【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
1568話 木花咲耶姫
「くらえ! 【W豪熱球】!!」
俺は左右の手から、火魔法を発動させる。
諸々の制約によって使い勝手の悪い魔法だが、今はそれがちょうどいい。
妖力による景春の防御を適度に貫いて――
「!?」
突然、視界がぐらついた。
何だ?
いったい何が起きた?
「あぐ……」
うめき声が聞こえる。
景春……じゃない。
俺自身のものだ。
ポタッ……ポタッ……。
視界に何かが映る。
血だ。
血が滴っている。
(し、出血……? 攻撃を……受けたのか……?)
何が何だか分からない。
視界が不明瞭だ。
体が動かせない。
思考も上手くまとまらない。
「――春の息吹よ、花の嵐よ。我が身を包み、神威を我がものとせよ! 【神霊纏装・木花咲耶姫(このはなさくやひめ)】!!」
「っ!?」
な、何だ!?
この強大な妖力は!?
不味い!
とにかく距離をとれ!
動け!
動けよ、体!!
避けるんだぁあああ!!
「桜花家伝来……【満開・桜槍閃】!!」
「うっ!?」
景春の叫び声と共に、強大な妖力が発された。
俺は床に倒れ込む。
「く……!」
ようやく、かろうじて体と思考の自由が戻ってきた。
床に倒れた状態から、俺は体を起こす。
「な、何が起きた……?」
大技の直撃を受けた?
いや、違う。
コケたんだ。
尻もちをつくようにして転んだおかげで、景春の大技を躱すことができた。
助かった。
しかし、疑問は尽きない。
何だったんだ、さっきのは……?
何が起きた?
大技『炎精纏装・サラマンダー』を発動中の俺に、物理攻撃は通じないはずなのに……。
「ぐっ……! は、外したか……!!」
景春がうめく。
その体は桜色の神聖な衣に包まれていた。
あれは何だ?
いや、それよりも……
「このクソガキ……! 両腕を捨てやがったのか……!!」
俺は景春を睨む。
彼の腕は焼け爛れている。
もはや使い物にならないだろう。
それはいい。
元よりそのつもりで攻撃した。
生命力の強い強者にとっては、直ちに命に別状がある類の怪我ではない。
全てが落ち着いたあと、俺の治療魔法で根気よく治療するという選択肢もある。
ただ……問題は、彼の腕が『両方とも』焼けていることだ。
おそらく、俺の攻撃を受ける際、妖力による手の防御を放棄したのだろう。
そして、防御ではなく攻撃に妖力を使った。
俺の攻撃に対するカウンターとして、顎に蹴りを叩き込んできたのだ。
(『炎精纏装・サラマンダー』の発動中でも、攻撃に意識を割いているときは防御性能が落ちる……。それでも、生半可な攻撃は俺に通じないが……。藩主レベルの捨て身攻撃を顎という急所に食らえば……)
俺は歯噛みする。
自身を無敵と過信していたかもしれない。
だが……思いついてもやるか?
自分の両腕を放棄して、捨て身の攻撃をするなんて……。
「まだまだ……勝負はここからだ……!」
景春が叫ぶ。
彼はまだ……戦えるようだ。
両腕は使い物にならない状態だというのに、一切の闘志を失っていない。
俺は左右の手から、火魔法を発動させる。
諸々の制約によって使い勝手の悪い魔法だが、今はそれがちょうどいい。
妖力による景春の防御を適度に貫いて――
「!?」
突然、視界がぐらついた。
何だ?
いったい何が起きた?
「あぐ……」
うめき声が聞こえる。
景春……じゃない。
俺自身のものだ。
ポタッ……ポタッ……。
視界に何かが映る。
血だ。
血が滴っている。
(し、出血……? 攻撃を……受けたのか……?)
何が何だか分からない。
視界が不明瞭だ。
体が動かせない。
思考も上手くまとまらない。
「――春の息吹よ、花の嵐よ。我が身を包み、神威を我がものとせよ! 【神霊纏装・木花咲耶姫(このはなさくやひめ)】!!」
「っ!?」
な、何だ!?
この強大な妖力は!?
不味い!
とにかく距離をとれ!
動け!
動けよ、体!!
避けるんだぁあああ!!
「桜花家伝来……【満開・桜槍閃】!!」
「うっ!?」
景春の叫び声と共に、強大な妖力が発された。
俺は床に倒れ込む。
「く……!」
ようやく、かろうじて体と思考の自由が戻ってきた。
床に倒れた状態から、俺は体を起こす。
「な、何が起きた……?」
大技の直撃を受けた?
いや、違う。
コケたんだ。
尻もちをつくようにして転んだおかげで、景春の大技を躱すことができた。
助かった。
しかし、疑問は尽きない。
何だったんだ、さっきのは……?
何が起きた?
大技『炎精纏装・サラマンダー』を発動中の俺に、物理攻撃は通じないはずなのに……。
「ぐっ……! は、外したか……!!」
景春がうめく。
その体は桜色の神聖な衣に包まれていた。
あれは何だ?
いや、それよりも……
「このクソガキ……! 両腕を捨てやがったのか……!!」
俺は景春を睨む。
彼の腕は焼け爛れている。
もはや使い物にならないだろう。
それはいい。
元よりそのつもりで攻撃した。
生命力の強い強者にとっては、直ちに命に別状がある類の怪我ではない。
全てが落ち着いたあと、俺の治療魔法で根気よく治療するという選択肢もある。
ただ……問題は、彼の腕が『両方とも』焼けていることだ。
おそらく、俺の攻撃を受ける際、妖力による手の防御を放棄したのだろう。
そして、防御ではなく攻撃に妖力を使った。
俺の攻撃に対するカウンターとして、顎に蹴りを叩き込んできたのだ。
(『炎精纏装・サラマンダー』の発動中でも、攻撃に意識を割いているときは防御性能が落ちる……。それでも、生半可な攻撃は俺に通じないが……。藩主レベルの捨て身攻撃を顎という急所に食らえば……)
俺は歯噛みする。
自身を無敵と過信していたかもしれない。
だが……思いついてもやるか?
自分の両腕を放棄して、捨て身の攻撃をするなんて……。
「まだまだ……勝負はここからだ……!」
景春が叫ぶ。
彼はまだ……戦えるようだ。
両腕は使い物にならない状態だというのに、一切の闘志を失っていない。
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