【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1484話 恥ずかしいですよぅ…

「兄貴、言ってくれ。オレはどんな困難も乗り越えてみせる」

「私もです。高志様、お願いします」

 2人が真剣な目で俺を見つめる。
 その目は、『どんなことでも受け止める』と雄弁に語っていた。

「分かった。では、説明するぞ。『エンプフィントリヒ・ユングフラウ』の意味は……」

「お、おう……!」

「はい……!」

 2人が息を呑んだ。
 そんな2人に向かって、俺は告げる。

「『敏感な処女』という意味だ」

「……は?」

「え……?」

 流華と紅葉がキョトンとする。
 なかなか珍しい表情だ。

「だから、『敏感な処女』という意味だ」

 俺は再び説明する。
 おぼろげな記憶によると、ドイツという国の言葉だった気がする。
 エンプフィントリヒが『敏感な、感じやすい、デリケートな』という意味で、ユングフラウが『処女、乙女』という意味だったはずだ。
 俺の説明を受け、2人は目を剥いた。

「な、何だよそれ!?

『敏感な処女』って!?」

「何と言われても……。そういうことなんだよ。名前の通り、未経験の少女が発動した場合に効果が増す魔法なんだ。そういう魔法として開発したからな」

 俺は苦笑するしかない。
 これは、2人と出会う以前から実験的に開発していた魔法の1つだ。
 記憶を失った直後は存在自体を忘れていたが、ふとした瞬間に『そういえば、こんな魔法を作っていたな』と思い出し、開発を再開していたのである。

 以前の俺は、どんな気持ちでこの魔法の開発を始めたのだろう?
 よく覚えていない。
 ひょっとしたら、若い女の子の仲間とか弟子みたいな存在がいて、その子に使ってもらおうと思ったのかもしれないな。
 制約条件がちょっとセクハラじみているのはどうかと思うが……。
 魔法自体は有用なものだし、細かいことはいいだろう。

「は、はうぅ……。わ、私……その……」

「大丈夫だ、紅葉。お前ぐらいの年なら、むしろ普通だ。恥じらうことはない」

「で、でも……。恥ずかしいですよぅ……」

 顔を赤くする紅葉を励ます。
 彼女は12歳ぐらいだ。
 その年で処女なのは別におかしなことではないだろう。
 まぁ、婚姻年齢や出産年齢というのは国や地域によって異なるので、俺の常識がどこまで通用するか分からないが……。
 それでも、さすがに12歳で経験済みが当たり前ということはないはずだ。

「た、高志様……」

「ん?」

「私のこと……嫌いに……なりませんか?」

 紅葉が上目遣いで尋ねてくる。
 そんな質問、答えが分かりきっているではないか。

「なるわけないだろう? どうしてそんな心配をする?」

「だ、だって……。その……経験不足ってことは子どもっぽいってことですし……。大人の女としての魅力が……」

「問題ない。紅葉は十分に魅力的さ」

「本当……ですか?」

「ああ、本当だ」

「で、でも……」

 紅葉はなおも不安そうだ。
 彼女は村育ちとは思えないほど頭がいいし、上っ面の言葉だけでは納得できないのだろう。
 仕方ない。
 ここは、もう少し理屈で説明することにしようかな。

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