【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1話 異世界転移とスキル取得

 ふと気が付くと草原に立っていた。
 天候は晴れ。
 風が涼しげにざわざわと吹いている。

「ここはどこだ……?」

 辺りの様子を探る。
 見覚えのない草原が遠くまで広がっている。

 俺は無職だ。
 いつも通り、自室でゴロゴロしていたはず。

「外に出た記憶はないのだが……。……ん?」

 視界の隅で何かが点滅している。
 ゲームのアイコンのようなものだ。

 アイコンに意識を向けると、画面が開いた。
 ステータスとミッションという項目がある。

「ゲームのような感じだな」

 とりあえず、ミッションとやらを確認してみるか。
 頭の中で念じてみると、画面が切り替わった。


ミッション
30年後の世界滅亡を回避しよう。
報酬:元の世界に帰還(任意)

ミッション
ステータスを確認しよう。
報酬:初心者用の装備等一式、スキルポイント10

ミッション
魔物を1匹討伐しよう。
報酬:スキルポイント10

ミッション
街へ行こう。
報酬:スキルポイント10


「ふむ。夢か。もしくはゲームの世界に迷い込んだか。しかし、それにしてはリアリティがある」

 もしや、これが話に聞く異世界転移というものか?
 夢ならばそのうち目が覚めるだろうし、とりあえずは異世界転移したという認識で進めてみよう。
 そのほうが楽しい!
 現実では無職として自堕落な生活を送っているだけだったしな。

 ミッションに目を通す。
 世界滅亡?
 スキルポイント?
 いろいろと気になる点が多い。

「次にステータスを見ておこう」


レベル1、たかし
種族:ヒューマン
HP:21
MP:13
腕力:6
脚力:8
体力:12
器用:10
魔力:14

残りスキルポイント0
スキル:
ステータス操作
スキルリセット
加護付与
異世界言語


「ステータス操作……。『取得に必要なポイントが10不足しています』か。今は使えないようだな」

 取得できるスキルの候補はたくさんある。
 スキルポイントとやらが手に入ったら、改めて目を通すことにしよう。

「スキルリセット……。とりあえず試しに使ってみるか。……うおっ!?」

 突然視界が点滅した。
 そして、『再使用可能になるまで残り30日』と表示された。

 おそらく、ステータス操作とやらで強化したスキルをリセットすることができるのだろう。
 再使用が可能になるまで30日もかかるようだし、あまりホイホイは使えないな。

「加護付与……。『近くに対象者が存在しません』か。これも今は使えないようだ」

 おそらく、人に対して加護を付与するスキルだろう。
 今は広大な草原に俺1人しかいないので、試すことができない。

「異世界言語……。普通に考えて、読む・書く・話す・聞くといった能力だろうな」

 地味ながらも、なかなかにチートな能力ではなかろうか。
 せっかく異世界に来ても、言葉が通じなければ相当な苦労が待っている。

「ステータス操作、スキルリセット、加護付与、異世界言語。どれもチートっぽいスキルだが、今すぐは試せないな。……いや、待てよ?」


ミッション
ステータスを確認しよう。
報酬:初心者用の装備等一式、スキルポイント10


 このミッションがあった。
 ミッション画面で再確認してみると、無事に達成済みになっていた。
 アイコンを操作し、ミッション報酬を受け取ることにする。

「初心者用の装備等一式か。どんな感じだろう? ……おっ」

 突然、虚空から物品が出てきた。
 地面に落ちたそれらを、俺は確認していく。

「服、剣、鎧、貨幣、カバンか」

 服は中世風(?)のものだ。
 ここが異世界だとして、違和感のない服装だと思う。
 この世界の人にまだ出会っていないので、確かなことは言えないが。

 剣は短め、鎧は革製のものだ。
 ショートソードとレザーアーマーと名付けよう。
 魔物とやらが出てきても抵抗するぐらいはできそうだ。

 貨幣は3種類ある。
 金貨10枚、銀貨10枚、銅貨30枚だ。
 貨幣価値はまだわからないが、金貨はそれなりの高級感がある。

 カバンは少し大きめのものである。
 残念ながら特殊な機能はないようだ。
 『見た目以上の収容量がある』とか期待したのだが。
 それまで着ていた服や靴、今出てきた貨幣などをそれに入れた。
 地味に重い。

「物品の確認はこれくらいでいいだろう。次は、スキルポイントとやらを確認してみよう」

 俺はステータス画面を開く。
 確かに、残りスキルポイントが10ポイント増えていた。
 これで、ステータス操作によってスキルとやらを取得できるだろう。

「さて、どうするか……」

 俺は考え込む。
 これがゲームであれば、一時中断して攻略サイトを見るか、しばらくこのまま進めて様子を見る。
 これが夢であれば、適当に面白そうなスキルを取得して楽しむ。

「今の状況が、ゲームや夢とは思えないんだよな……。リアリティが有りすぎる」

 魔物とやらに襲われるのが怖い。
 思い切って何らかの戦闘系スキルを取得しておいた方が良いだろう。

 ざっと目を通してみる。
 どうやらスキルの取得には10ポイントを消費するようだ。

「剣術、槍術、斧術、棒術、弓術、格闘術……」

 この辺は使い易そうだな。
 俺は剣を持っている。
 この中から取るとすれば剣術以外に選択肢はない。

「盾術、回避術、気配察知、気配隠匿、魔力感知、詠唱時間短縮……」

 この辺はサポート系だろう。
 今はまだいい。

「火魔法、水魔法、土魔法、治療魔法、重力魔法、空間魔法、闇魔法……」

 魔法も後回しだ。
 使い勝手がよくわからないからな。
 最初に選ぶにはリスクが高い。

「HP強化、MP強化、腕力強化、脚力強化、体力強化、肉体強化……」

 基礎ステータスを上昇させるスキルか。
 できれば優先的に取っていきたい。
 やはり最後に頼りになるのは基礎ステータスだからな。

 肉体強化は何だろう?
 腕力や脚力を全般的に強化するスキルだろうか。
 肉体の強度を上げて防御力を増すスキルの可能性もある。

「スキルの種類はまだまだあるが、今の状況で役立ちそうなのは限られているな」

 取得できるのは1つだけだ。
 その上で、どれを取るべきか考える。

「剣術、腕力強化、肉体強化あたりだろうか……」

 無難でオーソドックスなスキルだと思われる。
 さらに数分ほど考えて、剣術を取得することにした。

「剣術を選択して、取得っと」

 視界が一瞬点滅する。
 これで取得が完了したのか?
 特に体に変化は見られない。

 ステータス操作画面を改めて確認する。

「『剣術をスキルレベル1から2にするには5ポイント必要です』か……」

 注目すべき点は2点だ。
 1つは、スキルにレベルがある点。
 もう1つは、取得よりもスキルレベルを上げるほうがポイントの消費が少ない点。
 今後スキルポイントが入ったら、まずは特定のスキルを集中的に上げるのも良さそうだ。

「本当に、俺の剣術は上達しているのか?」

 俺はショートソードを手に持ち、適当に振ってみる。
 ブンッ、ブンッ!

「なるほど、確かにスキルの恩恵を感じられる」

 なんとなくだが、どう振ればよいのか分かる感じだ。
 これならば、ちょっとした魔物ならいけるかもしれない。
 日本の感覚で言えば、野生の子犬や子猫ぐらいなら対処できそうだ。

 ただし、俺の基本的な肉体性能は変わっていない。
 あくまで、剣術の技量だけが向上している。
 あまりムリをすると、疲れて倒れ込んでしまうかもしれない。

「さて、そろそろ街へ向かうとするか」

 念のためにスキルを取得したとはいえ、いきなりの魔物狩りはリスクが高い。
 拠点となる街を見つけるのが先だ。


レベル1、たかし
種族:ヒューマン
HP:21
MP:13
腕力:6
脚力:8
体力:12
器用:10
魔力:14

武器:ショートソード
防具:レザーアーマー

残りスキルポイント0
スキル:
ステータス操作
スキルリセット
加護付与
異世界言語
剣術レベル1

コメント

  • ノベルバユーザー602625

    すごく読みやすかったです。

    1
  • ノベルバユーザー601444

    丁寧に導入部分が描かれており、想像しやすかったです!
    続きが気になります!

    1
  • ward8

    むちゃくちゃ長いですね。まだ、前半部でストーリーもきになりますが、作者の成長も気になります。

    1
  • ノベルバユーザー602526

    インパクトの強いタイトルですごい世界観を読ましてもらいました。

    1
  • ホワイトチョコレート

    ゲームが好きなら絶対好きなストーリー!

    1
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