【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1406話 タカシ=ハイブリッジ『◯◯◯◯・スタイル』

「ちぃっ! どこからこんな力が……!」

「確かに致命の一撃を叩き込んだはず……!」

「このままではマズイのでは……」

 幻影たちがうろたえている。
 俺の底力に驚きを隠せないようだ。
 だが、俺はそれどころではない。

『……レム…………』

 再び、厳かな声が響く。
 この声……。
 聞き覚えはない。
 だが、どことなく炎神プロドナスや海神ポセイドンに似た威厳を感じる。

『……ハ……ム……』

「ハム? あなたは……いったい何を……?」

 俺は思わず尋ねる。
 厳かな声は答えることはなかった。
 俺の体に迸る魔力や闘気は勢いを増していく。

「くっ……! 何なのだ!? この男は!?」

「我ら歴代の巫女が負けることなどあり得ん!」

「数十年の貯蔵妖力を使用し、対象者のあらゆる可能性を演算して再現する秘術だぞ!? この技は破れない!!」

 幻影たちが必死の形相で叫ぶ。
 やはりそうか……。
 龍神ベテルギウスと違い、彼らは異世界から召喚されたわけではない。
 あくまで、俺の存在そのものをスキャンして、その可能性を再現しているに過ぎない。

「俺は負けない! 俺の可能性は無限大だ!!」

『ハー……レム……』

 厳かな声の鮮明度が増した。
 ようやく、何を言っているか分かってきたぞ。
 そして、それと同時に俺の体にさらなる魔力と闘気が漲った。

「うおおおぉおっ! 幻影なんぞに負けてたまるか! 俺はこの世界で、愛する妻や仲間たちと生きていくんだっ!!」

『ハーレム……』

 俺が叫ぶと同時に、厳かな声が響く。
 そして、その瞬間――

「なんだ……!? この光は!?」

「バカな! そんなはずはない!!」

「覚醒しただと……!? そんなことが……!!」

「適応者など、この100年間皆無だったというのに……!!」

「陽炎め……! 迂闊にこの術を使うからこうなるのだ……!!」

「しかしそれにしても、まさか適応して覚醒するとは……!」

 幻影たちが慄いた。
 俺は自分の体に異変を感じる。
 いや、異変ではない。
 これは――覚醒だ!

「うおおぉおおおっ!! 俺は……俺はタカシ=ハイブリッジ『ハーレム・スタイル』だぁあ!!」

 俺は高らかに名乗りを上げる。
 そして、俺の体から眩い光が放たれた。

「う、うわああああぁっ!!」

「かつてない力がくる……!!」

「こ、こんな馬鹿なことがっ……!!」

 幻影たちが狼狽えている。
 所詮は幻。
 土壇場になると、その精神力は脆いな……。
 本来の人格であるイノリの個性が表れているのか、それとも歴代の巫女たちの経験によって形成されているのか。
 それは分からないが……。

「はあぁああっ!! 俺は、勝つ!!!」

 俺は全身に漲る凄まじい力を感じつつ、闘気と魔力を全力で練り上げる。
 そして、右手を天に掲げた。

「いっけええぇええっ! 【インペリアル・シャイニング・バスター】ああぁ!!!」

 俺が叫ぶと同時に、古代遺跡の天井から眩い光の柱が降り注ぐ。
 それは、幻影たちを一瞬で飲み込むと、そのまま大爆発を起こしたのだった。

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