【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1526話 紅葉への加護(小)付与

 雷鳴流道場から桔梗を救出した数日後――

「はあぁっ! 【桜吹雪】!!」

 紅葉が発動した植物妖術により、的が切り刻まれる。
 彼女の放つ旋風は、的を粉々にした。
 ここは武神流道場の中庭。
 桜花城攻めに向け、仲間の強化に取り組んでいるところだ。

「うむ。なかなかの威力だ。もう立派な植物妖術使いだな」

「えへへ……」

 紅葉が嬉しそうに微笑む。
 俺は彼女の頭を撫でてやった。
 桜花七侍の残り4人やその他上層部との衝突が近い中、紅葉の戦力化はありがたい。
 桜花七侍レベルを1対1で打ち破るのはまだ難しいだろうが、桜花七侍の配下ぐらいならどうにかなるかもしれない。
 まぁ、まだ子どもの彼女を荒事に駆り出すのは気が引けるところだが……。
 不意に戦闘に巻き込まれることもあり得るし、戦闘能力は高いに越したことはない。

「でも……私、気になるんです」

「気になる?」

「妖術っていうものがあることは知っていました。でも、私がこんなに上達するなんて思っていなくて……。妖術を使える人って珍しいんですよね?」

「まぁ、そうだな……」

 俺は頷く。
 この世には、強くなるための様々な手段や戦闘技法が存在する。
 最もお手軽なのは、単純に筋肉を鍛えること。
 次に、剣術や武闘の動きを体に叩き込んで最適化すること。
 この2つは、万人が取り組むことができ、即効性もそれなりに高い。

 そしてさらに、魔法、闘気、妖術など、特殊な力を身に着ける方法もある。
 だが……これらは、誰にでも簡単にできるものではない。
 程度の差はあるが、ある程度の才能が要求される。

「こんな私が、どうして……」

「そうだなぁ……」

 俺は曖昧に返事をする。
 実のところ、紅葉の急成長には俺のチート能力が大きく関係している。
 彼女の忠義度が40に達し、加護(小)の条件を満たしたのだ。


レベル?、深山紅葉(みやまもみじ)
種族:ヒューマン
身分:平民
役割:謀反衆幹部
職業:植物妖術使い
ランク:ー

HP:??
MP:低め
腕力:??
脚力:??
体力:高め
器用:??
魔力:??

残りスキルポイント:???
スキル:
植物妖術レベル2(1+1)
採集術レベル2(1+1)
???


「ま、細かいことはいいじゃないか。紅葉が頑張った成果だ」

「でも……」

「お母さんの功績も大きいだろうな。植物関連の知識をたくさん教えてもらえたのだろう?」

 俺の加護付与スキルはチートだが、万能ではない。
 ここで、その効果を再確認しておこう。


加護付与(微)による補正:
全ステータスの1割上昇
所持スキルの成長促進(微)

加護付与(小)による補正:
全ステータスの2割上昇
所持スキルの内の最大3つのスキルレベルをそれぞれ1ずつ上昇


 出会ってから割とすぐの時点で、加護(微)の条件は満たしていた。
 その頃から、『所持スキルの成長促進(微)』の効果は発揮されていたのだろう。
 そして、今回の加護(小)付与によってそれらがさらに強化された感じだと思われる。

 見て分かる通り、加護付与は非常に強力なチート能力だ。
 しかし、繰り返しになるが決して万能ではない。
 現に、紅葉だって火妖術や剣術などといった方面は不得手としている。
 彼女が植物妖術使いとして一人前になりつつあるのは、彼女の母親の功績が大きい。
 それは決して嘘ではない。

「なるほど……。高志様には感謝しています。でも……お母さんにも感謝しないといけませんね」

「ああ、そうだな」

 俺は頷く。
 今の紅葉の成長を見ると、母親もきっと嬉しいだろう。

 さて、桜花城攻めに向けて現状把握を続けよう。
 次は……

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