと思います」

「そうだな。それがいいだろう」

 あまり一度に強化する必要もない。
使い勝手を確認しつつ、改めて決めればいい。
今回の強化の結果、MPがまだ心もとないと感じれば、MP強化をレベル2に伸ばすなども考えられる。

 ニムの暫定の方針は決まった。

「よし。これで、4人の方針は決まったな。あとは俺か」

 俺の残りスキルポイントは50だ。
何を強化しようか。

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