【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
1354話 くだらないハーレム
「お、お前たちはいったい……?」
俺はそう問いかける。
10人を越える男たち。
その全員の顔は同じだった。
髪型や服装は少しずつ違うが、全員が同じ顔をしているのだ。
「なんだぁ? こいつ……」
「へぇ……。この因果律の中では、こうした方向性で強化したのか」
「興味深いですな。男爵様にお仕えする上で、参考といたしましょう」
男たちは口々に言葉を発する。
その声質は同じだった。
口調は違うが、声質は同じだ。
「まさか、お前たちは……」
俺は1つの可能性に思い至る。
だが、それを口にできなかった。
そんな俺に対して、男たちが答える。
「ああ……。俺たちはお前だよ」
「正確には、『あり得たかもしれない因果律のお前』だ」
「簡単に言えば、並行世界ですな。まぁ、私どもはあくまで幻影ですが……」
彼らはそんなことを言った。
やはりそうか……。
俺は納得する。
彼らは、パラレルワールドから召喚された俺なのだ。
いや、幻影とか言っているし、あくまで仮想の存在なのか?
「ならば話し合おう。俺よ」
「不可能だ。俺たちはあくまで幻影。元人格であるイノリの意思に従い、お前を封印する」
俺は対話を試みる。
だが、1人の俺に拒否された。
他の俺もうなずいている。
異なる世界から人物を召喚する魔法は、ダダダ団のリオンも行っていたが……。
それとは少し違うのか?
並行世界の人格を召喚したわけではなく、あくまで再現しているだけなのかもしれない。
元の肉体はイノリのものであり、その肉体に幻影が憑依している感じか。
「ただでやられると思うなよ? 俺は『ステータス操作』によって数多くのスキルを強化してきたんだ」
「それは、こっちだって同じさ。いや、お前は選択を誤っている分、こっちの方が有利か」
「へっ……。器用貧乏ってのはお前のことだ。目移りして、いろんなスキルを伸ばしたみたいだな? 雰囲気だけで分かるぜ。自分の『スタイル』ってやつを確立できてねぇな」
俺は俺同士で対峙する。
選択を誤った?
器用貧乏?
スタイル?
「何か文句でもあるのか? 俺は愛する妻たちのため、そして大切な仲間たちのため、懸命に努力してきた。その成果がこれだ」
「ふふ……。いい気にならないことですな。チートを使えば、その程度は誰でもできることです。あなたは結局、何も選んでいないだけでしょう」
1人の俺が言い放つ。
10人以上いる俺の幻影の中で、主に口を開いているのは今のところ3人。
その中で、彼の口調だけが丁寧だった。
しかし、その内容は辛辣である。
「なんだと……?」
「あなたは多くのスキルを強化し、数多くの魅力的な女性と知り合った。かつて無職童貞だった身には、過分な幸運でしょう。だが、それで満足して何も選ばなかった」
「違う。俺はみんなを幸せにするために行動してきた」
「流されるままに行動しただけですな。くだらないハーレムを築けただけで満足して、1人の女性を真摯に愛することを怠った」
「ぐっ……」
俺は反論できない。
事実かもしれないと思ったからだ。
生物学的に言えば、人間は動物だ。
あくまで獣の一種に過ぎない。
獣としての本能に従うなら、自分の遺伝子を残すために行動するのが当然。
つまり、できるだけ多くのメスに種付けしていくことが優先事項となる。
それが自然の摂理だ。
しかし……どうだろう?
人間が生物としてより高みに登ろうとするなら、純愛という道もあるのかもしれない。
オスとしての獣じみた本能に支配されていては、人間ではなくなってしまう。
少なくとも、俺は今の妻たちとの日々に満足しているし、幸せを感じている。
だが、それはあくまで俺の主観の話だ。
彼女たちが不満を感じていないとも限らない。
やはり1人の女性を愛し、その人との子どもだけを作るのが、最も理想的なのかもしれない……。
「ふ……。どうやら図星みたいですね」
俺が考え込むと、俺が勝ち誇ったような笑みを浮かべる。
他の幻影たちも俺を嘲笑した。
「諦めて封印されることだな。この俺の『紅剣インフェルノ』で、お前を焼き尽くしてくれる!!」
1人の俺が、巨大な剣を構える。
その刀身は紅く燃えていた。
あれは……かつてミティが作ってくれた『紅剣クリムウェル』に酷似している。
だが、その質はそれを凌駕しているように見えた。
それに、彼が身につけている鎧も高品質なものばかりだ。
まさか、並行世界のミティが作った武具だとでも言うのか?
「ま、待て……!」
「待たない。この世界のマイエンジェルは、お前の所業に悲しんでいるはずだ。その罪、お前の命で償え!! 【魔皇炎斬】ん!!!」
「くそっ!!」
俺は『紅剣クリムウェル』で応戦する。
だが、その武器性能には差がありすぎた。
「ぐおおぉっ!?」
俺は剣閃に混じった魔力の刃に焼かれ、後方に吹き飛ぶ。
その瞬間、俺の脳内に流れ出した。
存在しないはずの記憶が……。
俺はそう問いかける。
10人を越える男たち。
その全員の顔は同じだった。
髪型や服装は少しずつ違うが、全員が同じ顔をしているのだ。
「なんだぁ? こいつ……」
「へぇ……。この因果律の中では、こうした方向性で強化したのか」
「興味深いですな。男爵様にお仕えする上で、参考といたしましょう」
男たちは口々に言葉を発する。
その声質は同じだった。
口調は違うが、声質は同じだ。
「まさか、お前たちは……」
俺は1つの可能性に思い至る。
だが、それを口にできなかった。
そんな俺に対して、男たちが答える。
「ああ……。俺たちはお前だよ」
「正確には、『あり得たかもしれない因果律のお前』だ」
「簡単に言えば、並行世界ですな。まぁ、私どもはあくまで幻影ですが……」
彼らはそんなことを言った。
やはりそうか……。
俺は納得する。
彼らは、パラレルワールドから召喚された俺なのだ。
いや、幻影とか言っているし、あくまで仮想の存在なのか?
「ならば話し合おう。俺よ」
「不可能だ。俺たちはあくまで幻影。元人格であるイノリの意思に従い、お前を封印する」
俺は対話を試みる。
だが、1人の俺に拒否された。
他の俺もうなずいている。
異なる世界から人物を召喚する魔法は、ダダダ団のリオンも行っていたが……。
それとは少し違うのか?
並行世界の人格を召喚したわけではなく、あくまで再現しているだけなのかもしれない。
元の肉体はイノリのものであり、その肉体に幻影が憑依している感じか。
「ただでやられると思うなよ? 俺は『ステータス操作』によって数多くのスキルを強化してきたんだ」
「それは、こっちだって同じさ。いや、お前は選択を誤っている分、こっちの方が有利か」
「へっ……。器用貧乏ってのはお前のことだ。目移りして、いろんなスキルを伸ばしたみたいだな? 雰囲気だけで分かるぜ。自分の『スタイル』ってやつを確立できてねぇな」
俺は俺同士で対峙する。
選択を誤った?
器用貧乏?
スタイル?
「何か文句でもあるのか? 俺は愛する妻たちのため、そして大切な仲間たちのため、懸命に努力してきた。その成果がこれだ」
「ふふ……。いい気にならないことですな。チートを使えば、その程度は誰でもできることです。あなたは結局、何も選んでいないだけでしょう」
1人の俺が言い放つ。
10人以上いる俺の幻影の中で、主に口を開いているのは今のところ3人。
その中で、彼の口調だけが丁寧だった。
しかし、その内容は辛辣である。
「なんだと……?」
「あなたは多くのスキルを強化し、数多くの魅力的な女性と知り合った。かつて無職童貞だった身には、過分な幸運でしょう。だが、それで満足して何も選ばなかった」
「違う。俺はみんなを幸せにするために行動してきた」
「流されるままに行動しただけですな。くだらないハーレムを築けただけで満足して、1人の女性を真摯に愛することを怠った」
「ぐっ……」
俺は反論できない。
事実かもしれないと思ったからだ。
生物学的に言えば、人間は動物だ。
あくまで獣の一種に過ぎない。
獣としての本能に従うなら、自分の遺伝子を残すために行動するのが当然。
つまり、できるだけ多くのメスに種付けしていくことが優先事項となる。
それが自然の摂理だ。
しかし……どうだろう?
人間が生物としてより高みに登ろうとするなら、純愛という道もあるのかもしれない。
オスとしての獣じみた本能に支配されていては、人間ではなくなってしまう。
少なくとも、俺は今の妻たちとの日々に満足しているし、幸せを感じている。
だが、それはあくまで俺の主観の話だ。
彼女たちが不満を感じていないとも限らない。
やはり1人の女性を愛し、その人との子どもだけを作るのが、最も理想的なのかもしれない……。
「ふ……。どうやら図星みたいですね」
俺が考え込むと、俺が勝ち誇ったような笑みを浮かべる。
他の幻影たちも俺を嘲笑した。
「諦めて封印されることだな。この俺の『紅剣インフェルノ』で、お前を焼き尽くしてくれる!!」
1人の俺が、巨大な剣を構える。
その刀身は紅く燃えていた。
あれは……かつてミティが作ってくれた『紅剣クリムウェル』に酷似している。
だが、その質はそれを凌駕しているように見えた。
それに、彼が身につけている鎧も高品質なものばかりだ。
まさか、並行世界のミティが作った武具だとでも言うのか?
「ま、待て……!」
「待たない。この世界のマイエンジェルは、お前の所業に悲しんでいるはずだ。その罪、お前の命で償え!! 【魔皇炎斬】ん!!!」
「くそっ!!」
俺は『紅剣クリムウェル』で応戦する。
だが、その武器性能には差がありすぎた。
「ぐおおぉっ!?」
俺は剣閃に混じった魔力の刃に焼かれ、後方に吹き飛ぶ。
その瞬間、俺の脳内に流れ出した。
存在しないはずの記憶が……。
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