【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
1421話 この! このぉ!!
「せっかく貯蔵していた妖力が空っぽになってしまうとは……。いったい何があったんだ?」
「…………」
俺の問いに、イノリは口をつぐむ。
そしてしばらくの間、沈黙が続いた。
「遠慮するな。愛を誓い合った仲だろ? 何か協力できることがあるのなら、喜んで力を貸すぜ」
「…………はぁ……」
俺が言うと、イノリは大きなため息をつく。
そして、渋々といった様子で語り始めた。
「あなたがそれを言いますか……」
「ん? どういうことだ?」
「侵入者であるあなたを排除するため、私は貯蔵妖力を使用して『英霊纏装・並行幻影の術』を発動したのです。妖力が空っぽなのは、あなたが原因ですよ」
イノリが俺を睨む。
涙目なので、さほど怖くはないが……。
「え? マジで?」
「マジです」
「……ごめんなさい」
俺は頭を下げる。
そんな俺に、彼女はポカポカと叩いてきた。
「この! この! このぉ!!」
「ごめんてば……」
「数十年ですよ、数十年! 私たち巫女一族が、それこそ人生を賭けて貯蔵してきた妖力を! このぉ!!」
「本当にごめんなさい!」
俺は全力で謝る。
そんな俺に、カゲロウが助け舟を出してくれた。
「そこまでにされよ、イノリ殿」
「でも……」
「侵入してきたのは高志殿の方とはいえ、私たちが問答無用で撃破しようとしたことも事実だ。双方が全力を尽くした結果、高志殿が勝利した。そして、敗者である私たちの命を見逃してくれたのだ。恨みもあるが、同時に感謝の気持ちも抱くべきだろう?」
「そ、それはそうですけど……」
イノリが渋々うなずく。
だが、彼女はすぐにカゲロウに向かって反論した。
「侵入者の無力化に失敗した上、貯蔵していた妖力を失ったとなると……。御子様がお怒りになられます。下手をしたら……」
「それについては問題ないだろう」
「どうしてです?」
「高志殿は、桜花城を目指すのだ。高志殿はこの『霧隠れの里』から出ていくことになる。それをもって御子様には『撃退した』と報告すればいい。私が先ほどから提案しようとしていた『策』もある」
カゲロウがニヤリと笑う。
彼女の言うことにも一理あるか……。
俺はミッションに従い、桜花城を攻め落とすつもりだ。
それには、まず桜花藩で情報を収集する必要がある。
当然、この『霧隠れの里』からは出ていくことになる。
彼女たちに命令を下している『御子様』とやらには、『貯蔵妖力は空っぽになったが何とか侵入者を撃退した』と報告しても問題ないだろう。
俺という侵入者が佐京藩からいなくなったのは事実なのだから。
撃退後の侵入者(俺)がその後に桜花藩でひと悶着起こしたとしても、彼女たちには関係のないことだ。
ヤマト連邦内の藩同士は緩やかにしか繋がっていないため、佐京藩から遠く離れた桜花藩に何かがあっても彼女たちにダメージはない。
「……『策』ですか。具体的にはどのような?」
「もったいぶらずに教えてくれよ、カゲロウ」
「うむ」
カゲロウが俺に視線を向ける。
そして、はっきりとした声で告げたのだった。
「空間妖術――『神隠しの術』を使う」
「…………」
俺の問いに、イノリは口をつぐむ。
そしてしばらくの間、沈黙が続いた。
「遠慮するな。愛を誓い合った仲だろ? 何か協力できることがあるのなら、喜んで力を貸すぜ」
「…………はぁ……」
俺が言うと、イノリは大きなため息をつく。
そして、渋々といった様子で語り始めた。
「あなたがそれを言いますか……」
「ん? どういうことだ?」
「侵入者であるあなたを排除するため、私は貯蔵妖力を使用して『英霊纏装・並行幻影の術』を発動したのです。妖力が空っぽなのは、あなたが原因ですよ」
イノリが俺を睨む。
涙目なので、さほど怖くはないが……。
「え? マジで?」
「マジです」
「……ごめんなさい」
俺は頭を下げる。
そんな俺に、彼女はポカポカと叩いてきた。
「この! この! このぉ!!」
「ごめんてば……」
「数十年ですよ、数十年! 私たち巫女一族が、それこそ人生を賭けて貯蔵してきた妖力を! このぉ!!」
「本当にごめんなさい!」
俺は全力で謝る。
そんな俺に、カゲロウが助け舟を出してくれた。
「そこまでにされよ、イノリ殿」
「でも……」
「侵入してきたのは高志殿の方とはいえ、私たちが問答無用で撃破しようとしたことも事実だ。双方が全力を尽くした結果、高志殿が勝利した。そして、敗者である私たちの命を見逃してくれたのだ。恨みもあるが、同時に感謝の気持ちも抱くべきだろう?」
「そ、それはそうですけど……」
イノリが渋々うなずく。
だが、彼女はすぐにカゲロウに向かって反論した。
「侵入者の無力化に失敗した上、貯蔵していた妖力を失ったとなると……。御子様がお怒りになられます。下手をしたら……」
「それについては問題ないだろう」
「どうしてです?」
「高志殿は、桜花城を目指すのだ。高志殿はこの『霧隠れの里』から出ていくことになる。それをもって御子様には『撃退した』と報告すればいい。私が先ほどから提案しようとしていた『策』もある」
カゲロウがニヤリと笑う。
彼女の言うことにも一理あるか……。
俺はミッションに従い、桜花城を攻め落とすつもりだ。
それには、まず桜花藩で情報を収集する必要がある。
当然、この『霧隠れの里』からは出ていくことになる。
彼女たちに命令を下している『御子様』とやらには、『貯蔵妖力は空っぽになったが何とか侵入者を撃退した』と報告しても問題ないだろう。
俺という侵入者が佐京藩からいなくなったのは事実なのだから。
撃退後の侵入者(俺)がその後に桜花藩でひと悶着起こしたとしても、彼女たちには関係のないことだ。
ヤマト連邦内の藩同士は緩やかにしか繋がっていないため、佐京藩から遠く離れた桜花藩に何かがあっても彼女たちにダメージはない。
「……『策』ですか。具体的にはどのような?」
「もったいぶらずに教えてくれよ、カゲロウ」
「うむ」
カゲロウが俺に視線を向ける。
そして、はっきりとした声で告げたのだった。
「空間妖術――『神隠しの術』を使う」
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