【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1522話 ヤられた

「ぐっ……! はぁ、はぁ……」

「高志くん……大丈夫?」

「も、問題ない……」

 俺は額を押さえながら、なんとか立ち上がる。
 今は俺のことよりも、桔梗のことだ。

「手と足を拘束されているのか……。まずは足からだな」

「あっ、その……」

「どうした?」

「は、恥ずかしくて……」

 桔梗はモジモジとしている。
 ……足も縛られていて恥ずかしいって?
 よく分からんな。

「何を恥ずかしがることがある?」

「だ、だって……」

「まぁいい。恥ずかしいなら、さっさと済ませてしまおう」

 桔梗は12歳ぐらいの少女だ。
 羞恥心が芽生える年頃だろう。
 胸や股間はもちろん、足に触れられることすら恥ずかしいのかもしれない。

「さぁ、早くしろ。時間が惜しい」

「う、うん……」

 桔梗は顔を真っ赤にしながら、ゆっくりと足を差し出した。
 それでいい。
 この姿勢なら、足を縛っている縄をほどきやすい。

「んっ……」

「変な声を出すな」

「だ、だって……!」

 俺は桔梗の足を縛る縄を手で優しくほどいていく。
 それだけで、彼女はビクッと体を跳ねさせた。

「変な声を出すなと言っただろう」

「だ、だって……! くすぐったいんだもん……!」

「我慢しろ」

 そんなやり取りをしつつ、俺は縄をほどき終える。
 そして、念のため桔梗の表情を確認しようと、足から顔に視線を移動させる。

「……ん?」

 何か、妙なものが視界に入った。
 それは……。

「ば、馬鹿な……!? ふんどしをはいていない……だと……!?」

 足の拘束をほどくため、彼女の姿勢はやや崩れていた。
 下着ぐらいは見えてもおかしくない。
 だが、俺の目に飛び込んできたのは生の体だった。
 まさか下着を身に着けていないとは……。

「た、高志くん! 見ないで……!!」

 桔梗が叫ぶ。
 俺は慌てて顔を背けた。

「す、すまない……!」

「ううっ……!!」

 桔梗は涙目になっている。
 先ほどから彼女が恥ずかしがっていたのは、ふんどしをはいていない状態だったからか……。

「だが、どうしてそんなことに……?」

「そ、その人にやられて……」

「なんだと!? 雷轟に……『ヤられた』のか!?」

「う、うん……」

「なんということだ……」

 そう言えば、桜花七侍の金剛が桔梗のふんどしを持っていたな……。
 雷轟の仕業と言っていた。
 それを受け、俺はこの場に急行してきたわけだが……。
 どうやら手遅れだったらしい。
 ふんどしを剥ぎ取られるだけにとどまらず、そのまま『ヤられて』しまったと。
 彼女の貞操は失われたのだ……。

「あの野郎……。もはや生かしてはおけん!!」

「た、高志くん!? ま、待って……! これぐらい大丈夫だから……!!」

 俺は怒りに震える。
 倒れている雷轟の息の根を止めんとした俺を、桔梗が必死に押し留めてきた。

「桔梗……。止めるな」

 彼女は優しい子だ。
 自分の大切なものを奪った雷轟にすら、情けをかけるとは……。
 しかし、だからこそ俺がやらねばならない。
 彼女の貞操の仇を討たねば……!

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