【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1524話 さっきの続き

「桔梗、まずは医者に診てもらおう」

「え? 別に大丈夫だけど……」

「雷轟に乱暴されたのだろう? なら、診察してもらうべきだ」

 俺は告げる。
 起きてしまったことは仕方ない。
 過去を悔やんだり、罪人に罰を与えたりすることは後でもできる。
 最優先すべきは、被害者である桔梗のケアだ。

「乱暴って……。ただ、服を切り裂かれただけなんだけど……」

「えっ? でも、『ヤられた』って……」

「だから、それは無理やり服を切られただけで……。碓かに嫌だったけど、高志くんが助けてくれたし、もう気にしていないよ」

「なんだって!?」

 俺は驚愕する。
 何やら、言葉の問題で意思疎通に少しばかりの齟齬があったようだ。
 結局のところ、桔梗は誘拐され、服を切り刻まれたものの、そういう行為そのものは未遂に終わったらしい。

 いや、誘拐されてふんどしを奪われるというだけでも、年頃の少女にとってショッキングな出来事だろうが……。
 犯人を躊躇なく即処刑するほどの凶悪犯罪ではない……かもしれない。
 被害者の桔梗も、血みどろの処刑シーンなんて見たくないだろうし……。
 桔梗の意向に従って雷轟の殺害を踏みとどまった判断自体は、とりあえず正解としておこう。

「ごめん……。私のせいだよね……」

「いや、桔梗は悪くない。悪いのは、俺の早合点だ」

 俺は自らの頭を叩く。
 そんな俺の様子を、桔梗が微笑ましそうに見ている。

「ふふっ」

「どうした?」

「いつもの高志くんだなって……。優しくて、ちょっと助平で……。でも、いざというときは頼りになる」

「俺はそんな男なのか?」

「そうだよ。短い付き合いだけど……。高志くんのことはそれなりに分かってるつもり!」

 桔梗は胸を張る。
 そんな彼女を見て、俺は不意に悪戯心を覚えた。

「ほう? なら、俺が考えていることも分かるか?」

「え……?」

 俺は桔梗の胸を凝視する。
 彼女は顔を真っ赤にし、胸を押さえた。

「高志くん……!?」

「分かるのか?」

「い、いや……その……」

「どうなんだ?」

「わ、分かる……。分かるよ……」

 桔梗は真っ赤な顔で俯く。
 俺はそんな彼女に歩み寄り、その体を抱き寄せた。
 そして、その耳元で囁くように告げる。

「さっきの続きをさせてくれ。俺は、桔梗が欲しい」

「た、高志くん……」

「駄目か?」

「……いいよ。高志くんの好きなように……して……」

「ああ。そうさせてもらうよ」

 俺は桔梗の体を堪能する。
 雷轟によって辱められる直前だった彼女の記憶を、上書きするように……。
 闇に侵食されそうだった心を取り戻すように……。
 俺たちは甘いひとときを過ごすのだった。

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