【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
1482話 地味…
(俺の『インビジブル・インスペクション』という技名の意味が、紅葉や流華たちに伝わっていなかった。これが意味するところは……)
魔法名として採用する言葉は、2つの条件を満たすのが好ましい。
日常的に発する言葉ではないこと。
そして、意味のない文字の羅列ではないことだ。
例えば、火球を敵に飛ばす攻撃を考えてみよう。
そのまま『火!』と叫ぶだけの魔法名には問題がある。
一見するとイメージしやすいように思えるが、日常的に発する言葉であるため特別感がなく、攻撃魔法としてのイメージを固められないのだ。
逆に、『んじゃらぽぺ!』と意味のない言葉の羅列を魔法名に設定するのにも無理がある。
その名前と『火球を敵に飛ばす攻撃』が結びつかないからだ。
そこで適切な魔法名として挙がるのが、例えば『ファイアーボール』なのである。
古代の魔法使いたちが『火球を敵に飛ばす魔法はファイアーボールである』という共通認識を築いた。
そのため、今では『ファイアーボール』は基礎魔法として多くの人に普及している。
俺にとって火球は日本語で、ファイアーボールは英語だが……。
それは『異世界言語』のスキルが翻訳した結果だ。
翻訳される前の『ファイアーボール』という言葉は、『あまり馴染みがないけど全く知らないわけではない外国語もしくは古代語』といったところだろう。
だが、鎖国国家に住む紅葉や流華にとって、『あまり馴染みがないけど全く知らないわけではない外国語もしくは古代語』に該当する言語はない。
だから、俺が発した『インビジブル・インスペクション』がいい感じに翻訳されず、こうして意味を聞いてきているのだと思われる。
「兄貴?」
「高志様?」
「ああ、いや。少し考え事をしていた」
俺は首を振る。
このあたりの翻訳事情は、別に教える必要もないか。
教えるとなると、『異世界言語』のスキルや俺の出自について話す必要が出てきてしまう。
それは、まだ早い気がする。
そもそも、俺自身も記憶があやふやだし……。
「で、兄貴。『いんびじぶる・いんすぺくしょん』の意味は?」
流華が改めて尋ねる。
長々と考えを整理するきっかけにはなったが、別にもったいぶるほどのことではない。
「それは、『見えない調査』という意味だ」
「見えない調査……ですか?」
「うわ……。地味……」
紅葉が可愛らしく首を傾げるのと対照的に、流華はジト目で率直な感想を口にする。
ちょっと傷つく反応だ。
確かに、聞き慣れない言語で『インビジブル・インスペクション』と聞いたら何となくカッコよくても、日常的に使っている言語で『見えない調査』と聞いたら地味な印象を受けるかもしれない。
「ま、まぁいいじゃないか。あの技を的確に表現しているだろ?」
「それはそうだけどさぁ……。兄貴……」
「高志様、気を取り直して次にいきましょう! 次!」
紅葉が俺の背中をポンと叩く。
そうだな。
頑張って考えた魔法名を地味と一蹴されただけで、落ち込んでいる場合じゃない。
俺は気を取り直して、次なる独自魔法の説明に移ることにしたのだった。
魔法名として採用する言葉は、2つの条件を満たすのが好ましい。
日常的に発する言葉ではないこと。
そして、意味のない文字の羅列ではないことだ。
例えば、火球を敵に飛ばす攻撃を考えてみよう。
そのまま『火!』と叫ぶだけの魔法名には問題がある。
一見するとイメージしやすいように思えるが、日常的に発する言葉であるため特別感がなく、攻撃魔法としてのイメージを固められないのだ。
逆に、『んじゃらぽぺ!』と意味のない言葉の羅列を魔法名に設定するのにも無理がある。
その名前と『火球を敵に飛ばす攻撃』が結びつかないからだ。
そこで適切な魔法名として挙がるのが、例えば『ファイアーボール』なのである。
古代の魔法使いたちが『火球を敵に飛ばす魔法はファイアーボールである』という共通認識を築いた。
そのため、今では『ファイアーボール』は基礎魔法として多くの人に普及している。
俺にとって火球は日本語で、ファイアーボールは英語だが……。
それは『異世界言語』のスキルが翻訳した結果だ。
翻訳される前の『ファイアーボール』という言葉は、『あまり馴染みがないけど全く知らないわけではない外国語もしくは古代語』といったところだろう。
だが、鎖国国家に住む紅葉や流華にとって、『あまり馴染みがないけど全く知らないわけではない外国語もしくは古代語』に該当する言語はない。
だから、俺が発した『インビジブル・インスペクション』がいい感じに翻訳されず、こうして意味を聞いてきているのだと思われる。
「兄貴?」
「高志様?」
「ああ、いや。少し考え事をしていた」
俺は首を振る。
このあたりの翻訳事情は、別に教える必要もないか。
教えるとなると、『異世界言語』のスキルや俺の出自について話す必要が出てきてしまう。
それは、まだ早い気がする。
そもそも、俺自身も記憶があやふやだし……。
「で、兄貴。『いんびじぶる・いんすぺくしょん』の意味は?」
流華が改めて尋ねる。
長々と考えを整理するきっかけにはなったが、別にもったいぶるほどのことではない。
「それは、『見えない調査』という意味だ」
「見えない調査……ですか?」
「うわ……。地味……」
紅葉が可愛らしく首を傾げるのと対照的に、流華はジト目で率直な感想を口にする。
ちょっと傷つく反応だ。
確かに、聞き慣れない言語で『インビジブル・インスペクション』と聞いたら何となくカッコよくても、日常的に使っている言語で『見えない調査』と聞いたら地味な印象を受けるかもしれない。
「ま、まぁいいじゃないか。あの技を的確に表現しているだろ?」
「それはそうだけどさぁ……。兄貴……」
「高志様、気を取り直して次にいきましょう! 次!」
紅葉が俺の背中をポンと叩く。
そうだな。
頑張って考えた魔法名を地味と一蹴されただけで、落ち込んでいる場合じゃない。
俺は気を取り直して、次なる独自魔法の説明に移ることにしたのだった。
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