【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

99話 戦後の平和な日々:マリアへの加護付与

 オーガ、ハーピィたちとの戦いは終わった。
サザリアナ王国からの正式な使者がやってきて、戦後処理や今後の交流について話し合う予定となっている。
俺たち潜入組は、ひと段落するまではこちらに滞在するつもりだ。

 また、遺跡の発光する壁画についても、今後調査が予定されている。
こちらは、少し時間がかかりそうな見通しだ。

 あの戦いで、失ったものは現状では特にない。
ゾルフ砦側の被害のほどはわからないが。
ユナやリーゼロッテの安否が気がかりではある。
彼女たち以外にも、メルビン師範、ビスカチオ師匠、エドワード司祭など知り合いはたくさんいる。
無事だといいのだが。

 失ったものが現状では特にない一方で、得たものはたくさんある。
最も大きなものは、オーガやハーピィとの交友関係だろう。

『タカシお兄ちゃん! マリアとあそぼ!』

『タカシお兄ちゃん! ごはんいっしょにたべよ!』

『タカシお兄ちゃん! いっしょにねよ!』

 特に仲良くなったのはマリアだ。
なつかれているといったほうが適切か。

 戦いが終わってから改めて何度か顔を合わせているうちに、いつの間にかなつかれていた。
最近では、いっしょに遊んだり、ご飯を食べたり、昼寝したりしている。
平和な日々だ。

「むっ。タカシ様から離れなさい!」

『べー、だ! ミティお姉ちゃんはこわいからきらい!』

 ミティとマリアは、あまり仲が良くない。
険悪というほどでもないが。

 ミティは、俺とマリアの仲に嫉妬してくれているのだろう。
相手は子どもなんだし、心配するようなことはないんだけどな。

 マリアは、ミティからバルダインごと巨石をぶつけられた恨みがあるからな。
戦闘中のこととはいえ。
多少のわだかまりが残るのは仕方ないか。
時間が解決してくれるのを期待しよう。

 マリアは、バルダインとナスタシアの間に生まれた子どもである。
つまり、オーガとハーピィのハーフだ。
ハーピィの血を色濃く継いでいるようだ。
外見はハーピィである。

 母親のナスタシアに似て、なかなかの器量だ。
まだ10歳にもなっていないので、さすがに俺の守備範囲からは外れるが。
彼女も俺のことはそういう対象には見ていないだろうし。
ただ、数年後が楽しみな逸材ではある。
……ん?
そう考えると、ミティの嫉妬も的を得ているのか。

『タカシ。改めて礼を言う。今の我らがあるのは、貴様たちのおかげといっても過言ではない』

 バルダインからの俺たち潜入組への評価も高い。
特に、直接戦闘した俺は他の人よりもやや気に入られている気がする。
たぶん。
まあ、マリアとよく遊んでいるしな。
すっかり顔なじみだ。

『タカシお兄ちゃん、だーい好き! ずっとこのまちにいようよ!』

 マリアからのうれしいお誘いである。

「そうだな。しばらくはこの街にいるつもりだよ」

 この街でしばらくのんびりするのもいい。
残念ながら、彼女の望み通りにずっとこの街にいるわけにもいかないが。

 ここで、潜入作戦後の最大のニュースがある。
なんと、マリアの忠義度は50をあっさりと越えた。
マジかよ。

 子どもだから上がりやすいとかあるだろうか。

 まあ、客観的に見ても、俺は救国の英雄と言っても過言ではない。
いや、さすがに過言か?
俺以外にも、アドルフの兄貴の他、潜入作戦の参加メンバーの功績が大きい。
俺自身の功績は、全体からすれば微々たるものだ。

 とは言え、マリア視点で見れば、俺は彼女の陣営に先頭に立って乗り込んできた勇敢な戦士だ。
彼女の父のバルダイン王と最初に言葉を交わし、説得を試みた。
さらに、アドルフの兄貴など王国へ影響力を持つ人に和平交渉を引き継いだ。

 最近では、いっしょに遊んだり、ご飯を食べたり、昼寝したりもしている。

 こう考えると、忠義度が50を越えても不思議ではないのかもしれない。


レベル1、マリア
種族:ハーピィ(鳥獣人)
職業:ー
ランク:ー
HP:33(25+8)
MP:13(10+3)
腕力:10(8+2)
脚力:10(8+2)
体力:10(8+2)
器用:10(8+2)
魔力:10(8+2)

武器:吸精の宝杖(没収中)
防具:布の服

残りスキルポイント0
スキル:痛覚軽減レベル2
    HP回復速度強化レベル5
    自己治癒力強化レベル3

称号:
祝福の姫巫女
タカシの加護を受けし者


 マリアにさっそく加護を付与しておいた。

 彼女のステータスは全体的に低めだ。
まあまだ10歳にもなっていないそうだし、当然ではある。

 目を引くのはスキルだ。
HP回復速度強化が既にレベル5だ。
さらに痛覚軽減と自己治癒力強化のスキルもある。
かなり偏ったスキル構成だが、スキルレベルが非常に高い。

 加護が付いたので、せっかくだしスキルを強化してあげたいところだが、スキルポイントが0だ。
まだ本人のレベルが1だし、戦闘経験はほぼまったくないのだろう。

 まあ、加護が付くと、全能力値が3割強化されるメリットもある。
スキルの強化に比べると自由度がなく地味だが、冷静に考えればかなりの強化だ。
この強化だけでも、彼女にとっては大きな恩恵があるだろう。

 せっかく加護が付いたのでパーティメンバーに参加してもらいたいところだ。
だが、さすがにこんな子どもは冒険者としては難しいだろう。
そもそも、冒険者ギルドの登録は10歳以上からだしな。
別に未登録でも、勝手に冒険者パーティに同行して活動するだけなら大きな問題がないとはいえ。

 それに、彼女は国王の娘、つまりは姫だ。
おいそれと連れて行くわけにもいかない。

 このあたりを拠点に活動するなら、まだギリギリ有りかもしれない。
しかし、ゾルフ砦やラーグの街での活動は、厳しいだろう。
まだハーピィやオーガは知られていない種族だ。
外見はほぼ人だが、見慣れない種族として迫害される可能性もなくはない。

 サザリアナ王国との協定が正式に結ばれれば、ハーピィやオーガとの友好が広く周知されていく。
1~2年もあれば、サザリアナ王国内ではハーピィやオーガが友好的な種族であると認知されていくだろう。

 年齢の件と種族の件を合わせて考えても、少なくとも1~2年ぐらいはパーティ加入を保留にしておいたほうが無難だろう。
1~2年後でも、年齢的にはまだ早い気もするが、彼女のスキルはかなり豪勢だからな。
俺たちでサポートすれば、問題ないような気がする。
最初のレベリングを慎重に行えば、攻撃スキルとかも取得していける。
そうなれば、戦闘力の面では問題なくなってくる。

 数年後に迎えにくるから、それまで待っていてほしいところだ。
まあそもそも、彼女が付いてきてくれるかとか、バルダインやナスタシアが許可してくれるかいう問題もあるが。

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