【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
1473話 紅葉や流華と合流
「ふぅ……。ひどい目にあった……」
拠点の宿屋に戻った俺は、ため息をつく。
まさか、城内に忍び込んだだけであれほどの騒ぎになるとは思わなかった。
「高志様、お怪我はありませんか?」
「紅葉……。ああ、大丈夫だ」
紅葉が俺を心配する。
俺は記憶喪失だ。
うっすら覚えている事実の一つとして、俺が何らかの任務中であるというものがある。
そのためもあってか、記憶喪失前からの家族や友人とはまだ出会えていない。
強いて言えば、『霧隠れの里』の里長カゲロウや巫女イノリぐらいだろう。
だが、彼女たちだって記憶を失う直前に出会ったばかりであり、さほど深い仲ではなかった。
今の俺を心配してくれるのは、紅葉ぐらいのものである。
……いや、もう一人いたな。
「兄貴、本当に大丈夫なのか? なんだか騒ぎになっていたみたいだけど……」
「流華……。心配してくれてありがとう」
俺は弟分の頭をなでる。
彼の名前は流華。
山村で出会った紅葉に続き、中規模な町で出会った少年だ。
彼は、俺のことを兄貴と呼んで慕ってくれる。
今の俺にとって、紅葉と流華は心のより所だった。
「それで、桜花城は攻め落とせそうですか?」
「まだ分からん。思ったより、城の警備が厳重でな……」
俺は首を横に振る。
侍や女中から情報収集をする際、城内の構造や警備体制についてもざっくりと探っておいた。
俺が侵入した1階はぼちぼちくらいの侵入難易度だったが、2階よりも上はそう簡単にはいかないように感じた。
まず、城内の構造が複雑だ。
俺には『気配察知』『視力強化』『聴覚強化』『魔力強化』などのスキルがあり、それらを活用することにより城内の構造を大まかに把握できた。
例えば『中央部に大きな廊下がまっすぐ走り、その左右に小部屋が規則正しく配置されている』というような単純構造ならば、すぐに把握することができる。
だが、城内はそうではなかった。
廊下は入り組み、部屋が無数に存在し、扉で隔てられた小部屋すら何の目的で存在しているのかが分からない。
あの様子では、ところどころに侵入者を害する罠が仕掛けられている可能性もあるな。
それに、城内の侍たちの練度もなかなか高い。
女中の休憩室に駆けつけてきた侍たちは、俺の『デッドリー・ミステイク』という目眩まし技に翻弄されていたが……。
そういう搦め手を用いなければ、苦戦していた可能性はある。
そして、より上層を警備している侍たちが駆けつけてきて、次第に劣勢になって……という展開もあっただろう。
「ううむ……。記憶の手がかりは早く見つけたいが、無策に突っ込むのは危険だな」
俺は呟く。
失われた記憶にはとても大切なことが含まれている気がする。
なんとしても取り戻したい。
だが、焦ってもダメだ。
じっくりと作戦を練るべきだろう。
それに、しばらくすれば紅葉や流華も戦力として計算できるようになるかもしれない。
2人ともまだ加護(微)ではあるが、なかなかに筋が良いからな。
このまま鍛錬を続ければ、そこらの末端武士ぐらいなら倒せるようになるだろう。
加護(小)に至れば、中級武士だってどうにかできる可能性はある。
俺の事情に巻き込むのは申し訳ないところだが、彼女たちだって桜花藩の悪政に苦しめられた身だ。
少しばかり協力してもらうぐらいならば、許されるはず。
「高志様なら、大丈夫ですよ」
「ああ、兄貴ならきっと大丈夫さ! なんたって、格好良い必殺技をたくさん持っているし!」
紅葉が微笑み、流華が笑う。
2人とも俺を信頼してくれているようだ。
その期待を裏切らないようにしなければな。
「おう、ありがとう。……ところで、必殺技って?」
「え? 兄貴の必殺技だろ? 『いんびじぶる・いんすぺくしょん』とか、脱出時に使っていた『でっどりぃ・みすていく』とか……。とにかく、いっぱいあるじゃん」
「高志様の必殺技はどれも素晴らしいですね。私、いつも見惚れてしまいます……。詳しく教えてほしいです!」
流華が言い、紅葉が目を輝かせる。
「あ、ああ……。分かった」
2人の勢いに押され、俺は頷くしかなかったのだった。
拠点の宿屋に戻った俺は、ため息をつく。
まさか、城内に忍び込んだだけであれほどの騒ぎになるとは思わなかった。
「高志様、お怪我はありませんか?」
「紅葉……。ああ、大丈夫だ」
紅葉が俺を心配する。
俺は記憶喪失だ。
うっすら覚えている事実の一つとして、俺が何らかの任務中であるというものがある。
そのためもあってか、記憶喪失前からの家族や友人とはまだ出会えていない。
強いて言えば、『霧隠れの里』の里長カゲロウや巫女イノリぐらいだろう。
だが、彼女たちだって記憶を失う直前に出会ったばかりであり、さほど深い仲ではなかった。
今の俺を心配してくれるのは、紅葉ぐらいのものである。
……いや、もう一人いたな。
「兄貴、本当に大丈夫なのか? なんだか騒ぎになっていたみたいだけど……」
「流華……。心配してくれてありがとう」
俺は弟分の頭をなでる。
彼の名前は流華。
山村で出会った紅葉に続き、中規模な町で出会った少年だ。
彼は、俺のことを兄貴と呼んで慕ってくれる。
今の俺にとって、紅葉と流華は心のより所だった。
「それで、桜花城は攻め落とせそうですか?」
「まだ分からん。思ったより、城の警備が厳重でな……」
俺は首を横に振る。
侍や女中から情報収集をする際、城内の構造や警備体制についてもざっくりと探っておいた。
俺が侵入した1階はぼちぼちくらいの侵入難易度だったが、2階よりも上はそう簡単にはいかないように感じた。
まず、城内の構造が複雑だ。
俺には『気配察知』『視力強化』『聴覚強化』『魔力強化』などのスキルがあり、それらを活用することにより城内の構造を大まかに把握できた。
例えば『中央部に大きな廊下がまっすぐ走り、その左右に小部屋が規則正しく配置されている』というような単純構造ならば、すぐに把握することができる。
だが、城内はそうではなかった。
廊下は入り組み、部屋が無数に存在し、扉で隔てられた小部屋すら何の目的で存在しているのかが分からない。
あの様子では、ところどころに侵入者を害する罠が仕掛けられている可能性もあるな。
それに、城内の侍たちの練度もなかなか高い。
女中の休憩室に駆けつけてきた侍たちは、俺の『デッドリー・ミステイク』という目眩まし技に翻弄されていたが……。
そういう搦め手を用いなければ、苦戦していた可能性はある。
そして、より上層を警備している侍たちが駆けつけてきて、次第に劣勢になって……という展開もあっただろう。
「ううむ……。記憶の手がかりは早く見つけたいが、無策に突っ込むのは危険だな」
俺は呟く。
失われた記憶にはとても大切なことが含まれている気がする。
なんとしても取り戻したい。
だが、焦ってもダメだ。
じっくりと作戦を練るべきだろう。
それに、しばらくすれば紅葉や流華も戦力として計算できるようになるかもしれない。
2人ともまだ加護(微)ではあるが、なかなかに筋が良いからな。
このまま鍛錬を続ければ、そこらの末端武士ぐらいなら倒せるようになるだろう。
加護(小)に至れば、中級武士だってどうにかできる可能性はある。
俺の事情に巻き込むのは申し訳ないところだが、彼女たちだって桜花藩の悪政に苦しめられた身だ。
少しばかり協力してもらうぐらいならば、許されるはず。
「高志様なら、大丈夫ですよ」
「ああ、兄貴ならきっと大丈夫さ! なんたって、格好良い必殺技をたくさん持っているし!」
紅葉が微笑み、流華が笑う。
2人とも俺を信頼してくれているようだ。
その期待を裏切らないようにしなければな。
「おう、ありがとう。……ところで、必殺技って?」
「え? 兄貴の必殺技だろ? 『いんびじぶる・いんすぺくしょん』とか、脱出時に使っていた『でっどりぃ・みすていく』とか……。とにかく、いっぱいあるじゃん」
「高志様の必殺技はどれも素晴らしいですね。私、いつも見惚れてしまいます……。詳しく教えてほしいです!」
流華が言い、紅葉が目を輝かせる。
「あ、ああ……。分かった」
2人の勢いに押され、俺は頷くしかなかったのだった。
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