【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1479話 風魔法でくすぐり実験

「流華、後ろを向いてくれ」

「う……うん……」

 流華は素直に後ろを振り向く。
 なかなかの大胸筋を持つ彼だが、広背筋はまだまだだ。
 まるで少女のように華奢で美しい。

「兄貴……? えっと、紅葉のときと同じことをするのか……?」

「それもいいが、今回は違った方向性で試してみようと思う」

「違った、方向性……?」

 流華が首を傾げる。
 紅葉と同じでは芸がない。
 新技『エンプフィントリヒ・ユングフラウ』にはとある制約があるため、俺ではその効果の全てを確認できていない。
 紅葉に続いて流華にも協力してもらうことで、より具体的で綿密なデータを収集することができるだろう。

「流華、両手を挙げてくれ」

 俺は指示を出す。
 すると、彼はゆっくりと両手を挙げた。
 彼の美しい脇があらわになる。
 まだ成長中ということもあり、その脇はつるつるのすべすべだ。

「……えっと、これでいいのか?」

「ああ、それでいい。そのまま動くなよ」

 俺は流華から少し離れた後ろに立つ。
 男同士だが、彼は自分の肉体にまだ自信を持てていない様子だ。
 紅葉のように、至近距離から効果を確認するのは酷だろう。
 ならば……

「ひゃあ……っ!?」

 流華が可愛らしい悲鳴を上げる。
 俺が風魔法で彼の脇に微風を送ったからだ。

「な、なにこれ……? くすぐったいよぅ……!」

 流華が身をよじる。
 彼にとっては未知の感覚だろう。
 脇は人体の弱い部分だが、さすがに風ぐらいでくすぐったさを感じるほどではない。
 風魔法で身をよじっている事実は、流華に『エンプフィントリヒ・ユングフラウ』の効果がしっかりと出ている証だった。

「あ……っ、あっ……!」

 風魔法が流華の脇をくすぐる。
 彼は必死に声を押し殺そうとしているが、その努力は実っていないようだ。

「あ、兄貴……。これ、いつまで続くんだ……?」

 もう限界が近いのだろう。
 流華が息も絶え絶えに尋ねてくる。
 だが……

「すまないな、流華。もう少し我慢していてくれ」

「え……っ?」

「まだ、データが不十分なんだ。今後のためにも、しっかりと効果を確認しておきたい」

 俺はそう答えつつ、風魔法を強めた。
 脇以外にも、腹や太ももなど、人体の弱い部分で実験をしていく。

「あっ! あにき……! くふふっ……!!」

 流華が笑い出す。
 もう、くすぐったさに耐えることはできなくなっているようだ。

「あっ、あにき……! もう許して……!」

 彼は懇願するような目を俺に向ける。
 だが……。

「すまないが、もう少し付き合ってくれ」

 俺は首を横に振ると、風魔法の威力をさらに強めたのだった。

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