【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1620話 ちゃんと報いてやる

「さぁ、言ってくれ。『この変態』と!!」

「ひいいぃい!」

「お、お許しを……っ」

 俺はM字開脚の女中たちに力強く語りかける。
 だが、彼女たちはひたすらに怯えたままだ。

「なぜ言ってくれないのだ? あの時は言ってくれたではないか」

 俺は首を傾げる。
 以前は言ってくれたのに、今はなぜか拒否される。
 彼女たちの態度が理解できない。

「そ、そんな……恐れ多い……」

「あ、ああ……っ」

 女中たちはブルブルと震えている。
 ふんどしをさらけ出しながら震える姿は、なかなかにシュールだ。
 話が進まないし、今日のところは引き下がってもらうか?

 いや、まだだ。
 若い少女から『変態』と罵倒される……。
 それには特殊な快感がある。
 もう一度味わうため、ここで引き下がるわけにはいかない。

「『変態』と発言してくれた者には、特別な褒美を与えよう。どうだ?」

「ひぃっ!?」

「そう言えば、そのときの『お礼』もまだだったな。あの感情は、今もしっかりと覚えているぞ。ちゃんと報いてやるからな」

「「ひいいぃい!!」」

 女中たちがガクガクと震えだす。
 うーん……。
 どうしたこんな反応をするんだ?
 よく分からない。

 チートスキル『加護付与』で各人の忠義度は確認できる。
 その忠義度を確認しつつ適切に接していけば、大抵の者とは友好関係を築けるのだが……。
 あまりにも理解不能な反応を示す者が相手の場合、そういった対応が難しいこともある。
 今の女中たちが、まさにそれだ。
 俺はただ『この変態』と罵ってほしいだけなのに……。

「あの……高志様」

「……ん?」

 俺が思考を巡らせていると、紅葉が恐る恐るといった感じで声をかけてきた。

「彼女たちは、その……高志様を恐れているのでは?」

「俺を?  なぜだ?」

「高志様は、今や藩主となっておられます。そんな相手に、かつて『変態』と罵倒した件を蒸し返されたら……。萎縮してしまうのも無理はありません」

「ふむ……」

 そういうものだろうか?
 ……いや、そういうものか。
 落ち着いて考えれば、当然のことかもしれない。
 俺にとって『変態呼ばわり』はご褒美だが、普通は違う。
 むしろ逆だ。
 どうしてこんな簡単なことに気付かなったのか。

(ここ最近、思考力や理解力が低下している気がするな……)

 いったいいつからだ?
 闇を受け入れ、桜花城攻めを決意したあの日からだろうか?
 単純に考えれば、闇を受け入れたことが原因となるが……。

 そんなはずはない。
 闇は素晴らしいものだ。
 今さら、闇を祓ってこの爽快感を手放すなんてあり得ない。

 それに、闇を受け入れたからこそ思いついた秘策もある。
 以前の甘い俺では、おそらく考えつけなかった作戦だ。
 あの作戦を用いれば、景春を屈服させることができるはず。
 闇には闇の素晴らしさがある。

 ……ま、それはいい。
 とりあえず今は、目の前の女中たちの件だな。
 適切に対処してやろう。

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