【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
1499話 師範
「――はぁっ!!」
「うぐ……!」
俺は桔梗の木刀をいなす。
そのまま、彼女の手首に木刀を当てた。
「よし。これで勝負ありだな」
「……はぁ……はぁ……!」
桔梗は肩で息をしている。
俺は彼女の手首から木刀を外した。
「大丈夫か?」
「……うん」
桔梗は頷くが、その呼吸は荒いままだ。
数日前、俺は彼女に初めて2連勝した。
そのときは2連勝止まりだったが、その後も少しずつ勝率を上げている。
そして、今日はついに一日単位での勝ち越しに成功した。
そのこと自体は喜ばしいことのように思えるが……
「どこか調子が悪いのか? 動きに精彩がなかったが……」
「うん……。ごめん」
桔梗は申し訳なさそうに言う。
だが、答えにはなっていない。
彼女は若い女の子だが、武神流の師範代でもある。
その誇りや責任感から、他者に相談できないこともあるのかもしれない。
ここは、強引に話を聞き出すべきだろうか?
あるいは、詳しい事情は置いておいて、とりあえず治療魔法をかけておくという手もある。
「……」
桔梗は木刀を握りしめている。
その表情からは、俺に相談しようかしまいか迷っているという雰囲気を感じた。
そんな彼女に、俺は声をかける。
「言いづらいことなら、無理して言わなくてもいい。だが、もし困っていることがあるなら相談してくれ。何でも力になる」
「……うん」
「……」
「……」
2人の間に沈黙が流れる。
桔梗は迷っているようだったが、やがて意を決したように顔を上げた。
そのときだった。
「がっはっは! そやつが新入りか!? 桔梗よ!!」
俺たちの背後から、力強い男の声が響く。
振り向くと、そこには筋骨隆々の爺さんが立っていた。
かなり強そうだ。
しかし、彼の右手は包帯のようなものでグルグル巻きになっているため、その戦闘能力は一時的に低下しているだろう。
「お爺ちゃん!?」
桔梗が驚きの声を上げる。
どうやら、彼女のお爺さんらしい。
「ここでは『師範』と呼べ! このバカ孫めが!!」
「ご、ごめんなさい……。お爺ちゃん」
桔梗は素直に謝る。
彼は桔梗の祖父であると同時に、武神流の師範でもあるのか。
まぁ、潰れかけの道場を1人で守り抜こうとしているあたり、桔梗が師範の血縁者という可能性は高いと思っていた。
「まったく、これだから女は……。我が息子夫婦が男児を産んでおれば、武神流も今頃は安泰だったものを……」
「……お爺ちゃん」
桔梗がうつむく。
俺は少しムッとした。
「聞き捨てなりませんね」
「なんじゃ、お主? たかが新入りの分際で、口を出すでない!」
師範は俺を睨む。
俺は一歩も引かなかった。
「ある程度の事情は知っていますよ。そもそも、あなたが他流派との決闘で大怪我を負ったのが事の発端でしょう? 道場を守れる人間がいないから、桔梗が臨時の師範代になったと理解しています」
「む……。それはそうじゃが……」
「桔梗は頑張っています。道場を守るために、頑張っているんです。敗北者のあなたが『女は……』とか言うべきじゃない」
「ぬぅ……! 敗北者じゃと!? 取り消せぃ!! 今の言葉!!!」
師範代と俺の視線がぶつかり合う。
桜花藩の配下以外と争うつもりはなかったが……。
桔梗のためにも、ここは引き下がれない!
「うぐ……!」
俺は桔梗の木刀をいなす。
そのまま、彼女の手首に木刀を当てた。
「よし。これで勝負ありだな」
「……はぁ……はぁ……!」
桔梗は肩で息をしている。
俺は彼女の手首から木刀を外した。
「大丈夫か?」
「……うん」
桔梗は頷くが、その呼吸は荒いままだ。
数日前、俺は彼女に初めて2連勝した。
そのときは2連勝止まりだったが、その後も少しずつ勝率を上げている。
そして、今日はついに一日単位での勝ち越しに成功した。
そのこと自体は喜ばしいことのように思えるが……
「どこか調子が悪いのか? 動きに精彩がなかったが……」
「うん……。ごめん」
桔梗は申し訳なさそうに言う。
だが、答えにはなっていない。
彼女は若い女の子だが、武神流の師範代でもある。
その誇りや責任感から、他者に相談できないこともあるのかもしれない。
ここは、強引に話を聞き出すべきだろうか?
あるいは、詳しい事情は置いておいて、とりあえず治療魔法をかけておくという手もある。
「……」
桔梗は木刀を握りしめている。
その表情からは、俺に相談しようかしまいか迷っているという雰囲気を感じた。
そんな彼女に、俺は声をかける。
「言いづらいことなら、無理して言わなくてもいい。だが、もし困っていることがあるなら相談してくれ。何でも力になる」
「……うん」
「……」
「……」
2人の間に沈黙が流れる。
桔梗は迷っているようだったが、やがて意を決したように顔を上げた。
そのときだった。
「がっはっは! そやつが新入りか!? 桔梗よ!!」
俺たちの背後から、力強い男の声が響く。
振り向くと、そこには筋骨隆々の爺さんが立っていた。
かなり強そうだ。
しかし、彼の右手は包帯のようなものでグルグル巻きになっているため、その戦闘能力は一時的に低下しているだろう。
「お爺ちゃん!?」
桔梗が驚きの声を上げる。
どうやら、彼女のお爺さんらしい。
「ここでは『師範』と呼べ! このバカ孫めが!!」
「ご、ごめんなさい……。お爺ちゃん」
桔梗は素直に謝る。
彼は桔梗の祖父であると同時に、武神流の師範でもあるのか。
まぁ、潰れかけの道場を1人で守り抜こうとしているあたり、桔梗が師範の血縁者という可能性は高いと思っていた。
「まったく、これだから女は……。我が息子夫婦が男児を産んでおれば、武神流も今頃は安泰だったものを……」
「……お爺ちゃん」
桔梗がうつむく。
俺は少しムッとした。
「聞き捨てなりませんね」
「なんじゃ、お主? たかが新入りの分際で、口を出すでない!」
師範は俺を睨む。
俺は一歩も引かなかった。
「ある程度の事情は知っていますよ。そもそも、あなたが他流派との決闘で大怪我を負ったのが事の発端でしょう? 道場を守れる人間がいないから、桔梗が臨時の師範代になったと理解しています」
「む……。それはそうじゃが……」
「桔梗は頑張っています。道場を守るために、頑張っているんです。敗北者のあなたが『女は……』とか言うべきじゃない」
「ぬぅ……! 敗北者じゃと!? 取り消せぃ!! 今の言葉!!!」
師範代と俺の視線がぶつかり合う。
桜花藩の配下以外と争うつもりはなかったが……。
桔梗のためにも、ここは引き下がれない!
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