【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

144話 みんなでお風呂(ただしタカシを除く)

 食事会は無事に終わった。
とりあえず、おおまかな後片付けのみ行っておく。

 続いては風呂だ。
俺が初めて風呂に入ったのが5日前。
その後、ミティ、アイリス、モニカ、ニムにも入ってもらったが、好評だった。
ユナ、リーゼロッテ、マリアにもぜひ入ってもらおう。

 ハガ王国からマリアを連れて来た後、食事会が始まる前に、お湯をはっておいた。
食事会の間に少し冷めてしまっているので、俺の火魔法で追いだきしておく。

「この家には風呂があるんだ。ユナたちも入っていくか?」

「ふふん。いいわね。まさかお風呂に入る機会があるとは思わなかったわ」

「私も、冒険者として旅に出てからは入っていませんわ」

『お風呂! お風呂! みんなでお風呂!』

 ユナ、リーゼロッテ、マリア。
3人とも入っていくようだ。

 さっそく、みんなで風呂に向かう。
……俺以外のみんなで、だ。

『あれ? タカシお兄ちゃんは来ないの?』

「ああ。俺は後で入るよ」

 残念ながら、まだまだ混浴をオーケーしてもらえるほどの親密さはない。
まだ幼いマリアはともかくとして。
漢のロマンである混浴は、今回は断念するしかない。
非常に残念だ。
もっとみんなと仲良くなる必要がある。

 ミティは頼めばいっしょに入ってくれるだろう。
もうそれ以上のことをした仲だしな。

 一方で、アイリスとモニカには以前に断られてしまっている。
混浴はまだ時期尚早だったようだ。
論外というほどの強い拒絶ではなかったが。

 ユナとリーゼロッテは、頼んでみるまでもないだろう。
まだそういう段階にはほど遠い。

 俺は1人さびしくリビングで待つ。
片付けなど、できることはやっておく。

 しばらくして、風呂場から楽しそうな声が聞こえてきた。
片付け作業を中断する。
聞き耳を立てる。

「……で、……が……」

「……だね」

 ……うーん。
聞こえそうで聞こえない。
もどかしい。

 思い切って、聴覚強化を取得してみるか。
盗み聞きに役立つスキルだ。
少し趣味は悪いが、みんなの会話内容が気になるのだ。

 まあ普段の冒険者稼業にもあって困るスキルでもないしな。
そう自分に言い訳をしておく。
ステータス操作画面を開き、聴覚強化のスキルを取得した。

 みんなの声が聞こえるようになった。
もちろん声だけだ。

「マリアちゃんは、ハーピィだったのね。少し前に、友好種族として公表されていたわね」

 ユナがそう言う。
そうだ。
マリアの種族のことを前もって伝えることを忘れていた。

 風呂に入るのであれば、服を脱ぐ。
マリアの種族のことはバレて当然だ。
少しうかつだったか。
幸い、ユナはハーピィに偏見などは持っていないようだ。

『そうだよー。一度、人族の街に来てみたいと思って、タカシお兄ちゃんに頼んでみたんだ』

「そうなのですか。遠路はるばる、大変でしたわね」

 リーゼロッテがそう言う。
俺の転移魔法陣のことは、まだ一部の人にしか伝えていない。
ミティ、アイリス、マリア、バルダイン、ナスタシア。
この5人だ。
モニカとニムにも近いうちに伝えてもいいだろう。

 一方で、ユナやリーゼロッテに伝えるのはまだ時期尚早だと思う。

『そうでもないよ。タカシお兄ちゃんのて……。モゴモゴ』

 マリアが転移魔法陣のことを言いそうになる。
誰かが口をふさいだようだ。
ミティかアイリスかな。
ナイス。

「「て?」」

「タカシ様と手を繋いで、この街までやってきたのです。戻るときにはまた迎えが来ます」

 ミティがそうごまかす。
少し苦しい。
幸い、ユナやリーゼロッテからそれ以上の追及はなかった。

 別の話題にシフトしていく。
みんなは、脱衣所から風呂場に移動したようだ。

「ミティは、胸が結構あるね! 背はちっちゃいのに……」

「そういうアイリスさんも、引き締まった体でうらやましいです」

 確かにアイリスの言う通り、ミティは出るところは出ている。
一方のアイリスも、鍛えられた体をしている。

「私も引き締めないとなあ。マヨネーズの試作でちょっと太っちゃったし」

「ふふん。冒険者をやっていたら、自然と痩せてくるわよ」

 モニカは少し太っていたようだ。
傍目にはわからなかったが。
ユナは、以前から冒険者として活動しているだけあって、スレンダーな体つきをしている。

「そうでしょうか。私は太っていく一方でして……」

「リーゼロッテさんは、栄養が全部胸にいっているからいいでしょ。そういうのは太ったとは言わないの」

 アイリスがそう言う。

 リーゼロッテは食いしん坊だ。
日常的にカロリーがオーバー気味なのかもしれない。
しかし、アイリスの言う通り、栄養が胸にいっている可能性もある。
リーゼロッテは巨乳だ。

 胸の大きさを順位づけるなら、マリア≦ニム<ユナ≦アイリス<モニカ≦ミティ<リーゼロッテといった感じになる。

 マリアとニムはまだ成長期前だ。
ユナとアイリスはスレンダー。
モニカは標準的。
ミティは、体積的にはモニカと同じくらいかもしれない。
背が小さい分、相対的に大きく見える。
リーゼロッテは、彼女たちの中では最も大きい。

 俺の好み?
俺はなんでもいける。

 貧乳は良い。
”貧乳はステータスだ。希少価値だ”という偉人の言葉もあるしな。

 巨乳も良い。
大きな胸に包まれたい。

「確かに。この乳はけしからん」

「きゃっ。やめてくださいまし。ユナさん」

 ユナがリーゼロッテにちょっかいを出したようだ。
うらやまけしからん。

「う、うう……。わたしも皆さんみたいにナイスバディになりたいです。それでタカシさんを虜にして……」

『マリアもタカシお兄ちゃんをとりこにしたい!』

 ニムとマリアがそう言う。
ニムはともかく、マリアはあまり意味がわかっていないだろう。

「え? ニムちゃんとマリアちゃんって、タカシとそういう関係なの!?」

 ほら。
ユナが驚いているじゃないか。
さあ、ミティにアイリス。
誤解を解くのだ。
俺のロリコン疑惑を晴らしてくれ。

「もちろん、彼女たちも偉大なるタカシ様の女です!」

 ミティが堂々とそう宣言する。
いやいやいや。
待て待てい。
んなバカな事やる男じゃねェよい!!

「貴族では、数人の側室ぐらいはよくあることですが……。タカシさんがそれほど好色な方でしたとは」

 リーゼロッテは微妙な声色だ。

「ふふん。私の村でも、強い男は何人も女を侍らしていたわね。まあ、ニムちゃんとマリアちゃんがいいならそれでもいいんじゃない? さすがにまだ幼すぎるような気もするけど……」

 ユナがそう言う。

「へー。このあたりでは、そういう価値観なんだねえ。ボクも認識を変えて、どんどんアタックしていこうかなー」

「ふふん。薄々は気づいていたけど、アイリスさんもタカシのことが?」

「そうだよ。タカシの成長速度はすごい。武闘も、それに剣術や魔法もね」

 アイリスがそう言う。
改めて彼女の口からそう聞かされると、照れるな。
彼女はあまり好意を態度や口に出さないタイプだ。
もっとこちらからアプローチしてもいいかもしれない。

「ふふん。確かにね。あっという間にCランクになっちゃったし。私はまだDランクなのに」

 ユナはDランクだ。
ランクとしては、俺は彼女を抜き去った。
まあ、まだ冒険者としての知識や経験の面ではかなわないだろうが。

「ユナさんも、タカシ様の仲間に加わりますか? 歓迎しますよ」

「少し前にも、その話は出たわね。ま、考えておくわ」

 ミティの勧誘に、ユナがそう返答をする。
悪くない感触だ。
彼女は故郷の村で用事がある。
それが終わったころ、俺たちのパーティに加わってくれると心強いところだ。

 盗み聞きを終える。
片付けの続きを行うことにしよう。


●●●


 同刻、タカシ宅の外。
女が1人、歩いていた。
タカシ宅からは楽しげな声が漏れている。

「(楽しそうな声……。うらやましいですわね)」

 彼女は、3か月ほど前にハガ王国で暗躍していた者だ。
タカシたちにはセンと名乗っていた。
彼女はハガ王国での目的を達して、まんまと逃げおおせた。

「(はあ。闇の水晶も壊れてしまいましたし。引き続き金策を行う必要がありますわね)」

 彼女は闇魔法を得意とする。
闇の水晶という高価な魔道具を使用することで、バルダインやナスタシア、クレアたちの思考を誘導していた。
しかし、クラッツやアイリスの聖魔法により闇魔法は浄化され、その余波で闇の水晶が壊れてしまったのだ。

 彼女はトボトボと歩みを進め、タカシ宅の前を通り過ぎていく。

「(ある程度の資金が貯まれば、次の任務へ向かいましょう。確か、ガロル村でしたか。ドワーフの集落ですね。また骨の折れそうな任務です)」

 彼女はそのまま歩みを進め、夜の街へと消えていった。
タカシたちが彼女と再び対峙するのは、少し先のことになる。



レベル17、タカシ=ハイブリッジ
種族:ヒューマン
役割:リーダー
職業:魔法剣士
ランク:C
HP:127(98+29)
MP:160(64+96)
腕力: 97(53+17+27)
脚力: 90(50+15+25)
体力:133(58+17+58)
器用: 73(56+17)
魔力:120(60+60)

武器:紅剣クリム
防具:アイアンアーマー、アイアンシールド

残りスキルポイント5
スキル:
ステータス操作
スキルリセット
加護付与
異世界言語
剣術レベル4
格闘術レベル1
回避術レベル2
気配察知レベル2
気配隠匿レベル1
視力強化レベル1
聴覚強化レベル1
MP強化レベル3
腕力強化レベル1
脚力強化レベル1
体力強化レベル2
魔力強化レベル2
肉体強化レベル3
闘気術レベル3「開放、感知、集中」
火魔法レベル5「ファイアーボール、ファイアーアロー、ファイアートルネード、ボルカニックフレイム、火魔法創造 “二十本桜” “バーンアウト””ボイル・ザ・ウォーター”」
水魔法レベル1「ウォーターボール」
風魔法レベル1「エアバースト」
聖魔法レベル1「ウィッシュ」
治療魔法レベル4「キュア、ヒール、エリアヒール、リカバリー」
空間魔法レベル3「アイテムボックス、アイテムルーム、転移魔法陣作成」
高速詠唱レベル1
MP消費量減少レベル2
MP回復速度強化レベル1

称号:
犬狩り
ホワイトタイガー討伐者
ジャイアントゴーレム討伐者
オーガ・ハーピィの盟友
ガルハード杯ベスト16

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