【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

128話 モニカとニムの武器を購入

 モニカとニムが冒険者デビューした翌日。
今日もファイティングドッグ狩りだ!
さっそく北の草原に向かいたいところだが、その前にみんなで武器屋に来た。
昨日のデビュー戦で、2人の戦闘スタイルの方向性が定まったからだ。
昨日は暫定で短剣を使ってもらっていた。

 武器屋の店主に話しかける。

「すいません。こちらの2人の武器を購入したいのですが」

 店主がモニカとニムに目を向ける。

「ふむ。兎獣人と犬獣人か……。武器の種類は決まっているのか?」

「こちらのモニカは、格闘で戦います。格闘向けの手と脚に装備できる武器をお願いします」

「あと、雷魔法を併用するから、通電性のあるやつね」

 アイリスがそう補足する。

「珍しい戦い方をするんだな。……それならこれが良さそうだ。試着してみろ」

 店主が示したものを、モニカが試着していく。
腕の装備はガントレットだ。

「それで、そっちの犬獣人の娘はどうする?」

「こちらのニムは、土魔法を使います。まだ初心者ですが」

「初心者か。なら、この杖はどうだ?」

 店主が示したのは、木製の小さめの杖だ。

「魔法の制御を安定させる効果がある。頑丈な木で作られているから、いざというときは打撃もできる」

 魔法の制御を安定させる効果か。
そんな効果のある杖があったとは。
俺も少し欲しいかもしれない。
まあ、俺にはミティが作ってくれた紅剣クリムがあるし、俺が杖を使う機会はそうそうないだろうが。

 ニムが杖を持ってみる。

「ニム、どうだ?」

「お、重さはだいじょうぶです」

「後は、実際の性能か。試し打ちしてもいいですか?」

「構わんぞ。裏にテスト用のスペースを設けてある」

 さっそくそこへ向かう。
テスト用に、カカシのようなものが置いてあった。
まずはモニカが試す。

「えいっ」

 モニカが手と脚に武器を装備した状態で、カカシに攻撃する。
格闘術レベル2を持っているだけあって、なかなか様になっている。
基礎ステータスも加護により3割向上している上、脚力強化も取得しているしな。

「……スパーク!」

 さらに、モニカが雷魔法と格闘を併用してカカシに攻撃する。
うまくガントレットに通電しているようだ。
魔法なしのときよりも威力が向上している。
カカシに焦げ目が付いている。

「うん。問題なさそうかな?」

「悪くないね。それで良いと思うよ」

 モニカとアイリスがそう言う。

「よし。モニカの武器はそれで決まりとしよう。次はニムだ。試してみてくれ」

「わ、わかりました」

 ニムが杖を構える。
彼女が土魔法の詠唱を開始する。
杖を前に向ける。

「……ストーンショット!」

 石が放たれる。
北の草原で練習したときと比べて、あまり変わっていないように見える。
杖の効果はあるのだろうか。

「感覚はどうだ?」

「な、なんとなく、魔法が安定しているような感覚があります。気のせいかもしれませんが」

 ニムがそう言う。
威力などはほぼ変わらない一方で、安定性は増しているわけか。

「よし。俺も試してみよう。少し貸してくれ」

 ニムから杖を受け取る。
火魔法の詠唱を開始する。

「……ファイアーボール!」

 火の弾が打ち出される。
カカシに命中した。
カカシが燃える。
水魔法で消化しておく。

「なるほど。確かに、少し安定して魔法が扱えるようになっているみたいだ」

 ただの思い込みかもしれないが。

「私も試してみていいですか?」

 ミティがそう言う。
いろいろな人に試してもらったほうが、いろいろな意見を聞けるだろう。
ミティに杖を渡す。
ミティが風魔法の詠唱を開始する。

「……エアバースト!」

 空気の塊がカカシに向かって放たれたようだ。
カカシが風に揺れる。

「なるほど。悪くないですね」

 ミティがそう言う。

「うん。ニムの武器はこれが良いんじゃないかな。ミティの分も買っておくか?」

「私はハンマーがメインですし、なくてもだいじょうぶだと思います」

 まあそれもそうか。
もちろん、あって困るものではないので、安ければ買っておくのも選択肢の1つだが。

「よし。では、この手と脚用の武器と、杖をもらいましょう。いくらですか?」

 俺は店主にそう尋ねる。

「そうだな。それぞれ金貨10枚以上はする代物だが。3つ合わせて買ってくれるなら、金貨30枚にまけてやろう」

 結構するな。
まあでも、それぐらいはするか。
量産とかもできないのだろうし。

「わかりました。ではその金額で購入しましょう」

 金貨30枚を支払う。

「うむ、確かに。……それにしても、即金でポンと出せるんだな。そっちの2人は新人だろう? 魔法が使えるとは将来有望だ」

 店主がそう言う。

「そうですね。彼女たちには才能があります。俺も負けてられません」

「お前さんも一部で有名だぞ。短期間でCランクになったってな。今後も贔屓にしてくれよ。応援してるぜ」

「ありがとうございます。がんばります」

 俺も少し有名になったか。
やはりCランクになると一目置かれるようだ。
目立つのは苦手だが、効率的な忠義度稼ぎのためには、冒険者ランクは高いほうがいい。
今後も無理のない範囲で上げていこう。

 パーティとしての戦力を増すためにも、モニカとニムには強くなってもらいたい。
彼女たちの強化の方向性は定まったし、装備も整えた。
明日以降も、どんどんレベリングを進めていこう。

 既にファイティングドッグなどの低級の魔物は単独で倒せる。
さらに1週間もあれば、リトルベアなど中級の魔物が相手でも戦力として計算できるレベルになるだろう。
1か月もあれば、それぞれの得意分野では俺よりもはるかに上位になることも可能だ。
腕力に特化しているミティのようにな。

 彼女たちの成長が楽しみだ。


レベル5、モニカ
種族:兎獣人
職業:武闘家
ランク:E
HP:47(36+11)
MP:22(17+5)
腕力:20(15+5)
脚力:64(28+8+28)
体力:26(20+6)
器用:22(17+5)
魔力:31(24+7)

武器:アイアンガントレット
防具:レザーアーマー


残りスキルポイント0
スキル:
格闘術レベル2
脚力強化レベル2
雷魔法レベル1「スパーク」
料理術レベル3

称号:
タカシの加護を受けし者


レベル3、ニム
種族:犬獣人
職業:土魔法使い
ランク:E
HP:39(30+9)
MP:14(11+3)
腕力:20(15+5)
脚力:18(14+4)
体力:40(22+7+11)
器用:13(10+3)
魔力:18(14+4)

武器:ウッドロッド
防具:レザーアーマー

残りスキルポイント0
スキル:
体力強化レベル1
土魔法レベル1「ストーンショット」
栽培術レベル1


称号:
タカシの加護を受けし者

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