【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1448話 薄着

「……本当に『これ』が良い謝罪方法なのか?」

「ああ。これなら間違いなく、相手に許しをもらえるはずだ」

「……そうか」

 少年が自信満々に言う。
 俺はまだよく分かっていないが、信じることにした。

「流華もいいか?」

「……ちょっと恥ずかしいけど……。が、我慢する……」

 流華は渋々といった様子で頷いた。
 彼は今、かなりの薄着となっている。

 上半身はボロ切れのみであり、腹や脇が丸見えの状態だ。
 かろうじて隠せているのは、胸部のみ。
 流華は男なので、別に胸部すら隠す必要はないように思えたが……。
 おそらく、貧弱な大胸筋を見られたくないのだろう。
 とても恥ずかしそうだ。

 そして、下半身。
 ズボンを履いているものの、その丈は非常に短くなっている。
 太ももが完全に露出しており、尻も半分見えてるような状態だ。
 前側もぴっちりしている。
 かなり際どい状態だ。
 外側から彼のアレの存在感を感じられないのが気になるが……。
 それほどまでに小さいということだろう。
 あるいは、これから『流華へのお怒り度が高めの人たち』へ謝罪に向かうことを考え、縮こまっているのかもしれない。

 男にとって、自分のモノのサイズや大胸筋の発達度というのは重要な問題だ。
 それらの未発達ぶりを強調する格好を強要され、流華は恥ずかしさや屈辱感を覚えているのだろうな。
 彼の顔は真っ赤である。

「流華、本当に大丈夫なのか?」

「……ああ」

「無理はするな。どうしてもと言うなら、他の方法を考えるぞ」

 俺は男に厳しい。
 だが、流華はまだ12歳ぐらいだし、多少の手心は必要だ。
 少年にとってデリケートな問題を強調して辱めて、トラウマになったら可哀想だし……。
 加護(微)を満たす程度には俺に好感度を持っている者に対して、厳しくしすぎるつもりにもなれない。

「だ、大丈夫。兄貴にこれ以上の迷惑はかけられねぇ」

「迷惑なんて、俺は思ってない。流華が心配なだけだ」

「お、おう……。あ、ありがとよ……」

「ああ」

 俺は頷く。
 流華は顔を赤くし、視線をそらした。
 そして、モジモジしながら言う。

「兄貴は……こういうのだって好きなんだろ?」

「こういうのって?」

「だから……こういう格好で大通りを歩かせることだよ……」

「ふむ……?」

 思わぬ問いに、俺は首をひねる。
 少年に際どい格好をさせて、衆人環視のもと歩かせる。
 かなり特殊な状況だ。

「うーん……。別に好きってわけではないのだが……」

 そもそも、俺は同性愛者ではない。
 仮に女性相手だったとしても、こういった状況を強要して興奮するかと言われると……。
 かなり微妙なところだな。
 愛する女性は俺だけのものだ。
 どうして、他の男たちに見せびらかさねばならないのか。
 背徳感から妙な興奮を覚える可能性はあるが……。
 基本的には、あまり気が乗らない。

「そ、そうなのか?」

 流華が驚いたように言う。
 俺は頷いた。

「ああ」

「……でもよ。ならどうして兄貴のそこは……」

「ん?」

 流華が指さす。
 彼の指の先にあるのは、俺の股間だ。

「……あ」

 流華に指摘されて、俺はようやく自分の状態に気が付く。
 俺の侍装束の股間部分は……大きく膨れ上がっていた。
 バカな……。
 流華は男だぞ?
 確かに、男にしては妙な色気があると思うが……。

「ごほん! と、ともかく! 今すべきことは謝罪回りだ。流華がいいのなら、このまま出発するぞ」

「お、おう! 兄貴に従うぜ!!」

 流華は力強く頷いた。
 こうして、俺たちは謝罪回りに再出発したのだった。

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