【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
61話 ビスカチオに南の異変について相談
「剣に炎をまとわせるのだ」
「心の眼で見よ」
ミティやアイリスとの合同訓練の後は、ビスカチオ師匠からの魔剣術の指導だ。
ビスカチオに魔剣術を教わり始めて、もう1週間が経過している。
氷炎魔剣とはいっても、最初は普通の剣術の指導だった。
このへんは、メルビン道場に入門して闘気術を習う前に、武術の基礎を学んだときと同じようなイメージだ。
闘気術は、体に流れる闘気を操り身体能力を向上させる技術だ。
それに対して魔剣術は、体に流れる魔力を武器を通して操り、武器性能を向上させる技術のようだ。
根本的な発想は似ている。
ただ、魔剣術は闘気術より上位とみなされている技術のようだ。
闘気術は使えて魔剣術が使えない人は、どのような評価を受けるか。
闘気術が扱えれば護身術としては十分だ。
武闘家としては一人前であり、武闘会などでも最低限の実績は残せる。
村人なら、いざという時の用心棒として一定の評価を受けるだろう。
冒険者としてもDランクは固い。
ギルバートのように闘気術の中級者以上になればCランクとしても通用する。
魔剣術は使えて闘気術が使えない人は、どのような評価を受けるか。
闘気術が扱えないということは、身体能力が心もとないということだ。
移動速度、身のこなし、防御力、腕力など、闘気術なしでは限界がある。
魔剣術により武器性能は向上していても、それを扱う身体能力が追いつかない。
宝の持ち腐れといったところだ。
そう考えると、一般的な習得順序としては闘気術が先になるということだ。
そして、闘気術が習得できれば食うには困らないため、その先でさらに魔剣術を習おうという意気込みのある人は限られてくる。
また、当然意気込みだけでなく魔剣術の素養も必要だ。
純粋な剣術の才覚。
火魔法や水魔法など、魔法への適正。
魔力を扱う技術に最大MP量。
剣と魔法を同時に扱う集中力と判断力。
魔剣術の後継者不足もうなずけるというものだ。
闘気術、やる気、魔力、最大MP、剣術。
これらすべてが高いレベルにないと、魔剣術は習得できない。
そして俺は、これらすべてを満たしている逸材というわけだ。
まあ、ステータス操作の恩恵だが。
どこの馬の骨とも知れない俺に対してビスカチオ師匠が懇親丁寧に指導してくれるのも理解できる。
ミティやアイリスとの訓練の後に、ビスカチオ師匠からの魔剣術の指導。
そのさらに後には、日々の冒険者稼業も行っている。
防衛戦に向けて単純にレベルを上げておきたいからな。
魔物相手の実戦の感覚を忘れたくないし。
防衛戦についても、引き続きいろいろと調べている。
訓練に明け暮れていて気がついたら攻め込まれて手遅れだった、では困るからな。
気になる情報が1つあった。
ゾルフ砦の南側……”山脈の裂け目”の方角から、魔物の目撃情報が微増しているらしい。
防衛戦とやらが関係あるのかもしれない。
Dランク冒険者の身分では、調べられる情報にも限界がある。
師匠に相談してみようと思う。
「師匠、実は相談したいことが」
「なんだ? 言ってみろ」
「冒険者ギルドからの情報ですが、南の方角から魔物が増えているそうです。山脈の向こうで何かが起こっているのでしょうか」
「その話か。山脈の向こうはオーガやハーピィといった亜人が住んでいるときく。奴らには一定以上の知能があるらしい」
オーガやハーピィか。
一定以上の知能ということは、ゴブリンよりも上だろう。
戦闘能力においても、ゴブリンよりも強そうなイメージはある。
「オーガやハーピィですか。私は見たことがありませんね」
「俺もない。地理的な要因があり交流は進んでいないし、翻訳の魔道具がなければ言葉も通じない。一般市民の認識では魔物と同じように恐れられている」
逆に言えば、翻訳の魔道具があれば言葉は通じるわけか。
一般市民の認識では魔物と同じ扱いとはいえ。
時間をかけて交流すれば、オーガやハーピィと共存していく道もあるかもしれない。
俺の”異世界言語”のスキルが通用すれば、意思疎通も容易だろう。
通用すればだが。
「そいつらが何か動いている可能性はある。この街の上層部でも、警戒する動きがある。俺はただの観光客だが、有事の際に手を貸すように依頼がきた」
ゾルフ砦の上層部も、異変はしっかりと察知しているようだ。
なかなか優秀な人たちだ。
俺はミッションの内容から侵攻がありそうだと推測しているだけだからな。
「そうでしたか。私やミティも、心づもりはしておいたほうがいいかもしれませんね」
「そうだな。侵攻などの可能性は高くないとは思うが、万が一ということもあるからな」
ミッションの内容から判断すれば、残念ながら高確率で侵攻はあるだろう。
俺がミティとともに南へ向かい、オーガやハーピィと接触をはかるのはどうか。
向こうの侵攻理由など聞き出してうまく交渉すれば、侵攻を回避できるかもしれない。
しかし俺とミティの2人だけでは、危険が大きい。
師匠や冒険者ギルドに相談して信頼できる護衛をつけてもらうのも有りだが、あまり現実的ではない。
所詮俺は、実績の乏しいDランク冒険者だしな。
それに、ミッションのこともある。
改めてミッションを確認する。
ミッション(期間限定)
ゾルフ砦の防衛に加勢しよう。
報酬:スキルポイント20
あくまで”防衛に加勢しよう”という表現なんだよな。
俺が事前に裏で動いて武力衝突自体を回避するのは、ミッションの方向性からずれる。
まあミッション通りに動くのが必ずしも正しいとも限らないとはいえ。
こんなミッションの通知ができるような超常の存在の意向にあえて逆らうこともあるまい。
単純に報酬も魅力的だしな。
「魔剣術は、対大型の魔物でも有効だぞ。決め手になる。より一層、訓練に励め」
魔剣術は、剣に火魔法などを纏わせて攻撃する技術だ。
合わせて闘気術で身体能力を強化すれば、相乗効果で大きな威力となる。
代わりに、高い集中力を必要とするし、MPや闘気の消費もそれなりだ。
雑魚相手にはあまり役に立たない。
ビスカチオの言う通り、対大型の魔物で有効になる。
「わかりました。がんばります!」
長々と考えたが、今後の方針に変更はない。
俺が自分から南へ向かうのはなし。
あくまで防衛だ。
また、この街の上層部に働きかけることもなし。
街の上層部も警戒心は持っているとのことだからな。
あくまで俺とミティの戦闘力の向上を意識し、侵攻に備えることにする。
「心の眼で見よ」
ミティやアイリスとの合同訓練の後は、ビスカチオ師匠からの魔剣術の指導だ。
ビスカチオに魔剣術を教わり始めて、もう1週間が経過している。
氷炎魔剣とはいっても、最初は普通の剣術の指導だった。
このへんは、メルビン道場に入門して闘気術を習う前に、武術の基礎を学んだときと同じようなイメージだ。
闘気術は、体に流れる闘気を操り身体能力を向上させる技術だ。
それに対して魔剣術は、体に流れる魔力を武器を通して操り、武器性能を向上させる技術のようだ。
根本的な発想は似ている。
ただ、魔剣術は闘気術より上位とみなされている技術のようだ。
闘気術は使えて魔剣術が使えない人は、どのような評価を受けるか。
闘気術が扱えれば護身術としては十分だ。
武闘家としては一人前であり、武闘会などでも最低限の実績は残せる。
村人なら、いざという時の用心棒として一定の評価を受けるだろう。
冒険者としてもDランクは固い。
ギルバートのように闘気術の中級者以上になればCランクとしても通用する。
魔剣術は使えて闘気術が使えない人は、どのような評価を受けるか。
闘気術が扱えないということは、身体能力が心もとないということだ。
移動速度、身のこなし、防御力、腕力など、闘気術なしでは限界がある。
魔剣術により武器性能は向上していても、それを扱う身体能力が追いつかない。
宝の持ち腐れといったところだ。
そう考えると、一般的な習得順序としては闘気術が先になるということだ。
そして、闘気術が習得できれば食うには困らないため、その先でさらに魔剣術を習おうという意気込みのある人は限られてくる。
また、当然意気込みだけでなく魔剣術の素養も必要だ。
純粋な剣術の才覚。
火魔法や水魔法など、魔法への適正。
魔力を扱う技術に最大MP量。
剣と魔法を同時に扱う集中力と判断力。
魔剣術の後継者不足もうなずけるというものだ。
闘気術、やる気、魔力、最大MP、剣術。
これらすべてが高いレベルにないと、魔剣術は習得できない。
そして俺は、これらすべてを満たしている逸材というわけだ。
まあ、ステータス操作の恩恵だが。
どこの馬の骨とも知れない俺に対してビスカチオ師匠が懇親丁寧に指導してくれるのも理解できる。
ミティやアイリスとの訓練の後に、ビスカチオ師匠からの魔剣術の指導。
そのさらに後には、日々の冒険者稼業も行っている。
防衛戦に向けて単純にレベルを上げておきたいからな。
魔物相手の実戦の感覚を忘れたくないし。
防衛戦についても、引き続きいろいろと調べている。
訓練に明け暮れていて気がついたら攻め込まれて手遅れだった、では困るからな。
気になる情報が1つあった。
ゾルフ砦の南側……”山脈の裂け目”の方角から、魔物の目撃情報が微増しているらしい。
防衛戦とやらが関係あるのかもしれない。
Dランク冒険者の身分では、調べられる情報にも限界がある。
師匠に相談してみようと思う。
「師匠、実は相談したいことが」
「なんだ? 言ってみろ」
「冒険者ギルドからの情報ですが、南の方角から魔物が増えているそうです。山脈の向こうで何かが起こっているのでしょうか」
「その話か。山脈の向こうはオーガやハーピィといった亜人が住んでいるときく。奴らには一定以上の知能があるらしい」
オーガやハーピィか。
一定以上の知能ということは、ゴブリンよりも上だろう。
戦闘能力においても、ゴブリンよりも強そうなイメージはある。
「オーガやハーピィですか。私は見たことがありませんね」
「俺もない。地理的な要因があり交流は進んでいないし、翻訳の魔道具がなければ言葉も通じない。一般市民の認識では魔物と同じように恐れられている」
逆に言えば、翻訳の魔道具があれば言葉は通じるわけか。
一般市民の認識では魔物と同じ扱いとはいえ。
時間をかけて交流すれば、オーガやハーピィと共存していく道もあるかもしれない。
俺の”異世界言語”のスキルが通用すれば、意思疎通も容易だろう。
通用すればだが。
「そいつらが何か動いている可能性はある。この街の上層部でも、警戒する動きがある。俺はただの観光客だが、有事の際に手を貸すように依頼がきた」
ゾルフ砦の上層部も、異変はしっかりと察知しているようだ。
なかなか優秀な人たちだ。
俺はミッションの内容から侵攻がありそうだと推測しているだけだからな。
「そうでしたか。私やミティも、心づもりはしておいたほうがいいかもしれませんね」
「そうだな。侵攻などの可能性は高くないとは思うが、万が一ということもあるからな」
ミッションの内容から判断すれば、残念ながら高確率で侵攻はあるだろう。
俺がミティとともに南へ向かい、オーガやハーピィと接触をはかるのはどうか。
向こうの侵攻理由など聞き出してうまく交渉すれば、侵攻を回避できるかもしれない。
しかし俺とミティの2人だけでは、危険が大きい。
師匠や冒険者ギルドに相談して信頼できる護衛をつけてもらうのも有りだが、あまり現実的ではない。
所詮俺は、実績の乏しいDランク冒険者だしな。
それに、ミッションのこともある。
改めてミッションを確認する。
ミッション(期間限定)
ゾルフ砦の防衛に加勢しよう。
報酬:スキルポイント20
あくまで”防衛に加勢しよう”という表現なんだよな。
俺が事前に裏で動いて武力衝突自体を回避するのは、ミッションの方向性からずれる。
まあミッション通りに動くのが必ずしも正しいとも限らないとはいえ。
こんなミッションの通知ができるような超常の存在の意向にあえて逆らうこともあるまい。
単純に報酬も魅力的だしな。
「魔剣術は、対大型の魔物でも有効だぞ。決め手になる。より一層、訓練に励め」
魔剣術は、剣に火魔法などを纏わせて攻撃する技術だ。
合わせて闘気術で身体能力を強化すれば、相乗効果で大きな威力となる。
代わりに、高い集中力を必要とするし、MPや闘気の消費もそれなりだ。
雑魚相手にはあまり役に立たない。
ビスカチオの言う通り、対大型の魔物で有効になる。
「わかりました。がんばります!」
長々と考えたが、今後の方針に変更はない。
俺が自分から南へ向かうのはなし。
あくまで防衛だ。
また、この街の上層部に働きかけることもなし。
街の上層部も警戒心は持っているとのことだからな。
あくまで俺とミティの戦闘力の向上を意識し、侵攻に備えることにする。
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