【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

102話 空間魔法レベル3:転移魔法陣作成

 俺のスキルポイントの使い道を考えてみよう。
繰り返すが、現状は差し迫った驚異はない。
かと言って、スキルポイント40も余らせておくのは、さすがにもったいない感じはする。
20ぐらいは残しておくとして、後は使ってしまうべきだろう。

 スキルを強化することで、魔物討伐の効率がよくなったり、安定性が増したりする。
その結果、レベリング効率や金稼ぎの効率がよくなる。
そして、加護付与対象者がさらに増えてきて、ゆくゆくは世界滅亡回避の重要な戦力となっていくのだ。
まあ正直、そこまで先のことを現時点で深く考えているわけではないが。

 何らかのスキルを取得するか強化する方針で問題ないだろう。
うーん。
今回はサポート系のスキルを取得・強化しようかな。
最近は戦闘系のスキルばかりを取得・強化していたからな。
武闘会や防衛戦と、戦闘続きだったため仕方ないが。

 多少の余裕がある今こそ、サポート系のスキルを取得・強化するときだ。
第一候補は空間魔法の強化かな。

 空間魔法以外のサポートスキルだと、新しく取得することになる。
家事術。
料理術。
耕作術。
錬金術。
精力強化。

 うーん。
悪くはないが、空間魔法ほどの魅力は感じないな。

 精力強化?
ハーレムメンバーが増えていけば検討するかもしれない。
現状では、ミティにもアイリスにも手を出していないし、まったく必要ない。

 そろそろ手を出してもいい気もする。
どうなんだろう。

 ミティは名目上の身分は奴隷だし、何となく手を出すのがはばかれる。
忠義度は50を越えているから、”奴隷だから仕方なくいっしょにいてあげているだけ”とかはさすがにないと思うが。

 アイリスは神官だ。
そのあたりの貞操観念はどんな感じなのだろう。
厳しいのか、意外と緩いのか。
酒や肉を普通に飲み食いしていたし、その辺は緩そうな気もするが。
よくわからない。
いずれにせよ、ミティともまだなのにアイリスに先に手を出すのもな。
とりあえず保留にしておくか。

 …………。
いろいろと考えてみたが、今回は空間魔法を強化しようかな。

 空間魔法レベル1でアイテムボックス。
空間魔法レベル2でアイテムルーム。
順当にいけば、レベル3はアイテムハウスとかだろうか?
それとも、転移魔法とかかもしれない。
空間切断とかの攻撃魔法の可能性もなくもない。

 ステータス操作画面を開く。
空間魔法をレベル3に強化する。
空間魔法レベル3のイメージが頭に流れ込んでくる。

 ……ふむ。
空間魔法レベル3は転移魔法陣作成だ。
転移魔法陣を作成できるようになる。
あらかじめ作成しておいた転移魔法陣同士で、転移することができる。
かなり便利そうな魔法だ。

 ただし、制約も多い。
まず、転移魔法陣の作成に、かなりのMPを消費する。
作成時間も、しっかりとした魔法陣を作成する場合は数時間以上かかる。
一度作成した魔法陣の維持にも、わずかながらも半永続的にMPを消費し続ける。
維持を諦めると、MPの消費はなくなる。

 作成した魔法陣が2つ以上ある状態で、片方に魔力を込めてもう片方の転移先の魔法陣をイメージすれば、転移できる。
ただし、距離に応じて消費するMPは増大する。
また、いっしょに転移させる人や物の体積や質量に応じて、さらに消費するMPが増大する。

 作成した魔法陣が傷つけられたりすると、MP消費の効率が悪くなり、最終的には使用不可になる。
設置場所には安全性や機密性が求められる。
定期的なメンテナンスも必要だ。

 とりあえず、近くに2つ転移魔法陣を作成してみよう。
テスト用なので、簡易的なものでいい。
1時間ほどかけて転移魔法陣を2つ作成した。
魔法陣同士の距離は100mほどだ。

 さっそく試してみる。

「……テレポート」

 転移魔法陣の上で、転移の呪文を詠唱し、発動する。

 ふいに視界が切り替わる。
……無事に転移できたようだ。

 なるほど。
いい感じの魔法だ。

 気になる点があるとすれば、やはりMPの消費量だ。
今回は近距離かつ1人での転移だった。
そのため、消費するMPはさほど多くなかった。

 これが遠距離かつ複数名での転移になれば、どの程度のMPが必要となるのか。
検証する必要がある。

 また、転移魔法陣の維持にわずかながらもMPを消費し続けているのも気になる。
自然回復の速度のほうが速いので、今のところはさほどのデメリットは感じない。
とはいえ、闇雲にあちこち設置しすぎると、バカにできない消費量になってきそうだ。

 とりあえず、今回作成した簡易的な魔法陣2つは廃棄しておく。
後日改めて、しっかりとした魔法陣を作成しておこう。
俺用の部屋をどこかに用意してもらえないか、バルダインに相談するか。

 ここ以外には、ゾルフ砦やラーグの街、あるいはその他の主要都市を訪れた際に、設置を検討しよう。
ゾルフ砦とラーグの街の途中にあった小規模な町や村には、設置しなくてもいいかな。
特に利便性が上がるわけでもないし。
利便性のメリットよりも常時消費するMPのデメリットのほうが気になる。
また、魔法陣作成の手間も無視できない。
しっかりとした転移魔法陣を1つ作成する場合、それだけで数時間以上かかるわけだし。


●●●


 数日後。
仕事が一段落して歩いていると、バルダインに声をかけられた。

『タカシ! 我が国の名称が、ハガ王国に正式に決まったぞ!』

 国名の件か。
あの後、他にも思いついた国名をいくつか伝えておいたのだが。
結局、最初の方に挙げたハガ王国という名称が通ったわけか。

「ハガ王国ですか。考案者の自分が言うのもなんですが、素晴らしい名前だと思います」

『うむ! 名付けのお礼にこれをやろう!』
 
 バルダインが何かを差し出してくる。
石か?

「これは?」

『以前、大きめの魔物を狩ったときに得た魔石だ。貴様にやろう』

「よろしいのですか?」

『よいのだ。個人的には、貴様に最も感謝している。国王だからあまり公私混同もできないのだが、これぐらいはな。その大きさの魔石は貴重ではあるが、特別な謂れがあるものでもない。人族の街で売り、資金の足しにでもするがよかろう』

「ありがとうございます!」

 思わぬ臨時収入だ。
潜入作戦の報酬も、ゾルフ砦に戻ったときに冒険者ギルドでもらえる予定。
借金返済の目処が立ちつつある。
ゾルフ砦に戻って報酬を受け取ったら、次はラーグの街に戻ろうかな。



レベル16、たかし
種族:ヒューマン
職業:剣士
ランク:D
HP:120(92+28)
MP:150(60+90)
腕力: 90(50+15+25)
脚力: 85(47+14+24)
体力:127(55+17+55)
器用: 68(52+16)
魔力:112(56+56)

武器:アイアンソード
防具:レザーアーマー(上)、スモールシールド

残りスキルポイント30
スキル:
ステータス操作
スキルリセット
加護付与
異世界言語
剣術レベル4
格闘術レベル1
回避術レベル2
気配察知レベル2
気配隠匿レベル1
MP強化レベル3
腕力強化レベル1
脚力強化レベル1
体力強化レベル2
魔力強化レベル2
肉体強化レベル3
闘気術レベル3 「開放、感知、集中」
火魔法レベル5 「ファイアーボール、ファイアーアロー、ファイアートルネード、ボルカニックフレイム、火魔法創造 “十本桜” “バーンアウト”」
水魔法レベル1 「ウォーターボール」
風魔法レベル1 「エアバースト」
治療魔法レベル3 「キュア、ヒール、エリアヒール」
空間魔法レベル3 「アイテムボックス、アイテムルーム、転移魔法陣作成」
高速詠唱レベル1
MP消費量減少レベル2
MP回復速度強化レベル1

称号:
犬狩り
ホワイトタイガー討伐者
ジャイアントゴーレム討伐者
オーガ・ハーピィの盟友

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